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「サブプライム問題が中央銀行に与えた教訓」


 昨日の水野日銀審議委員の講演や会見における発言の中で、現在の中央銀行の役割が以前に比べ様変わりしつつある様子が垣間見える。そのひとつが講演の中の「サブプライム問題が中央銀行に与えた教訓」にある。

 「サブプライム問題は、既に金融市場参加者、監督当局、中央銀行等に幾つかのメッセージを与えたと思います。そのうち、中央銀行にとって重要なもののひとつに、(1)クレジット証券化市場の急拡大、(2)資金の調達・運用手段等の多様化、(3)クレジット・デリバティブを活用したリスクヘッジ手段の発達、(4)運用のグローバル化の下でその関係者が拡がっていく中にあっては、「広義の金融システム」に由来するリスク、具体的には経済主体が保有する金融資産・負債の毀損や資金仲介機能の低下等を通じ経済が不安定化するリスクなどをしっかりと把握していく必要があるということが挙げられます。」

 「従来、金融システムのモニタリングに当たっては、金融仲介のプレイヤーのうち「伝統的な銀行業務を行う金融機関」に焦点を当てていました。こうした前提を踏まえ、金融システムの保持に向け、新しいモニタリング体制等を構築していくことが必要と考えています。実際、証券化市場など金融システムが「狭義の金融システム」よりもはるかに発展している英国や米国では、イングランド銀行やNY連銀を中心とするFRBは市場動向のモニタリングに多くの人材を配置しています。」(日銀のホームページ「山梨県金融経済懇談会における水野審議委員挨拶要旨」より)

 これは裏を返せば、現在の日銀も「クレジット証券化市場の急拡大」「資金の調達・運用手段等の多様化」「クレジット・デリバティブを活用したリスクヘッジ手段の発達」、「運用のグローバル化」などを踏まえて市場動向のモニタリングのために多くの人員配置の必要性があるとみられる。モニタリングとともにそれを分析する役割を担った人の拡充といったものも求められると思われる。

 そして、現在の中銀の姿が以前とはだいぶ異なってきていることが、次のような水野審議委員の会見内容からも伺える。

 「日米欧の中銀が強調したと言われているが、話し合いはしたが協調したつもりはない。日本は日本で正しいと思うことをやったし、ECBが ECBで正しいと信じることをやったということ。お互いについてコメントはしないし、するべきではないが、中銀ができることは庭先であるマネーマーケットの安定化を図るということ。したがって仮に日本の金融市場で流動性リスクのようなことが起きて、信用収縮が起きれば当然それなりに対処するが、今回は日本発ではない、したがって日銀は今回は積極的な行動を取ったと判断しないほうがいい」

 「もっとも昨年5月や今年2月の混乱で、米住宅市場の混乱が金融市場の調整につながるとの認識は中央銀行は持っていたので、その不安心理を増幅しないように適切に対応を取ったというのが私の評価だ」(以上はロイター「水野審議委員の会見一問一答」より)

 現在の、日銀やFRBやECBさらにイングランド銀行などは、以前に較べるとかなり政府からの独立性を維持している。これまではどちらかといえば政府主導での中銀の協調した金利操作なども行なわれた時代もあった。しかし、現在の対応はそれぞれの中銀に任され、さらに中銀同士の連携も政府が介在した時代とは状況も異なっている。

 まずは庭先の安定化を図ることが重要となる。必要以上に積極的に行動を取ってしまうとその反動といったものがあるため、その国々の情勢を確認した上でのそれぞれ適切な対応が求められる。

 しかし、それでもグローバルな金融市場の動揺に対しては、中銀同士の情報交換などを通じての状況認識といったものも重要になる。今回の金融市場の混乱に際しても、日銀でも現場サイドなどではかなり密に中銀同士での情報交換なども行なわれていたとも聞くが、ECBの対応も、FRBの対応も、さらに日銀の対応も連携というよりは、アイコンタクトのように、それぞれの判断での対策を講じたとみられる。

