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「預金保険機構による金融資産買い取り策」

政府・日銀が公的資金を活用し金融機関が抱える不良債権を中心に幅広い金融資産を買い取る新たな制度を導入する方向で検討と産経新聞が伝えた。預金保険機構を通じて実施していた措置を復活させ、銀行が取引先企業から引き受けた社債やCPのほか、株やデリバティブなどに対象を広げる。買い取り規模は10兆円程度となる可能性も。買い取り再開は、白川日銀総裁が今月に入り、中川財務・金融相に申し入れ水面下で検討を始めていたとも伝えられた。
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by nihonkokusai | 2008-12-30 10:12 | 債券市場 | Comments(0)

「今年もお世話になりました」

今年はショックの年となりました。もちろん100年に一度と言われた金融ショックもありますが、ねこやんさんが亡くなってしまったことが最大のショックです。亡くなってからあらためて気が付いたのは、ねこやんさんの存在の大きさでした。あらためてご冥福をお祈りいたします。

来年は丑年ですが、どうも株式市場では「牛年」は必ずしもブル(強気)の年ではなく、むしろ下落していることが多いようです。今回の金融そのもののショックは、世界的に政府や中銀の対応により今後は落ち着いてくるものと思われます。しかし、景気そのものについては今後さらに落ち込みが懸念されます。物価も下落基調が強まるものとみられ、ほんの数ヶ月前にインフレと騒いでいたものが、今度はデフレが懸念されるような状況となっています。しかし、インフレ懸念と同様にデフレについてもさほど深刻化はしないものと思われます。

1929年の大恐慌当時と大きく異なるのはそのスピード感にあります。各国の政策対応も、日本のバブル崩壊時などを教訓として、結果としてはそれなりのスピード感を持って可能な手を打ってきており、あとはマインドの変化を待つ必要がありそうです。景気回復までには少なくとも来年一杯はかかるとの見方が多いようですが、期待も込めて来年中の景気回復を予想したいと思います。

今年もたいへんお世話になりました。来年も引き続きよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。
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by nihonkokusai | 2008-12-30 09:38 | 債券市場 | Comments(2)

「2008年の金融危機」

100年に一度とも言われた2008年の金融危機を振り返るにあたり、12月25日の香川県金融経済懇談会における日銀の亀崎審議委員の挨拶要旨(http://www.boj.or.jp/type/press/koen07/ko0812e.htm)で簡潔にまとめられており、それを元にして今回の金融危機を振り返ってみたい。

米国における住宅ローンにおいて信用度の低い借り手向けの「サブプライム住宅ローン」の問題が2006年頃に発生した。これによる金融市場の混乱は昨年夏以降本格化することになる。

金融機関は自ら設立した投資ヴィークル(SIV)に住宅ローン債権を移し、そこが証券化商品を発行・販売することで、リスクとリターンとを投資家に移転する一方、その手数料を得ていた。このモデルならば自らの財務の健全性を保ち、自己資本比率規制などを回避しながら安定的な収益が得られる。しかし、手数料だけではそれほど利益が出ないことから融資の規模を拡大し、さらに多数の証券化を手掛けているうちに貸出基準に緩みが生じ、過剰な住宅ローン融資が行われるようになった。

金融機関は証券化の手法を用いて投資家にリスクを移転したことで、融資先のリスク管理が甘くなり、投資家も証券化を通じ原資産であるローンに対して関心が薄れ、またあまりに複雑すぎてそのリスクを確認できない状態にあった(これには格付会社の問題も加わる)。

2006年半ばに高騰していた米住宅価格が下落に転じ、一部の住宅ローンが担保割れとなった。米国の住宅ローンは個人の信用ではなく住宅の価値と紐付いているものが多いことから、担保割れすると融資の回収不能リスクが高まる。それを担保とした証券化商品の損失リスクが高まり、証券化商品そのものの価格が下がる結果となり、実際の損失発生の有無にかかわらず時価評価を行っている投資家に損失が発生し、損失処理のための売りが売りを呼んで価格は大きく下落した。

最初の危機はSIVから発生した。欧州のあるSIVが保有する住宅関連資産の時価を評価できなくなったことから経営不安となり、資金繰りが逼迫して活動停止に追い込まれた。これを契機に他のSIVや、その資金調達を支援していた金融機関の資金繰りが困難となり金融市場の混乱に広がった。これにより昨年8月9日のパリバ・ショックが発生し、米国をはじめ世界中の金融機関に問題が拡がった。

