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「長期金利1.8%台上昇の要因」


 29日17時過ぎに10年292回国債の利回りは1.8%台に乗せ1.805%をつけた。長期金利の1.8%台乗せは昨年8月以来、米国のサブプライム問題が深刻化する前の水準となる。ここにきての日本の長期金利上昇の背景の要因のひとつは欧米の長期金利の上昇がある。米サブプライム問題による金融市場の混乱が、ベア・スターンズの救済などをきっかけに沈静化した。米経済への影響といった懸念も残るものの、ここにきての米経済指標も思いのほかしっかりしているものも多く、たとえば29日に発表された米1~3月期GDP改定値は前期比年率+0.9%と市場予想通りの数値ながらも速報値から上方修正された。

 このように米経済に対しての過度の悲観論も後退してきている。米FRBは利下げ休止かとの見方も強まり、今度はよりインフレへの警戒姿勢も示している。29日にダラス連銀のフィッシャー総裁は、インフレ期待の悪化が続くなら、金融政策の転換が訪れるだろうと発言していた。こういった情勢下、米10年債利回りは4%台に乗せ今年1月2日以来の水準に利回りが上昇してきた。また欧州市場でも29日にドイツの連邦債10年物利回りは 4.483%と昨年7月以来の水準に上昇している。

 米サブプライム問題の落ち着き、さらに世界的なインフレ懸念の強まりなどから欧米の長期金利も上昇していることに加え、さらに国内では、市場参加者のリスク許容度の低下などもあり、積極的な買い手が見当たらない。国内投資家も超長期ゾーンなど長い期間の債券を買って、中長期ゾーンを売るなど入れ替えといった動きが主体とみられることで、特に中長期には売り圧力もかかりやすい。

 さらに債券先物にはこちらも参加者が限られた中にあって、ここにきて再びCTAといった仕掛け的な動きも活発化し、株式市場が先物主導で上昇した反面、債券相場はこういった仕掛けて的動き、特に売り仕掛けによって下落ピッチが加速される面もあり、これも債券相場の下落要因のひとつとなっている。

 日銀による年内利上げの可能性は現在のところは予想しにくい。白川日銀総裁も会見などおいて日本経済の見通しについてはかなり慎重な見方をしていることからもそれが伺える。

 そうは言うものの、今年3月には10年債利回りで1.215%、5年債利回りで0.7%、2年債利回りで0.505%と、日銀の利下げを織り込むような水準にまで利回りが低下してしまったことが、やや行き過ぎの感もあり、その反動もあってここにきてのピッチの早い利回り上昇となったとみられる。市場参加者のリスク許容度の低下要因もこういった相場変動がひとつの背景にあるとみられる。

 それでは1.8%つけたあとの長期金利はどうなるのであろうか。米経済の減速がそれほどでなく日本経済についても日銀の展望レポートの予想のように1.5%~1.7%あたりの潜在成長率近辺となり、物価の上昇についても中長期的な物価安定の目安となる1%近辺(展望レポートでの委員毎の中心値)となるならば、長期金利の1.8%というのも決してそれほど高い水準ともいえない。

 しかし、ややピッチの早い長期金利の上昇でもあっただけに、そういった動きが落ち着けばさすがに投資家の押し目買いも入ってくるとみられる。1.8%は通過点となる可能性はあるが、やはり2%は大きな心理的な壁ともなっているだけに、ここからの長期金利の上昇も次第に慎重なものとなるのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-05-30 09:19 | 債券市場 | Comments(0)

「中央銀行のバンキング政策」


 28日の国際コンファランスにおける白川総裁開会の挨拶から「中央銀行のバンキング政策」に関する部分に下記の部分があった。

 「例えば、日本銀行は、2001年に、幅広い金融機関を対象とする期間の長い資金供給オペレーションを導入しました。これは、Fedが昨年12月に導入したターム・オークション・ファシリティー(TAF)に相当します。また、日本銀行は同じ年に証券会社を含む金融機関を対象とする貸出のスタンディング・ファシリティーを導入しました2。これはFedが本年3月に導入したプライマリー・ディーラー・クレジット・ファシリティー(PDCF)に相当しています。日本銀行はこれ以外にも、資金供給と売出手形の発行による資金吸収を組み合わせた両建てオペレーションを実行し、金融市場で一種のブローカーとしての役割を果たしました。また、資産担保証券や金融機関保有の株式も買い入れました。」

