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27日の夕方に発熱し、翌日医者でA型インフルエンザと診断されました
このためこちらの更新もできずにおりましたが、なんとか熱も下がり
来週から通常通りに更新させていただきます。
よろしくお願いいたします。

新型インフル感染記ものちほどアップいたします。

牛熊
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by nihonkokusai | 2009-10-30 18:43 | 趣味関心 | Comments(0)

「平成維新と明治維新」

 鳩山首相は26日の衆院本会議で、就任後初となる所信表明演説に臨み、今回の政権交代を国民の選択と強調し、明治維新を引き合いに無血の平成維新と銘打って国政の変革に取り組むと宣言し、予算編成手法の根本的見直しを掲げるなど、戦後行政の大掃除に取り組む姿勢を表明した。

 大掃除のついでに政府債務残高も少し掃除してくれるとうれしいが、そもそも新政権は予算編成の基本方針のひとつとして国債マーケットの信頼確保を掲げていたはずが、昨日の鳩山首相の所信表明演説には、その文言が抜けおちていた。

 今朝の日経新聞には、国債金利上昇が発する警告との社説が掲載された。最近の(長期)金利の上昇は変化の兆しかもしれないと指摘した。実際にはまだそう結論づけるのは早いと思うが、ここにきて債券市場では国債需給への懸念が高まっていることは確かであり、社説では、せめて財政再建の目標をつくらないと、国債金利の上昇に拍車をかける恐れがあると指摘した。

 鳩山首相は明治維新を引き合いに出したが、この明治の新政権は西南戦争のための費用調達のため、大量の不換政府紙幣、不換国立銀行紙幣を発行し、これにより貨幣の価値が急落し激しいインフレーションを招いた経緯がある。

 このインフレに対応するため、大蔵卿(現在の財務大臣)の大隈重信は積極財政を維持したまま、外債を発行することによって不足している銀貨を得て、それを市場に流せば安定すると主張した。

 これに対して、現在の次官にあたる大蔵大輔の松方正義は、明治維新以来の政府による財政の膨張がインフレの根本原因であるとし、不換紙幣を回収することがインフレに対しての唯一の解決策であると主張し、この松方の主張は大隈の財政政策を根幹から否定するものであり2人は対立した。

 このため伊藤博文が松方を内務卿に抜擢すると言う形で財政部門から切り離して、一旦は事態収拾が図られた。ところが、1881年の「明治14年の政変」によって大隈が政府から追放されると、今度は松方が大蔵卿に任命され、インフレ対策のために自らの主張した政策を実行し、それが日本銀行の設立へと繋がって行く。

 平成の新政権もいずれ積極財政か緊縮財政かの大きな選択を迫られるはずである。歴史は結局、財政の健全化を選択したが、それはその後の歴史を見ても正しい選択であった。歴史の教訓を生かせるのかどうか。鳩山政権の行方も気になるところである。
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by nihonkokusai | 2009-10-27 08:55 | 国債 | Comments(0)

「国債市場特別参加者会合(第29回)議事要旨より」

 国債市場特別参加者会合(第29回)議事要旨(http://www.mof.go.jp/singikai/kokusai/gijiyosi/c211023.htm)より、財務省が行なった発行計画の下期見直しについての説明をみると、

 ・国債の個人向け販売分については、計画上「個人向け国債」が年間2.4兆円計上されているのに対して、これまで年間4回の販売のうち3回が実施されており、1.1兆円の販売にとどまっている。最終回の販売も過去最低の水準である0.3兆円程度と見込めば、年間1.4兆円の販売となり計画比1兆円程度の下振れが見込まれる。

 ・「新型窓販」についても1.8兆円の計画に対して、これまで7ヶ月の販売実績が0.5兆円程度にとどまっており、今後も販売のペースが直近程度の水準で継続することになれば、年間1兆円程度の下振れが見込まれる。したがって、合計2兆円程度の下振れ分への対応を議論していただくこととなる。

