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「金利上昇歓迎が目立った個人投資家アンケート」


 20日の日経新聞によると、個人投資家のアンケート調査をした中で、「最近の金利上昇についての意見は」という質問に対して、「金利上昇を歓迎する」との回答が目立ったそうである。回答者の48%が「預金金利や利息収入につながる」としているのに対して、「ローンなどのコストが増える」は13%に止まったとか。また、「金利上昇は景気拡大を反映している」と前向きに解釈する意見は51%と高かく、「金利上昇が景気拡大を抑える可能性がある」とする22%を上回ったと報じている。

 アンケート対象者層や数などは不明ながらも、この結果を見る限り、個人投資家も今回の正常化に向けての金利上昇に対しては理解を示しており、金利上昇の背景に景気拡大があることを認識しているとみられる。これが国民全体の意識を反映しているのかどうかは即断はできないものの、金利上昇については個人もさほどマイナス要因としては意識していないことがうかがえる。

 こういった国民意識と考えれば、たとえば参院選についても、日銀が追加利上げを行なうことに対して、景気拡大にブレーキをかけるためマイナス要因といった認識よりも、景気拡大やデフレ脱却などを意識させることでプラス要因に働くことも考えられるのである。
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by nihonkokusai | 2007-06-20 10:17 | 景気物価動向 | Comments(0)

「政策委員の物価上昇圧力についての見方の違い」


 本日から金融政策決定会合議事要旨は朝方、8時50分に発表される。今回は4月27日の開催分と、5月16、17日開催分が発表された。このうち5月16、17日開催分の中で、消費者物価に関して次のような発言があった。

 「何人かの委員は、昨年ほどではないが、原油価格の反発を受けて、ガソリンなどの石油製品の価格が上昇してきていること、マージンの比較的薄い食料品などでは、海外での需要増加や為替円安による仕入価格の上昇を販売価格に転嫁している品目が少なくないこと、上昇品目の数が下落品目の数を上回ってきており、企業の価格設定力が徐々に回復してきている可能性があること、といった最近の特徴的な動きを挙げながら、基調的な物価上昇圧力は緩やかながら着実に高まってきていると述べた。」

 「これに対し、何人かの委員は、企業間の競争は厳しく、消費者の価格上昇に対する抵抗感も依然として強いことから、企業の価格設定力はほとんど高まっていないと考えられると指摘した。」

 「また、別の一人の委員は、わが国の物価上昇率が低水準であるのは、サービス価格による部分が大きいが、これには、サービス産業の生産性や賃金の動きが影響しているのではないかと指摘した。」

 「こうした議論を経て、委員は、消費者物価の上昇率が基調として少しずつ上がっていくとしても、当面の速度については不確実性が大きいとの見方で一致した。」

 結論の部分はさておき、物価上昇圧力に対して、大きく3つに見方が分かれていた。「基調的な物価上昇圧力は緩やかながら着実に高まってきている」との見方が「何人かの委員」と2人から3人の委員。

 これに対して「企業の価格設定力はほとんど高まっていない」としている委員もやはり複数人いた。物価は引き続き上昇しづらいとの見方でもあり、一人は岩田副総裁かと思われるが、もう一人、もしくは二人とは誰なのであろうか。やや興味深い。

 また上記委員とは別に、日本の物価上昇率が低水準であるのはサービス産業の生産性や賃金の動きが影響としていると分析している別の委員もいた。

 このように今後の物価上昇率の見方に委員の間で多少のばらつきがあるのは確かである。日銀は消費者物価の動向のみで金融政策の舵取りをしているわけではないが、この物価に対しての見方の違いも今後の金融政策に微妙な影響を与えそうである。
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by nihonkokusai | 2007-06-20 10:17 | 日銀 | Comments(0)

「6月15日の福井日銀総裁会見」


 6月15日の福井日銀総裁の会見要旨から気になるところを見てみたい。


 「今のところグローバルなインフレ期待は安定しているとみられます。私どもはインフレ期待が高まることが最大の敵だと思っています。まだ最大の敵は顔をみせていないと思っていますが、為替市場も含めて世界的な金融市場の動向の背後にある経済・物価の動きとともに、深く探りを入れながら今後とも十分注視していく必要があると考えています。」