PDCFに相当するのは2001年2月28日に導入された補完貸付制度であり、両者の概要は下記のとおり。

補完貸付制度(2001年2月28日)(http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako02/k010228c.htm#betsu1)
貸付先、銀行等、証券会社、証券金融会社または短資会社
貸付金額、貸付けのために差入れている担保の価額の範囲内で貸付先が希望する金額

PDCF(Primary Dealer Credit Facility)制度(2008年3月17日)
証券会社を含み投資適格の幅広い証券を担保によって公定歩合で資金を借りられる。
公定歩合の貸し出し期間も30日から最大90日に延長

また、TAFに相当するのは2001年5月18日の金融市場調節の円滑化に向けた措置の中での手形買入オペにおける手形期間の延長等が該当か。

金融市場調節の円滑化に向けた措置(2001年5月18日)(http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/kako02/mok0105a.htm)
「3か月以内」としていた手形期間を「6か月以内」に延長
買入対象先数を10先増やして、合計40先に

TAF(Term Auction Facility) 対象は各地区連銀が財務状況は概ね健全と判断しプライマリー・クレジット・ディスカウント・プログラムによる借入資格がある全ての預金金融機関。
借入資金は全て担保が必要
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by nihonkokusai | 2008-05-29 10:39 | 日銀 | Comments(0)

「国際コンファランスにおける白川総裁開会の挨拶より」


 日銀の白川総裁は国際コンファランスにおける白川総裁開会の挨拶の中で次のような発言をした(日銀ホームページにアップされた日本語仮訳より)

 「日本にしても米国にしても、近年発生したバブルの多くは、逆説的ではありますが、物価安定が達成され、あるいは、デフレの危険が意識される中で、低金利が持続した後に生じています。物価上昇率の低下や低金利が、経済主体の積極的なリスクテイクとどのように関係しているのかは、解明されているわけではありませんが、バブルとその崩壊の経験は、経済は時としてノンリニアに変化することを示しています。また、そのノンリニアのプロセスでは、金融と経済の相乗作用など、複雑なダイナミックスが決定的に重要な役割を果たします。」

 「政策当局者やエコノミストは、物価安定とは物価が中長期的に安定している状態と理解していますが、インフレーションのダイナミクスにおいては、ラグが長くノンリニアな変化が生じる可能性もあります。こうした状況の下で、足許の物価上昇率に目が行き過ぎると、必要な金融政策の対応が遅れ、結果として経済活動の大きな変動を招く危険があります。」

 なかなか面白い指摘かと思う。シカゴ大学におけるフリードマン教授の最後のクラスの学生であったという白川総裁にも、物価上昇率の低下や低金利と経済主体の積極的なリスクテイクの関係はなかなか解明しにくいものとみられる。長期に渡り物価上昇が抑制されていても、その後に大きな変化を生じる可能性があり、このため足許の物価上昇率ばかり注目していては、必要な金融政策の対応が遅れる懸念を指摘している。
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by nihonkokusai | 2008-05-28 10:26 | 日銀 | Comments(0)

「日銀副総裁人事は今国会での提示を見送り」


 政府は焦点となっている日銀副総裁案について、参院で多数を占める民主党の同意が得られる候補者が見つからないと、提示を見送ることを発表した。6月15 日の会期末までの提示も極めて困難とみられ、日銀の副総裁の1人空席が長期化する可能性が強まったと報じられた。またこちらも空席となっている日銀の審議委員人事については、池尾和人慶大教授の起用案を決めたとも伝えられた。しかし、日銀審議委員の人事案が読売新聞朝刊などに掲載されたことに、野党側が強く反発し、政府はいったんは27日の提示の先送りを決め、場合によると、またもや人事案の差しかえを迫られる可能性もあるとか。

ちなみに、福井前日銀総裁は日本証券業協会の公益理事に就任することとなり、岩田前副総裁は内閣府のシンクタンクである経済社会総合研究所所長に起用されるそうである。
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by nihonkokusai | 2008-05-27 10:09 | 日銀 | Comments(0)