 ・マーケット関係者の中では、「発行計画に計上されている物価連動債(3,000億円)、15年変動債(3,000億円)についても今年度中の発行は困難と見込まれることから、今回の見直しのタイミングにあわせて計画から落として、他の年限に振り替えることを考えるべき」との声も多数聞かれているところであり、この点も今回の見直しのタイミングで対応すべきかどうかについても議論いただければと考えている。したがって、今回のタイミングで対応するということになれば総額で2.6兆円程度の振り替えを議論していただくことになる。もちろん、こうした対応となる場合であっても、発行当局が、両債券にコミットメントしていることに変わりはなく、その旨は強調させていただきたいし、両債券について来年度の発行計画においても盛り込む方向で議論させていただきたいと考えている。

 以上のように、今回の国債市場特別参加者会合では国債の個人向け販売分の下振れ分の2兆円程度と、物価連動債(3000億円)と15年変動債(3000億円)が今年度発行が困難との市場の声を受けて、この分も含めて、総額で「2.6兆円」程度の振り替えが議論された。

 増額は11月からのイメージする声が多かったものとみられ、11月入札分(11月発行の2年国債の入札は10月28日のため2年は年度内はあと4回になる)からを想定した主な意見は以下の通り。

 ・1~10年でバランス良く配分したほうがよい。内訳は、1年T-Billを月2,000億円増額し5回、2年債を月2,000億円増額し4回、5年債を月1,000億円増額し5回、10年債を月1,000億円増額し4回とし、合計2.7兆円という意見が、出席者3名から出された。

 ・1年T-Billを月1,000億円増額し5回、2年債は月2,000億円増額し4回、5年債は月1,000億円増額し5回、10年債は月1,000億円増額し4回、さらに超長期債の入札が予定されていない3月に30年債を1回追加することとしてはどうか。振り替え額が多すぎる場合は、10年債、30年債の順に増額を見送っていただきたいとの声もあった。

 ・2年債を月1,000億円増額し4回、5年債は月1,000億円増額し5回、10年債は月1,000億円増額し5回、30年債及び40年債も1回当たり1,000億円ずつ増額する。加えて30年債を3月に1回追加する形とし、毎回の発行額を7,000億円としてはどうか。

 これらを見る限り今回の2.6兆円程度の分の増発については、、1~10年でバランス良く配分してくる可能性が高いとみられ、それぞれ1000億円から2000億円の増額が予想される。超長期ゾーンの増額の可能性もありそうである。

 第Ⅱ非価格競争入札と流動性供給入札については以下のような説明が財務省からあった。

 ・第Ⅱ非価格競争入札については、現状において実績が計画を上振れしているが、市場環境等によるので基本的に据え置くことを考えている。流動性供給入札の在り方について、複数の方からご指摘があったが、流動性供給入札のほか国債管理政策全般について、現在、国の債務管理の在り方に関する懇談会において議論を深めることとしている。もちろん本会合での議論を排除するということではなく、今後も四半期見直しや、来年度の発行計画の議論の際等に議論していただければと思う。
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by nihonkokusai | 2009-10-26 09:56 | 国債 | Comments(0)

「ソブリン・デフォルト」


 ニューヨーク・タイムズが「日本がデフォルト(債務不履行)の危機に陥るか、通貨価値が崩壊する」との説を紹介したそうだが、ここにきて日本の財政悪化がクローズアップされつつある。

 政府も、国家戦略室の下に「財政に対する市場の信認確保に関する検討会」を設置する方針を決めたと伝えられた。来年度予算編成での国債発行や財政規律のあり方などに関して経済・金融の専門家や市場関係者から意見を聞き、来年度予算に反映させたい考えだそうである(日経新聞)。

 ただし、来年度予算に果たしてどれだけ財政規律が意識されるのか。新規国債の発行額を44兆円程度に抑えるのでは財政規律を重んじたとは言えない。44兆円という数字自体が異常に大きなものであることを認識すべきであろう。

 海外からは日本を財政を危惧する声も上がってきているが、過去の歴史の中で、金融危機に陥った2~3年後あたりから、ソブリン・デフォルト(政府債務不履行)の大波に襲われてきたと分析した本(「THIS TIME IS DIFFERENT:Eight Centuries of Financial Folly」)も一部話題になっている。

 すぐに日本の財政が破綻するとか、国債が暴落することは考えられない。しかし、年々、新規国債が発行されここにきてその増加ペースが早まってきていることは、ありえないとみられていた日本のソブリン・デフォルトの危険性を少しずつ高めていることは確かなことである。