 今後も同様の事態はいろいろなかたちで起こってくるとみられるが、その際にも各国中銀が適切な対応を行い、グローバルな金融不安の連鎖などに対処するために、情報の共有などを通じての、中銀の連携が求められるのではなかろうか。対処方法はそれぞれに委ねられても、問題をしっかり共有して適切に対処する限り、市場心理をうまく和らげ、必要以上のパニック的な動きを緩和させることが可能になるとみられる。それぞれの中銀が独立性を維持させるためにも、いかなるときにも柔軟に対処できるための基盤を構築していくことも必要となろう。
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by nihonkokusai | 2007-08-31 11:00 | 日銀 | Comments(0)

「水野日銀審議委員の会見」


 本日の山梨県金融経済懇談会における水野審議委員の講演の要旨が日銀のホームページにアップされた。この中で特に注目されたのが、米国のサブプライム住宅ローンの悪化に伴う問題に端を発した最近の「金融市場の混乱」に端を発した最近の「金融市場の混乱」に関する部分かと思われる。

 欧米の投資銀行のビジネス・モデルおよび提供商品の変化について、水野委員は「先進諸国の大手金融機関が信用リスクや金利リスクを内部に抱え続けるoriginate & hold型から、資金を必要とする主体と資金運用を求める主体とを世界的なネットワークの下で結び付け、これらの間でリスクとリターンの効率的な分配を実現していく“originate & distribute型”にシフトしている」点を指摘し、「金融のグローバル化が進むことによって、債務者に関するリスクが借り手の所在する国の金融機関だけでなく、世界中に拡がり、広く薄く分散されている」ことが今回のグローバルな金融市場の混乱を招いた背景にある点を説明している。

 過去20年の金融市場を振り返ると、ほぼ3年に一度のペースで金融市場の混乱が発生していることも水野委員は指摘。1987年のブラックマンデー、1990年はのS&L危機を受けたクレジット・クランチ懸念、1994年のメキシコ危機、1998年のロシア危機とそれに続くLTCM ショック、2000年のITバブル崩壊~2001年9月11日の米同時多発テロを受けた混乱、2002年~2003年にかけたデフレ懸念の台頭など。

 さらに水野委員は、「好調な相場が3年も続けば、調整は時間の問題というのが率直な感覚です。」とし、昨年5月のいわゆるグローバル・リスク・リダクション、今年2月末の世界的な株価の調整は、足もとの金融市場の混乱の予兆であったと指摘している。

 そして、今回の「金融市場の混乱」は、疑心暗鬼となった市場参加者の不安心理の伝播とその増幅に伴う流動性確保に向けた動きが引き起こしたものと捉えていると水野委員は発言していているが、まさにその通りであったかと思われる。

 「今取り組まなければいけない課題は、金融市場におけるパニック的な行動を沈静化することと考えます」との指摘もあるが、私も市場の動揺を抑えるには市場参加者への不安を緩和させるため、不安解消への期待に働きかける必要があると考えている。

 その対応策が「8月17日に行われたFRBの対応だと思います。FRBは8月17日、プライマリー・クレジット・レートを6.25%から 5.75%へ引き下げました。これによって、FRBは、市場参加者のパニック的な行動を落ち着かせるべく、アナウンスメント効果を活用したほか、中央銀行として金融機関に積極的に流動性を補完しています。」

 サブプライム問題が発生した背景について水野審議委員は、「世界的な過剰流動性」が存在する下で、行き過ぎた投資が行われていたことが大きい点を指摘。

 世界的な過剰流動性がもたらされた理由として、世界的にインフレ率が安定していたこと、主要国の年金マネーやアジア諸国や産油国の膨張する外貨準備高などが国際分散投資を拡大していたこと、世界的に緩和的な金融環境が続いたこと、日本銀行が低金利政策を続けていたこと、など。

 「サブプライム問題やそれに端を発した円相場の乱高下の原因として、わが国の低金利政策が無縁であるとは言えません」とし、足もとの金融市場の混乱は、「ファンダメンタルズから離れた金利水準を維持し続けることは金融市場をむしろ不安定化させるリスクがあること」も証明したとも指摘した。