「もうはまだなり」


再び5月20日の白川日銀総裁の会見から見てみたい。

白川総裁はエネルギー価格、原材料価格など「商品市況の想定について、これまでずっと予想が外れてきています。」と正直に認めている。

そして『これは日本銀行に限らず、多くのエコノミストが、「ここまで上がってきているから、さすがにここが天井で先行きは下がる」といった見通しが、繰り返し裏切られてきました。』

これは相場格言で言うところの「もうはまだなり、まだはもうなり」であろう。これは解説するまでもないが、もうそろそろ天井だろうと皆が思っていときほどさらに価格は上昇するが、それが繰り返されることによって、まだまだ上昇すると皆が思い始めたときに天井を打つことを示している。

これは過去の相場にも良く見られたことである。1989年末バブル期最終局面の日経平均株価に対してまだまだ5万円までいくといった予想があちこちでみられ、市場参加者がまさにバブルに酔いしれたときこそ、日経平均は天井を打ってバブル崩壊に繋がった。

今回の原油先物についてどこまで上昇するのかは予想は難しい。ただし、こういった加熱局面であらためて200ドルといった予想が出ており、市場参加者もそれはありうると認識してきたならば、そろそろ最終局面を迎えてきたとしてもおかしくはない。こういった相場に対してはどの水準が適正なのかというよりも、いつまで続くのかが問題となるのではなかろうか。

白川総裁は商品市況の先行きをどうみるかということについては、「ここは、明らかに上だとか下だとか言わずに、注意深くみていくとしか言いようがないと思います。」

日銀は直接相場に関わっているのではなく、その影響の度合いを見極める必要があることで、特にこういった投機的な動きを示しているものに対しては、予想を立てることも重要ながらも、むしろ動きをしっかり見守る姿勢が大切かと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-05-26 10:54 | 日銀 | Comments(0)

「国債買入結果を意識した売り仕掛け」


昨日実施された国債買入の結果は全取利回格差は+0.153%、平均落札利回格差は+0.158%となり16日に実施された国債買入の結果(全取利回格差が+0.101%、平均落札利回格差が+0.109%)をさらに上回り、1998年5月以来の水準となった。

 5月16日には国債の買入結果を受けて債券先物に仕掛け的な売りが入り、一時前日比78銭安の134円37銭まで下落し、現物も売られ5年71回+ 0.040%の1.300%、10年292回は一時+0.040%の1.710%が打たれた。超長期20年も+0.030%の2.265までがヒットされていた。

 しかし、22日はすでに国債買入がオファーされたあと前場の引けにかけて売り仕掛けが入るとともに、11時30分に発表された結果を受けて後場は売り気配でのスタートとなり、一時前日比1円6銭安の134円80銭まで下落した。現物も10年292回は一時+0.085%の1.690%まで打たれ、5年71回も+0.075%の1.240%に、2年268回も0.810%が打たれた。また20年100回は+0.065%の2.300%がヒットされたが、これは2007年7月以来の水準をつけた。ただし、引けにかけては急速に値を戻し、先物は135円42銭で引けており、10年292回し 1.665%に、5年71回も1.210%に、20年100回も2.280%に。

 日銀の国債買入に対しては期間の短い国債中心に入ったとみられ、実際に長期債の相場への影響は限られるはずだが、これをきっかけに先物に CTAなどから仕掛け的な動きが入り、業者もリスク許容度が低下していることに加え、大手銀行も同様に積極的に動きづらい中、現物への売りも追随してしまったことで債券相場の急落に繋がってしまった。

 国債買入での利回り格差の拡大というのは、オペに打ち込まれた国債のほとんどが6月償還のものであったことみられ、償還銘柄については国債買入の利回り格差の元になる売買参考統計値が元利金取扱手数料の収入部分を加味したものなっているために必然的に利回り格差が拡大してしまうというテクニカル的な要因によるものであった。

 それでは何故、償還銘柄の国債が持ち込まれたか。そもそも償還銘柄は売りが出やすいと言われている。その理由のひとつが償還銘柄は振替決済停止期間入りすると担保として使えなくなるというこちらも技術的な要因であり、また投資家が四半期毎の国債償還の山を均すために売却したのではないかとみられた。

 ここにきて一部大手投資家の短い期間の国債の売却によって、そういった売却額そのものがかなり増加してきたのではないかとみられている。このため、持ち込まれた業者も持ちきれずにポジション調整のため国債買入を使って売却してきたものと思われるのである。