 果たして日本の国債発行にどれだけ市場が耐えられるのか。破綻に向けた耐久レースなどは行なうべきものではない。まだ、市場には若干の余裕もありそうなうちに財政再建に向けて手を打っておかなければ、いずれ取り返しのつかない事態になりうる。
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by nihonkokusai | 2009-10-23 14:41 | 国債 | Comments(0)

「スワップ市場から仕掛け的な動き拡がる」

 昨夕、超長期ゾーンのスワップに対してかなりの払いが入ったとの観測があった。今月の入ったあたりから、超長期ゾーンのスワップなどでかなり仕掛け的な動きが入ってきているとの観測がある。アセットスワップに絡んだ動きとの見方もある一方、スワップやスワプションを使った円金利のスティーニング・ポジションを作っているのではないかとの見方もでている。。また、米英日のスティープナーを強く推奨するレポートが出ていたとの観測もあった。

 実際に22日の債券市場では、超長期の売りが現物全般に波及し、債券先物のも久しぶりに仕掛け的な動きが見えた。先週あたりのスワップの超長期ゾーンの動きは、道路30年債のディープ・ディスカウント債発行による影響との指摘もあった。ここにきてのスワップでの超長期ゾーンの払いは、道路債や結果が低調となった20日の20年国債のヘッジの動きなども入った可能性があるが、それとともに国債需給の悪化を意識してスティーニング・ポジションを形成してきていることが要因ではないかと思われる。

 またこれまでのヘッジファンドなどとは別の海外からの新手が入ってきたのではないかとの観測もある。いずれにせよ、ここにきてヘッジファンドもだいぶ息を吹き返してきたところも出てきたことで、あらためて市場に参加してきたところもありそうである。

 ヘッジファンド等のあらためた参入により、市場は膠着相場を離れ動きを取り戻してくる可能性がある。今後も超長期ゾーン主体にがやや荒れた動きをする可能性がありそうで注意も必要か。
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by nihonkokusai | 2009-10-22 12:58 | 債券市場 | Comments(0)

「今後の国債発行計画予想」

 23日に国債市場特別参加者会合、27日に国債投資家懇談会が開催される。今年度二次補正予算などに伴う今後の国債増発の行方について議論されるものと思われるが、現在、推測可能な範囲で今後の国債発行の動向を予想してみたい。

 最初に今年度第一次補正予算後のカレンダーベースでの国債発行計画を確認したい。補正に伴う国債増発は昨年7月発行分からスタートした。

40年国債 0.2兆円×1回 0.3兆円×3回 計1.1兆円
30年国債 0.5兆円×2回 0.6兆円×4回 計3.4兆円
20年国債 0.9兆円×3回 1.1兆円×9回 計12.6兆円
10年国債 1.9兆円×3回 2.1兆円×9回 計24.6兆円
5年国債 2.0兆円×3回 2.3兆円×9回 計26.7兆円
2年国債 2.0兆円×3回 2.4兆円×9回 計27.6兆円
1年短国 1.9兆円×3回 2.3兆円×9回 計26.4兆円
6か月短国 0.9兆円
15年変国 0.3兆円
物価連動 0.3兆円
流動性供給 0.15兆円×6回 0.3兆円×18回 計6.3兆円
合計 130.2兆円

 そして、現在確認できる今年度内の国債増発額を確認してみたい。すでに2009年度における6兆円超の税収の落ち込みを国債の追加発行で補うことが報じられている。第二次補正予算では雇用対策費など景気対策費が計上される可能性があるとともに、地方交付税交付金は税収減分の見合い分が削減され、規定経費の削減なども見込まれる。このため第二次補正予算による国債増発の具体額は想定しづらいため、ここではそのまま「6兆円」と推定してみたい。

 今年度の個人向け国債の販売額は当初計画を1兆円近く下回り、新型窓口販売分も進捗状況からは当初予定の1.8兆円の半額程度となると推定され、1月発行の個人向け国債の販売分などの今後の状況次第では多少の変化はあるものの、2兆円近くが市中消化に振り返られる可能性がある。