 今回のグローバルな金利上昇の背景に、何があるのか。ここにきて急激な動きを見せている世界的な金利の動向の背景はインフレ期待の高まりではないと見ているが、注意は必要との認識か。


 「安定した成長軌道と、よく抑制されたインフレ期待と、この二つが長期金利の安定にとって大事です。今後長期金利がどういうレベルで新しい安定感を見出すか、その背後に安定した成長見通し、安定したインフレ期待が確認できるかどうかがポイントだと思います。」


 今回、世界的な長期金利上昇とともに、特に米国のイールドカーブが大きく動いた背景は、過去の大きなポジションを取った反動といった側面も大きいものとみられる。特に米国ではフラットニングの反動といったものが大きな要因であろう。ただし、モーゲージ絡みでその動きが加速されるなどしたことで、過剰とも言える反応となったことも確かか。


 「政策変更という行動に結びつけるためには先行きの経済・物価の動きについて私どもはより確証を持つ必要があると思っています。米国経済の今後の方向は、もう少し見極めなければ誰もが完全にそうですとは言えない状況にあると思います。設備投資にしても個人消費にしても、内需の基調的な拡大の持続性について私どもはより確証が欲しいと考えています。」


 米国経済の先行きについては、楽観視はしていないとの見方である。私はむしろこれまでやや悲観的な見方が強すぎて、バーナンキ議長が果たしてそれを想定していたのかと思われるような利下げ期待も膨らんでいたことで、その反動も大きかったのではないかと考えているが。


 「7月にどうするというような予断は一切持っていません。加えて、中間レビューの時期であるということと、政策変更の可能性が強まる度合いということとは全く無関係です。レビューが行われる月に政策変更の可能性が強まるというように考えて頂く必要は全くないと思います。例月と同じようにその時において利用可能な全てのデータを改めて分析し、先行きの経済・物価情勢を抽出しながら政策判断について丹念に詰めていくということです。」


 7月には中間レビューとともに、短観発表(3日)や日銀支店長会議(6日)が予定されている。日銀が集計している経済指標や、支店長会議を通じての地域経済の分析によって、4月の展望レポートに沿ったかたちでの経済・物価の動きが把握しやすくなるのではないか。もちろんだから、私自身は7 月にしなければならないと言うのではなく、むしろ7月が選挙だからできないわけではないことを示したかった。市場の8月説は4-6月期GDPの発表という重要な経済指標を見てというのあるが、それとともに選挙という日程が意識されているのではなかろうか。選挙というものが現在の日銀の金融政策にどのような影響を与えるのか。これは傍から見る限りしなかなか興味深いものでもある。ちなみに19日の国会に出席した福井総裁は7月の参院選が利上げの判断に影響するかどうかについて「全くない」と言明したそうである。


 「長期金利がこのように動いたのは最近では比較的新しい現象であり、注意深くみなくてはなりません。何よりも、その背後にインフレは抑えられているが健全な経済成長への期待がより強まって、金利水準なりイールド・カーブが変わるということであれば、それは市場自体の健全な動きであり問題はありません。しかし、もしインフレ期待を市場が何がしか感度良く、感度鋭く、私どもが感ずる以前に感じ取っているということがあるならば、これは非常に問題含みになってきます。従って、同じ金利水準の変化、イールド・カーブの変化であっても、背後にあるものは大いに異なり得る可能性があり、そこは大事に判断を重ねていくことが必要です。国際会議でも、しばらくはこの件について真剣に材料を持ち寄って議論し合うことになるかと思います。」


 世界的な長期金利の動向が注目される、しかも、そこに日本の長期金利の動向が含まれるなど、5月中旬あたりまでの動きを見る限りは、債券相場は考えられないような状況にある。しかし、これは突然長期金利が騒ぎ出したというよりも、これまでの長期金利の低位安定という相場自体がむしろ異常であったようにも感じる。ここ数年、長期金利の動きとはこんなものと慣らされてしまっていたが、昔は派手に良く動いたものである。動けば動くで、それも問題というのもわかるが、ある程度の動きを伴いながら、落ち着きどころを探るというのも、長期金利も含めた相場の常ではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2007-06-19 13:57 | 日銀 | Comments(0)

