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「サブプライム問題の再燃」


 10日の米国市場ではS&Pがサブプライムローンを担保にした住宅ローン担保証券の格下げの可能性を発表するなどしたことで、サブプライム問題が再燃し、米10年債利回りは前日比-0.12%の5.02%に低下した。ダウも前日比148.27ドルの大幅な下落となり、円も買われドル円は121円台をつけた。今回のサブプライム問題の再燃について、直近のロイターの報道などから整理してみたい。きっかけのひとつとなったのが、スタンダード・アンド・プアーズの発表であった。

 S&Pは、住宅価格が今後8%下落し、住宅ローンの返済不履行が増加するとの予想から、121億ドルに上るサブプライムモーゲージ関連証券の債務格付けを引き下げる可能性を示した。格下げの対象となる可能性のある証券は、サブプライムモーゲージ債権を担保とした612の証券。これはS&Pが前年格付けを行った住宅ローン担保証券は、5653億ドルの2.13%を占める。S&Pは、CDO債務を裏付けているサブプライムモーゲージの損失率を過小評価していたとも指摘している。(ロイター)

 S&Pはまた、同社が格付けを行った米キャッシュフローとハイブリッド型債務担保証券(CDO)の13.5%が、サブプライムモーゲージ債務にエクスポージャーがあることを明らかにしている。S&Pによると、サブプライムモーゲージ融資にエクスポージャーがあるのは、218の米キャッシュフローとハイブリッド型CDO。(ロイター)

 さらに、米ムーディーズ・インベスターズ・サービスも、住宅ローン担保証券(MBS)399件の格付けを引き下げると発表した。理由は、ローンの延滞率が予想を上回ったためとしている。対象は2006年の発行で、大半が第一順位抵当の変動金利・固定金利のサブプライムモーゲージが担保。 (ロイター)

 ム-ディ-ズは2006年度に貸し出されたサブプライム向け住宅ロ-ン全体の6%~8%相当が最終的に差押えとなるであろうと予想しているようだが、貸し出し総額は2005年度の方が多いとの指摘がある。今後は、2005年物にも差押えとなるケ-スが多く出るであろうと見られているが、ロンドンのヘッジファンド、キャリバー・グローバル・インベストメントもこの2005年物サブプライムで多額の損失を被り、ファンドを閉じる事となったとの報道もあった。

 ヘッジファンドに絡んだ最近の報道では、NY時間3日、米投資顧問会社ユナイテッド・キャピタル・アセット・マネジメント(UCAM)が、傘下のヘッジファンド「ホライゾン」グループの4ファンドについて、運用先のストラクチャード・ファイナンス市場が不安定なことを理由に、顧客からの解約・返金請求の受け付けを一時停止したことを明らかにしている。解約・返金手続きを凍結したのは、ホライゾン・ファンド、ホライゾンABSファンド、ホライゾンABXファンド、ホライゾンABSマスター・ファンドの4ファンド。3月末時点の運用資金は約6億1900万ドル。(ロイター)

 NY時間5日、米ブラドック・フィナンシャルは、ヘッジファンド「ガリーナ・ストリート・ファンド」を解散することを明らかにした。サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手への住宅融資)問題を懸念する投資家からの解約が増加し、同ファンドの資産残高は、2006年と比べ4分の1程度減少したという。(ロイター)
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by nihonkokusai | 2007-07-11 10:27 | 景気物価動向 | Comments(0)

「委員会制度のもとでの情報発信」


 7月3日の武藤日銀副総裁のJCIF国際金融セミナーにおける講演の中で、「委員会制度のもとでの情報発信」に関してのコメントがあった。武藤副総裁はまず日銀の情報発信に関して、「講演を含め、記者会見、展望レポートや議事要旨など様々な手段を通じ」説明するとしている。

 さらに複数のメンバーから構成される委員会制度における政策決定に関して、委員会としての説明責任をどのように果たすのかについて述べている。

 合議制である金融政策決定会合では、審議や討議を通じて意思決定がなされることで、例えば、委員会における討議を通じて、会合後の私は、会合前の私とは異なるということが起こりうるとしている。

 「会合後の私は、会合前の私とは異なる」という言葉も意味深いものがある。討議の内容によっては事前の意志と異なる意思決定がなされる、いやもしかするとこれまでもなされた経緯があったものとみられる。意思が明確でなかった場合でも、たとえば議長提案がなされるといった雰囲気の中、討議の内容を見極めたうえでやや慎重な姿勢であっても議長提案に賛成票を投じるということがあるのかもしれない。