 その結果として、日銀の国債買入に非常に期間の短い国債の償還物が打ち込まれ、基準となる利回りが償還手数料見合いとなるという技術的要因によって全取利回格差が拡大したということになる。そのため、債券相場への直接的な影響は本来は限られるはずである。ただ、国債買入が期間の短い国債ばかりとなってしまったことでその分、業者も本来これを使って長めの国債を処分しようとしてもできず、しかたなく市場で売却したのではないかとの見方もある。しかし、国債買入はこれまでも比較的期間の短い国債主体であったことで、影響そのものはあまりないはずなのである。

 それにも関わらず、相場がこれだけ揺れ動いてしまうのは、債券先物に何かしらのきっかけを待っての仕掛け的な動きが入り、それによって相場が揺れ動いてしまうほど相場全体の地合が悪化しているといえそうである。

 4月以降の10年、5年の国債入札結果を見ても業者はかなりリスク許容度が低下していた。さらに4月の投資家別売買状況見ても都市銀行は長期債は売り越しとなっているなど期間の短い債券に入れ替える動きを強めていた。債券先物の建て玉が10兆円を割り込む日が多くなるなどしているが、これも業者や大手銀行がヘッジやディーリングのための先物のポジションを減らしてきていることも一因か、債券先物は参加者が限定される中、CTAといった投資家の仕掛けが入りやすくなっている上、現物も押し目買いは入るものの積極的に上値を買ってくる投資家も限られ、いったん売り仕掛けが入ると崩れやすい地合になっている。このために、こういった国債買入の結果なども材料視され、相場変動要因となってしまったものと思われるのである。
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by nihonkokusai | 2008-05-23 09:37 | 債券市場 | Comments(0)

「原材料をはじめとするコスト高の問題についての解説」


 「原材料をはじめとするコスト高の問題」について白川教授、ではなく白川日銀総裁は会見で噛み砕いた説明を行なっていた。

 「エネルギー価格が上がっていく場合、日本のような消費国からみると、外から入ってくるモノの値段が上がるという意味で供給ショックと映るわけですが、他方で、この価格上昇の背後には世界経済全体の需要増加があるわけです。そういう意味では、需要ショックという性格も持っています。経済の影響を考えていく時には、物価上昇がどのような性格のものなのかを考えていく必要があると思います。」

 「日本からみた場合、交易条件が低下する、悪化するという点で日本全体の所得形成の力が弱くなっていくわけです。従って、設備投資や消費に悪影響を与えていくものであります。これは明らかにマイナス要因ですが、交易条件が日本で悪化している、すなわち消費国で悪化しているということは、産油国を中心に交易条件が改善しているということですから、その地域への輸出が増加するという性格を持つものであります。現在日本は、内需は弱くなっていますが、輸出は非常に堅調を続けているわけです。これは、交易条件の悪化と改善の裏腹で起きている現象とも言えるのです。」

 「そうしますと、経済全体の需要はマイナスとプラスの力のどちらが勝るのかという観点で考えていく必要があると思います。また、仮にマイナスの力が勝るのであれば、経済全体の需要が弱くなるわけですから、物価が下がるという力が働きます。他方で、物価が原材料を中心に上昇し、仮にインフレ期待に火が付けば、これは2次的3次的な物価上昇を引き起こすことになるわけです。このように、物価の面でも下がる要素と上がる要素の両方が存在します。」

 「以上の通り、景気についても物価についても必ずプラス・マイナス両方の要素があるため、一義的に答えを出すのは難しいと思います。世界経済全体への影響とのご質問ですが、各国は、世界の各地域における今申し上げたような要素を勘案しながら、金融政策を運営しているわけです。最終的にどのような金融政策をとるかによって、その国の景気・物価の姿は変わってきますが、先程説明したような整理をしつつ、各国は、自国の状況に応じて金融政策を運営しており、日本も同様に政策を運営していくということだと思います。」