 そして、サブプライム住宅ローンの劣化に伴う影響について注意すべき点として、「システミックリスクに発展することはないか、体経済に深刻な影響を及ぼすことはないか」がポイントになるとしている。

 「世界経済が極めて好調であること、日米欧ともに企業部門の財務体質が極めて健全であること、欧米の主要金融機関等の収益力が高く、自己資本の基盤もかつてないほど充実していること」などにより、「流動性の問題さえ解決すれば、時間の経過とともに金融市場におけるリプライシングのプロセスは進んでいくと」指摘し、水野委員は「システミックリスクの顕在化に発展する可能性や、実体経済に深刻な影響を及ぼす可能性は小さいと判断されます」としている。

 また、「エマージング諸国は今や経常黒字国が少なくなく、外貨準備の運用の多様化に動いており、グローバルには潤沢な運用資金が存在します。また、年金マネーやソブリン・ウエルス・ファンド等を含めた巨大運用資金の存在は資産価格の下落余地を小さくする存在」と、グローバルな多額な資金の流れが、今回のような金融市場の混乱に対してクッションの役割となる点も指摘している。

 水野委員は、サブプライム問題に関する個人の評価として、「現時点でのFRBの適切な政策対応を前提に考えています。つまり、FRBが流動性リスク、信用収縮のリスクを回避するための、保険的な利下げまでの政策対応で十分な金融環境であるならば、時間の経過とともに世界的に金融市場は安定化に向かうと見込まれます。」としている。これが水野委員にとり、メーンシナリオか。

 ただし「一方、想定外の景気悪化を理由にFRBが利下げに踏み切った場合、議論の前提が変わってきます。今後のFRBの動きを占ううえで、私が重要と考えるのは、米国の雇用情勢です。想定外の景気悪化が見込まれるとすれば、米国の個人消費の下振れと思いますが、それは雇用情勢を起点に影響してくる可能性が高いとみているからです。」としている。こちらがある意味、リスクシナリオとなるのか。
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by nihonkokusai | 2007-08-30 13:22 | 日銀 | Comments(0)

「観光地化している秋葉原」


 つくばエクスプレスを利用していることで、帰り際に秋葉原に立ち寄ることも多い。昨日もぶらぶらと歩いていたのだが、何台もの観光バスが目に付いた。側面にツアー名が英語で書かれたもので、外国人向けの観光バスであった。夏休みということもあるが、いつも以上に海外観光客の姿も目立っていた。すでに秋葉原は日本の観光名所のひとつとして認識されているようである。

 今月初めに江の島に行った帰りに、鎌倉に立ち寄ったのだが、鎌倉大仏には大勢の海外からの観光客がいた。京都や奈良なども含めて、神社仏閣などが日本での昔ながらの観光名所であったが、そこにアキバが加わってきている。

 まもなくラオックスのコンピューター館が閉店するが、秋葉原は家電の街からパソコンの街に移り代わり、現在はオタク文化の街となっている。果たして海外旅行客は何を目当てにアキバに来ているのであろうか。アニメやフィギュアなどは一部のマニア向けから、どうもワールドワイドに関心も高まっているようである。ある意味、アキバがそういったものの聖地ともなっている。

 私の年代でも、物心ついたときには白黒テレビで鉄人やらアトムやらのアニメを見て育った。少年サンデーやマガジンも小学生のころには発刊されていた。大学時代にパソコンが出始め、社会人になるころにはオフィースにもパソコンが普及しつつあり、その後、インターネットが急速に普及した。同世代よりやや上でビル・ゲイツなどがうまく商売を始め、ネットを使っての商売は我々より若い世代がグーグルなどを起業した。

 さらに若い世代では、子供の時代はアニメが常に放映されており、あらたにファミコンなどのゲームも加わったことでテレビーゲームも生活の一部になっていたかと思う。そして、アニメもゲームも日本製のものが世界的にヒット、普及し、それはひとつの文化を形成し、その文化が現在のアキバに集中しつつある。

