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「ムーディーズ、日本国債の格付をA1からAa3に引き上げ」


 格付会社のムーディーズは、日本政府の円建て国内債券(日本国債)の格付をA1からAa3に引き上げたと発表した。格上げの理由としてムーディーズは継続的な財政引き締めや再建への取り組みへの期待をあげている。ムーディーズは昨年10月に日本国債の格付をA2からA1に引き上げていたが、その後格付見通しの変更等を経ずにいきなりの格上げとなった。これについては、政府や与党の財政再建へのコミットメントの強さを指摘している。

 昨年10月から比較して日本の財政再建が目に見えて進展しているわけではない。福田政権は「骨太方針2008」を決定し、歳出・歳入の一体化路線を維持したかたちになっているものの、与党からの歳出増圧力も強く今後も財政規律が維持されるかどうかはかなり不安定な状況下にある。このような最中での日本国債の格上げは違和感を感じざるを得ない。とはいうものの日本国債の格下げの際の理由付けも良くわからなかったことも確か。

 この格上げによる日本国債への影響、つまり日本の債券市場に対する影響そのものはほとんどないであろう。格下げがあっても日本国債そのものの価値が大きく減ずることはなかった。その意味で日本国債は危なくなかったと言えようが、政府の債務残高そのものは日本国債の格下げ時よりも膨れ上がっていることも事実である。そしてそれに対する現在の政府の取り組みは積極的といえるかどうか。消費税に対しての首相の言動も揺れ動き、2011年度のプライマリーバランスの黒字化も危ぶまれているのが現状でもある。格下げにしろ格上げにしろ、何故そのタイミングなのか理解が難しい。
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by nihonkokusai | 2008-06-30 12:59 | 国債 | Comments(0)

「10年1.6%割れ」


 本日の朝方に発表された5月全国消費者物価指数(除く生鮮)は、前年比+1.5%とほぼ10年ぶりの高い水準になった。暫定税率が復活したことでガソリンが値上げされ、さらに食品の値上がりなども進行したことが影響した。この動きはまだ続いていることから、当面CPIは上昇基調を続けるとみられ、いずれ 2.0%あたりまでの上昇もりそうである。同時に発表された6月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比+1.3%となった。

 こういった物価上昇も気になるが、市場でもそれ以上に景気動向を気にするようになってきている。その意味でも7月1日の日銀短観はかなり注目されそうである。

 欧州ではトリシェECB総裁の発言もあり来週のECBでは小幅な利上げの可能性が強まっているが、米国でも景気への不安とともに金融機関の損失等についても再び懸念は強まっている。このためここにきてダウは下落基調を強め、26日の米国市場では2006年9月11日以来の安値をつけてきた。この米株の大幅下落により米10年債利回りは一時4.01%まで低下し4%に接近しており、米10年債利回りの4%割れも、時間の問題か。

 本日の債券先物は6月9日以来の135円台を回復し前日比44銭高の135円30銭で寄り付いた。現物は10年293回が前日比 -0.025%の1.620%で出合ったがその後1.6%を割り込み一時前日比-0.055%の1.590%まで買われた。5年72回は前日比 -0.040%の1.170%の出合い後に1.155%まで買われ、2年270回は前日比-0.045%の0.775%に。超長期20年102回も同 -0.035%の2.170%としっかり。

 とりあえず短観を見てからと買い控えていた投資家もいたとみられるが、短観発表前に動きを見せてきている可能性もある。10年債利回りは1.6%を割り込んでいるが、目先1.5%あたりまでの利回り低下もありえそうである。
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by nihonkokusai | 2008-06-27 13:24 | 債券市場 | Comments(0)

「FOMC後の声明文」


25日のFOMCにおいて、米FRBは政策金利を現行の2.00%に据え置くことを決定した(フィッシャー米ダラス連銀総裁は反対し金利引き上げを主張)。これにより昨年9月以降の利下げはいったん休止となった。市場ではFOMC終了後に発表される声明文が注目されていた。

 6月4日にバーナンキFRB議長はハーバード大学の卒業式の講演で「インフレは我々が望む水準をかなり上回る、ここ数ヶ月の長期インフレ期待の上昇はかなりの懸念」と発言し、FRBがインフレへの警戒を強め、FRBによる早期の利上げ観測も出ていたためである。

 声明文においては、「最近の指標データは全体的な経済活動が、一部における家計支出の安定を反映して拡大していることを示唆」と指摘し、経済情勢については「景気は総じて拡大を続けている」としていた。ただし、「雇用市場が一段と軟化しており、金融市場は引き続きかなりの緊張下にある」ことも示唆し、「信用収縮や住宅投資の低迷、エネルギー価格の上昇が今後、数四半期にわたり経済成長の足かせになる」との表現も。

 インフレについては「今年の後半と来年にかけて緩やかに鈍化すると予想」しているが、「エネルギー価格やその他の商品価格の上昇継続、インフレ期待を示す指標の上昇を考慮に入れるとインフレ先行きに対する不透明感は引き続き高いとも」指摘している。