 さらに当初発行を予定していた物価連動国債(3千億円)、変動利付国債(3千億円)については発行が見送られる可能性が高く、この6千億円分も他の国債に振り返られることになる。

 このため今年度国債発行予定額の中で個人向け販売分の予定不足分と物価連動・15年変国の発行見送りにより、都合「2.6兆円」規模で他年限国債への振り替えが必要となる。

 このように現状6兆円の増発とともに2.6兆円規模の別な年限への国債振り替えが予想される。本来ならば、第二次補正予算や来年度予算にともなう国債発行計画を確認の上での増発が筋となろうが、年度末までの時間も限られてしまうことで早期の手当ても必要となろう。来年度予算に絡んでは出納整理期間内発行(特例国債の発行時期を翌年度の6月末までとする制度)などでの調整も可能である。

 今年7月からの第一次補正にともなう増発後の国債入札結果を見てみると、2年、5年の中期ゾーンは余剰資金を抱えた銀行の需要を背景にテールも比較的短く、応札倍率もそこそこ高い。ただし、直近の入札の応札倍率が5年が2.17倍、2年2.48倍とそれぞれやや低下していたことがやや気掛かり。それに対して10年債入札結果は直近の入札時のテールは1銭、応札倍率3.5倍としっかり。超長期も20年、30年ともに結果は悪くなかった。

 増額可能な年限としては、2年、5年の中期ゾーンと20年、30年の超長期主体となりそうであるが、10年も余地はありそう。ただし、いきなり大幅増額すると消化への懸念も強まる恐れがある。それぞれ万遍なく増額される可能性もある。ただその多くは短国の発行で補う可能性があり、さらに足りない分は前倒し発行(借換債は年度を越えて前年度に前倒して発行ができる)の調整などを含めて補うといったことも想定される。
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by nihonkokusai | 2009-10-21 13:39 | 国債 | Comments(0)

「国債増発により出口が塞がれる懸念」

 日銀はここにきて足元の景気判断を上方修正させている。16日に発表された地域経済報告(さくらレポート)において、景気判断を「全体として持ち直しの動きがみられる」とし前回の「下げ止まりつつあるものの、引き続き厳しい状況にある」から上方修正された。また、すべての地域で判断が引き上げられた。

 景気が最悪期を脱しつつあるとしても、政府の経済対策の効果も大きく長続きするかどうかは不透明であり、二番底を探る動きとなる可能性も否定はできない。また方向としては底打ちしてきたとはいえ、生産等の絶対的な水準はまだまだ低い。このため、日銀の出口戦略をここで議論するのも時期尚早であることは重々承知している。しかし、中国やインド、ブラジルなどの新興国の経済成長を原動力に、米国経済を含めて世界経済がこのまま回復基調を継続する可能性がないとも言えないはずである。

 このため来年以降、日銀があらためて非常時の金融政策からの出口を探る動きを強めたとしてもおかしくはない。実際にCPや社債の日銀の買い入れは年内で停止される可能性が高く、また、企業金融支援特別オペも早ければ年内に打ち切られる可能性も出てきている。もちろん企業金融支援特別オペが打ち切られても、共通担保オペなどを増やすなど日銀は等分の間は潤沢な資金供給を継続させよう。

 さすがに超低金利政策を変更するには、かなり慎重になってくると思われる。それでも景気回復に自信を深めれば、日銀プロパーである白川総裁を中心に、超低金利政策解除に向けて一気に舵を切ってくる可能性がある。

 しかし、その際に障害となりそうなのが国債需給動向である。2009年度の国債発行額は初めて50兆円台に拡大し、2010年度も44兆円程度の国債が発行される可能性がある。

 現在は日銀の超低金利政策の継続やデフレ圧力の強まり、景気悪化による設備投資の減少などによる貸し出しなどの伸び悩みなどにより、国債へと資金は向かいやすくなっている。しかし、国債需給にとっての好環境がこのまま続くという保証があるわけでもない。

 もし、国債の需給への懸念が強まれば、日銀に対して国債買入の増額などを求める声が強まる可能性がある。以前に日銀出身である民主党の大塚耕平氏(現内閣府副大臣)が政府と中央銀行はアコード(政策協定)を結ぶ必要があるとの発言もあったぐらいである。実質的な金融引き締めに転換する際の政府により中央銀行に対してのプレッシャーは今に始まったことではなく、ある意味長い歴史を伴っているものでもある。