 こういった文化に目を背ける人も多いと思う。あの何が良いのか皆目わからんという人も多いかもしれない。しかし、そういった人も宮崎アニメなどはそれなりの評価をしているはずである。私もこういった文化は嫌いではない。だからこそ今のアキバをぶらぶらするのだが、それでもさすがにメイドさん姿などには違和感を感じなくもない。これはむしろ自らのオタクの感性が薄れたためなのであろうか。

 時代が秋葉原を変えてきているが、その時代の流れを敏感に感じて姿が変えられる秋葉原という街の柔軟性といったものも、ある意味興味深いようにも感じる。
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by nihonkokusai | 2007-08-30 09:52 | 趣味関心 | Comments(0)

「中央銀行の機能としての、金融システムの安定」


 金融システムとは、金融取引が安全かつ円滑に行われるためのインフラのことですが、この金融システムの安定を図ることは、物価の安定と並ぶ日本銀行の大きな目的となっています。金融システムが正常に機能して、企業や私たちがいつも安心してお金を利用することができるようにすることも、日銀の大きな役割なのです。日銀法には「銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする」と記されています。「信用秩序の維持に資すること」とは、日銀が「銀行の銀行」としての役割を担っていることから、金融機関同士の資金決済が常に円滑に行われるように維持することを示しています。

 この目的を達成するために、日銀は日銀券や日銀当座預金という安全で便利な決済手段を提供しているともいえます。さらに個別の金融機関の問題によって、たとえば信用に対しての不安心理が広がり、これが取引関係を通じて他の金融機関へ次々と波及し、金融システム全体が機能麻痺に陥ることがないようするために、いろいろな施策も講じています。日銀考査などを通じて民間金融機関の経営状態の把握に努めるとともに、決済システムなどの各種の制度や慣行といったものの整備や改善を図っています。
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by nihonkokusai | 2007-08-29 10:43 | 日銀 | Comments(0)

「7月11日~12日、金融政策決定会合議事要旨より」


 本日朝8時50分に、7月11日~12日に開催された金融政策決定会合議事要旨が発表された。この中で、まず米サブプライム問題に関しては下記のような意見が出ていた。

 「多くの委員は、サブプライム住宅ローンを巡る問題を含め、住宅市場の調整の帰趨には引き続き不確実性があるとの認識を示した。」

 「ある委員は、住宅価格の伸びが鈍化していることによって、消費者信用の借入れがこれまでに比べて容易でなくなってきており、そのことの影響が消費行動に出ている、と述べた。」

 「サブプライム住宅ローンについて、何人かの委員は、現時点で蓋然性が高い訳ではないが、仮にクレジット市場が深刻な影響を受けることになれば、わが国を含む世界の金融経済情勢に悪影響を及ぼす可能性は否定できないので、そうした観点からも引き続き注意深く事態の推移を見守る必要があると述べた。」

 「これに対し、一人の委員は、住宅市場の調整は実体経済の基礎的条件に関する問題から、金融セクターの一部に限られた問題へと性格が変化しており、わが国の金融政策を考えるうえでは大きなウェイトを占めないと述べた。」

 米消費行動への影響を懸念する委員と、金融セクターの一部に限られた問題と指摘する委員と見方が分かれている点も興味深い。

 中間評価に関しては、下記のように展望レポートに沿った推移としている。成長率の水準は、見通しに比べて上振れて推移しているとの意見は水野委員か。

 「大方の委員は、わが国の景気は、4月の展望レポートで示した見通しに概ね沿って推移していると考えられると述べた。」

 「これに対して、一人の委員は、生産・所得・支出の好循環のもとで息の長い成長が続くというメカニズムに変化はないが、成長率の水準は、見通しに比べて、国内・海外要因ともに上振れて推移していると述べた。」

