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「参議院選挙での自民党大敗による債券相場への影響」


 今回の参院選の結果を受けた債券相場への影響について考えてみたい。民主党が参院の過半数を占め参院第1党となったことによる影響としては、「財政構造改革」にブレーキが掛かる懸念がある。民主党の政権公約にも、新たに新規財源が必要なものも多い。たとえば「子ども手当」の支給、農家の「戸別所得補償制度」の創設、中小企業予算の大幅拡充といったものである。現実のどの程度の金額となるかはともかく、ある程度の財源が必要となろう。また、消費税論議についても先送りされる可能性が強い。

 現在、「国債」への信認は巨額な発行残高にも関わらず維持されている。財務省の国債管理政策を進めてきた成果といった側面もあるが、なんといっても政府が財政構造改革を進める姿勢を示したことによる信認維持といった面も大きい。需給面でも市場内からは懸念する声はほとんど聞こえてこない。しかし、こういった信認はあくまで市場参加者の心理面によるものも大きく、財政構造改革への動きに変化が生ずれば、国債への信認が低下し、その結果長期金利が跳ね上がるリスクがないとは言い切れない。

 国債への信認という問題は、日本経済にとっては最重要課題のひとつでもある。もし国債の信認失墜となれば、借金をしてなんとか予算が成立している状況である以上、国家予算そのものも成り立たなくなる。需給バランスが崩れ、国債の買い手がいなくなれば、日銀による引き受けといった手段が取られるであろう。国債信認失墜による日銀の国債引受が何をもたらすかは、言うまでもない。

 安倍政権が維持されたことで、そういったリスクは引き続き抑えられてはいるものの、民主党の力の強まりにより、これまでよりは幾分か信認そのものに揺らぎが生じる可能性もある。しかし、民主党が政権を取った際でも、国債への信認を維持させる上でも財政構造改革を進めざるを得ないのが現実であろうし、日本の財政そのものを脅かすような政策は取れないはずである。

 国債への信認は維持されるとなれば国債需給への懸念はあまりないであろう。しかし、選挙結果に伴ってのファンダメンタルズへの変化によって債券相場に影響が出る可能性がある。これも安倍政権が維持されることで、目先の政局への不透明感は後退しており、日本経済そのものへの影響も限定的とみられる。むしろ、米サブプライム問題に絡んでの米経済の行方の方が注目されている。

 以上のことから、今回の参院選の結果による債券市場への影響は限定的とみられる。日銀の追加利上げのタイミングも気になるところではあるが、8月に実施してくる可能性もあり、いずれにしても次の一手は利上げであることは間違いない。このため超短期債の利回り低下余地には限度があるともみられる。
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by nihonkokusai | 2007-07-31 10:54 | 債券市場 | Comments(0)

「参議院選挙での自民党大敗による日銀の金融政策への影響」


 7月29日に投開票が実施された第21回参院選の結果は、自民党が37議席しか得られず過去最低だった1989年の36議席に次ぐ大敗を喫した。民主党は結党以来最高の60議席を獲得し参院第1党となった。

 民主党が参院の過半数を占め参院第1党となったことで、重要法案の成立が今後困難になることが予想される。参院で法案が否決されても、衆院で三分の二以上の賛成を得れば再可決は可能となるが、すべての法案を衆院で再可決するのは時間的な問題が生じるとともに、強権的な与党といった印象も与えかねないため難しい。加えて、8月の臨時国会の議長選挙で選ばれる参院の新議長については、第一党から選出するという慣例に習い民主党が獲得することになろう。また、法案審議の委員長なども民主党から選出されることになれば、法案審議はかなり難しいものとなる。

 参院選の結果によって、経済政策にも影響が出る可能性がある。消費税引き上げについては民主党は反対しており、これも難しくなろう。また歳出削減については、民主党の政権公約などには、新たに新規財源が必要なものも多いことで、財政構造改革そのものの停滞といった懸念も出ている。財政構造改革そりものの流れに大きな変化はないとみているが、国債需給への警戒といったものが出てくる懸念も残る。

 今回の参院選の結果に伴う景気全般への影響はあまりなさそうであるが、こういった見方が強まれば、日銀の金融政策そのものへの今回の選挙結果の影響は少ないとみている。ただし、それ以上に気にすべきは米信用不安の高まりによる米株安の動きであろう。M&Aの動きなどが米国株式市場を大きく引き上げていたが、サブプライム問題がひとつのきっかけでその反動がここにきて強まっている。この米国株式の不安定さが日本の株式市場にも影響を与えている。日米の経済そのものへのサブプライム問題の影響も予想しがたい面もあるが、懸念材料となるのも確か。その意味で8月22日からの日銀の決定会合まで、このサブプライム問題が尾を引けば、追加利上げにむけて政策委員も慎重となってくる可能性がある。

