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「金融政策決定会合議事要旨(2月20日~21日開催分)より、消費者物価指数に関して」


 2月20日~21日開催分の金融政策決定会合議事要より、消費者物価指数に関して各委員の発言についてみてみたい。

 「消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)の前年比について、委員は、小幅のプラスで推移しており、目先、原油価格反落の影響などからゼロ近傍となる可能性があるが、より長い目でみると、マクロ的な需給ギャップが需要超過方向で推移していく中、プラス基調を続けていくと予想されるとの見方を共有した。」

 これは福井総裁が会見などでも良く指摘している部分でもある。「ゼロ近傍」との表現もあることで総裁を主体としての意見を取りまとめたものとみられる。

 「大方の委員は、このところの原油価格の反落が当面の消費者物価の前年比の下押しに働くとみられ、場合によっては一時的に前年比がゼロ%ないし若干のマイナスとなる可能性があると指摘した。」

 岩田副総裁が追加利上げに反対した理由の中に「物価上昇率の先行きに不透明感が強いこと」を指摘している。ただし、前年比がゼロ%ないし若干のマイナスとなっても「一時的」との見方が多数となっているものとみられる。福井総裁は先日の参院財政金融委員会において「消費者物価の前年比、プラス基調で推移すると予想」と述べている。この発言をもってマイナスの予想は後退したのかは定かではない。

 「このうちの何人かの委員は、原油価格反落に加え、携帯電話の新料金プラン導入も、下押しに働く可能性があると述べた。」

 これはソフトバンクのホワイトプランのことか。ちなみに私もソフトバンクだが料金は下がってない。早く他社に乗り換えたい。

 「一方で、このうちの一人の委員は、サービス価格に上昇の兆しがみられるほか、帰属家賃の上昇が見込まれるなど、先行きの物価の押し上げ要因があると付け加えた。」

 この帰属家賃は今後も注意すべきものである。帰属家賃に関してはこういった解説が検索された。「持家に住んでいる人は、家賃こそ支払っていませんが、借家に住んでいる人同様住宅サービスを享受しています。その持家の住宅サービスを、市中の家賃で評価したものを帰属家賃といいます。」(高知県のホームページより)

 「もう一人の委員は、足もとでも、国内での鉄・非鉄金属の価格上昇、中国からの素材輸入価格上昇、円安による輸入価格上昇などの押し上げ要因が観察される点は、今後の物価動向を見通す際に勘案する必要があるとコメントした。」

 複数の委員が、物価の上昇要因についてそれぞれ述べている。これは基調としては物価上昇圧力が強まっていることを個別要因からもフォローしているものとみられる。

 「その上で、多くの委員は、重要な点は、足もとの指数の動きよりも、物価を巡る基本的な環境をどのように判断するかであるとの認識を示した。これらの委員は、この観点から判断すると、設備や労働といった資源の稼働状況が高まっており、今後も景気拡大が続くと考えられることから、より長い目でみると、基調的な物価上昇圧力は高まっていくとみられるとの見解を示した。」

 2月の追加利上げに賛成した政策委員の消費者物価に対しての見方といったものが、ここに収斂されているのではなかろうか。

 「先行きの物価動向に関連して、ある委員は、昨年の基準改定後の新指数では、消費者物価のトレンドを捉えにくくなっていると指摘した上で、新指数は、従来の指数に比べて、需給ギャップへの感応度が低下している可能性があると述べた。また、企業物価指数の動きから、内外需給の引き締まり傾向が一段落している可能性が窺われるほか、賃金の伸び悩みを踏まえると、今後、ユニット・レーバー・コストが低下することも考えられる点には留意する必要があると述べた。

 この発言は面白い。どのようなかたちで需給ギャップへの感応度が低下しているのかを示してほしいところでもある。これは発言の内容からは西村委員の発言ではないかと推測される。1月は慎重姿勢であったとみられる西村委員が2月に賛成票を投じたが、この発言からも物価の先行きについてはやや慎重な見方でもあるように感じる。

 「資産価格の動向に関連して、一人の委員は、都心における企業のオフィス需要は高まっており、不動産市場の活況には注意を払う必要があると述べた。その上で、この委員は、全体としてみれば、これまでのところ、企業は採算を慎重に見極めて不動産投資を行っており、実勢に見合った価格形成が行われているとの見方を示した。」