 「景気の先行きについては、この委員を含めて、見通しに概ね沿って推移すると予想されるとの見方を共有した。」

 消費者物価に対しては、次のような発言となっていたが、「付け加えた」とする委員は岩田副総裁かとみられる。

 消費者物価は、2007 年度、2008 年度とも、見通しに概ね沿って推移すると予想されるとの見方を共有した。一人の委員は、4月の展望レポートにおける委員の見通しからは下振れ気味であるが、大きくは逸脱していないと評価しうる範囲内であるので、見通しに概ね沿って推移する、との表現に賛成すると付け加えた。」

 そして注目の、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については、まず下記のように水野審議委員の発言から

 「一人の委員は、政策変更が可能な状況に至ったとして、無担保コールレートの誘導目標を、これまでの0.5%前後から、0.75%前後に引き上げることが適当であるとの見解を示した。」

 これに対し、大方の委員は、「無担保コールレート( オーバーナイト物) を、0.5% 前後で推移するよう促す、という現在の金融市場調節方針を維持することが適当であるとの見解を示した。」

 その理由としては次のような発言があった

 「これらの委員は、4月の展望レポートで示した見通しに概ね沿って経済・物価情勢は推移しているが、見通しの蓋然性とそれに対するリスクをさらに見極めるため、引き続きあらゆる指標や情報を丹念に点検することが適切であると述べた。」

 もう少し様子を見たいというところか。
 
 「何人かの委員は、現時点で考えられるチェックポイントとして、例えば、米国経済の状況、IT関連財など国内生産の動向、賃金の動向、物価を巡る環境などが考えられるが、金融経済情勢は、絶えず新しい事象が生じるものであるので、何か特定の指標なり、特定の分野を念頭に置いて考えることは適当でないと述べた。」

 チェックポイントを絞るのも確かに変化に対応できなくなるが、常に事象の変化を追って行過ぎるのも、決断を遅れさせてしまうのではなかろうか。

 「大方の委員は、引き続き幅広い視野で見通しの蓋然性を確認し、リスク要因を点検していくということが重要であるとの意見で一致した。」

 「委員は、市場や報道で、次の利上げ時期が近づいているとの見方が強まっているだけに、対外説明においては、具体的な政策変更のタイミングについて予断を与えることのないよう、金融政策運営の基本的な考え方を繰り返し説明していくとともに、経済・物価の現状と先行きに関する判断を、引き続き丁寧に説明していくことが重要であるとの認識を改めて示した。」

 最後の部分は福井総裁か。7月11日から12日の決定会合での利上げ見送りの背景は、本音とすれば参院選を控えてということであったろうかと思う。このあとの金融市場の混乱が生じたことで、選挙に関わらずこのタイミングで追加利上げをするべきであったとの意見もあった。しかし物は考えようでもあり、もしここで日銀が利上げを実施していたとしたら、米サププライム問題に端を発する金融市場の動揺の犯人ともされかねなかった。結果論ではあるが、この意味では7月の追加利上げの見送りはあとを振り返ってみても、むしろ良かったのかもしれない。
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by nihonkokusai | 2007-08-28 10:10 | 日銀 | Comments(0)

「L25」


 残念ながら配付されている沿線からやや逸れていることもあって、R25やL25を手に取る機会は少ないのだが、地下鉄などに乗った際、見つけたときには手にとって読んでいるのがR25という雑誌。言うまでもなくフリーペーパーで成功を収めたリクルート発行の雑誌である。その女性向けがL25だが、残念ながらこちらは読んだことはなかった。

 そのL25から、国債に関しての記事執筆依頼があった。どうやら「投資信託と個人向け国債がよーくわかる本」を読んでいただいた担当者からの依頼であったようである。実は女性専用誌というのは初めての投稿ともなる。9月20日号に掲載される予定だが、もしご覧いただいた方がいらっしゃればご感想など聞かせてほしい。
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by nihonkokusai | 2007-08-28 09:46 | 国債 | Comments(0)

「個人向け国債の改革・促進案」


 今後の個人向け国債に関して、個人的な改革案をいくつか考えてみた。実現性の有無はさておき、個人の投資資産の中核的商品ともなるだけに、今後の改革といったものも必要ではなかろうか。以下、あくまで私案です。

