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「今年もお世話になりました」


 今年もたいへんお世話になりました。来年2006年は、私のホームページ「債券ディーリングルーム」を立ち上げてから、10周年を迎えることとなります。これを記念して、ぜひまた「牛熊友の会」を開催させていただこうかと思っております。明細につきましては、こちらにても連絡させていいだく予定です。

 また、私事ではありますが、来年は久しぶりに本を出させていただくこととなりそうです。私にとりましても、来年は新ためて心機一転となる年となりそうです。皆様方も良いお年をお迎えください。

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by nihonkokusai | 2005-12-30 11:54 | 債券市場 | Comments(0)

「特集、今年の債券市場を振り返る」


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第一部 「自民党の大勝と国債」

 今年の債券相場をトピックスごとに振り返ってみたい。まずは衆議院議員選挙の自民党の大勝による国債市場への影響から見てみたい。

 9月11日に投票が行われた衆議院選挙では、自由民主党が絶対安定多数(269議席)を大きく上回る296議席を獲得し、公明党と合わせた与党全体の議席が総定数の三分の二(32議席0)を超す圧勝となった。

 昔ながらの自民党では改革を叫んでも無理との認識から、多少でも期待できるかと民主党を支持していた基盤が、小泉首相の郵政民営化反対派への対応などを見て大きく揺るぎ始めた。改革するなら民主党しかないという選択から、自民党も改革ができるのではないかとの期待に変ってきた。改革への阻害要因となっていた者たちが郵政民営化という篩いにかけられ落とされていった。しかも刺客を立てるなど改革を阻むものは許さじとの小泉首相の姿勢に共感する人たちが増加し、今回の自民党の大勝に繋がったものと思われる。 この自民党の大勝がどのような影響を国債市場に与えるのであろうか。郵政民営化は財政構造改革に向けての象徴的なものである。年金改革等ほかにすべきことも山積みながらも、これもできずに改革ができるのかとの意見はある意味正しい。財政構造改革は巨額の政府債務の存在がある以上、避けて通れない道でもある。国債への信認を維持させるためにも、構造改革は必要不可欠なのである。

 小泉政権が発足してからの国債の発行額(当初予定)は下記の通り、
  年度   新規財源債 借換債 財投債  合計(兆円)
 2002年度    30.0  69.6  34.3  134.0
 2003年度    36.4  75.0  30.0  141.4
 2004年度    36.6  84.5  41.3  162.3
 2005年度    34.4  103.8  31.3 169.5
 2006年度    30.0  108.3 27.2 165.4

 新規財源債はこれまで当初の小泉首相の公約通り30兆円以内に抑えられたのは2002年度のみであった。しかし、この選挙での大勝を受けて、小泉首相はさらに財政構造改革を勧めるために来年度の歳出を削減し、また景気回復により税収の伸びも期待できることで、2006年度予算では新規財源債の発行を30兆円以下に抑制した。

 しかし、それでも2005年度末の国債の残高は538兆円にも及ぶ。この債務残高を減らす方向に向かわせなければ、いずれ危機的状況が訪れる可能性がある以上、今回の国民の選択はある意味、的を射たものであろう。国債市場にとってはこの選挙結果は、売り買いの要因と見なすよりも、国債への信認が維持されるという面を重視すべきであると思う。

 さらに、政府の経済諮問会議が年明けにも決める経済財政の中期見通しにおいて、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)を黒字にする目標時期を2011年度と1年前倒しするそうである。

 国のプライマリー・バランスを国債費-公債金収入として計算すると、 2006年度を当てはめると、-112,114=187,616-299,730と、 2005年度の、-159,478=184,422-343,900 より4.7兆円程度改善される。

 歳出削減や税収の伸びなどを受けて新規財源債の発行が30兆円以下に抑制されたことにより、大幅な改善となり、さらに今後も構造改革の進展などを受けて成長率が高まるとの予測の上で、プライマリー・バランスの黒字化目標時期を前倒しするようである。ちなみに、2006年度はもう少し改善幅が大きくなるとの予測もある。

 2012年度ですら難しいと思われたプライマリー・バランスの黒字化は、景気回復やデフレ脱却への道筋も見えつある中、現実味を帯びてきた。もちろんこの達成にはさらなる歳出削減や税収の伸びがなければ難しい。この計算には消費税の増税は加味されていないが、現実には2008年度以降の引き上げもある程度、視野に入れているのではないかとも思われる。なににせよ、プライマリー・バランスを均衡化させる見込みが多少なりできたことによって、国債への信任はさらに強まりを増すものとみられる。