 都心における企業のオフィス需要については、国土交通省が本日発表した2007年1月1日時点の公示地価などからも明らかとなっている。資産価格の上昇についてはまだ警戒水域には達していないとの認識であろう。とはいえ注意する必要も認識していることが伺える。
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by nihonkokusai | 2007-03-29 09:55 | 日銀 | Comments(0)

「国債の入札日について」


 3月16日の国債市場特別参加者会合において財務省から下記の発言があったことが議事要旨に記載されている。

 「入札日程については、概ねの原則として、利付国債の場合は火曜・木曜に行うこととしている。また、FB3M は、T+3での月曜発行を原則として水曜日に入札を行うのが通常である。しかし、この原則的な考え方で日程をセットした場合、日本銀行の政策決定会合の日とこれらの入札日が重なることがあった。当局としては、従来、例えば2年、5年、10年債等、政策変更の影響を受けやすい年限債の入札については決定会合当日とずらすよう配慮はしていたが、超長期債については原則通りの日程で置いていた。超長期債の入札についても日程をずらした方が良いかどうか、御意見をお聞かせ頂きたい。」

 本日の日経新聞ではこれに関して、今年の6月以降は金融政策決定会合の当日には国債入札を実施しない方針を財務省が明らかにしたと伝えている。国債市場特別参加者会合では、さらに下記のような財務省による発言もあった。

 「政策決定会合の日程に関わらず、そもそも月曜日や金曜日に入札を行うことの是非についても御意見をお聞かせ頂きたい。これまでは、月曜日、金曜日は市場での取引量が少なく、ヘッジがしづらいことや入札後の販売が進まないなどの問題があるということで、原則として入札を実施していない。しかし、発行量が少なく、マーケットのショート銘柄を対象としている流動性供給入札などは、金曜日に実施しても特段問題はないのかと考えているが、流動性供給入札を含めた月曜日、金曜日の入札の実施について、市場参加者の視点から何か問題点があるかどうか、御意見を頂きたい。」

 財務省における事務的な問題がない限りは金融日入札も問題はないかとも思われる。この会合参加者からも問題なしとの声が多かったようである。ただし、金曜日は週末で休みを控え、さらにCPIなど国内の経済指標の発表も重なることも多く、米国の雇用統計の発表などを控えていることでややリスクも取りづらいといった側面もあろうが、それほど大きな問題とはならないと思う。

 ただし、いまだに私の記憶に鮮明に残っているのが、例外的に金曜日に行なった、とある10年国債の入札である。その日付は忘れもしないし、拙著「日本国債は危なくない」(文春新書)にもしっかり発行日として刻まれている。そう、10年国債の入札史上初めて「未達」いや「札割れ」が生じたのが、平成14年9月20日の金曜日であったのである。
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by nihonkokusai | 2007-03-28 10:49 | 国債 | Comments(0)

「金融政策決定会合議事要旨(2月20日~21日開催分)より、個人消費に関して」


 追加利上げが決定された2月20日から21日の日銀金融政策決定会合の議事要旨が発表された。この中から「個人消費」についての箇所を確認してみたい。

 「複数の委員は、10~12月のGDP統計の個人消費は増加しており、7~9月の落ち込みが一時的なものであったことを裏付けているとコメントした。」

 1月の追加利上げに関して慎重姿勢を取っていた複数の委員は、この個人消費の動向もひとつの重要なポイントとして認識していたとみられる。

 「多くの委員は、昨年夏場の個人消費関連指標の落ち込みは、天候不順、新製品投入前の買い控えや統計の振れなどによる一時的なものであることが確認されたと述べた。」

 この多くの委員の中から、何人かの委員が個人消費の堅調さに関して発言している。

 「このうちの何人かの委員は、デジタル家電、新型ゲーム機、携帯電話などの家電販売は増加しており、サービス消費も総じて堅調であると指摘した。」「ある委員は、鉱工業生産統計における10~12月の消費財出荷も増加していると指摘した。」「別のある委員は、ガソリン価格の低下や株価上昇も個人消費を支えるとみられるとコメントした。」

 しかし、下記のように一人の委員が個人消費に対して慎重意見を述べている。これは岩田副総裁であることは間違いないとみられる。

 「一人の委員は、10~12月のGDP統計の個人消費を前年比でみると雇用者数の伸びに満たず、また、賃金の動きが鈍いといった弱めの動きがあることにも留意する必要があると述べた。」

