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「国債の翌日決済を検討」(一部修正)

 9月30日付けの日経新聞によると、証券、銀行など金融業界と日銀、金融庁は国債の決済日を現在の売買日の3日後(T+3)から、翌日(T+1)に短縮する方向で検討に入ったと伝えている。ちなみにT+1のTとは「Trade date」のことで証券の売買が成約された日、つまり約定日を意味する。慣行上、T+1は「ティプラスいち」、T+3は「ティプラスさん」といった呼び方をしている。

 国債など金融商品の決済期間の短縮は、未決済残高を減少させ、結果として決済リスクを削減するための有力な手段となる。たとえば急激な相場変動が起きた際にも決済不履行などの事故が生じる決済リスクを軽減させられる。

 昨年秋のリーマン・ショック後の市場混乱をきっかけに、市場の安定化を目指し、国債のペーパーレス化も進んでいたことなどもあり、以前からの懸案事項でもあった国債の翌日決済などの制度改革に取り組むようである。

 大手の証券、銀行、生保などが今月に入り、国債決済の短縮化を目指す専門委員会を設置したと日経新聞は伝えている。これは日本証券業協会が事務局となる「国債の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」のことを指すとみられる。

設置要綱 http://www.kessaicenter.com/finish/kokusaik-yoko.pdf

委員名簿 http://www.kessaicenter.com/finish/kokusaik-meibo2.pdf

 これは1998年9月に設立されたGSTPA(Global Straight Through Processing Association)を意識したものではないかと思われる。GSTPAとはグローバルな証券取引におけるSTPを推進させるため、欧米の主要なバイサイド、セルサイド、カストディアンが結集して設立したものである。STP(Straight Through Processing)とは、約定から決済や商品受け渡しまでの事務を自動的に処理することである(野村資本市場研究所のサイトより http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/1999/1999sum08.html)。

 国債の決済に関しては、1995年時点ですでにアメリカ、イギリスなどは約定日から起算して2営業日目(T+1)つまり翌日決済を行っていたが、当時日本ではまだ特定日決済の5・10日決済をおこなっていた。ちなみに「特定日決済」とはある期間に約定された取引の決済をすべて特定の日に行う決済である。これに対して取引を常に約定日から一定期間経過後に決済するのは「ローリング決済」と呼ばれる。

 その後日本でも1996年9月19日の売買分より、約定日から起算して8営業日目(T+7)に決済を行うローリング決済に移行し、1997年4月21日売買分から約定日から起算して4営業日目(T+3)に決済を行うことになり、現在に至っている。

 ただし、すでに日本では証券と資金の振替が同時に行われる決済方式であるDVP決済が1994年に導入され、2001年からは国債決済にRTGS(即時グロス決済)が導入された。また、2005年5月からは日本国債清算機関の業務が開始されるなどしており、現在のT+3でもシステマティックリスクなどの国債の決済に対してのリスクはかなり軽減されている。

 リーマン・ショックのような異常事態が発生しない限りは未決済残高に関わるリスクが発生する可能性は低く、、巨額のシステム費用をかけてまで、T+1を推し進めるインセンティブは業界内ではさほど強くはないはずである。また、国債の翌日決済を実現するには、レポ市場の受け渡しを「T+0」に縮小する必要などもある。さらに日本ではフェールの問題も完全にクリアーとなっていない側面もある。慣行としてフェールは良くないとの認識も強く、そういった慣行となっている業態もある。そして、国債だけでなく株や一般債などでも同様の決済期間の短縮が図られると、さらにフェールの問題などが発生しうる。

 日経新聞は国債の翌日決済の時期導入は国債の決済を担っている日銀がシステムを刷新する2015年が当面の目標となる見通しと伝えているが、具体的にそのような動きとなっているのかもどうやら不透明のようである。
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by nihonkokusai | 2009-09-30 10:47 | 国債 | Comments(0)

「8月全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月比マイナス2.4%」

 29日の朝方発表された8月全国消費者物価指数の除く生鮮、いわゆるコア指数は前年同月比マイナス2.4%となり、下落幅は比較可能な1971年以降で過去最大を更新した。ただし、ほぼ市場の予想通りとはなったことから市場への影響は限られた。

 昨年の原油など商品価格の急上昇の反動といった面もあるが、景気悪化に伴う需要不足の影響も大きく、変動が大きい生鮮食品を除く食料は2006年8月以来のマイナスに転じた。