 金融政策決定会合において、反対票を投じることによっての少数意見に対しては、議事要旨でもその立場をきっちりと説明し、少数意見が存在することにより、金融政策決定会合における討議のプロセスがより明確化されるとしている。

 そして、こうしたプロセスで、中央銀行が発信すべき情報とは、経済・物価情勢に関する判断と金融政策運営についての基本的な考え方の2つとしている。一般論として、こうしたプロセスにおいて、具体的な政策変更のタイミングを示唆することは好ましくないともコメントしている。

 そして、委員会制度のもとでの情報発信の事例として、欧州中央銀行のGoverning Council(ECB政策理事会)のケースを示し、ここでは政策決定におけるコンセンサス方式とワン・ボイスでコミュニケーションについて紹介している。特にワン・ボイスでコミュニケーションについては、トリシェ総裁が、ECB政策理事会の総意を伝えることは自分の役割であり、ワン・ボイスで話をするのはキャプテンとしての自分であることを取り上げている。

 ここでやや話が主題と逸れてしまうが、10日の日経新聞によるとフランスのサルコジ大統領は。9日のユーロ圏財務省会合に異例の出席をした上で、最近のユーロ高を深刻視し、追加利上げ観測が強まるECBを牽制したそうである。うまく政治から距離を置きつつあるECBが、フランスのトップが変わったことによって再び政治的圧力を受けるようになるのか、やや気になる記事であった。

 さて、委員会制度のもとでの情報発信に戻るが、結論から言えば、日銀は政策変更に関してあからさまなシグナルを送ることはしない。中央銀行が発信する経済・物価情勢に関する判断などを元に市場参加者は推測していかねばならないこととなる。さらに「会合後の私は、会合前の私とは異なる」こともあるとすれば、討議の内容といったものも吟味する必要があり、過去の議事要旨の内容なども丹念に追っていく必要もある。しかし、議事録が発表されない限り、実際にあった具体的な議論までは外部からはわかりにくい部分もある。結局は日銀の金融政策に関してはあまり決めうち的な見方はしない方が良いということにもなるのであろうか。
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by nihonkokusai | 2007-07-10 13:10 | 日銀 | Comments(0)

「世界最大の先物取引所誕生へ」


 世界最大の先物取引所誕生へ、CME・CBOT合併案承認

 読売新聞によると、米国の最大手の先物取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)と、2位のシカゴ商品取引所(CBOT)は、それぞれ開いた臨時株主総会で、昨年10月に合意したCMEによるCBOTの買収・合併案が承認されたと発表した。

 新会社名は「CMEグループ」、これによって、出来高ではドイツ取引所傘下の「ユーレクッス」を抜く世界最大の先物取引所が誕生することになる。

 私がCMEやCBTの存在自体を知ったのは1984年ごろ。債券先物が東証に上場すると発表され、ぜひ関わりたいと思ったものの、当時は金融先物の本などほとんど出ていなかった。それでも専門書を取り寄せたり、東証のセミナーに参加したがその際に、米国の金融先物のメッカであるシカゴの両取引所の存在を知った。当時からなんで2つに分かれているのだろうとの疑問を持っていたが、それがやっと解消される(?)。

 1989年にシリーズ3という米国の先物オプションの外務員資格を取るために3か月ほどニューヨークに研修に行った。試験はあっさり取れたことで、ほとんどの期間は米国事情調査に充てさせていただいた。その研修の一環として、シカゴの取引所見学があった。そのときに初めて、CMEと CBOTのフロアーを見学させてもらった。そのときはここがまさに聖地なのかと感慨深げであった。
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by nihonkokusai | 2007-07-10 12:29 | 債券市場 | Comments(0)

「さくらレポートに見る地域経済」


 7月6日の日銀の支店長会議において発表された地域経済報告(さくらレポート)の内容を確認しながら、地域経済の動向をまとめてみたい。

 総括判断としては、「各地域の取りまとめ店の報告によると、足もとの景気は、すべての地域において拡大または回復方向の動きが続いており、地域差はあるものの、全体として緩やかに拡大している。」として、4月の支店長会議における総括が維持されている。