「日本のコール市場と米FF市場」


 日本のコール市場に該当する米国の市場が、フェデラル・ファンド市場と呼ばれる市場です。米国の金融政策が変更された際など、フェデラル・ファンド・レートの誘導目標値が何%となったとニュースで報じられるかと思います。

 日本銀行の金融政策の誘導目標値は、2006年3月の量的緩和政策の解除後は、無担保コール翌日物の金利に戻されています。米国も日本のコールレートに該当するフェデラル・ファンド・レートを操作することによって金融政策を行っているのです。

 米国の銀行はニューヨーク連銀などの地区連銀に口座を開いています。これは日本銀行の当座預金に該当し、米国の銀行もこの連銀の口座を使って銀行間の資金決済などを行っているのです。

 そして米国の銀行は預金量に応じた一定比率の支払い準備預金を保有するように法律で定められています。銀行がフェデラル・リザーブ・バンク(連邦準備銀行)に預けているファンド(資金)をやり取りする市場が、フェデラル・ファンド市場というわけです。

 これは日本における準備預金制度と同様のものです。そして、日本銀行の当座預金にも利息はつきませんが、米国でも連邦準備銀行に預けている準備預金にも原則として利息がつきません。このため、必要以上に準備預金に置いてしまうとその資金を有効に運用することができません。このため、こういった資金を日本ではコール市場、米国ではフェデラル・ファンド市場などで運用しているわけです。

 日米ともに金融政策の誘導目標の金利は、このように銀行間での資金をやり取りする市場における金利となっています。ちなみにECBにおける政策金利は主要リファイナンス・オペレートと呼ばれるものとなっています。主要リファイナンス・オペレートとは、ユーロシステム(ECB及びユーロ圏内の中央銀行)が定期的に行う公開市場操作の変動金利入札において金融機関が入札可能な下限金利となっており、これを操作することでECBの金融政策スタンスを反映させる仕組みになっています。

 短期金融市場全体でみて、その全体の市場残高に占める割合は、米国のフェデラル・ファンド市場が3.6%、日本のコール市場は12.7% (それぞれ2006年9月末、日銀資料より)しかありません。これに対して米国でのレポ・債券貸借市場のシェアは41.1%、日本におけるレポ・債券現先のシェアは42.0%と、レポの規模がたいへん大きくなっています。

 わずかなシェアしかない米国のフェデラル・ファンドの金利や、日本のコールの金利がそれぞれFRBや日銀の金融政策の目標となっているのは、銀行間で直接取引きしている市場であり、その金利そのものが金融調節による影響を受けやすいためというのがひとつの理由です。
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by nihonkokusai | 2007-06-18 14:45 | 日銀 | Comments(0)

「2007年3月末現在の国債保有者別残高」


 2007年1~3月資金循環勘定速報が日銀から発表された。このうち家計の金融資産は、1536兆1628億円と年度末における過去最高を記録した。この家計のうち国債は、33兆3795億円(12月末32兆3468億円)となり国債全体に占めるシェアがひとつの目標値ともみられる「5.0%」となった。株式111兆2185億円(12月末108兆7710億円)、投資信託は68兆4285億円(12月末66兆1641億円) となった。12月末の日経平均は17225円83銭に対して2007年3月末は17287円65銭。。

 今回もこの資金循環勘定速報をもとに 2007年3月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。

2007年3月末の国債残高と、そして全体に占めるシェア、2006年12月末比(億円)

合計 、673兆5779億円、100.0%、2兆4721億円減

郵便貯金、139兆3089億円、20.7%、4兆6281億円増
民間預金取扱機関、107兆2104億円、15.9%、7兆3449億円減
民間の保険年金、88兆5703億円、13.1%、1兆9537億円増
日本銀行、71兆0240億円、10.5%、4兆4907億円減
公的年金、66兆2703億円、9.8%、1兆1043億円増
簡易保険、60兆2277億円、8.9%、1兆0083億円増
海外、42兆1318億円、6.3%、2兆9329億円増
家計、33兆3795億円、5.0%、1兆0327億円増
財政融資資金、23兆9338億円、3.6%、3兆0725億円減
投信など金融仲介機関、22兆3369億円、3.3%、1兆0524億円減
その他、19兆1843億円、2.8%、8284億円増

 参考までに自分で集計を始めてからの、日銀資金循環統計を元にした国債残高の推移は下記のようになっている。一番右の数値は前回比である。(単位、億円)