第二部 「量的緩和解除に向けての日銀の動きと牽制する政府」

 10月の全国消費者物価指数(生鮮食料品を除く)は前年比ゼロとなり、さらに11月は前年比+0.1%と2003年10月以来のプラス転換となった。

 日銀の福井総裁は10月以降のプラス転換を予想しており、その後のプラス幅の拡大などを確認したのち、2006年度に向けての量的緩和解除の可能性を示唆していた。ところが、これに対して政府サイドからは時期尚早との声が上がっており、12月8日に昼食を挟んでの小泉首相と福井日銀総裁との懇談会が注目された。

 今回は前回開催から1年近く間が空いてしまったこともあり、政府側からの働きかけにより開催されたと伝えられた。しかし、実際のところは政府と日銀のぎくしゃくした関係修復が狙いであったものとも思われる。政府側からは小泉首相、谷垣財務相、与謝野経済財政・金融担当相、安倍官房長官らが出席し、日銀側からは福井総裁、武藤、岩田量副総裁が出席した。

 伝えられるところによると「現状の金融政策について福井日銀総裁が中心に話をした」(武藤副総裁)そうであり、「小泉首相と量的緩和解除の時期は話していない」(福井総裁)としながらも、「小泉首相からは量的緩和政策に関する言及はなかった」(福井総裁)、「量的緩和解除をめぐる小泉首相の要請はない」(岩田日銀副総裁)、とのコメントも見られた。今回の懇談は日銀にとり政府側の意向、特に小泉首相の量的緩和解除に向けての意向を探るための懇談であったとも考えられる。

 竹中総務相や中川政調会長などが日銀法改正についてまで言及していたが、今回は小泉首相が表立っての反対の意思を示さなかった。さらに首相は量的緩和解除について「物価が安定してゼロ%以上になれば」と述べたとも伝えられ、これは解除について一定理解を示したとも捉えられる。さらに、日銀の量的緩和解除反対の急先鋒とも見なされていた竹中総務相も9日には「量的緩和をやるかやらないか、公定歩合をどうするかと発言すれば圧力になる」ともコメントしており、量的緩和解除については容認するとも思われるコメントを出していた。

 仮に日銀が量的緩和解除を金融政策決定会合において決定しようとする際に、出席している財務省と内閣府のそれぞれ政府側出席者が、議決延期請求権を行使するかどうか検討するような状況になった際には、それぞれの担当大臣の了承を求める必要がある。今回の最終決定は首相官邸、特に小泉首相の了承が必要になると考えられる。そうなれば一部大臣の行使を求める声があったとしても、小泉首相が了承しない限りは、議決延期請求権の行使はできないものとみられる。

 9日、日銀の福井総裁は「金融政策は堂々と正道を歩んでいく。それをもって政府の望ましい経済政策に貢献していくという組み合わせ以外にないということは、政府でも異論は全くないと思う」とコメントしており、これも小泉首相の意を含んだ発言ではなかったかと考えられるのである。

 これ以降、表立っての政府側からの日銀への批判は影を潜めた。政府サイドは、量的緩和解除は容認するものの、その後のゼロ金利の継続を求める姿勢に変化したのではないかと思われるのである。


第三部 「2005年の長期金利の動き」

 2005年の長期金利は1.165%から1.630%の間の動きとなり、2004年の1.190%から1.940%に比べて、さらに低位安定が続く結果となった。

 年初から3月あたりにかけては、経済指標も市場予想を上回るものも多くなり景気の先行きに対する慎重な見方も後退し日経平均が年初来高値をさらに更新して上昇した。このため、長期金利は3月初めにかけて1.5%台に上昇した。

 しかし、その後、今度は再び予想を下回る経済指標が増えたことや、欧米、そして中国などの海外経済の景気拡大ペースに対する懸念が強まり、6月末にかけて長期金利は再び低下傾向となり、1.2%をも割り込んで、一時1.165%まで利回りが低下した。

 7月1日に発表された日銀短観では予想以上に日本経済について好調とみている経営者が多いという結果となり、これ以降、今度はやや強めの経済指標の発表が続いた。

 米国においても再び好調な経済指標も出てきており、欧州でも利下げではなく利上げ観測まで出てきた。中国は7月に元の切り上げを実施したが、予想より小幅に止まっていたことなどから、これによる影響は限定的となった。さらに原油価格の上昇についても、日本の景気回復の腰を折るほどの影響とはならず、加えて、懸念されたIT関連主体の在庫調整も徐々に進むこととなった。