 これを1月17日~18日の金融政策決定会合議事要旨の個人消費に関する部分と見比べてみた。

 「何人かの委員は、7~9月のGDPにみられたような落ち込みが一時的なものであった点は確認できたのではないかとの見方を示した。」「別の何人かの委員は、ミクロ情報によると、年末商戦や初売りは総じて堅調であったが、その後の動きはやや伸び悩んだ模様であると述べた。」「何人かの委員は、コンフィデンス指標の改善が引き続き足踏みしている点を指摘した。」「何人かの委員は、そうした先行きの判断に確信を持つには、もう少しデータの蓄積が必要であると付け加えた。」

 繰り返されて使われているのが「何人かの委員」である。個人消費に関してみる限り、1月の会合では複数の委員同士で見方が完全に分かれていたとみられる。しかし2月になると慎重な見方となっていた委員が一人となっていた。金融政策は多数決によって決定される。慎重に委員の一部がデータの蓄積によって先行きの判断に確信を持った結果、2月の会合での利上げに繋がったとも考えられる 。
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by nihonkokusai | 2007-03-27 10:11 | 日銀 | Comments(0)

「40年国債の発行等」


 3月16日に開催された第15回国債市場特別参加者会合の議事要旨が財務省のホームページにアップされている。この中で40年国債については、「40年債の入札は早くても11月以降になると考えている」「仮に発行することとなった場合には、ある程度の流動性が出るまでの期間は同じ銘柄をリオープン発行することになるのではないかと考えている」とあった。

 40年国債は財務省にとり新商品となることでシステム開発等の体制整備が必要となり、これが終了するのが現時点では10月下旬頃になるとの見通しだそうで、10月には30年国債の入札が予定されるため、40年国債の入札は今年の11月が目安となりそうである。1銘柄当たりの発行額が小さいと流動性の問題が生じるため、当初は同じ銘柄をリオープン発行する予定であるとか。このため、場合によっては将来のリオープンを念頭に置いて当初は、40 年ではなく40数年債として発行する可能性もあるとも指摘されている。

 「発行額については、当局として40年債を何が何でも発行しなければならない状況ではないので、必要な発行額のイメージが先にあるわけではない」との財務省からの発言もあったようだが、一回あたりの発行量が数百億円に止まる可能性もありそうである。生損保などの投資家による買いといったものも期待できるが、多くの投資家もある程度のロットがまとまるまでは動きづらいかとも思われる。

 また、新たな国債窓口販売スキームについても検討されているようである。個人向け国債の発行が開始されてからも、通常の国債の個人向け販売は行なわれている。しかし、「その機関数は少なく、販売を行っている金融機関でも個人販売向けに用意している国債はそれほど多くない」(財務省)、というのが実情であり、何をいつどのぐらい売っているのかといった情報を個人が得るには直接証券会社などに問い合わせる必要があるなど、個人が個人向け国債以外の国債を購入しようとしてもなかなか購入しにくいのも現状である。

 しかし、同じ5年国債を購入するとして途中売却の可能性がほとんどないとならば、個人向け国債の5年固定ものよりも、5年国債そのものを購入したほうが利子は若干有利となるなど、現実には個人向け国債以外の国債を購入したい個人投資家も潜在的にはかなり多いのではなかろうか。

 このため、財務省は検討案として、まず10年、5年、2年の国債を対象とし、それぞれ募集額100円当たり10年債20銭、5年債15銭、2年債10銭の募集手数料を支払い、対象銘柄の入札日の3営業日後から募集を開始するという素案が発表されている。

 さらに「現在の郵政公社による窓販においては、募集予定額を定め、募集残が生じた場合には当該残額を郵政公社が引受けているが(募残引受)、新窓販スキームでは当該募残引受は撤廃する。」そうであり、販売する金融機関としてはより販売がしやすくなる。

 「いずれにしても何らかの形で本年10月には募集取扱方式による窓販玉の発行を、郵政公社だけでなく民間金融機関にも拡大する予定。」としているように、今回の検討は10月からの郵政民営化を意識してのものではあるが、これにより個人がより国債を買いやすくなることも確かである。
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by nihonkokusai | 2007-03-26 16:07 | 国債 | Comments(0)

「2006年12月末現在の国債保有者別残高」


 2006年10~12月資金循環勘定速報が日銀から発表された。このうち家計の金融資産は再び1500兆円台に乗せ、1540兆8478億円と過去最高を記録した。この家計のうち国債は32兆3468億円(9月末30兆0439億円)、株式108兆7710億円(9月末106兆5053億円)、投資信託は 66兆1641億円(9月末59兆6818億円) となった。9月末の日経平均は16172円58銭、12月末は17225円83銭。