 学生向けのような非常にわかりやすい説明となっている。1-3月期GDPも外需が堅調となっていたが、これは交易条件の悪化と改善の裏腹で起きている現象と捉えられよう。景気についても物価についても必ずプラス・マイナス両方の要素があるという指摘も、特に現在の世界経済を取り巻く環境下にあって先行きの予測を難しくさせている要因ともなり、白川総裁も自国の状況に応じて金融政策についての具体的な方向性は示していない。米国ではFOMC の議事要旨でも「成長とインフレのリスクは一段と均衡」として、利下げを休止し当面は現状の金融政策を維持させてくる可能性が強まった。日米とも原油高などを受けたインフレへの警戒も強めているものの、利上げまで意識した対応も当面はとりづらい状況にありそうである。
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by nihonkokusai | 2008-05-22 09:48 | 日銀 | Comments(0)

「4月の投資家別売買状況より」


 20日に日本証券業協会が発表した4月の投資家別売買状況によると、短期債を含まない売買差額で下記のようになっていた。(単位、億円、ここでの数字はマイナスが買い越し、プラスが売り越しに注意)

 都市銀行 5,271、地方銀行 -25,670、 信託銀行 -17,394、農林系金融機関 -7,821、第二地銀 -3,729、信用金庫 -14,736、その他金融機関 -10,099、生損保 -2,592、投資信託 -2,133、官公庁共済組合 -2,166、事業法人 -1,228、その他法人 -2,672、外国人 -3,301、個人 -177、その他 38,655、債券ディーラー 661、合計 -49,131

 4月の債券相場の下落は都市銀行が主導かといった見方もあったが、実際に都市銀行は5271億円の売り越しとなる反面、地方銀行は2兆5670億円の買い越し、信用金庫も1兆4736億円の買い越しとなった。さらに国債の投資家別売買状況の短期債を含まない売買差額でを見てみると下記のようになっていた。 (単位、億円、ここでの数字もマイナスが買い越し、プラスが売り越しに注意)

 都市銀行 5,806、地方銀行 -20,143、信託銀行 -15,640、農林系金融機関 -4,869、第二地銀 -2,768、信用金庫 -8,817、その他金融機関 -8,211、生損保 -454、投資信託 -1,485、官公庁共済組合 -1,526、事業法人 -893、その他法人 -1,578、外国人 -2,894、個人 -207、その他 42,963、債券ディーラー 763、合計 -19,953

 国債の投資家別売買状況の内訳を見てみると、まず超長期利付国債は以下のとおり。

 都市銀行 396、地方銀行 -608、信託銀行 -5,378、農林系金融機関 -64、第二地銀 -115、信用金庫 -1,053、その他金融機関 -429、生損保 -4,585、投資信託 -331、官公庁共済組合 -242、事業法人 -13、その他法人 -283、外国人 2,280、個人 -2、その他 11,454、債券ディーラー 876、合計 1,903

 長期利付国債は以下のとおり。

 都市銀行 11,819、地方銀行 -10,442、信託銀行 -13,271、農林系金融機関 -4,201、第二地銀 -1,638、信用金庫 -4,354、その他金融機関 -1,835、生損保 4,330、投資信託 -527、官公庁共済組合 -116、事業法人 -95、その他法人 -430、外国人 -11,607、個人 26、その他 9,763、債券ディーラー 239、合計 -22,339

 中期利付国債は以下のとおり。

 都市銀行 -6,409 、地方銀行 -9,093、信託銀行 3,009 、農林系金融機関 -604 、第二地銀 -1,015、信用金庫 -3,410、その他金融機関 -5,947、生損保 -174、投資信託 -627、官公庁共済組合 -1,168、事業法人 -732、その他法人 -865、外国人 6,433、個人 -231、その他 21,746、債券ディーラー -352、合計 561

 国債の内訳を見ると、注目された都市銀行は、長期を11819億円売り超した反面、中期を6,409億円買い越していた。差し引きで国債全体は5,806億円の売りとなっていた。4月以降の債券相場の急落の要因がメガバンクによる中期債主体の売りが要因かとの見方もあったが、これを見る限り、現物の国債は差し引き確かに売ってはいたものの、それほどインパクトのある量ではなく、さらに中期はむしろ買い越しとなっていた。ただし、メガバンクの売りは先物やオプションを使っての売りといったものが入っていたとみられ、そちらのインパクトがかなり大きかったのではないかともみられる。この場合の中期、長期というのはあくまで10年国債や5年、2年国債の別であり、本当の意味での残存ベースではないものの、それでも5年以下の国債については買い越しとなっていたのも確かであった。