危機は資金繰りの困難化の問題から始まったことから、各国中央銀行は大量に資金供給を実施し市場の鎮静化を図った。昨年12月にFRBが欧州中央銀行(ECB)、スイス国民銀行(SNB)とスワップ取極を結んで欧州でのドル資金供給を始めた。

流動性危機は収まっても、米国の住宅価格と関連する証券化商品の価格の下落が止まらない限り金融機関の資産は劣化するため、問題の根本解決にはならない。このため次に金融機関の不良債権と資本不足の問題に焦点が当たることとなった。

当初は中東をはじめとする各国の政府系ファンド(SWF)などが出資に応じたが、株価の下落もあり次第に出資の引き受け手が減ってきた。今年1月18日には、証券化商品を保証していたモノライン会社が資本調達難から格下げされ、証券化商品全体の価格下落に拍車をかけることとなる。

3月14日には証券化商品を大量保有していた投資銀行のベア・スターンズが資本調達の失敗から資金繰りに行き詰まりFRBの資金支援のもと、JPモルガン・チェースに買収された。

7月13日にはGSEsと呼ばれる政府の住宅政策の一翼を担っていた政府系金融機関が経営危機に陥り、政府の資本注入などで経営再建を図ることになった。

9月15日に、証券化商品により大きな損失を抱えていた投資銀行のリーマン・ブラザーズが、資本調達にも身売りにも失敗し、経営不安に陥り破綻したことで、これによりリーマンショックが発生した。リーマン・ブラザーズのような大規模金融機関が破綻し、世界の金融市場は極度の不安に陥ったのである。これを受けて金融市場では資金余剰の先はリスクがあれば運用しない、資金不足の先は担保があっても資金が得られないという状態(カウンター・パーティーリスクの強まり)となった。

これを受けて、各国の中央銀行は大量の資金供給を開始した。この時点では、ほぼ中央銀行のみが資金供給に応じるという状況となった。日銀も連日数兆円の資金供給を実施。特にドル資金の不足は世界に広がったため、FRBは9月18日から24日にかけて、日銀のほか、イングランド銀行、カナダ銀行、オーストラリア準備銀行など、合計9か国にスワップ網を広げ、各国同時にドル資金供給を行う仕組みを開始した。日銀とBOE、ECB、SNBは、その後、事前に決めた金利で、担保の範囲内で必要なだけドルを供給する方式に変更している。10月29日にはFRBはメキシコや韓国の中央銀行などともスワップ取極を結んだ。

一方、リーマン・ショックを受けて、巨大金融機関の破綻がもたらす影響を懸念した米国政府は、その後は金融機関を破綻させない方向に舵を切り、FRBは9月16日に米国の大手保険会社AIGに対して緊急融資を行うことを表明した。

金融機関の不良債権と資本不足の問題に対し米国財務省は最大7千億ドルを投入して、幅広く金融機関の不良債権を買い取る「緊急経済安定化法案」を議会に提出した。が個別企業を税金で救済することの是非が問われ、9月29日に下院で否決された。これは金融市場に再び大きなショックを与え、29日のダウ平均株価は終値で777ドル安と史上最大の下げ幅を記録した。

議会は10月3日にこの法案を多少修正した上で認めた。議会通過後、財務省は法案が採り得る施策の自由度が高いことを利用し、この資金を不良債権の購入ではなく金融機関への資本注入に充てることとした。このほか預金保険公社のFDICは金融機関の発行する社債の保証や、預金保護の上限引き上げ策、FRBは短期の企業債務であるCPの買入、SECは空売り禁止策など、様々な施策を打ち出した。

欧州各国も預金の全額保護や金融機関の国有化・資本注入、短期債務保証など、様々な施策を迅速に打ち出した。また金融グローバル化のもとで、問題解決に向けた国際協調も行われ、10月8日には各国中銀が一斉に利下げを行ったほか(この際に日銀は利下げは見送り)、同10日のG7財務大臣・中央銀行総裁会議が金融市場安定化に向けた「行動計画」を発表した後に、各国の金融機関救済策が相次いで発表された。また11月15日の金融サミットや22日のAPEC首脳会議など、ことあるごとに協調姿勢を示す声明文が公表された。

実体経済への影響も深刻化し、特にアイスランド、ハンガリー、南アフリカなど、経済が米欧金融機関からの借入に過度に依存していた国では経済危機に陥り、IMFなどからの緊急融資を頼ることとなった。その他の国でも金融機関がリスクのある融資に慎重となったことから、景気を冷やしそれが金融機関の不良債権の増加に繋がり、また融資姿勢の慎重化に繋がるという悪循環に陥った。