 今回もこの資金循環勘定速報をもとに 2006年12月末現在日本における国債所有別内訳を算出してみた。ちなみに資金循環統計の一部部門分類の見直しおよび遡及改定についてが日銀のホームページに掲載されており、2006年10~12月資金循環勘定速報分から、単独運用型の金銭信託の保有については、信託勘定の運用資産を各投資主体に配分することで欄は廃止された。

2006年12月末の国債残高と、そして全体に占めるシェア、2006年9月末比(億円)

合計 、676兆0500億円、100.0%、9509億円増

郵便貯金、134兆6808億円、19.9%、9879億円増
民間預金取扱機関、114兆5553億円、16.9%、7兆4544億円減
民間の保険年金、86兆6166億円、12.8%、9143億円増
日本銀行、75兆5147億円、11.2%、1兆5153億円減
公的年金、65兆1660億円、9.6%、7兆1354億円増
簡易保険、59兆2194億円、8.8%、5381億円減
海外、39兆1989億円、5.8%、4兆7524億円増
家計、32兆3468億円、4.8%、2兆3033億円増
財政融資資金、27兆0063億円、4.0%、4兆5246億円減
投信など金融仲介機関、23兆3893億円、3.5%、7369億円増
その他、18兆3559億円、2.7%、1兆8559億円減

参考までに自分で集計を始めてからの、日銀資金循環統計を元にした国債残高の推移は下記のようになっている。一番右の数値は前回比である。(単位、億円)

2002年09月末、5,045,257
2002年12月末、5,228,730、183,473
2003年03月末、5,384,464、155,734
2003年06月末、5,441,370、56,906
2003年09月末、5,437,060、-4,310
2003年12月末、5,545,297、108,237
2004年03月末、5,699,256、153,959
2004年06月末、5,759,771、60,515
2004年09月末、5,993,527、233,756
2004年12月末、6,197,909、204,382
2005年03月末、6,424,669、226,760
2005年06月末、6,613,991、189,322
2005年09月末、6,591,695、-22,296
2005年12月末、6,718,823、127,128
2006年03月末、6,670,712、-48,111
2006年06月末、6,591,136、-79,576
2006年09月末、6,750,991、159,855
2006年09月末、6,760,500、 9,509

(なお上記は、私がエクセルで資金循環勘定速報をもとに再集計したものであり、数値のチェックはしているものの、一部入力ミスしている可能性が皆無とはいえないため、使われる際には、ご注意ください。)
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by nihonkokusai | 2007-03-23 14:12 | 国債 | Comments(0)

「日銀の当座預金・現金供給サービスの見直し」


 日銀のホームページに「日本銀行当座預金・現金供給サービスの見直しについて」というものがアップされ、これについての意見を募っている。日銀は金融機関の現金事務の環境変化に対応して、当座預金取引先金融機関に対しての、現金供給サービスについての見直しを検討している。

 銀行の本支店などで良く見かける光景に、警備会社のクルマが横付けされ警備員に守られて何かしら作業をしている場面がある。これはたぶん現金の輸送を行なっているとみられる。金融機関はバブル崩壊後の不良債権処理などによって大幅なリストラを行なった。これによって大手銀行の合併などにより、支店の統廃合も行なわれ、人員削減もあり、それとともに景気低迷化における現金強奪犯罪なども増加した結果、職員の現金輸送といったものから、警備会社に委託しての輸送といったものに切り替えられているものと思われる。

 また、私たちが現金を必要とする際には、銀行の窓口もしくは銀行のATMから引き出すことが多かったが、最近ではコンビニでのATMを利用することも多くなっている。日銀調べによると、2006年3月末における全国銀行ベースの国内本支店は12082店と5年前から1616店減少していたが、主なコンビニエンスストア等における2006年のATM設置台数は22915台とやはり5年前と比較して17209台もの大幅な増加となっている。

 こういった現状により、金融機関の支店が減少した反面、現金事務について金融機関は支店とは別に設置した事務センターなどで集中的に処理をしているケースが増加しているそうである。支店ではなく別法人での店舗といったものも出ているなどの多様化も進んでいる。

 現金輸送についても、警備会社に委託している動きが拡大し、さらに複数の金融機関が共同してひとつの警備会社に現金配送を委託しているケースも少なくないとか。加えて警備会社自身も現金に関しての事務処理能力が向上し、現金の精査事務も委ねられ、金融機関が再精査することを省略する動きも強まっているそうである。