 さらに面白いことに、都市銀行が売り越した長期分と買い越した中期分を相殺するようなかたちで、海外投資家が長期を11,607億円買い越して、中期を6,433億円売り越していた。

 結局、4月の債券売買において、都市銀行は結果として売り越しとはなっていたものの、地方銀行や信託銀行、信用金庫などは大幅買い越しとなっており、急落過程でも押し目買いを入れていたものと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-05-21 10:20 | 債券市場 | Comments(0)

「債券相場の動向」


 3月末にかけては大手銀行などを主体に日銀の利下げまで意識されたことで、5年債利回りは0.7%に、2年債利回りは0.505%と日銀の政策金利近くまで低下した。しかし、米国のサブプライム問題による金融収縮の広がりといった懸念は、米大手証券ベア・スターンズの救済の発表や、米金融機関による増資などの発表によって徐々に後退し、米経済指標も思いのほかしっかりしているものが出ていたことで、過度の悲観論が後退した。

 これらを受けて米FRBによる利下げも打ち止め観測も出てきており、年後半にかけては利上げ観測も出てきたことで米債は大きく下落。円債も4月に入り大手銀行などが中期ゾーン主体に大量に売りを出したことに加え、業者のリスク許容度も低下したことで、5年や10年といった大量に発行される国債の入札も低調となった。

 15日に入札された5年国債は、利率は1.3%と、前回の0.8%から0.5%もの引き上げられたが、この利率の引き上げ幅の大きさは、それだけ前回の5年国債の入札日4月10日から昨日にかけて債券相場は大幅に下落したことを示したといえる。

 また債券先物にはCTAと呼ばれる海外投資家による仕掛け的な売りなども入り、5月に入り、10年債の利回りで昨年10月以来の1.7%台、5年債の利回りで昨年10月以来の1.3%台に利回りは上昇したのである。

 ただし、ここからさらに売り込むとなれば日銀の利上げも意識される水準ともなる。日本経済については、今後、大きく落ち込むことも考えづらいものの、先行きの不透明感が完全に払拭されたわけでもない。

 原油価格の上昇や食料品などの価格上昇を受けた物価上昇も気になるが、まだ年内の日銀による利上げを織り込に行くだけの環境にもない。市場関係者の大方の見方は、年内については金融政策の変更は難しいのではないかというものとなっている。

 ただし、投資家も引き続き慎重とみられ、業者もリスクを取りづらい状況に変りはない。このため目先は、10年債利回りでの1.7%、5年債利回りの 1.3%が利回り上の節目となり債券はいったん戻りを試す展開も予想されるが、戻りも限られ今後落ち着きどころを探る展開となることが予想される。
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by nihonkokusai | 2008-05-20 08:59 | 債券市場 | Comments(0)

「長期金利が予想配当利回りを上回る」


 16日の10年債利回りは1.695%となり、東京証券取引所に上場する全銘柄の予想配当利回り1.68%を上回った。長期金利が予想配当利回りを上回ったのは2007年12月27日以来となる。ちなみに予想配当利回とは予想配当金を株価で割って計算したものであるが、株価の上昇によって予想配当利回りが低下するとともに、債券相場の下落による長期金利の上昇によって、長期金利が予想配当利回りを上回った。

 昨年からの長期金利と株式の配当利回りの「逆転」現象が起こった原因は、米サブプライムローン問題による金融収縮の広がりへの懸念や、米経済への減速観測といったものによる。これにより米国株式市場が下落しその影響を受けて東京株式市場も大きく下げた。安全資産として米国債に買いが入り、日本の債券市場でも国債主体に買われ2008年3月には長期金利は1.215%まで低下した。

 しかし、米大手証券のベア・スターンズ救済策の発表などをきっかけに、米金融市場も落ち着きを取り戻し、米経済についても過度の悲観論が後退した。このため米株式市場は切り返し、米債は反落。日経平均も2008年3月の11787円を安値に14000円台を回復。長期金利も5月に入り一時 1.7%台まで回復した。

 長期金利は株式の予想配当利回りだけで形成されるわけではないが、長期金利が予想配当利回りを上回ったことで、長期金利上昇は目先一服してくる可能性もありそうである。少なくとも異常な状態が解消され、徐々に平時に戻りつつあることをこれは示しているとも思われる。
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by nihonkokusai | 2008-05-19 12:22 | 債券市場 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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