 10年物固定利付の個人向け国債発行
 毎月募集に変更
 子供の学費のための買い付けには税免除
 贈与などに容易に使えるようにする、できれば税軽減も
 今日の金利として10年、5年の国債金利をホームページに毎日アップし、それを借金時計の わきに掲載する。
 個人向け国債購入者にカードを発行しポイントをつけ、国営施設入場料の割引など

 コンビニでの購入可能、インターネットでの購入可能

 個人向け国債のイメージキャラター作り
 芸能人などによる一日「財務大臣」で個人向け国債購入の呼びかけ
 漫画でわかる個人向け国債パンフレット作成し駅のR25の脇あたりに置く
 セカンドライフに財務省の支店を出店し、個人向け国債の相談を受ける
 ビデオでわかる個人向け国債を作成し、youtubeでも配信
 イメージソング「コ・ク・サ・イ」を発表、コブクロあたりで
 「買ってはいけない国債」「やっぱり危ない国債」の著者たちと「日本国債は危なくない」の作者 による公開討論会
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by nihonkokusai | 2007-08-28 09:45 | 国債 | Comments(0)

「福井総裁会見」


 23日に発表された8月の日銀の経済月報(基本的見解)が先月と内容がほとんど変化がなかったが、福井総裁も会見においても「日本経済は引き続き緩やかに拡大していることを確認した」と発言した。

 ただし、23日の金融政策決定会合で利上げが見送られた背景としては、「金融市場においては、世界的に振れの大きい展開となっており、影響を含めて状況を注視する必要があるとの判断になった」(福井総裁)ことが大きな要因となったものとみられる。

 今回のサブプライム問題に端を発する信用収縮にともなう金融市場の動向に対して、福井総裁は「今回の金融市場の新しい調整プロセスは、リスク再評価の過程と言われているが、今春や昨年5-6月の株価の調整と比較すると、クレジット市場を中心にリスク評価が甘すぎた部分が、市場の中で納得できる新しい価格発見を行なっていくプロセスという点が違う」と発言した。

 「今のところリスク再評価のプロセスは起こるべくして起こっているのであり、これがオーダリーに進む限りは次の安定的な経済の発展に繋がる市場の動きと受け止められる面が多く、このプロセスを大事にしたい」と、ある意味、今回の市場の動きについては市場の浄化作用ともなっていることを指摘している。

 そしてこの、リスク再評価のプロセスには時間がかかるとも総裁は指摘しているが、その時間に関しては「今、ABCPとか、CDO、CLO のマーケットが機能停止に近い状態であることを考えると、これがほぐれていくために、やはり数週間でとは、なかなか考えにくいと思う」と述べている。

 ちなみに、BNPパリバは23日に、今月7日に実施した傘下の3つのファンドの凍結を28日以降、順次解除すると発表している。市場が落ち着きを取り戻し、ファンドの資産価値を適正に評価する「諸条件が整った」としているが、説明の中にはファンドの「資産価値を計算できる新しい手法」を確立したと説明もあった。

 あまり楽観的な見通しもいけないかもしれないが、各国金融当局も今回の相場変動にはかなり神経を尖らせており、いろいろと対策を講じてくるともみられる。今回の金融市場の混乱を招いたひとつの要因でもあったBNPパリバのファンドの凍結解除も、そういった動きの一環ではなかろうか。不透明なものも、いったん対策が講じられるようになれば、透明度を増す時間も意外に早まる可能性がある。

 福井総裁は会見では、完全にほぐれるのには数週間では難しいとしているが、実際には、ある程度のほぐれてくる目処が立つまでには、それほどの時間も必要ないかもしれない。それ以前に、移ろいやすい市場がそういったものに対してのすでに興味を失い、あらたな材料に関心が向かってくることも考えられる。


次の決定会合までには、まだ時間もある。日本のファンダメンタルに大きな変化がない限りは、9月18日から19日にかけての決定会合での利上げの可能性は十分ありうるとみている。
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by nihonkokusai | 2007-08-24 15:05 | 日銀 | Comments(0)