 このため「経済成長の下振れリスクは幾分か縮小している半面、インフレおよびインフレ期待の上振れリスクは上昇している」との表現し、ややインフレの上振れリスクを意識したものとなってはいたが、市場が警戒していたほど利上げを意識させるような内容ではなかった。

 日銀の白川総裁は「インフレ予想変化するかしないか、金融政策考える、より重要なポイント」としながらも「景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえ金融政策を運営」する姿勢を示していたが、米FRBも経済成長の下振れリスクとインフレおよびインフレ期待の上振れリスクの両方のリスクを踏まえての金融政策の運営を行なっていくものとみられる。
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by nihonkokusai | 2008-06-26 09:53 | 日銀 | Comments(0)

「ポケット図解 日本銀行の基本と仕組みがわかる本」



 拙著、単独では9冊目となります
「ポケット図解 日本銀行の基本と仕組みがわかる本」(定価税込み840円)が本日6月26日に、秀和システムさんから発売されます。中央銀行の仕組みについてわかりやすくまとめたものです。ご興味、ご関心のある方、ぜひお買い求めいただけるとうれしいです。
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by nihonkokusai | 2008-06-26 09:21 | 本の紹介 | Comments(0)

「マイカル以来の社債のデフォルト」


 東証2部上場の不動産会社スルガコーポレーションは24日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した。これにより同社の発行した公募普通社債はデフォルト (債務不履行)となる。スルガコーポレーションは公募普通社債を2006年10月に110億円、2007年3月に100億円と都合210億円発行している普通社債のデフォルトは2001年のマイカル以来、7年ぶりとなる。

 スルガコーポレーションについては春先からビルの立ち退き関係での不適切な取引が判明しており、決算の発表も延期された経緯などもあり、5月29日に日本格付研究所は5月30日にはCCC格への引下げたが、24日には民事再生法の適用を申請によりシングルDに引き下げた。

 1億円券面ということで社債の保有者は機関投資家や投資ファンドとみられているが、返済額については7月1日の債権者説明会などで調整していくとみられると25日の日経新聞は伝えている。
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by nihonkokusai | 2008-06-25 10:06 | 債券市場 | Comments(0)

「S&P/ケース・シラー住宅価格指数」


24日に発表された4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比-16.3%と1987年の調査開始以来最大の下げ幅となった。対象を拡大した20都市指数も前年同月比で-15.3%と2000年の調査開始以来最大の下げに。

このS&P/ケース・シラー住宅価格指数とは、S&Pがカール・ケースとロバート・シラー教授らと共同開発した指数で米国の住宅価格の指標として市場でも注目されている。米国の一戸建て住宅価格を実際に取引された売買実績に基づいて算出したもので、全米指数は3か月ごと、主要な十および二十都市を対象とした指数は毎月発表している。
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by nihonkokusai | 2008-06-25 09:52 | 景気物価動向 | Comments(0)

「インフレーション・ターゲティングについての白川総裁の見解」


 6月13日の記者会見において、インフレーション・ターゲティングについての質問を受けた白川総裁は次のように答えている

 「その人によってインフレーション・ターゲティングという言葉でイメージしている内容がかなり違っているということです。ですから、インフレーション・ターゲティングの是非を議論しても、実はその議論している対象自体が違っていることもあるわけです。そういう意味で、多少誤解を招きやすい議論であると思っています。」

 欧州の中央銀行が採用しているインフレーション・ターゲティングなどに対しては次のように説明している。

 「本来のインフレーション・ターゲティングというのは、中央銀行の金融政策の目的が物価安定のもとでの持続的な成長であるということを意識した上で、金融政策を説明していくための透明性を高めていく枠組みの1つだと思います。」(白川総裁)

 それに対して、以前の日本でも騒がれたインフレーション・ターゲットを採用すべきとの主張は、デフレ時など手段はかまわず何が何でもでも物価を上昇させるべきといったものであったかと思う。

 現在は、「供給ショックで物価が上がる、しかし消費国にとってそれは景気の下押し圧力に働くという状況」にあり、こういった状況下にあって金融政策を説明するには、インフレーション・ターゲットという枠組みの中での説明も難しくなると白川総裁は指摘した。

 さらに白川総裁は「こうした景気・物価についての複雑な動きがある中で、インフレーション・ターゲティングという枠組みの中で金融政策を説明することはもちろん可能ですが、その説明が時として難しいことがあります。」としており、米国の学者がこの問題を提起している点を指摘している。

 そして白川総裁はインフレーション・ターゲティングの問題について次のように結論付けている。

 「インフレーション・ターゲティングを採用する場合でも、しない場合でも、供給ショックのもとでは、金融政策の判断それ自体が難しいわけですし、説明も難しいものになります。しかし、最後は判断する必要がありますし、説明しなければなりません。そのために、各国は、各国の置かれた枠組みの中で説明の努力をしているということだと思います。」