 来年3月20日に任期満了となる日銀総裁人事に対して影響が出てくる可能性がある。日銀総裁は「総裁及び副総裁は、両議院の同意を得て、内閣が任命する」(日銀法23条)とあり、もし衆院が賛成しても参院が賛成しなければ内閣は任命できない。

 また、中川秀直氏の自民党幹事長の辞任によって、自民党幹部による日銀の金融政策への批判といったものは収まるかもしれない。しかし、中川氏による日銀批判といったものは今後も続くものとみられる。もちろんこの発言によって金融政策に影響を与えることもないであろうが。

 8月22、23日の金融政策決定会合における追加利上げの有無を巡っては、時間との勝負にもなりそうである。12日の福井日銀総裁の会見内容からは8月追加利上げの可能性ありとみているが、それまでに米サブプライム問題による影響が後退してくるのかどうか確認したい。

 4-6月期のGDPなどの経済指標にも注意したいが、7月は新潟中越沖地震による一時的ではあろうが自動車などの生産停止の影響などもありこういった足元経済指標なども確認しての利上げの有無を決定するとみられる。また、8月下旬に予定されている内閣改造などもスケジュール上、微妙な影響を与えてくる可能性もある。以上のことから、8月追加利上げについては、参院選の結果以外に不透明要素もあることから、現時点での可能性は微妙なものではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2007-07-30 11:02 | 日銀 | Comments(0)

「鹿島の堤防釣り」


 28日に鹿島港にアジ釣りに出かけた。今回も同級生の釣りの師匠に同行。14時あたりに鹿島港に着いた。アジは夕方から夜にかけて回ってくるが、早めに行って場所取りをしておく必要がある。今回もトリックサビキという仕掛けで釣ったのだが、昼間でもボチボチとアジが掛かった。ただし、暗くなっても入れ食いという状況にはなく、コンスタントに掛かるといった状況となった。結果はアジが16匹、小さいメバル2匹、そして錘の下にイソメの仕掛け使って小さいカレイが5匹ほど。やっと少しこの堤防釣りの感覚を掴んだかなといった感じの釣果となった。今度は子供たちも連れて行ってみる予定。

 日曜日に自宅でこの魚と、子供たちが畑を借りて作っているトウモロコシなど取立て野菜と一緒にバーベーキューを楽しんだ。すべて新鮮取立ての食材であり、美味しかった。これぞロハスな生活か。
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by nihonkokusai | 2007-07-30 10:27 | 趣味関心 | Comments(0)

「サブプライム問題があちこち飛び火」


 米国のサブプライムローンの問題があちらこちらに飛び火し、26日の米国ダウ平均株価は前日比311.50ドル安の13473.57ドルと今年2番目の下げ幅となった。サブプライムローンとは、「アメリカの低所得者向け住宅ローンの焦げ付き問題」(NHK訳)であり、信用度の低い個人が主な対象の住宅ローンであり融資の審査基準が甘い代わりに、返済金利は高い。ただし、当初の2年は比較的低金利となり、その後の28年間の金利がドーンと上がってしまうといった仕組みにもなっているようである。今年になって問題が大きくなったのは、2005年から2006年のサブプライムローンの増加によって、その2年後となっていたためとも指摘されている。当初の2年間こつこつとローンを返済できればその実績でより良い条件のローンに変更できるとか、住宅そのものの短期間での値上がりを目的した利用などもあったようだが、結果としては住宅価格は下落したことで焦げ付きが多くなり、問題化した。

 問題を見えにくくしているものとして、このサブプライムローンが、住宅ローン担保証券(RMBS)といった形で証券化され、更にそれらの RMBSが債務担保証券(CDO) の形に組成されて売却されていることである。こういった証券の時価評価は難しいものの、格付機関による格下げをきっかけにそれが評価されると一気に大きな損失が発覚した。こういった証券を保有していた投資家が損失を蒙り、買収資金の調達にも支障をきたすとの思惑なども出てきている。実態が見えにくいこともあり、この問題が完全に払拭するにはそれなりの時間もかかるとみられている。
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by nihonkokusai | 2007-07-27 10:47 | 投資 | Comments(0)