 このため長期金利は再び上昇基調となり、7月と8月に1.485%をつけ1.5%に接近した。10月以降の全国コアCPIのプラス転換もほぼ確実視され、日銀も早ければ来年前半の量的緩和解除も視野に入れているとも見られ、この時期には長期金利だけではなく短期金利も上昇圧力を強めた。

 輸出に持ち直しの動きがあり、設備投資も緩やかな上昇基調が続いている上に、予想以上に個人消費が増加基調になった。このため、日経平均株価も12000円の大台に乗せてきた。

 8月9日には政府や日銀が景気の踊り場脱却を表明したが、その前日の8月8日に郵政民営化関連法案が参院本会議で採決され、これが否決されたことを受けて、衆院は解散総選挙となった。政治の空白や先行きの不透明感の強まりによって、長期金利はその後いったん1.3%近くまで買われた。

 ところが9月11日に投票が行われた衆議院選挙では、自由民主党が絶対安定多数を大きく上回る296議席を獲得し、公明党と合わせた与党全体の議席が総定数の三分の二(32議席0)を超す圧勝となった。これを受けて、日本の財政構造改革がさらに進展するとの見方により、海外投資家の買いがさらに活発化し、日経平均株価は13000円を抜け、10月末にかけ14000円も突破、11月30日にはついに15000円台をつけるなど、ほぼ一本調子の上昇基調となった。ハリケーン被害なども懸念された米国経済も予想以上にしっかりしており、またECBも12月1日には利上げを実施した。中国経済も好調を持続していることで、日本経済は個人消費なども回復基調となってきた。また、消費者物価指数も10月は前年比ゼロ、11月は前年比+0.1%と予想されたようにプラスに浮上した。

 ところが長期金利は株価との連動性が薄れ、11月7日に1.630%まで上昇したのちは、消費者物価のプラス転換なども織り込み、欧米の長期金利の低下基調などもあったことで、徐々に低下基調を強め、12月27日には1.5%を割り込んだ。

 2006年度予算において、新規財源債が30兆円を割り込み、さらに政融資資金特別会計の金利変動準備金のうち、その約半分にあたる12兆円を来年度の国債の買入消却にあてる方針などが発表されるなど、国債需給については好材料も多く出たことも、フォローの材料になったものと思われる。
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by nihonkokusai | 2005-12-29 10:03 | 債券市場 | Comments(0)

「昭和」

 読売新聞ネット版に、昭和と聞くと、「空は青く、芝が緑にもえ、暖かい風がそよいでいる」というイメージを抱くとの記者のコメントがあった。そういえば、そうだったなあと妙に共感を覚えた。

 私にとっての青い空は、横浜の釜利谷から見た空、観音崎灯台から見た空、江ノ島に行くモノレールから見た空などが記憶に刻まれている。緑の芝といえば、当時できたばかりの横浜の子供の国の芝であろうか。そして、暖かい風は、現在の八景島近く、芝漁港を見渡す高台での海風か。

 今も同じように、空の青さ、芝の緑、暖かい風は変らないはずだが、現在の子どもたちにはそれが鮮明な記憶として残るのだろうか。昭和という、あわただしい中にも安らぎのあった時代だったからこそ、自然というものに触れ合った瞬間をさっと記憶に刻むことができたのであろうか。

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by nihonkokusai | 2005-12-28 12:46 | 趣味関心 | Comments(0)

「2006年の債券相場の展望」


 2005年の長期金利は1.165%から1.630%の間の動きとなり、2004年の1.190%から1.940%に比べて、さらに低位安定が続く結果となった。それでは2006年の長期金利はどのような動きとなるのであろうか。

 最も注目されるのが日銀の動向と思われる。量的緩和解除については、早くて12月のCPIを確認したのちの、2月9日の日銀金融政策決定会合において。しかし、4月発表の短観を見て、さらに展望レポートの発表に合わせるかたちで、4月末に開かれる決定会合にて解除が実施(宣言?)される可能性が最も高いと思われる。

 その後、時間をかけて段階的に日銀の当座預金残高を縮小させ、所要プラスアルファの10兆円程度(郵貯の当座預金残高の兼ね合い次第か、最終的には7~8 兆円とも)まで引き下げたのち、タイミングを見て利上げを模索するものとみられる。その間はゼロ金利(きわめて低い金利水準)が続くものと予想される。