 日銀の金融政策を決定する政策委員は、現在1名の審議委員が欠員となっている。12月2日に任期満了となる水野審議委員の後任人事も含めて、民主党がどのような日銀人事を行なってくるのかも注目されよう。
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by nihonkokusai | 2009-10-20 11:16 | 日銀 | Comments(0)

「国債発行額が税収を上回る異常事態」

 20日の日経新聞の一面に藤井財務相とのインタビュー記事が掲載され、この中で藤井財務相は2009年度における6兆円超の税収の落ち込みを国債の追加発行で補う考えを示した。

 これにより今年度の新規国債発行額は補正後の44兆円から、初めて50兆円台に拡大する見通しとなった。国債の発行額が税収を上回るのは、戦後混乱期の1946年度以来となる。

 1947年以降は国債発行をせずに歳入を全額、税収や日本銀行納付金などの税外収入で賄えた均衡予算主義をとっていたが、昭和40年不況の影響などにより1966年1月に国債発行が再開された。それ以降、新規国債の発行額が税収を上回るのは初めてのケースとなる。

 政府による今年度の補正予算の見直しで捻出した約3兆円は、税収の下振れの穴埋めには転用せず、福祉などの来年度予算の財源として使うことも藤井財務相は明らかにした。これは今年度の予算は基本的に前政権の責任、来年度予算から現政権の責任であることを明確にしたものとみられる。

 今年度の二次補正予算にともない約6兆円規模の国債が増発される可能性が高まった。さらに今年度の国債発行については、別途2.6兆円規模の年限振り替えが必要となる。

 今年度の個人向け国債の販売額は当初計画を1兆円近く下回り、新型窓口販売分も当初予定の1.8兆円を大きく下回ることが予想されることから、今後の状況次第では2兆円近くが市中消化に振り返られる可能性がある。加えて、当初発行を予定していた物価連動国債(3千億円)、変動利付国債(3千億円)については発行が見送られる見通しとなり、この6千億円分も他の国債に振り返られることとなる。このため今年度国債発行予定額の中で、都合2.6兆円規模で国債の他年限の振り替えも今後実施される

 今年度の6兆円規模の税収不足見込み、個人向け販売の低迷による振り替え等はある程度織り込み済みでもあり、これによる債券市場への影響は限定的かと思う。

 そうは言うものの収入(税収)よりも借金(国債発行額)が多いというのは、やはり異常な事態と言わざるを得ない。さらに、来年度予算編成の行方が不透明であるため、先行きの国債需給への懸念が完全に払拭されたわけではない。

 来年度予算については、一般会計の概算要求が95兆円程度と過去最大規模に膨らんだ。藤井財務相はこれを92兆円以下に抑える考えを表明した。

 歳出面の内容を見ると、民主党が衆院選マニフェストで掲げた公約実現のために必要な約7.1兆円の支出が上乗せされた結果一般歳出は50兆円を大幅に超える規模が予想される。地方交付税が17兆円程度、国債の償還などに充てる国債費が22兆円程度見込まれる。

 歳入面からみると、税収は40兆円割れとなると見込まれる。民主党の公約にある暫定税率の廃止にともなう2兆円程度の分は、地球環境温暖化対策税への振り替えの可能性を藤井財務相は示した。その分の減額は回避されるものの、いずれにしても税収総額は40兆円割れとなる可能性が高い。

 そして、今年度の補正予算の見直しで捻出した約3兆円分も福祉等に充てることで来年度予算の財源となる。「その他収入」については財務省の平成21年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算では8.2兆円程度を見込んでいたが、特別会計の埋蔵金や公益法人の内部留保の取り崩しなどにより、2009年度当初予算の約9兆円よりも積み増す意向も財務相は示した。

 最終的な歳出総額などが明らかにならないと必要となる国債発行額の想定も難しい。来年度の国債発行額に対しては、藤井財務相は今年度の国債発行額(補正後44兆円)よりも減らすとしている。総額そのものを92兆円以下に減額し、今年度の補正予算の見直しで捻出した約3兆円分が財源に組み込まれ、税収の減少要因とみられていた暫定税率の廃止にともなう分の税収は地球環境温暖化対策税への振り替えとなれば、新規国債の発行額を44兆円以下に抑えることも可能ではなかろうか。