2002年09月末、5,045,257
2002年12月末、5,228,730、183,473
2003年03月末、5,384,464、155,734
2003年06月末、5,441,370、56,906
2003年09月末、5,437,060、-4,310
2003年12月末、5,545,297、108,237
2004年03月末、5,699,256、153,959
2004年06月末、5,759,771、60,515
2004年09月末、5,993,527、233,756
2004年12月末、6,197,909、204,382
2005年03月末、6,424,669、226,760
2005年06月末、6,613,991、189,322
2005年09月末、6,591,695、-22,296
2005年12月末、6,718,823、127,128
2006年03月末、6,670,712、-48,111
2006年06月末、6,591,136、-79,576
2006年09月末、6,750,991、159,855
2006年12月末、6,760,500、 9,509
2007年03月末、6,735,779、-24,721

(なお上記は、私がエクセルで資金循環勘定速報をもとに再集計したものであり、数値のチェックはしているものの、一部入力ミスしている可能性が皆無とはいえないため、使われる際には、ご注意ください。)
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by nihonkokusai | 2007-06-15 13:31 | 国債 | Comments(0)

「全員一致で現状維持」


 本日の日銀金融政策決定会合の結果、現状の金融政策を継続することを全員一致で決定した。場合によると、反対票が投じられる可能性があるともみていたが、前回の5月17日から今回の会合の間における経済指標などでは利上げを主張するにはやや無理もあったのだろうか。ただし、7月2日の日銀短観の内容を確認し、6日の日銀支店長会議による報告などを受けて「7月12日」の会合で追加利上げが実施される可能性が後退したわけではないとみている。

 ただし気になるのは参院選のスケジュールである。一応「参議院選挙というカレンダーの上のひとつのマークだけに目を逸らしてしまうと、経済実態の判断を見誤るリスクがある」(福井総裁)ものの、まったく無視もできない。選挙は本日、会期延長なら12日間と自民党の片山参院幹事長が示唆した。この会期延長幅が、5日迄であれば参院選の公示日は7月5日、投開票日は7月22日と当初の予定通りとなる。しかし、もし6日以上12日迄の延長の場合は、公示日はまさに7月の金融政策決定会合2日目の「7月12日」となる。この場合の投開票日は7月29日となる予定。なかなか微妙なタイミングとも言えそうである。
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by nihonkokusai | 2007-06-15 12:52 | 日銀 | Comments(0)

「全員一致が崩れるか」


 日銀は本日14日から15日にかけて、金融政策決定会合を開催する。世界的に金利が上昇している中にあって日銀の金融政策の行方には、これまで以上に注目が高まっている。

 米国市場では10年債利回りが13日に、5年2か月ぶりの水準となる5.32%まで上昇した。米国での個人消費の底堅さや設備投資の下振れ懸念がやや薄らいだことにより、市場の一部で期待されていた利下げ観測が大幅に後退していたことが背景にある。住宅市場の調整はなお続いているなど懸念材料もあるが、総じて悲観的な見方は後退している。

 さらに欧州でも、ECBのトリシェ総裁は「金融政策は依然緩和的だ」と発言するなど利上げ継続姿勢を変えていない。また、イングランド銀行のキング総裁も、英国中銀は追加利上げを迫られる可能性があるとも発言している。スイス中銀は本日にも追加利上げを実施するのではないかとみられている。ニュージーランド準備銀行は今年に入って3月、4月に続いて6月にも政策金利の引き上げを実施した。中国での追加利上げ観測も高まっている。

 このように、世界的に金融引き締めムードが広がるなか、日銀の動向に注目が集っている。以前にスイスのゼロ金利解除後の金融政策に対して「金融緩和の巻き戻しに関しては、緩和策を取った際の手法とは異なり、市場にサプライズを与えることのないように、時間をかけて、市場参加者が経済金融環境の変化などを材料に、今後の利上げの可能性を十分に織り込むのを待ってから政策変更を実施」とあったが、これは現在の日銀も同様ではないかとみられ、サプライズを伴うようなかたちでの追加利上げはないとみられる。

 このため、今回の金融政策決定会合では政策金利は現状維持となろうが、注目は採決の結果であろう。据え置きに対して反対票、つまり審議委員からの利上げ提案が、1票もしくは2票、出てくる可能性はありそうである。