 また、日銀との現金の授受については日銀小切手という「紙」が必要とされることも不便ともなっていることで、これに変りオンラインを前提としての現金受払い手段の導入も検討を開始するそうである。

 時代の移り変わりによって、日銀と金融機関との間での現金のやり取りも変化し、日銀もそれに適応しようとの動きとみられる。ここにきて銀行の合併や、それにともなっての支店などの統廃合も一段落し、さらにコンビにATMの存在も大きくなるなどしたことで、現金の授受に関しても見直しする時期ともなったのか。

 現金といえば通過供給量統計についても日銀は見直しを検討しているそうである。10月の郵政民営化に伴ってM2+CDに民営化後の、ゆうちょ銀行の資金量を加え、さらに一部項目の推計方法も変更する見通しと、22日の日経新聞が報じている。
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by nihonkokusai | 2007-03-22 12:57 | 日銀 | Comments(0)

「市場との対話」


 市場との対話、そして政府との対話については日銀に関わらず、世界の中央銀行にとっても大きな課題となっている。米FRBはマエストロと呼ばれたグリーンスパン前議長の金融政策への舵取りが見事であったと認められることから、市場や政府から全面的な信頼を得た。しかし、それも1987年8月に議長に就任してから2か月後に起きたブラックマンデーを巧みな手綱裁きで乗り切るなどの実績が背景にある。その議長職を受け継いだバーナンキ議長も、利上げ継続後、その停止のタイミングなどによって、うまく米経済をソフトランディングに導き、インフレを抑制してきたと評価されつつある。もちろんここにきてのサブプライムローン問題などの住宅市場の問題など出てはいるが、米経済全体に大きな影響を及ぼさないとの見方も強い。これによってバーナンキ議長に対して批判といった声も聞かれない。

 ECBのトリシェ議長も就任後初めての金融政策となった2005年12月の利上げとその後の利上げ継続については、市場や政府からは大きな批判といったものも聞こえず、「金利の正常化」を進めている。ECBについては加盟諸国のそれぞれの経済環境など異なっているなど、それぞれの国の事情といった要因からなかなか意見の取りまとめも難しいようにも思えるが、トリシェ議長の手綱裁きも結果を見るとなかなか見事なものとなっている。

 日銀は2006年3月にゼロ金利政策を解除し、同年7月に量的緩和政策を解除した。この際には市場との対話を通じて、それぞれの解除を織り込ませることによって波乱なく実施されてきた。しかし、それでも市場内においても解除は時期尚早との声も燻っていたことも確かである。小泉政権から安倍政権に変り、追加利上げのタイミングを探っていた日銀は、足元の経済指標などの一時的な悪化などにもよって、日銀内部はもちろん政策委員それぞれの見方に微妙な変化が生じた。ここに政治的な介入を招いてしまった隙が生じたとも思われる。

 市場との対話において必要とされるのは、日銀と市場との信頼関係にあると思う。その日銀が市場に向けて見方を伝えるには、総裁を含めて政策委員の講演や記者会見などを通じて行なうとともに、マスコミを経由してのものもある。昨年12月と今年の1月の金融政策を巡って、市場の見方が収斂されずに揺れ動いたのは、このマスコミを経由してのノイズも働いたことも大きい。情報元が日銀なのか政府関係者なのか不透明なものからマスコミも利上げの在るなしを大きく取り上げた結果として招いたのは日銀への不信感といったものではなかったろうか。

 FRBもECBも政府との関係にはこれまでも苦慮している。しかし、いろいろな経験を通じてそれぞれの距離感といったものをうまく計ってきているように思う。日本でも12月と1月の金融政策を巡る動きは、結果としてみればひとつの教訓ともなったのではなかろうか。政府関係者からの批判といったものも抑えられ、マスコミも静かに会合結果を見守っていた。市場も追加利上げをある程度織り込んでいたことで、利上げが決定されても大きな波乱はなかった。

 須田審議委員は1月25日の講演で次のような発言をしている。「今後、日本銀行、市場、マスコミが学習を重ねることで、政策先行き予測の乱高下は次第に回避できるようになると期待しています。」。ここにはあえて加えていなかったが、今後、日本銀行、市場、マスコミそして政府関係者も含めて学習を重ねて行くことで市場との信頼を回復し対話もスムーズに行くものと期待したい。
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by nihonkokusai | 2007-03-20 13:13 | 日銀 | Comments(4)