「キーワードはC・TプラスF2」


 C・TプラスF2と聞いても何のことかわからない人も多い思うが、最近のエンタメ業界のキーワードはC(子供)T(ティーン)プラスF2(35~49歳)だそうなのである。この世代に受けると音楽などもヒットするといわれるとか。

 それはさておき「F2」と聞いてビンときた人は、テレビ関係者、もしくは調査やマーケティングに詳しい人かもしれない。29日の日本テレビの選挙特番のMC(総合司会)をされる村尾キャスターと先日お会いしたが、このとき村尾さんが、F1、F2、F3とM1、M2、M3について説明してくれた。この区分けは、テレビの個人視聴率の集計区分の俗称であり、M1が「男性20~34歳」、M2が「男性35~49歳」、M3が「男性50歳以上」を指す。M とは男性を表すmaleの頭文字。これと同様に、Fは女性を示すfemaleの頭文字であり、F1「女性20~34歳」、F2「女性35~49歳」、F3 「女性50歳以上」を表すそうである。

 さらに調べてみたところ、若い層は、「男女共通の4~12歳」をC(child)、「男女共通の13~19歳」をT(teenage)と呼ぶこともあるみたいである。

 ヒットを狙うには「CTプラスF2」というキーワード、任天堂のDSなどもこの層にヒットしているともみられるなど、覚えておくと何かの際に使えるかもしれませんね。
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by nihonkokusai | 2007-07-26 13:43 | 趣味関心 | Comments(0)

「奈良県金融経済懇談会における野田忠男審議委員挨拶要旨より」


 本日の奈良県金融経済懇談会における野田忠男審議委員挨拶の要旨が日銀のホームページにアップされた。「金融政策を決定する際に重要なのは、先行きの経済・物価の動きについての確証を持つということ」と野田委員は指摘し、「金融政策運営が、足許の経済・物価動向に関する判断だけではなく、金融政策が実体経済に影響を及ぼす時間的なラグなどを踏まえたうえで、柔軟かつ機動的に行われる必要がある」と発言した。

 「先行きの見通しについて一点の曇りもないような明確な状況がくるとは考えられません」とも。

 野田委員は、「幾つかの不確実性に対して、なお時間をかけて検証していく必要性があるのであれば政策を維持し、ある程度確信が高まったと判断されるのであれば政策変更を提案する」と発言した。8月の決定会合に向けては果たして野田委員はどういった判断なのだろうか。

 「日本経済は、現状緩やかに拡大している」としているが「設備投資は順調に拡大を続け生産も増加基調が続いているとみている」とし、「消費者物価指数については、目先はゼロ%近傍で推移する可能性が高いものの、やや長い目でみれば、緩やかな上昇基調が維持」としている。

 ただし、「日本の最大の輸出国であり世界経済に最も大きな影響を及ぼす米国経済の今後の行方がやはり気になる」とも。「米住宅市場の回復には思った以上に時間がかかる可能性が指摘されており、引き続きしっかりとしたウォッチが必要である」と野田委員。

 「日本の消費者物価に関しては、実体経済が順調に拡大を続けても、なかなか消費者物価が上昇しないという意味で、先行きの行方を展望するうえでの不確実性が高まっていると」述べている。

 野田委員は、「物価を見る上では、物価の基調的な動き、言い換えれば、根源的なインフレ圧力とそのトレンドを重視したい」「やや長い目で見て、世界経済全体でみたインフレ圧力が予想外に高まることも想定されます」と述べている。

 「企業経営者が先行きの想定を必要以上に楽観的なものにしていないか」といった注意も喚起していた。

 この野田委員の講演の内容からは、8月に利上げに向けて手を上げるのかどうかは掴みにくいものとなっていた。野田委員は2007年1月の会合では、水野委員、須田委員とともに現状維持に反対していた。このため、政策委員の中でも追加利上げに向けては他の委員よりはどちらかと言えば積極的かとも見られるが、そういった見方からすると、今回の発言内容からはやや慎重な姿勢のようにも思われる。
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by nihonkokusai | 2007-07-26 13:09 | 日銀 | Comments(0)

「趣味の切手収集と国立公園」


 新聞報道などによると、日光国立公園から尾瀬地域を分離し「尾瀬国立公園」として独立させるそうである。新たな国立公園の誕生は、釧路湿原国立公園以来20年ぶりで、全国29番目だとか。

 しかし、今の子供たちは国立公園と聞いて、ピンとくるのであろうか。むしろ、世界遺産の方が注目度も高く、29もの国立公園があることは余程地理が好きな子供ぐらいしか知らないのではなかろうか。