 ここにきての円安は、日銀の追加利上げペースが時間をかけての緩やかなものに止まるとの見方もそのひとつの要因となっている。福井総裁は5 月18日の会見で「人々の期待に反して金利水準を一定に据え置き過ぎる、あるいは据え置くだろうという期待が、また逆に資源配分に歪みを生じさせ、本来ならば息の長い景気の拡大が続くべきところを、波を生んでしまうというリスクがあります。」とも指摘している。今回もし反対票がでれば、為替市場を含めて市場参加者の見方にも、微妙な変化が出てこよう。

 今回、もし利上げ提案にともなう現状維持の反対票が出れば、市場では8月よりも7月における追加利上げとの見方を強めてくる可能性がある。総裁は5月18日の会見の中で次のような指摘もしている。「最終的に抽出された経済・物価情勢の判断、マーケットの情勢を土台に、金融政策について的確な判断をしていきたいということです。参議院選挙というカレンダーの上のひとつのマークだけに目を逸らしてしまうと、経済実態の判断を見誤るリスクがあると思っています。」

 本日の日経新聞では、今国会の会期延長は不可避の見方が与党内で強まるとの記事もあったが、7月の参院選については会期の延長がなければ、7月5日公示、7月22日に投開票が予定されている。しかし、もし会期延長となれば投開票日が29日にずれ込む可能性がある。しかし、上記の総裁発言などからも、こういった政治スケジュールに関係なく、日銀は7月12日での金融政策決定会合で追加利上げを行なう可能性はあるのではないかとみている。
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by nihonkokusai | 2007-06-14 10:50 | 日銀 | Comments(0)

「ちょっとびっくり」


 自分で言うのもおかしいが、最近のこの「若き知」でのコメント(同時にアップしている牛熊ブログも)が妙にタイムリーとなっている。事の始まりは5月22 日の「7月の追加利上げの可能性」(2007年5月22日若き知)あたりからか。もちろん夏の利上げ観測は強まっているがまだ8月がコンセンサスであり、 7月説が強まっているわけではないが、この日にちょうど水野日銀審議委員が時事通信との会見で7月11日、12日に開催される金融政策決定会合での可能性を示していたのである。全くの偶然に驚いた。

 そして翌23日の夕方に急遽アップしたのが、「債券先物、前後場売買高が記録的な多さに」(2007年5月23日若き知)であった。「本日の先物出来高の異常な多さというものは、何かしらの兆候であるのかもしれない。欧米の長期金利も上昇するなどしており、日本の長期金利も大きなうねりを見せてくる可能性がもしかするとあるのかもしれない。」としていたが、現実にこの日以降、大きなうねりを見せ始めた。

 5月29日の「需給ギャップにフィリップス曲線にマヨネーズ、そして2年1.0%」(2007年5月29日若き知)においては、「国債の利回りもここにきてじりしりと上昇しつつある。今後、まずは2年の1.0%、続いて5年の1.5%、そして10年2.0%が少しずつ視野に入ってくるのではなかろうか。」としていたが、2年債の1.0%台乗せは6月6日、5年債の1.5%台乗せは6月8日となり、本日の10年国債利回りは1.98%と2% に接近した。さすがにこれほど速く達成してくるとは思わなかった。

 さらに昨日、6月13日には「米国債イールドカーブのスティープニングも謎か」(2007年6月13日若き知)において、「その前に政策金利である5.25%というのも大きな節となっている。ここをあっさり抜いてくるようであれば、2002年と2006年には超えなかった5.5%も心理的な節ではあるが、あっさりと抜いてくる可能性もありそうである。」としたが、この日の米国市場で、本当にあっさりと5.25%を抜いて5.3%をつけてきたのである。

 これらはたまたまタイミングよく書かせていただいたに過ぎないが、自分でもちょっとびっくりでもある。ここにきて久しぶりに長期金利が注目されていることもあって、ホームページのアクセス数もブログのアクセス数も伸びてきている。今後も可能な限りタイムリーなコメントをしたいが、このようなことを書いたとたんに、大きく方向性が異なるコメントともなりかねないのも世の常でもあり、注意しなければならないのかもしれない。
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by nihonkokusai | 2007-06-13 10:55 | 債券市場 | Comments(0)