 しかし、来年度の国債発行計画では、今年度の国債発行総額の149兆2044億円(一次補正後)、カレンダーベースでの発行額の130兆2000億円(同)を大きく上回ってくることはほぼ確実である。
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by nihonkokusai | 2009-10-20 11:15 | 国債 | Comments(0)

「支店長会議総裁開会挨拶要旨より」

16日に開催された日銀支店長会議の総裁開会挨拶要旨が日銀のホームページにアップされた。今回の総裁開会挨拶要旨と前回7月に開催された際のものと比較してみたい。

(10月)昨年秋以降同時かつ急速に悪化した世界経済は、このところ改善の動きが見られている。

(7月)年秋以降、米欧の金融システムや国際金融資本市場の動揺が深刻化する中、世界経済は同時かつ急速に悪化したが、最近では、金融・実体経済の両面で悪化テンポの鈍化あるいは下げ止まりの動きがみられる。

景気に対しての基調判断は7月の「下げ止まり」との表現から「このところ改善の動きが見られている」に大きく改善させている。

(10月)わが国の景気は、持ち直しつつある。公共投資が増加を続けているほか、内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出や生産も増加を続けている。設備投資の減少ペースは緩やかになってきている。一方、厳しい雇用・所得環境が続く中で、個人消費は全体としては弱めの動きとなっており、住宅投資は減少している。

(7月)わが国の景気については、大幅に悪化したあと、下げ止まりつつある。企業収益が大幅に悪化するもとで、設備投資は大幅に減少している。また、雇用・所得環境が厳しさを増す中で、個人消費は弱まっており、住宅投資も減少している。一方、輸出や生産は、大幅に落ち込んだあと、持ち直しに転じつつある。この間、公共投資は増加している。

7月には、輸出や生産は大幅に落ち込んだあと持ち直しに転じつつあるとしていたが、10月には内外の在庫調整の進捗や海外経済の持ち直し「とりわけ新興国の回復」などを背景に輸出や生産も増加を続けているとしており、特に中国向けなどの輸出の回復が今回の景気回復に大きな影響を与えてたことを強調している。

(10月)先行きについては、国内民間需要は、厳しい収益環境や雇用・所得環境が続くもとで、引き続き弱めに推移する可能性が高い。一方、海外経済の改善が続くことなどから、輸出や生産は増加を続けるとみられる。また、公共投資も、当面は増加を続けると見込まれる。このため、わが国の景気は、持ち直していくと考えられる。

(7月)先行きについては、国内民間需要は、厳しい収益環境が続き、雇用・所得環境も厳しさを増すもとで、引き続き弱まっていく可能性が高い。一方、輸出や生産は、内外の在庫調整の進捗を主因に、持ち直しを続けるとみられる。この間、公共投資も増加を続けると見込まれる。このため、わが国の景気は、当面は下げ止まりの動きが次第に明確になっていく可能性が高い。

個別の先行き見通しについてはあまり大きな変化がない。しかし、総括判断は「当面は下げ止まりの動きが次第に明確になっていく可能性が高い」から「持ち直していくと考えられる」に上方修正されている。

(10月)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給バランスが緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、下落幅が拡大しているが、今後は、石油製品価格などの影響が薄れていくため、下落幅を縮小していくと考えられる。

(7月)物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きを反映して足もと低下しており、今後は、需給バランスの悪化も加わって、マイナス幅を拡大していくとみられる。

消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については7月の見通しのようにマイナス幅を拡大してきたが、今後については石油製品価格などの影響が薄れるため「下落幅を縮小していく」としている。

(10月)この間、わが国の金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが拡がっている。CP・社債市場では、低格付社債を除き、良好な発行環境となっている。企業の資金繰りや金融機関の貸出態度については、中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている。

(7月)この間、わが国の金融環境をみると、CP・社債市場の発行環境が一段と改善してきているほか、銀行貸出は、大企業向けを中心に高めの伸びを続けている。資金繰りや金融機関の貸出態度については、悪化に歯止めがかかる動きがみられるものの、なお厳しいとする先が多い。