 とは言っても、私の年代は国立公園を勉強で覚えたわけではない。これは心当たりのある方も多いと思うが切手の収集という趣味から得た知識であった。昭和40 年代あたりに小学生であった世代の多くが記念切手を集めることに夢中になっていたはずである。私の部屋には当時集めた切手が今だに残っており、家人のものを含めて数冊のストックブックがある。

 小学生の趣味だけに、「月に雁」といったに高額な既発の切手は買うことはできず、もっぱら新発の切手を発売日に郵便局に親に並んで買ってもらっていた。さらに友達との交換などを通じてそこそこの枚数は揃えていた。その中の定番のひとつが「国立公園シリーズ」であった。戦前に発行されたものなどはさすがに手が出なかったものの、戦後に発行されたものはそこそこ持っていたと思う。

 日本の国宝といったものも切手から覚えたが、今の子供たちにそういった日本の風景、芸術などを楽しみながら覚える機会といったものはあるのだろうか。授業での社会科の地理は嫌いでも、富士箱根という切手の値段はすぐに出てくる子供がたくさんいた。値段はさておき、その図柄による風景や国立公園の場所といった知識は持っていた。「見返り美人」という絵などは切手収集の基礎中の基礎であり、当時の子供たちが一番良く知っていた日本の絵画であったと思う。少なくともそういった知識は切手を集めていない限りは知らなかったと思う。

 最近は任天堂のゲーム機のDSで学習ソフトも増えてきているが、ゲーム感覚で遊んで覚えられる機会があると、子供たちにとって雑学かもしれないが知識がより深まってくると思う。現在はインターネットで何でも調べられる時代でもあるが、「偶然何かを知る機会」というのは、自分の好きなジャンルばかり見ていては得られないものである。そういった機会がない限りは、インターネット情報もただの倉庫でしかなくなってしまう。

 ということでインターネットで調べた現在の国立公園は、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺、十和田八幡平、陸中海岸、磐梯朝日、日光、上信越高原、秩父多摩甲斐、小笠原、富士箱根伊豆、中部山岳、白山、南アルプス、伊勢志摩、吉野熊野、山陰海岸、瀬戸内海、大山隠岐、足摺宇和海、西海、雲仙天草、阿蘇くじゅう、霧島屋久、西表。
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by nihonkokusai | 2007-07-26 09:44 | 趣味関心 | Comments(0)

「短期国債(TB・FB)の歴史」


 FBが最初に発行されたのが1886年7月で、当初は利付債であったものが1902年3月に割引形式となりました。当初は日銀がほぼ全額を引き受けていました。1956年にFBの定率公募発行残額日銀引受方式に移行したものの割引歩合が公定歩合を下回っていたことで日銀がほぼ全額を引き受ける状態に変化はありませんでした。

 しかし、1981年に日銀は新たな余剰資金の吸収手段としてFB売りオペを導入したことによって、次第に流動性が高まってきました。日銀による売却レートが実勢レートとなっていたことで買い付ける金融機関が増え残高も増加しました。

 1970年代後半から国債の大量発行が続きました。当時は1972年に国債発行の中心となるものの年限が7年から10年に延長されており、 1970年代後半の10年後には大量の国債償還・借換えに対応する必要が出てきました。このためすでに中長期で発行されていた借換債に加え、1986年から借換債として6か月物の短期の国債が発行されました。これがTBです。1989年には3か月物が導入され、ほぼ毎月発行となった。さらに1999年に1 年物が追加され、一時は月3回の発行となりました。

 1999年4月から、FBの名称は「政府短期証券」とし、それぞれの根拠法により大蔵省証券、食糧証券及び外国為替資金証券に分かれていたものが統合されることとなりました

 また、1999年4月から政府短期証券の発行方式が定率公募残額日銀引受方式から、原則として公募入札方式に改められました。公募入札方式への移行に伴いTB・FBの償還差益に関しては発行時の源泉徴収は免除され、外国法人についても原則非課税とされました。

 さらに2000年4月にはFBは完全公募入札に移行し、この際に期間2か月程度のFBが発行されることとなりました。また財政融資資金法が 2001年4月1日から施行されることに伴い、FB(政府短期証券)に財政融資資金証券が追加され、従来の財務省証券、食糧証券及び外国為替資金証券と統合して4つの証券が一体として発行することになりました。