「個人向け国債の中途換金調整額の見直しは来年4月買取分より」


 財務省は12日に、個人向け国債の商品性の改善策を発表した。4月5日に開催された「国の債務管理の在り方に関する懇談会」の資料の中に「個人向け国債の中途換金調整額の見直し」というものがあったが、これが来年2008年4月に国が買い取りする分から適用されるそうである。これは既発債も含み、例外なく適用される。このため、本日から募集が開始される夏の個人向け国債に関しても、これが適用されることとなる。10年変動タイプは発行して1年後、5年固定タイプは発行して2年後に換金が可能となり、今回募集されるものはそれぞれ換金可能期間は2008年4月以降となるためである。具体的な適用日については、取扱機関のシステム対応が整った段階で改めて発表するそうである。

 個人向け国債の購入にあたっては、なるべく満期まで保有することを前提にしてほしい。そもそも満期まで持ってこそ、預貯金金利より有利な上、元本も保証されているという個人向け国債の利点が享受される仕組みとなっている。しかし、万が一途中換金せざるを得なくなったとしても、これによって調整金が引かれるものの払い込み元金を割ることはなくなる。

 今回の個人向け国債は、5年固定の利率が過去最高となるなどしており、再び人気化することが予想される。さらにこのようなかたちで商品性が改善されることで、よりわかりやすく、国が発行しその元本を保証しているいう意味での安全性の高さというものも意識されるものとみられる。
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by nihonkokusai | 2007-06-13 10:54 | 国債 | Comments(0)

「米国債イールドカーブのスティープニングも謎か」


 米国債券市場では、先週末あたりから急速にイールドカーブがスティープ化してきている。グリーンスパン前FRB議長は、2005年2月の議会証言でイールドカーブのフラットニングに対して、「謎(conundrum)」という表現を使ったが、カリスマのグリーンスパン氏にとってフラットニングが「謎」であれば、今回のスティープニングもやはり「謎」ということになるのか。

 しかし、今回の米国のイールドカーブのスティープニングを伴っての長期金利の上昇には、いくつかきっかけのようなものはあった。たとえば、1-3月期の米国経済の減速が一時的なものとなり、その後4-6月期には回復基調となっているとの見通しが強まり、市場の一部で囁かれていたFRBによる利下げ観測が後退したことである。この場合、利下げ観測というよりも利下げ期待のポジショニングを取っていた向きも多かったのではないかとみられる。

 米国の景気減速や、その後の利下げを見越して、たとえば短期市場で資金を調達し長期債を購入したとすれば、長期金利が政策金利の5.25%を下回って、ネガティブキャリーつまり逆ザヤとなっていても、長期金利低下に伴うキャピタルゲインを得ることによって収益チャンスがある。

 ところが米国の利下げは、あくまで期待に止まりそうな気配となっていたことで、じりじりと金利全体に上昇圧力が加わってきた。米10年債利回りでの4.8%から4.9%がスワップ金利では5.25%と政策金利近辺となるが、ここをあっさり抜いてきたことから、スワップ取引を使ってフラットニングポジションを作っていた投資家などが、それを解消する動きを強め、その後、米10年債は心理的な壁となっていた5.0%を7日の東京時間帯であっさり抜いてきたのである。さらに、米債券投資信託最大手のピムコの有名なビル・グロス氏が25年間の債券強気派から弱気派に転じ、米10年債利回りの見通しを上方修正したといったことも伝わった。ビル・グロス氏は米10年債利回りの上限を5.5%から6.5%あたりにシフトしたようである。

 また、中国が外貨準備資金の一部を米国のプライベート・エクイテティ会社であるブラックストーンに投資するというニュースがあったが、国家資産基金(Sovereign Wealth Fund)などを含めて、米国債への各国からの投資比率が下がるのではないかといった思惑といったものも出ていたとみられる。

 12日の日経新聞では、米10年債利回りは「5.5%」が焦点との記事もあったが、その前に政策金利である「5.25%」というのも大きな節となっている。ここをあっさり抜いてくるようであれば、2002年と2006年には超えなかった5.5%も心理的な節ではあるが、あっさりと抜いてくる可能性もありそうである。
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by nihonkokusai | 2007-06-12 13:46 | 債券市場 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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