金融と実体経済の負の連鎖が世界で最も懸念された問題となり、日欧米が景気後退となるなどの事態に。大規模な景気刺激策が中国のほか、欧州各国も打ち出したが、米国では自動車大手メーカーの救済方法が不透明となったことに加え、大統領の交代期で有効な政策がなかなか打ち出しにくい状況となっていたことにより、オバマ新大統領就任後の施策が注目されることとなった。

日銀は10月31日と12月19日にそれぞれ政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標値を0.2%ずつ引き下げた。12月19日の決定会合ではCPの買い入れや、国債買入の増額なども決定した。
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by nihonkokusai | 2008-12-29 10:01 | 日銀 | Comments(0)

「11月20日~21日の日銀の金融政策決定会合議事要旨より」

本日、11月20日と21日に開催された日銀の金融政策決定会合議事要旨が発表された。

この中で国内景気について、政策委員は、既往のエネルギー・原材料価格高の影響や輸出の減少などから、停滞色が強まっており、当面、こうした状態が続く可能性が高いとしている。世界経済の減速や国際金融資本市場の動揺を踏まえると回復への条件が整うには、相応の時間を要する、との見方で一致。

相応の時間とはどの程度の時間を想定しているのだろうか。

何人かの委員は、先行き、経済や物価の下振れリスクが顕在化する蓋然性は高まっているのではないかとの認識を示した。物価について多くの委員が、景気の下振れリスクが顕現化する場合には、物価も下振れるリスクがあることに注意する必要があると述べた。

ただし、物価が想定よりも高止まる可能性もあると、指摘していた委員もいた。

そして、総裁とみられる委員は、今後、エネルギー・原材料価格の低下を反映して、物価上昇率が一時的に大きく低下していく可能性があるが、物価の安定については中長期的な視点から判断していくことが重要であり、この点について適切な情報発信をしていく必要があるとも指摘している。

たとえCPIが一時的に再びマイナスとなっても、金融政策は中長期的な視点から判断していくということか。

金融環境について、中小・零細企業で資金繰りが悪化しているほか、大企業においても市場での資金調達環境が悪化している先が増えるなど全体として緩和度合いが低下しているとの認識で一致。

CPや社債市場において信用スプレッドが拡大しているほか、起債見送りの動きが拡がるなど市場での資金調達環境は悪化しているとの認識で一致。何人かの委員はマクロでみるとCPや社債による調達額の減少は、銀行貸出でカバーされており、1999年のような大規模な信用収縮が起こってはいない、と述べていたようだ。

たしかにある程度銀行貸出でカバーされ、信用収縮は起こってないとはいえ、政府による資金繰り支援緊急保証制度の利用が広がるなど特に中小企業の資金繰りはかなり厳しいことも事実。

多くの委員は、現時点では前回決定会合(10月31日)で行った政策金利の引き下げや新たに導入した補完当座預金制度の効果を見極める段階にあるとし、この際には金融政策は現状維持となっている。

複数の委員は、前回の決定会合の採決結果に関する市場の受け止め方等を踏まえ、採決結果の対外公表の方法について工夫の余地があるのではないかと述べたが、これは是非検討していただきたい。

年末年度末に向けた積極的な資金供給など適切な金融市場調節を通じて金融市場の安定確保に万全を期していくことが重要であるとの見解で一致。 資金需要が高まる年末、年度末に向けて企業金融円滑化のために、具体的な対応策をとる必要があるとの見解でも一致。

このため、何人かの委員は現在の日本の金融環境は中央銀行が直接、信用リスクをとる必要があるほど悪化している訳ではないのではないか、と述べた。ある委員は、先行きの情勢次第では、中央銀行が信用リスクをとっていく政策も視野に入れる必要があるのではないかと述べていたが、これが12月2日の臨時会合、そして12月19日の追加利下げ含めた積極対応へと繋がることになる。
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by nihonkokusai | 2008-12-25 09:57 | 日銀 | Comments(1)