 ただし「総括判断において、拡大としている関東甲信越、東海、近畿と、回復方向にあるその他の地域との間で、依然、地域差がみられている。」とも指摘されているように、全9地域のうち6地域か現状維持としたものの。東北がやや上方修正した一方で、東海と北陸がそれぞれやや下方修正していた。

 個人消費については、、衣料品等で弱めの動きがみられ一方で、デジタル家電や高付加価値の白物家電を中心に家電販売は好調。乗用車販売は、すべての地域で弱い動きが続いており、これが総括判断におけるトヨタを抱える東海地方の下方修正のひとつの要因か。

 設備投資は、高水準の企業収益を背景に、すべての地域で、引き続き増加傾向としている。雇用・所得環境面では、雇用情勢について、ほとんどの地域で改善を続けていると判断しているものの地域格差はまだ大きい。一方、所得面はほとんどの地域で、緩やかな増加あるいは改善と判断していたが、中国が判断をやや下方修正した。

 また、大企業と比べると中小企業の収益改善の動きは依然鈍いことも指摘。これについて、価格支配力を強めている川上、川下の大手企業に挟まれ利幅の縮小が続いていることなどを指摘しており、川上の企業が素材価格を引き上げるとともに、川下の販売会社への価格転嫁が難しく、中小企業がある意味犠牲となっている構図が続いている。また、地域差はあるものの、業種を問わず中小企業の人材確保が困難となっていることも指摘されている。

 福井総裁はこの支店長会議において、「わが国の景気は、緩やかに拡大している。海外経済の拡大が続く中で、輸出は増加を続けている。また、企業収益が高水準で推移する中、設備投資も引き続き増加している。雇用者所得は緩やかな増加を続けており、そのもとで個人消費は底堅く推移している。」と挨拶した。

 1月の支店長会議の挨拶で冒頭で「わが国の景気は、緩やかに拡大している。世界経済が地域的な拡がりを伴いつつ拡大する中で、輸出は増加を続けている。また、企業収益が高水準を続け、業況感も良好な水準で推移する中、設備投資も引き続き増加している。雇用者所得も、緩やかな増加を続けており、そのもとで個人消費は、やや伸び悩みつつも増加基調にある。」と挨拶しており、ほぼ内容は一致している。個人消費の部分が1月の「伸び悩みつつも増加基調」から7月は「底堅く推移」に変わっている。
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by nihonkokusai | 2007-07-10 10:52 | 景気物価動向 | Comments(0)

「日銀の金融政策はより慎重か」


 市場では来週7月11日から12日の金融政策決定会合での追加利上げの可能性を見る向きはほとんどなく、次の利上げは8月以降、特に8月22日から23日にかけての金融政策決定会合で実施されるとの予想が強い。しかし、8月の追加利上げの可能性については、まだいくつか不透明要因もあり、あまり決め打ちもできない。サブプライム問題がまだ燻っている米国経済の動向や、ここにきて支持率低下が顕著な安倍政権に対しての参院選の結果がどのようなものとなるのか、といったことも不確定要因となるかもしれない。

 福井日銀総裁も経済・物価を丹念に点検しながら金融政策を適切に運営との発言を繰り返しており、比較的に慎重な姿勢ともみられる。

 欧米の金利上昇ピッチ次第では、日本との金利差拡大から円安がさらに進行する恐れもあるが、円安対策としてだけの利上げも考えにくい。日銀の追加利上げには市場でもより慎重な見極めも必要になる。欧米の金利動向次第では、日本の長期金利は再び2%近くまで上昇する可能性があるが、そこを抜けて大きく上昇することも目先は考えづらい。
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by nihonkokusai | 2007-07-06 09:58 | 日銀 | Comments(0)

「インターバンクの参加者」


 バブル崩壊後の金融システム不安などを通じての金融再編や、日銀によるゼロ金利政策や量的緩和政策を通じて、インターバンクの参加者にも大きな変化が見られました。

 都市銀行は元々資金不足傾向が強く、インターバンクにおいては資金の最大の取り手として存在感を示してきました。しかし、都市銀行は、統合や再編により数を大きく減らし、少数のメガバンクに集約されました。このため都市銀行同士での資金のやり取りがメガバンク内部である程度やり取りすることも可能となりました。その分、インターバンク市場での資金のやり取りが減少することになりました。