「債券の目先の見通し」


 米サププライム問題が収縮し、実態経済への影響も米国の住宅市場といったものに止まることも予想され、米個人消費への影響がそれほど大きなものとならない限りは、世界経済への影響も限定的となるとみられる。ECBも利上げに向けての姿勢を維持するとともに、FRBも今回の問題解決にはあまり効果的とはみられない政策金利の引き下げは見送る可能性も高い。このため市場の動揺が落ち着き、米経済にそれほど失速懸念が出なければ、9月18-19日にかけての金融政策決定会合での追加利上げの可能性は十分にありうると見ている。8月12日から18日にかけての外国人による中長期債の取得額は4兆2465億円、短期債の取得額は2兆3567億円と、2005年1月に統計を取り始めて以来、最高となっていたが、これは今後の債券の売り圧力に繋がる可能性もある。金融市場動向に対してあまり楽観的な見通しもできないものの、過剰ともなった悲観的な見方の後退により、債券市場も大きく調整してくる可能性もある。28日の20年国債入札、そして30日の2年国債入札の動向も注意したい。また、30日の水野審議委員講演内容にも注目。経済物価指標としては27日の米7月中古住宅販売件数、31日の8月東京都区部、7月全国消費者物価指数、7月完全失業率、7月有効求人倍率、7月家計調査、7月鉱工業生産速報が発表される。31日にはFRB議長講演も予定、テーマが住宅問題と金融政策だけに注目される。
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by nihonkokusai | 2007-08-24 10:55 | 債券市場 | Comments(0)

「プライマリーバランスの黒字化よりもTXの黒字化が速いか」


 明日24日で、つくばエクスプレス(TX)が開通して2周年を迎える。開通当日から利用しているが、車窓からの風景もだいぶ変わってきている。そして、また乗降者数も日々増加しているように感じる。23日付け日経新聞(地方版)に、TXを運営している首都圏都市鉄道の高橋社長とのインタビュー記事が掲載された。

 この記事によると、2006年度の乗客数は1日あたり19.5万人と開業当初から3割増加し、2007年4月以降は1日23万人程度で推移しているようである。割引を利用しない定期以外の乗客が引き続き4割を占めているという。

 当初、黒字化には約30年かかると予想していたようだが、前期に予想収益が267億円となり、これにより最終赤字は37億円に止まった。単純計算だと営業収益があと50億円あれば黒字になるという。乗客増がこのまま進み、減価償却も変化がないという楽観的な仮定をすれば、営業収益を毎期10 億円増やせば5年後に黒字化する可能性もあるとか。とりあえず営業収益が300億円を達成すれば黒字化が見えてくるそうである。TXの黒字化は、国のプライマリーバランスの黒字化と良い勝負となりそうである。

 TXの魅力そのスピードなどもあるが、事故などの少なさといった信頼性も大きな魅力となっている。新幹線と同様に高架やトンネルを利用して踏み切りがなく、安全性もかなり配慮されているため、死亡事故などはこれまで聞いたことはない。

 反面、平行して走る常磐線は歴史も古い分、何かと運行がストップすることが多く、人身事故なども多い。TXは、新しい路線ということもあるが、めったなことでは運行が遅れない。これまで2年間、通勤で乗っていても、遅れたことはほとんどなかった。いつぞや、震度3程度の地震があって一時的に駅にストップした際など、最終的に2分程度の遅れでの到着であったにも関わらず、運転手(車掌はいない)が、申し訳なさそうに、たいへんご迷惑をおかけしました、と車内放送をしていたぐらいである。

 今後も特に安全面をさらに強化して、早期の黒字化とともに、それとは矛盾してしまうことなれど、できれば混雑解消なども早めに手を打っていただきたい。通勤ラッシュ時間帯はすでにかなりの混みようともなっている。
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by nihonkokusai | 2007-08-23 14:06 | つくばエクスプレス | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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