「牛年の債券相場の動向予想」

2008年は9月のリーマン・ショックをきっかけに金融市場が混乱の度を深め、実態経済にも大きな影響を与え、日米欧がそろって景気後退に陥った。各国の中央銀行は積極的な金融緩和策を実施し、年末にFRBは実質ゼロ金利政策を導入し日銀も政策金利を0.1%に引き下げた。各国政府も積極的な景気対策を行なっているが、1月20日にオバマ新政権が発足する米国ではさらなる経済対策が打ち出される。ただし、政府支援が決定した米大手自動車メーカーの先行きに不透明感も残るなど、年を越えての世界の金融市場は引き続き波乱含みとなる可能性も残る。しかし株式市場や外為市場など、一時のパニック的なポジション調整の動きは次第に影を潜め、今後はファンダメンタルズを意識しての動きが強まるとみられる。景気回復まではかなりの時間を要し、年内の回復は難しいとの見方もあるが、危機感が多少なり後退すれば、牛(ブル)年ということもあり、多少なり明るい兆しが見えてくる可能性にも期待したい。債券相場は特に米国債が積極的に買われているが、いずれその反動が出る可能性もあり注意したい。円債については日銀の利下げもあったが、投資家はかなり慎重な動きでもあり、高値警戒感も強い中、底堅い動きが年初は続くものと予想している。
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by nihonkokusai | 2008-12-24 10:14 | 債券市場 | Comments(0)

「11月の貿易統計」

 財務省が朝方発表した11月の貿易統計によると、輸出額は前年同月比26.7%減の5兆3266億円となり、これは1980年の月次統計で比較できる中にあって、過去最大の減少幅となった。輸出の項目別では、自動車(-31.9%)や半導体電子部品(-29.0%)、自動車関連(-29.9%)などを主体に落ち込んだ。対米向けは33.8%の落ち込み、EU向けは30.8%減、中国24.5%減と軒並み大幅に減少した。中東向けも0.4%減となり中東欧ロシア向けもマイナスに転じた。輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2234億円の赤字と貿易赤字は2か月連続となり、11月が赤字となったのは1982年以来。
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by nihonkokusai | 2008-12-22 16:47 | 景気物価動向 | Comments(0)

「日銀による来年度TBの3兆円分の再乗り換え」

 12月16日に開催した政策委員会において、来年度中に償還される日銀保有の国債の借換えのための引受けに関して、来年度の償還期限到来の国債のうち利付国債額面総額7兆7060億4085万円については、割引短期国債をもって、借換引受けを行うこと。償還期限到来国債のうち今年度度中に借換引受けを行った割引短期国債に関しては、額面総額3兆円は割引短期国債をもって借換引受けを行う。それ以外の割引短期国債については、本行資産の状況等に照らし支障がないと認められる場合には、割引短期国債をもって借換引受けを「行い得る」ものとすることとし、借換引受けの可否については日銀総裁が決定することになる。(http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/mpo0812a.htm)
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by nihonkokusai | 2008-12-22 13:57 | 日銀 | Comments(0)

「日銀は政策金利を0.2%引き下げ0.1%に(19日分を一部修正)」

12月19日、日銀は金融政策決定会合において、政策金利である無担保コール翌日物金利誘導目標値を0.2%引き下げ0.1%に引き下げることを決定した。(賛成7、反対1人は野田委員)。反対した野田委員は、前回の利下げの効果を見定めたいと利下げそのものに反対したものとみられる。補完貸付(ロンバート)金利も0.5%から0.3%に引き下げ(全員一致)、超過準備への付利は0.1%に据え置かれた(賛成7、反対1人は水野委員)。

21日の日経新聞によると、今回の利下げに際して白川総裁を中心として慎重論が強かったものの、利下げ推進派の政策委員が結果として押し切ったともみられる。10月31日の利下げに際して利下げ幅について執行部と審議委員の間で意見が分かれたが、今回も執行部、特に白川総裁と他の政策委員との間には温度差があったようである。

金融調節手段に係わる追加措置も決定し(全員一致)、長期国債買い入れオペを現行の毎月1.2兆円から1.4兆円に2000億円増額する。長期国債買い入れ対象には変動利付、物価連動国債に加え30年国債も追加された。そして、現在輪番オペ(国債買入)では残存期間が極端に短い物、もしくは長い物が持ち込まれるなどしていたことで、残存期間別の買い入れに際し、残存1年以下、1年超から10年以下、10年超との区分が導入するといった工夫も行なう。

企業金融円滑化の特別オペレーションを1月8日から実施することに加え、CP買い入れも時限的に実施する。それとともに企業金融に係るその他の金融商品についても対応を検討することになった。これは個別企業の信用リスクを日銀が負担することになり、中央銀行としては異例の対応となる。このため政府保証などの対応も含めて検討を加える。さらに、CP買い現先オペの対象に政策投資銀行が追加される。

これらは、ほぼ市場が予想した満額回答といった印象の結果となり、FRBに続いて日銀も必要とみられる政策を打ち出しこれによる効果を期待したい。 FRBは16日に開催したFOMCにおいて、政策金利であるFF金利の誘導目標値を0%から0.25%のレンジに引き下げ、実質的なゼロ金利政策を導入した。これに対し、今回日銀は0.1%を残し、さらに準備預金への付利も0.1%と据え置いたことで、実質的なゼロ金利政策は回避したかたちとなった。