 このように白川総裁は、金融政策の枠組みは違えども、FRBやECB、さらにイングランド銀行や日銀の金融政策が、現在かなり難しい局面に置かれている状況を説明している。
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by nihonkokusai | 2008-06-24 09:49 | 日銀 | Comments(0)

「日銀の物価上昇に対するその背景と政策対応についての討議内容」


 6月18日発表された議事要旨によると5月19、20日金融政策決定会合では、物価上昇に対するその背景と政策対応についての討議が行なわれたようである。少し古い資料となるが2001年10月に日銀が発表した「物価の安定を巡る論点整理」(http://www.boj.or.jp/type /release/zuiji/kako02/data/spri03e.pdf)と比較しても面白いかもしれない。ちなみにこの「物価の安定を巡る論点整理」を著したのは白川方明企画室審議役(当時)と門間一夫企画室政策調査課長(当時)となっている。もちろん現在の白川日銀総裁と門間調査統計局長である。

 「ある委員は、一次的な供給ショックについては、インフレ予想の変化を通じて二次的な影響が生じないのであれば、必ずしも金融政策で対応する必要はないというのが教科書的な回答であるが、現在は、持続的で複合的なショックが生じているため、政策対応は難しくなっていると述べた。」 「物価の安定を巡る論点整理」では「一時的か持続的かの分類が難しいのは、原油価格や為替相場、さらにそれらに大きく左右されやすい輸入物価、輸入関連品価格、などの変動である。」としているが、これが持続的な性格の強い供給要因ならば「物価の基調判断、ひいては金融政策にとって、重要な意味を持つ物価変動要因である」としている。

 議事要旨では、ある委員の発言として「一次産品価格の上昇は、相対価格の変化をもたらし、資源配分の調整を促すが、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動次第では、一般物価水準の大きな変動につながるリスクもあるので、これらの動向に注意しながら、金融政策運営を行う必要があると述べた。」 6月13日の金融政策決定会合後の会見で白川総裁は「わが国経済の状況は、実体経済面では、交易条件の悪化に伴う所得形成の弱まりが国内民需の下振れをもたらすリスク、物価面では、消費者のインフレ予想や企業の価格設定行動を含め、先行きの上振れリスクについて、注意深くみていく必要があると考えています。」と発言し、景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえて金融政策を運営する姿勢を示している。

 いまのところ軸足をどちらかに移すといったことは考えづらく、日銀の金融政策は当面、現状維持となるとみられるが、物価の動向に対して今後も日銀は注視する姿勢を強めてくるものと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-06-24 09:20 | 日銀 | Comments(0)

「FRBの歴史」


 米国では米国は連邦制を採用し東部と西部、北部と南部といった地域的な対立があり中央銀行の設立には大きな抵抗があったことで、中央銀行を設立しようとする動きがあったものの、州政府の反対などによって2度にわたり失敗に終わりました。しかし19世紀から20世紀にかけて幾度も恐慌が発生し深刻な不況が生じ、このため「金融システムの安定化」が求められ、中央銀行設立の機運が高まったのです。

 1913年に12の地区連邦準備銀行と、これを監督する連邦準備委員会がワシントンに設立されました。全米の12の地域に地区連邦準備銀行を設立し、それぞれの地区で銀行券である連邦準備券が発行され、各行ごとに公定歩合が設定されることとなりました。しかし、設立直後の大恐慌により、地方分権型ではなく中央集権的な金融政策の運営が求められたことから1933年に機構改革があり理事会の権限が強化されました。金融政策を決定するための組織として連邦公開市場委員会(FOMC)が設けられました。1935年の銀行法制定の際に連邦準備委員会は連邦準備制度理事会(FRB)と名称が改められました。
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by nihonkokusai | 2008-06-24 09:19 | 日銀 | Comments(0)

「来週の債券相場の予想」


 日欧米の中銀の金融政策の動向が引き続き注目材料となりそうで、その意味でも24日から25日にかけて開催される米FOMCの動向に注目したい。一時、 FRBの利上げ観測も出ていたが、その後利上げ観測は後退しており、金融政策は現状維持となりそうだが先行きを占う上で、声明文の内容などが注目されよう。経済指標では米国では住宅関連の指標が発表される。米住宅市場の落ち込みが懸念されているが、そういったものを裏付ける内容となりそうである。また国内の経済指標としては週末に発表される消費者物価指数などが注目される。日銀の白川総裁も景気下振れと物価上昇の両面のリスクを踏まえ金融政策を運営する姿勢を示しているが、そのうちの物価の動向も気になるところ。また景気動向として5月の鉱工業生産の動向にも注意したい。国債の入札は24日に2年国債の入札が予定されている。相場が荒れていることもあって投資家の動向も掴みづらいこともあり、この入札の動向にも注意が必要か。6月16日に長期金利は 1.895%と1.9%近くまで上昇したが、目先ここが長期金利としての天井となりそうである。しかし、1.7%を大きく割り込んでの長期金利の低下も考えづらく、当面は1.7%台主体での推移となりそうである。
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by nihonkokusai | 2008-06-20 10:58 | 債券市場 | Comments(0)
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