 需要の後退により企業も衣料品などの価格引下げを余儀なくされているようで、同時に発表された9月の東京都区部の消費者物価指数も、コア指数は前年同月比マイナス2.1%となったが、衣料品などの下落幅は前月より大幅に拡大していた。下落率は前月の1.9%を上回り、こちらも比較可能な1971年以降で最大の落ち込みとなった。
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by nihonkokusai | 2009-09-30 09:18 | 景気物価動向 | Comments(0)

「8月の鉱工業生産速報は前月比プラス1.8%」

 朝方に発表された8月の鉱工業生産速報は前月比プラス1.8%となり6か月連続の上昇(前年同月比はマイナス18.7%)と、ほぼ事前予想に近いものとなった。生産の上昇に寄与した業種は、鉄鋼業、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業等。

 8月の出荷は、前月比1.0%の上昇と6か月連続の上昇(前年同月比はマイナス18.6%)、8月の在庫は前月比0.0%の横ばい(前年同月比はマイナス10.4%)となった。8月の在庫率は前月比マイナス0.8%と3か月連続の低下となった(前年同月比はプラス11.4%)。

 製造工業生産予測調査によると、9月は前月比1.1%の上昇、そして10月は同2.2%の上昇となり、先行きも回復基調が継続との予測に。

 経済産業省は基調判断を「生産は持ち直しの動きで推移している」とし据え置いた。
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by nihonkokusai | 2009-09-30 09:08 | 景気物価動向 | Comments(0)

「2009年度上期の金融市場」


 今日で今年度の上半期が終了することで、4月から半年間の相場の動向を見てみたい。

 まず、日経平均株価は右肩上がりの上昇基調となった。4月は8351.91円でスタートし、ここが安値となり、8月には10639.71円まで上昇した。世界的に景気回復基調となったことが背景にあるが、他国の株式市場に比較して戻りはやや鈍かった。

 外為市場のドル円の動きを見ると、4月に一時101.44円まで円安となったが、その後は再び円高圧力が強まり、今月に入り88円22銭をつけており、この円高も東京株式市場の上値を抑えたものとみられる、

 10年国債の利回り、つまり長期金利は4月は1.330%でスタートし、いったん利回りは上昇し6月に1.560%をつけたが、その後は再び利回りは低下圧力が強まって、7月に1.270%まで低下し、今月に入って昨日1.275%をつけている。余剰資金を抱えた銀行さんなどが積極的に中短期債を購入し、それが長期債にも及んだことがこの利回り低下の大きな背景にあった。それを裏返せば、設備投資が回復しないなど貸し出しが伸びず、個人も消費を抑えて安全な預金に資金をシフトしているということでもあろう。
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by nihonkokusai | 2009-09-30 08:47 | 債券市場 | Comments(0)

「バランスシート調整に関する政策委員間の見方の相違」

 25日に発表された8月10、11日の金融政策決定会合議事要旨の中において、バランスシート調整に関する政策委員間の見方の相違があったようである。

 金融経済情勢に関する委員会の検討の中での海外の金融経済情勢について、「多くの委員は、在庫調整が終了し、政策効果が一巡した後の海外経済の改善ペースと持続性には、依然として不確実性が大きいと述べた」とある。

 これに関してある委員は、「今回の信用バブルの崩壊が実体経済に影響を与えてきた経路を、バランスシート調整と流動性危機に始まる信用収縮との2つに整理し、最近の景況感の改善は、後者が各国の政策対応等を通じて収まってきたことの表れと評価される」と述べた。

 その上で、この委員は「今後はバランスシート調整が焦点となるが、調整には時間がかかるため、先行きの景気回復テンポは緩やかかつ不確実なものとならざるを得ない」と述べた。

 これに対して別の委員が、「バランスシート調整に相応の時間を要するのは確かであるが、これが経済に与える影響度合いの評価に当たり、90年代の日本の経験を直接当てはめる形で悲観的な見通しを立てることが適当かどうかは、議論の余地がある」と付け加えていた。

 この2人の「バランスシート調整」に関する委員の微妙な見解の相違に注意したい。今後の景気回復について悲観的に見ている市場関係者などは前者の委員の見方に近いのではなかろうか。反対に今後の景気動向を比較的楽観的に見ているむきは後者の委員の見方に近いのではなかろうか。

 そして議事要旨には、「この間、何人かの委員は各国で講じられている積極的な財政・金融政策が、やや長い目でみると世界経済に過度な振幅をもたらすリスクや、経済に新たな歪みを蓄積させるリスクについても指摘した。」とある。