CP・社債市場の発行環境については「一段と改善」から「低格付社債を除き、良好な発行環境となっている」としており、また金融機関の貸出態度については、7月の「なお厳しいとする先が多い」との表現を残しながら10月は「改善の動きが続いている」としている。

(10月)わが国金融システムについては、内外金融資本市場が概ね落ち着いて推移し、景気が持ち直しつつある中で、総じて安定性を維持している。ただし、海外金融システムには依然脆弱性が残り、厳しい企業業績や雇用・所得環境が続くもとで信用コストが増加を続ける可能性があることなどを踏まえると、先行きについては引き続き注意が必要である。

(7月)わが国金融システムについては、内外金融資本市場における緊張感が和らいでいることなどを背景に、全体としては落ち着きを取り戻しつつある。ただし、金融機関の2008年度決算は全体として最終赤字となり、金融機関の間の経営体力のばらつきが拡大しているなど、金融機関経営の動向については、引き続き注意が必要な状況にある。

国内金融システムについては、「落ち着きを取り戻しつつある」から「安定性を維持している」と安定してきたことを示し、7月の「金融機関の間の経営体力のばらつきが拡大」との表現がなくなり、10月には「信用コストが増加を続ける可能性」を指摘している。

(10月)日本銀行としては、当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路へ復帰していくため、中央銀行として最大限の貢献を行っていく方針である。

(7月)日本銀行では、昨年秋以降、金融政策面からわが国経済を支えるため、政策金利の引き下げ、金融市場の安定確保、企業金融円滑化の支援という3つの柱を中心に、様々な措置を実施してきた。また、金融システムの安定を図るため、金融機関保有株式の買入れを再開したほか、金融機関向け劣後特約付貸付の供与を実施している。日本銀行としては、当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路へ復帰していくため、中央銀行として引き続き最大限の貢献を行っていく方針である。

最後のまとめに際して、7月はこれまで行なっていた日銀の政策を強調していたが、10月はその部分は削除されている。危機意識が7月に比べてだいぶ後退してきたとの表れとも思われる。
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by nihonkokusai | 2009-10-19 10:08 | 日銀 | Comments(0)

「概算要求は94兆円台に」

 財務省が昨日締め切った2010年度予算の概算要求で、一般会計の歳出総額が94兆円台に達したと日経新聞が報じた。本日夕方にも財務省が要求額を正式発表するが、ほぼこの数値に近いものであろう。

 94兆円台となれば、2009年度当初予算の88兆5480億円よりも6兆円程度多くなり、8月末時点の92兆1300億円を超え、過去最大だった2004年度の89兆1494億円をも上回り、要求額としては過去最大となる。民主党が衆院選のマニフェストに盛り込んだ政策を実行するのが主因とみられている。

 今日午前の閣僚懇談会で、藤井財務相は、野党時代には予算の水ぶくれを批判していた、その原点に戻ってくれないと駄目だ、と述べたと伝えられた。まさ今回の概算要求額は水ぶくれと指摘されても致し方のないものとなろう。

 今後は年末までの予算査定で、どこまで減額できるかが焦点となる。藤井財務相は来年度の国債発行額は今年度の国債発行額(補正後44兆円)を上回らないように方針のようだが、2009年度の税収は当初見込みの46兆円を大きく下回り、40兆円を割り込むとの予想となるなど、かなり歳出を絞り込まなければ、今年度以上の国債発行額となる。

 カレンダーベースの国債市中発行額を見ると、2009年度は130.2兆円と2005年度の118.3兆円を抜いて過去最高水準を記録している。2010年度はそれをさらに上回ることが予想される。果たしてこれだけの国債が消化可能なのか。日銀の超低金利政策の継続、デフレ圧力、貸し出しなどの伸び悩みなど国債需給にはプラス要因も多いが、国債にとり好環境がこのまま続くという保証があるわけでもない。市場は不安感を感じるだけでも大きく揺れ動くこともある。財政規律をしっかり守る姿勢を今後も示すことは新政権にとっても重要な課題であろう。
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by nihonkokusai | 2009-10-16 14:27 | 国債 | Comments(0)
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