 このFBの統合と完全公募入札方式への移行に伴い2000年4月以降はTBの3か月物は発行されなくなりました。ちなみに2007年度国債発行計画ではTB1年物は毎月1.4兆円が年12回発行され、TB6か月は一回当たり2.兆円が年3回発行される予定です。

 FBは原則して13週間物となっていますが、2000年4月以降2か月物の発行も行われています。またTBの減額といったものが今後想定されることで、発行期間の多様化を図るという観点も含めて、2006年度から6か月物のTBから振り替えるかたちで、期間6か月のFBが発行されています。

 FBを使った日銀のオペは1955年からFBの売却というかたちで始まっています。1981年にはFBを短資会社の窓口経由で市中に売却するという形式のFBオペが実施されました。

 1990年に日銀はTBの発行量の増加などにより、を対象として現先方式の買いオペを実施しました。しかしこれは保有層の偏在などによりあまり機能せず、 1999年4月に「短期国債の条件付売買基本要領」が実施されました。これにより、売買対象がFB及びTBとなり、FBの公募入札方式の移行にあわせ、次第に短国現先売買オペが日銀の金融調節の中核となりました。しかし、2001年に日銀は量的緩和政策の導入に伴い、短期金融市場が機能不全の状態になり、短国現先買オペでの札割れが起こるようになり、その結果、一時短国現先買オペの残高がゼロになりました。

 1999年10月には現先方式ではなく買い切り、売り切りとなる短期国債の買入・売却オペが導入されました。その後、短国現先買オペでの札割れが続いたことで、短国買入オペが増加しました。2002年11月に、従来の国債借入オペおよび短国買現先オペに代えて国債買現先オペが導入されました。
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by nihonkokusai | 2007-07-26 09:43 | 国債 | Comments(0)

「日銀、門間調査統計局長のセミナー」


 昨日24日に、証券アナリスト協会主催のセミナーに参加し、日本銀行の門間調査統計局長のお話を聞いてきた。こういったセミナーに参加するのは久しぶり。最近はもっぱら出不精となってしまっていたが、今後は少し気持ちも切り替えて、こういったセミナーにも参加して脳をリフレッシュさせる必要もあると感じた。

 調査統計局長は日銀の金融政策を決める金融政策決定会合にも執行部として出席し、経済情勢等の報告を行なっているが、今回のセミナーの主題は「日本経済の現状と展望」ということで、データやグラフなどの資料を基に解説していただいた。

 実質GDPについては2003年より2%成長が維持され、4月の展望レポートでも2007年、2008年度ともに2.1%成長予想となっており、ほぼそれに沿った動きとなっていると。ただし、4-6月期のGDPについては減速しても驚くべきものではないと指摘、これによって見通しが変化するようなこともない。ただ、メディアが景気失速といった報道をする可能性があり、海外投資家がそれによって動きを示す可能性はあるかもしれない。

 日銀短観の中では、非製造業の中小企業が引き続き水面下にあることについては、公共事業の減少により建設への影響に加え、小売り、サービスなどは材料の高騰などの影響を受けやすい点などを指摘されていた。

 輸出入については、輸出の増加はもちろん輸入も増加している点から、内需も増加している点を指摘。輸出の増加についてはグローバル経済に対応したグローバルモデルの拡大均衡などの効果が大きい点も。

 地域別の実質輸出の内訳からは、米国が2006年の4Qあたりからの経済減速に伴い米国向けが減少しているが、それをEUやBRICs諸国などへの輸出でしっかりカバーされている点も示した。輸出増加の背景のひとつとしても実質実行為替レートで1985年のプラザ合意以来の円安となっていことも要因。

 鉱工業生産における1-3月の減速については、電子デバイス関連の在庫調整の影響が大きかったとも。この要因としてはPC関連でのWindows Vistaの伸び悩み、携帯電話の在庫増などが影響したのではないかと。

 企業収益については、利益還元の一環としての配当金総額がここにきて大きく伸びている点を指摘。

 さらに雇用の関係では、一人当たりの賃金低下の要因として、企業の賃金への抑制姿勢、三位一体といった政策に伴って地方公務員給与の引き下げ、団塊の世代の退職に伴う要因、パートやアルバイトの増加とともに短時間パートなどが増えてことなどを指摘。

 個人消費については、調査データにノイズが多く、指標データそのものからはなかなかはっきりした傾向を見出せない。

 消費者物価については、当面ゼロ%近傍で推移。価格上昇抑制要因としては、企業による価格抑制努力、賃金の上昇抑制に加え、価格が上がらないという人々の意識などを指摘。また、家電製品などについては大手家電量販店による価格支配力などについても言及されていた。