 「この間」という表現が面白い。後者の委員は前者の委員の意見に「付け加えた」とあるが、実際にはこの2人の委員はかなり活発な議論を交わした可能性がある。そして「その間」に他の委員から上記のような意見も出されたのではないかと推測される。

 結局、今後のバランスシート調整について、日本と同じ轍を踏むのか。そして各国の積極的な財政・金融政策がどの程度経済に振幅をもたらすのか、といったところが今後の経済の先行きを占う上での大きなポイントとなることは確かである。
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by nihonkokusai | 2009-09-29 09:37 | 日銀 | Comments(0)

「2009年03月末現在の国債保有者別残高」

 9月17日に日銀が発表した2009年4~6月資金循環勘定速報によると、家計の金融資産は2009年3月末の1410兆4430億円から、2009年6月末は1441兆3391億円と31兆円程度増加した。

 この家計の金融資産のうち、株式は2009年3月末の50兆2692億円から66兆1274億円と16兆円程度増加し、投資信託については2009年3月末の47兆2437億円から、2009年6月末は49兆9437億円とこちらは2.7兆円の増加となっていた。また定期性預金については2009年3月末の456兆5568億円から、2009年6月末は460兆6797億円と4.1兆円程度の増加となった。

 2008年9月15日のリーマン・ブラザーズの破綻をきっかけとした金融経済危機により、日経平均株価は2009年3月10日に7054.98円まで下落した。2009年3月末の日経平均は8109.53円となっていたが、2009年6月末は9958.44円に上昇した。各国政府の経済対策や中央銀行の積極的な対応が功を奏し、世界的に景気が回復基調となったことで、株価も上昇し個人保有の株式資産を含め、また金融資産全体も増加したものと思われる。投資信託の増加も同様の理由であろう。定期性預金も増加しており安全資産へのシフトも継続している。

 この資金循環勘定速報をもとに 2009年6月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。

 国債の残高そのものは、2009年3月末比5兆8515億円減の675兆8029億円となった。海外投資家のシェアは、6.1%と3月末の6.4%からやや減少し、金額ベースでは2兆3811億円の減少となった。海外投資家は引き続き日本国債においてもポジション解消の動きを強めた結果とみられる。家計の全体に占めるシェアは5.3%となり、3月末の5.3%と大きな変化はなかった。

 3月に比べ全体の残高が減少したが、最大の減少額となったのは銀行など民間預金取扱機関の3兆3295億円の減少、次に日本銀行の3兆1026億円の減少、海外投資家が2兆3811億円の減少、公的年金の1兆3783億円の減少となった。反対に増加したのが民間の保険年金の2兆4869億円の増加、投信など金融仲介機関の2兆2840億円の増加となった。

 全体に占めるシェアとしては、民間預金取扱機関が244兆8126億円で36.2%、民間の保険年金が163兆6598億円で24.2%、公的年金が79兆6818億円で11.8%、日本銀行が52兆8377億円で7.8%、海外が41兆3637億円で6.1%、家計が35兆5508億円で5.3%、投信など金融仲介機関が34兆3157億円で5.1%、財政融資資金が1兆1202億円で0.2%、その他が22兆4606億円で3.3%となった。
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by nihonkokusai | 2009-09-25 14:49 | 国債 | Comments(0)

「日本の財政に不安」

 24日付けの日経新聞に、財務省は国の財政に関する国民の意識調査を実施したとの記事が掲載された。インターネットを使ったアンケート(調査は同省の委託を受けた博報堂が6月に実施)で成人男女2000人に回答を求めたところ、日本の財政について「とても不安・不満」と感じている人が68%に上ったそうである。「やや不安・不満」との回答も31%で、ほとんどの人が国の財政を懸念していることが分かったそうである。

 インターネットを使ったアンケートということで、やや年代層に偏りが出る可能性もあるが、それでも日本の財政について7割近い国民が不安を感じているとの結果は注目すべきであろう。民主党政権となっても、藤井財務相が財政規律を重視する姿勢を示したのも、こういった国民の意識を受けてのものであろう。

 この財政に不安を感じている国民層が、果たして国債の信用度をどのように認識しているのかにも興味がある。財政悪化イコール国債暴落といった意識が強いのか。そうであれば国債の発行が順調に行なわれ、国債の価格の裏返しとなる長期金利が低位安定している事実をどのように理解しているのかも聞いてみたいところ。