さらに白川総裁は今回、国債買い入れの増額やCPの直接買い入れを行なったものの、当座預金量に目標を定めこれを大幅に拡大しマクロ的な刺激効果を期待するといった「量的緩和政策ではない」と主張した。
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by nihonkokusai | 2008-12-22 10:04 | 日銀 | Comments(3)

「日銀は政策金利を0.2%引き下げ0.1%に」

本日の日銀の金融政策決定会合の結果が14時過ぎに発表された。政策金利である無担保コール翌日物金利誘導目標値を0.2%引き下げ0.1%に(賛成7、反対1人は野田委員)。補完貸付(ロンバート)金利を0.3%に引き下げ(全員一致)、超過準備への付利は0.1%に(賛成7、反対1人は水野委員)。

そして金融調節手段に係わる追加措置も決定し(全員一致)、長期国債買い入れオペを現行の毎月1兆2000億円から1兆4000億円に2000億円増額する。長期国債買い入れ対象には30年に加え変動利付、物価連動国債が追加され、残存期間別の買い入れ方式を残存1年以下、1年超から10年以下、10年超との区分も導入される。また、CP買い入れも時限的に実施する。CP買い現先オペの対象に政策投資銀行を追加、企業金融円滑化の特別オペレーションを1月8日から実施という内容となり、ほぼ市場が予想した満額回答といった印象の結果となった。

これ以上の利下げは難しいことから、これは実質的なゼロ金利に近い政策とも言えそうである。また、国債買い入れの増額やCPの直接買い入れがセットとなっていることで、量的緩和政策に踏み出したとも言える。FRBに続いて日銀も必要とみられる政策を打ち出してきており、これによる効果を期待したい。
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by nihonkokusai | 2008-12-19 14:49 | 日銀 | Comments(0)

「2008年9月末現在の国債保有者別残高」

日銀が発表された2008年7~9月資金循環勘定速報によると、日本における家計の金融資産は、1467兆208億円と1500兆円を大きく割り込んだ。リーマン・ショックなどによる影響での株価下落などの影響で前年比5.2%減となり、1979年度の統計開始以来、過去最大の減少率を記録したそうである。

家計のうち国債は、35兆7932億円(速報ベース6月末35兆2682億円)と小幅増加したが国債全体に占めシェアは5.2%と6月と変わらず。株式67兆4077億円(6月末82兆1271億)と6月比大幅な減少となった。投資信託も58兆7692億円(6月末66兆1168億円) とこちらも減少した。これは2008年6月末の日経平均が13481円38銭に対して2008年9月末は11259円86銭と株式市場が下落したことが要因。また、定期性預金は450兆96億円(6月末447兆2975億)とこちらは9年ぶりの高い伸びとなり、個人の金融資産は株や投資信託などから預金などにシフトした。ちなみに長期金利は6月末1.610%に対し、9月末は1.480%と利回りは低下上昇した。

この資金循環勘定速報をもとに 2008年9月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。国債の残高そのものは2008年6月末比6485億円の減少の682兆8618億円となった。海外投資家のシェアは7.9%と上昇し、家計の全体に占めるシェアは5.2%であり、海外と個人を合わせたものの全体に占めるシェアは12.9%となった。

個別で見ると6月の速報値に比べ残高を大きく増加させたのが、海外投資家で5兆6568億円の増加となった。生命保険も2兆7267億円の増加、ディーラー・ブローカーも1兆144億円の増加に。

反面、6月比減少したのが中小企業金融機関等の5兆1050億円、あくまで推測ではあるが中小企業金融機関等に含まれ、この中で大きなシェアを占めているゆうちょ銀行の残高減少によるものか。また、国内銀行も1兆6247億円の減少、企業年金も1兆19億円の減少となっていた。国内金融機関の売り、それに対して海外投資家や生保が買い向かった構図に。

全体に占めるシェアとしては、民間預金取扱機関が239兆6313億円で35.1%、民間の保険年金が158兆1194億円で23.2%、公的年金が79兆9404億円で11.7%、日本銀行が59兆2274億円で8.7%、海外が53兆7484億円で7.9%、家計が35兆7932億円で5.2%、投信など金融仲介機関が28兆6891億円で4.2%、財政融資資金が6兆7501億円で1.0%、その他が20兆9625億円で3.1%となった。
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by nihonkokusai | 2008-12-19 10:08 | 国債 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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