 加えて、ゼロ金利下においてインターバンク市場そのものでの運用資金を減少させ、担当ディーラーを削減したりしました。昔ならば職人芸が必要とされるといわれた都銀の資金運用は、アルバイトを雇って行なうことも可能とすら言われたのです。取り手に対するクレジットラインの設定なども影響があったものとみられます。さらに、貸し出しの伸び悩みなどによって資金需要が減少したことで、メガバンクは、それまでのように最大の取り手ではなくなりました。

 量的緩和政策解除後も企業の貸し出しは伸び悩んでおり、都市銀行による無担保コール市場での資金需要も限定的なものとなっています。また、ダイレクト取引というマーケットを経由しない取引も増加したこともひとつの要因と指摘されています。

 その代わりに資金の大口の取り手として存在感を強めてきたのが外国銀行です。日本で金融不安が高まり、金利もほぼゼロ金利となっていた際には、為替スワップ市場においてマイナス金利で円資金調達を行っていたようですが、邦銀の信用力回復に伴いそういった機会は減少し、コール市場における調達が増加しているようです。その背景としては、円キャリートレードの増加といったものがあるのではないかともみられています。

 さらに資金の取り手として証券会社によるものも増加しています。これは株式取引やCB の引受などコーポレート・ファイナンス業務が活発化し、レポ取引などによる資金調達だけでは資金のニーズを埋めることが難しくなっていたためと見られています。

 また、資金の出し手としては、投資信託の残高急増を背景にしての信託銀行経由分など増加しています。投資信託は解約などに備えてある程度短期で運用せざるを得ないことで、「貯蓄から投資へ」の流れを背景にした残高急増によって、こういった資金がコール市場で運用に回されているものとみられます。

 2007年5月現在のコール市場残高を見てみますと、無担保コールの出し手としては、投信を含む信託銀行が最大となっており、都銀、地銀、第二地銀と続いています。取り手としては、外国銀行が半分以上を占めており、証券・証券金融、都銀と続いています。
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by nihonkokusai | 2007-07-05 09:19 | 債券市場 | Comments(0)

「ムーディーズは、日本政府の債務格付けA2 を引き上げ方向で見直し」


 本日4日、米大手格付け機関であるムーディーズは、日本政府の債務格付けA2を引き上げ方向で見直しすると
「発表」した。

 今回の見直しは、政府債務の状況が改善に向かう転換点に到達したことが示されたことを受けたものとしている。

 すでに4月23日に、S&Pが日本の格付けをAA-からAAに引き上げており、債券を含めて相場にはあまり影響はないとみられる。

 しかし、なんで今頃、といった感じも個人的にはしなくもない。以上、「日本国債は危なくない」著者より・・・。
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by nihonkokusai | 2007-07-04 12:53 | 国債 | Comments(0)

「投資アドバイザー有利子、が漫画に」


 幸田真音さんの小説「投資アドバイザー 有利子」が漫画になるそうである。ついに幸田さんも漫画界に進出。7月17日に発売される「コミック チャージ」第9号から連載が開始されるそうです。幸田さんの小説をあらたな視点からご覧いただけます。

 今度はぜひ「日本国債」も漫画家もしくは映画化してほしい気も。そういえば、いつも聞いているJ-WAVEの朝のラジオの番組の中で、小説の舞台となった東京の名所を紹介するコーナーがあったのですが、先日は幸田真音さんの「日本国債」が取り上げられていました。その場所はなんと日本橋兜町の東証でした。そういえば、久保井が国債暴落させたのは、債券先物であったような。
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by nihonkokusai | 2007-07-04 10:39 | 本の紹介 | Comments(0)

「JCIF国際金融セミナーにおける武藤副総裁講演要旨より」


 武藤日銀副総裁のこの講演の内容も、やや慎重や姿勢を伺わせるものとなっていた。そういえば、この講演の内容とは直接的な関係はないが、昨日ロイターによると竹中平蔵氏が「「福井日銀総裁の後任になることは『絶対にない』」との発言したそうである。金融市場関係者の間でも竹中氏の可能性を指摘する声がなかったわけではないものの、現実性は薄いとみていたが、この発言もあり、次期総裁人事に関しての憶測も時期尚早とも思うものの、武藤副総裁が最有力であるかと思われる。

 それはさておき、その武藤副総裁はこの講演の中で、経済・物価を巡るリスク要因として次のような発言があった。

 「一つ目のリスク要因は、海外経済の動向です。今申し述べた見通しでは、海外経済は地域的な拡がりを伴って拡大を続けると想定しています。現在減速過程にある米国経済はソフトランディングし、また他の地域の拡大が米国の減速を補うということです。」