 また、税金や社会保険料の「負担」と「受益」の関係については「負担ほどは公共サービスは受けられない」(89%)との回答が「負担以上に公共サービスが受けられる」(2%)との回答を大きく上回ったそうである。75%の人は「現状のまま財政赤字を放置すると現在の社会保障制度は維持できない」と認識していることも明らかとなったとか。これは消費税増税も意識してのアンケートのように思われるが、日本の財政悪化の中での、日本の将来を考えれば消費税増税はある意味不可避であろうとの認識も強いように思われる。

 財政赤字の理由については(複数回答)、「無駄遣いが多い」(72%)、「国の政策が失敗している」(52%)との回答が多かったそうである。今回、民主党政権が「無駄遣い」をどの程度、ピックアップできるのかも興味深い。


そして、財務省のイメージ(複数回答)については、40~50%が「国民のことがわかっていない」「責任感が不足している」との厳しい認識が示されたとか。財務省の方々にいろいろお世話になっている私自身は全くそういったイメージはないが、国民の認識がこのようなものであるということは気に留めておく必要もありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-09-25 09:43 | 国債 | Comments(0)

「8月の貿易統計」


 財務省が24日に発表した8月の貿易統計によると、輸出は対前年同月比36.0%減(7月は同36.5%減)となり、輸入は対前年同月比41.3%(同40.8%)の減少となり、前月に比べ輸出の減少幅がやや縮小したが、輸入の減少幅はやや拡大した。差し引きでは、1857億円の黒字となった。

地域別にみると
対米国では輸出が34.4%減(7月39.5%減)、輸入が38.4%減(同35.0%減)
対EUでは輸出が45.9%減(7月45.8%減)、輸入が24.2%減(同31.0%減)
対アジアは輸出が30.6%減(7月29.9%減)、輸入が30.7%減(同31.7%減)
対中国では輸出が27.6%減(7月26.5%減)、輸入が23.4%減(同26.5%減)

 欧州向けの輸出がさらに減少し、対米では輸出の減少幅は縮小した。輸入については欧州向けがやや減少幅が減少したが、中でも医薬品の輸入が増加した。
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by nihonkokusai | 2009-09-24 13:32 | 景気物価動向 | Comments(0)

「個人向け国債販売低迷で市中消化に振り替えも」


 23日の日経新聞では、財務省が個人向け国債の販売低迷を受けて、2009年度の販売計画に届かない分について、一般の国債の市中消化分に振り替える方針を固めたと伝えた。市中消化に切り替えるのは、金融機関などの窓口販売分を含めて約1.5兆円となるようである。

 今年度の個人向け国債の販売計画は2.4兆円となっているが、しかし4月と7月の発行分では、約8千億円の販売実績にとどまっている。現在募集中の10月発行分の個人向け国債の表面利率は5年固定金利物で0.6%(税引き前)と7月発行分より低下しており、今回の募集分も低迷すると予想され、このままのペースでは今年度の個人向け国債の販売額は当初計画を8千億円程度は下回ることとなる。

 これにより1.5兆円以上が市中消化に振り返られる可能性があり、5兆円程度と予想されている税収見積もりの下方修正分を含めて、今年度国債の増発要因となりうる。
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by nihonkokusai | 2009-09-24 09:47 | 国債 | Comments(3)

「債券相場の当面の動向予想」


 9月24日には大量の国債償還と7.8兆円の国債発行が行われる。9月の国債の大量償還に伴う手当て買いは一巡し、また9月末の中間決算期末を睨んでの大手銀行による債券の残高積み上げや益出しの売りもいったん収まるとみられる。

 このため、9月末にかけては店頭での動きは鈍くなることが予想される。今後の国債需給を見る上では、鳩山政権誕生後の政策の行方も注意が必要か。政府は補正予算の執行が停止され、10月2日までに無駄を点検するとしている。数兆円と想定している削減が可能なのかどうか見極めたい。

 そして、9月22日から23日に開催されるFOMCや、24、25日の金融サミットの動向にも注意が必要か。米国では22日に430億ドルの米2年債入札、23日に400億ドルの米5年債入札、24日に290億ドルの米7年債入札が予定され、この結果を受けての米国債券市場動向にも注意したい。

 10月に入り、大手銀行などによる下期初の運用がどのようなかたちで行なわれるかにも注目が集っている。売りが先行するのか、それとも残高積み増しを進めるのか見方は分かれているが、10月の債券相場はこの銀行の動きに大きく影響されそうである。

 経済指標としては29日に発表される8月全国消費者物価指数、30日発表の8月鉱工業生産速報、そして10月1日の日銀短観などにも注意が必要か。

予想レンジ 1.29%~1.36%
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by nihonkokusai | 2009-09-18 15:45 | 債券市場 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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