「PASMO登場で現金への意識が変わるか」


 3月18日から関東の私鉄や地下鉄で利用できる磁気型乗車券「パスネット」の非接触ICカード版である「PASMO」の利用が開始された。JRのSUICAとの相互乗り入れも同時に開始され、これにより首都圏のほとんどの鉄道やバスで利用することができる。

 都市圏主体に通勤や仕事で手何かしらの公共交通手段を使う人にとってはたいへん便利なカードとなる。交通費の支給ではなく会社で用意したPASMOを利用しようとしている企業などもあるとか。ちなみに利用明細はインターネット上で利用履歴を確認できる。

 しかし、切符代わりといった利便性だけでなく、PASMOなどの非接触ICカードにはまた違った使い方も可能となる。ある小学校では児童に一枚ずつこのカードを持たせることによって、親が子供が学校に着いたかどう確認できるシステムもできているそうである。

 さらに注目すべきは電子マネーとしての存在か。PASMOは財布代わりともなる。私も朝は駅のコンビニで朝食を買っているが、SUICAを利用できるためそのための小銭を持ち歩く必要がなくなっていた。SUICAを利用できる施設でもPASMOはもちろん利用可能となり使える範囲は拡大する。

 今後コンビニや飲食店、自動販売機といったものでもPASMOが使えるようになれば、それこそ定期入れ一枚でとりあえず一日を済ませることも可能になる。大きな買い物はクレジットカードで済ませ、細かい買い物はPASMOなどの非接触ICカード、もしくは携帯電話での同様の機能を使ってすませる。そういうケースが多くなれば、現金を持ち歩くことが多いといわれる日本人の生活習慣も変わってくるかもしれない。
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by nihonkokusai | 2007-03-20 13:13 | つくばエクスプレス | Comments(3)

「19~20日の金融政策決定会合では全員一致での現状維持か」


 3月19日から20日にかけて金融政策決定会合が開催される。ここにきて米国のサブプライム問題などをきっかけに世界の株式市場が一時動揺を示していたもののやや落ち着きを取り戻してきた。日銀としてもこの動きには注意を払ってはいると思うが、「株式市場中心に、自立的調整進めている」との福井日銀総裁の発言もあったように一時的な調整とみているものと思われる。

 金融政策に関しては、全員一致での現状維持となるものと予想される。2月に追加利上げに反対した岩田副総裁も、さすがに利下げを提案するとは考えらない。岩田副総裁は7日の会見において、「現在の金利水準、0.5%になったわけですが、が現在の経済の拡大の力を削いでしまうようなものになるのかというと、そこは必ずしもそうではないと思っています。」とも発言していることもあり、現状維持の議長提案に賛成するとみられる。2月に利上げをしたばかりでもあり、他の審議委員も現状維持に賛成しよう。

 審議委員のうち春英彦審議委員と福間年勝審議委員は4月4日で退任されることで、今回が最後の決定会合となる(4月最初の会合は9日から 10日)。お二人が2002年4月に審議委員に就任されたとききは、量的緩和政策の真っ最中。2002年4月当時の日銀当座預金残高の目標値はまだ 10~15兆円程度であった。
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by nihonkokusai | 2007-03-16 10:59 | 日銀 | Comments(0)

「円借り取引の巻き戻しとサブプライムローン問題」


 日経平均株価は2月26日に18300円台をつけていたが、3月5日には16500円台まで急落した。その後、12日に17300円台まで戻したが、14 日には16600円台まで下げている。円借り取引の巻き戻しに加え、米国のサブプライム問題が要因とも指摘されているが、日経平均は2006年6月の 14200円台から2007年2月に18000円台まで上昇してきた分の調整が入ったとも見える。

 円キャリートレードーの実際の規模といったものもはっきりしたことはわからず、現実にどの程度の巻き戻しがあったのかも定かではない。米国でのサププライムローンの問題がさらに住宅市場に大きな影響を及ぼすのかといったものもはっかりしないこともあり、市場では不安心理が強まり、相場も乱高下を繰り返している。ただし、サブプライム問題についてはリーマンブラザーズのCFOが、サブプライム等住宅ローンの延滞問題については、全米経済に深刻な問題になるとは思えない」と述べた事が伝わるなど、関係者による不安心理への沈静化に向けての動きも出ている。

 相場は見えないものに対しては極端に不安視する傾向があり、それが実体化すると所謂、材料出尽くしとなる。今回の世界的な株式市場の連鎖の動きもあとでみれば一過性のものになるのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2007-03-15 13:21 | 投資 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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