 日本の輸出を見ても米国向けの落ち込みは、他の新興国や資源国などに向けてのものがカバーするなどしており、全体としての落ち込みは今のところない。

 「もっとも、米国経済については、住宅市場の調整の進捗度合いや設備投資の先行きを不安視する見方もあります。ここ数か月話題になっている低所得者層を対象にした住宅融資の延滞問題、いわゆる「サブプライム住宅ローン」の問題については、景気全体や金融システムに広範な影響を及ぼさないとの見方が強まりつつあるようですが、住宅市場の調整が想定以上に深刻なものとなったり、設備投資が下振れた場合には、景気は一段と減速する可能性があります。」

 サププライム住宅ローンの問題については引き続き注意を払っている姿勢が伺える。日銀も当然ながらFRBなどとの情報交換も頻繁に行なっているものとみられるが、この問題の影響をさらに見定める必要がありそうな感じとも受け取れる。

 「米国では、資源の稼働状況が高水準であるもとで、インフレ圧力が持続するリスクもあります。コアの消費者物価の伸び率をみると、このところ幾分低下していますが、依然やや高止まっています。仮にインフレ圧力が減衰しない場合には、長期金利や為替相場などの反応を介して、米国のみならず、世界の金融市場や経済に悪影響が及ぶリスクがあります。」

 米景気については目先サププライム問題の動向を見定める必要があるとしながら、米国の物価面については、リスク要因としながらもインフレ圧力が持続する可能性を指摘している。「長期金利や為替相場などの反応」という部分に、5月あたりからの世界的な長期金利の上昇圧力が生じたことへの懸念といったものも感じられる。あくまでリスク要因ではあるが。
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by nihonkokusai | 2007-07-04 10:03 | 日銀 | Comments(0)

「6月調査の日銀短観(一部、加筆)」


 2日に発表された6月調査の日銀短観では、大企業・製造業業況判断DIは前回と同じ+23とほぼ予想通りの数字となり高い水準が維持された。9月の予測は +22としっかり。2007年度大企業・全産業の設備投資計画は前年度比+7.7%と発表された。設備投資計画は3月の当初計画から上方修正されるが例年のパターンとなっているが、上方修正幅は市場予想の平均値よりは大きくはなかった。

 中堅製造業・製造業業況判断DIは+13と前回の+16から小幅悪化。9月予測は+14。中堅非製造業・製造業業況判断DIは+8とこちらは小幅垂涎、9月予測は+7。中小製造業・製造業業況判断DIは+6と前回の+8から小幅悪化。9月予測は+4。中小非製造業・製造業業況判断DIは-7、9月予測は-10。2007年度中小企業・全産業の設備投資計画は前年度比-16.3%となった。

 事業計画の前提となっている想定為替レートは2007年度は114円40銭となっており、現状の123円とはやや開きがある。大企業製造業における業況判断DIは、木材・木生産が-18、鉄鋼-8、非鉄金属-8となるなど素材系業種における低下が見られる。また、自動車も-5となるなど国内での売れ行き不振といったものも影響しているとみられる。反面、造船・重機等は+10と好調を持続させており、それに石油・石炭製品なども好調となっている。一般機械も +3の49と高い水準をキープした。

 大企業非製造業の業況判断DIでは、不動産は変わらずながら53と高い水準を維持、運輸も2ポイント上昇の24と、3期連続の改善となった。一方、小売は-2の11、飲食店・宿泊は-6の11と悪化するなどしており、対個人サービスの-9も含めてやや個人消費の伸び悩みも影響か。海外での製商品需給判断の大企業製造業DIは+4となり、1997年3月調査開始以来最大の需要超過となった。米国への輸出の落ち込みは新興・資源国向け輸出でカバーしたかたちとなった。

 さらに2007年度の大企業製造業の売上高計画は6年連続増収見込みとなり、大企業製造業の雇用人員判断DIは22期ぶりに過剰超過方向となるなど、総じてしっかりした内容となった。

 ただし、仕入れ価格判断指数は、大企業が前回の+32から+40に、中小企業が+43から+51に上昇した反面、販売価格判断指数は大企業が前回の-1から+2に、中小企業が-4から-3と小幅な上昇に止まった。価格転嫁については引き続き厳しい状況ともなっているものとみられる。
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by nihonkokusai | 2007-07-03 09:39 | 景気物価動向 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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