 物価に関しては、上昇品目割合から下落品目割合を差し引いたもので見てみると上昇トレンドにある点も指摘。

 以上、お話の内容を簡単にまとめさせていただいた。自分なりの感想は、日本経済は引き続き世界全体の経済成長に中で、2%成長を続けており、今後もその傾向に大きな変化はないとみられる。少なくとも物価が下落することは目先考えられず、どこのまで消費者物価の上昇を企業努力などによって抑制できるのか。今後はこういった上昇抑制要因が少しずつ剥がれてくるのではないかと感じた。8月以降に想定される追加利上げについても、こういった経済指標を確認する限りにおいて違和感はないとみている。
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by nihonkokusai | 2007-07-25 10:44 | 日銀 | Comments(0)

「債券レポ取引の歴史」


 債券現先が証券会社の資金調達を目的として発展してきたのに対して、やはり債券の貸し借りとなっている債券貸借取引は、債券を売買する際の「空売り」をするために生まれてきました。

 国債を中心とする債券市場において、先行き金利が上昇する懸念が生じた際に、それをヘッジする手段は限られたものとなっていました。投資家がこの価格下落リスクに対処するには手持ちの債券を売却する以外に方法がありませんでした。しかし、売却してしまうとキャピタルロスが生じるとともにインカムゲインも得られなくなります。

 さらに1984年から銀行によるフル・ディーリングが開始され、このため1985年に東証に債券先物が上場され、先物を使ったヘッジ手段が得られました。しかし、先物でヘッジしようとしても、手持ちの債券との変動比率が異なるなど使いづらい側面がありました。また、債券ディーリングが本格的に開始されたのち、一部の外資系金融機関が投資家から債券を借りて空売りをすることで大きな収益を挙げていたことなどから、国内金融機関も債券そのものの「空売り」する仕組みが求められたのです。債券の空売りは1987年5月から認められていたのですが、約定日に空売りし決済日前に買戻しを行うという限定的なものでした。しかし、債券現物の価格変動リスクを軽減するためには、決済日を跨いだ空売りを認めるとともに、決済日に売る債券を借りてくることのできる債券貸借市場の設立が必要となります。

 1989年5月に大蔵省から「債券の空売りおよび貸借の取扱いについて」が公表され、これにより決済日を跨いだ空売りが認められるとともに、債券貸借市場が設立されました。このように日本における債券の貸借取引は1989年に「貸債市場」として誕生したのです。

 これはあくまで債券取引のための補完的な取引であったのですが、形式としては債券現先に近いものであったことや、現先取引が課せられていた有価証券取引税が課せられないことから、現先市場からの資金シフトが起きたのです。このため、取引税の減収を回避するため、さらに他の金融商品との競合を防止するという、現在ではやや考えにくい理由によって、規制が加わったのです。

 この規制とは、有担コールレート-1%という現金担保の付利制限、そして貸借取引の担保として、対象証券の時価の105%以上を差し入れなければならないというものでした。

 さらに債券貸借における信用リスクといったものも顕在化しました。貸債市場の取引は、そのほとんどが無担保となっており、借り手に何かしら不慮の事態が生じたときに、貸し手は貸し出していた債券を失う可能性があったのです。1995年2月のベアリングズ社の破綻によってそのリスクが顕在化したのです。破綻の直接の原因は、ベアリングズ社のシンガポール現地法人が日経平均先物取引で巨額の損失を出したことでした。しかし、ベアリングズ社は貸債市場で日本の一部の金融機関から無担保で国債を調達し、その国債を先物取引のための証拠金として取引所に差し入れていたのです。ベアリングズ社の破綻により、貸出債券が貸し手に戻ってこない可能性が生じたのです。

 こうしたことを背景に、有担保の債券貸借市場が必要性との声が強まりました。さらに国債などの取引において約定から決済までの期間の短縮が図られ、ある期間に約定された取引の決済を特定の日にまとめて行うという特定日決済方式から約定日から常に一定期間経過後に行うローリング決済が導入されることになり、日々の決済に必要な証券・資金を円滑に調達するためとしてもレポ市場の導入が図られました。

 こうして現金担保の付利制限や担保金額制限を撤廃し、有担保(現金担保付)債券貸借市場が生まれたのです。日本証券業協会から「債券の空売り及び債券貸借の取り扱いについて」が変更されたことで、1996年から現行の形式の取引が開始されました。
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by nihonkokusai | 2007-07-24 09:32 | 債券市場 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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