 注目される利上げのタイミングだが、経済や物価動向、海外の情勢などにもよるが、現在のところ来年秋口あたりの可能性が高いとみている。GDPデフレータなどのプラス転換など確認できれば、利上げ環境も次第に整ってくるものと思われる。

 経済実態に大きな変化なく、物価も日銀や政府の見通しどおりとなると仮定し、長期金利の動向を予想する。すでに現在でも来春に向けての量的緩和解除はある程度織り込んでいるとも思われ、4月に向けて仮に長期金利が上昇したとしても、1.7%あたりまでに止まるものと見られ、4月の解除までは 1.3%から1.7%あたりの動きになると思われる。

 4月に解除が実際に行われたとすれば、秋口にかけて金利上昇圧力が強まってくるとも見られる。このため、長期金利は1.75%を抜いて 1.8%を試してくるものと思われる。実際に秋口あたりに0.25%程度の利上げが実施され、さらに継続利上げの可能性が高まったということを前提にすると、その際に長期金利は、2004年につけた1.940%を試し、さらに2%に向けて上昇圧力を強めるものと思われる。

 上記はあくまで政府や日銀の経済・物価見通しを前提にしたもので、仮に景気が失速するようなこととなれば状況は異なってくる。もちろん物価が再び下落すると言った可能性もないとは言えない。さらに、小泉首相の後継者が誰になるのか、米国の中間選挙による影響はあるのか、バーナンキ新議長の手腕やいかにといったやや不確定要因もある。

 長期金利との関連性が薄れているとはいえ、株価や為替動向も無視はできない。日経平均は現在のトレンドが継続すると仮定すれば、来年には 20000円という大きな節目も見えてくる。実質マイナス金利となれば、ミニバブル的なことも起こりうる。しかし、一本調子の株価の上昇も考えづらいため、どこかで大きな調整も起ころう。その際には一時的にせよ長期金利は低下圧力を強めるかもしれない。

 需給面に関して言えば、来年度の国債発行額は減額されることもあり、国債の好需給が継続し、需給面で債券への売り圧力がかかる可能性は低く、また、財務省発の国債に関するイベントリスクといったことも国債管理政策が進んでいることからも考えにくい。

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by nihonkokusai | 2005-12-28 10:42 | 債券市場 | Comments(0)

「来年は実質マイナス金利が定着か?」

 11月全国消費者物価指数(生鮮食料品は除く)が前年比+0.1となったことで、この物価指数を参考にすれば実質金利はマイナスということとなる。ただし、同時に発表された食料・エネルギー除く指数では前年比-0.2%となっており、GDPデフレータもまだマイナスの状態でもあり、まだあまりマイナス金利といった実感はない。

 しかし、来年にかけてはさらに物価上昇圧力が強まるものと思われ、政府の見通しにおいてもGDPデフレータはプラスになるとしている。消費者物価指数についても、来年度の日銀の見通しは、展望レポートでは+0.5%となっており、今後は実質マイナス金利が現実性を帯びてくる。

 12月8日の名古屋での各界代表者との懇談における福井日銀の総裁挨において総裁は、「拶量的緩和の効果が短期金利がゼロであることが中心となってきていることを踏まえれば、枠組みの変更自体は政策効果の面で大きな変化をもたらすものではありません。むしろ、この間、消費者物価のプラス基調が定着してくれば、短期の実質金利はさらに低下し、景気・物価に対する強力な刺激効果が発揮されることになります。」と述べており、量的緩和解除後も当面ゼロ金利が維持されれば、緩和効果が継続することを強調している。

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by nihonkokusai | 2005-12-28 09:45 | 日銀 | Comments(0)

「11月全国消費者物価指数(生鮮食料品は除く)が前年比+0.1%に」


 本日発表された11月全国消費者物価指数(生鮮食料品は除く)は前年比+0.1%となり、2003年10月以来のプラス転換となった。10月は前年比ゼロとなっていたが、今後は特殊要因の剥落によって、このプラス幅が拡大してくるものと見られる。ただし、同時に発表された食料・エネルギー除く指数では前年比-0.2%となり、今回のプラス転換には原油価格の上昇などもかなり寄与している。

 本日の日経新聞朝刊に、日銀の武藤副総裁へのインタビュー記事が掲載されていた。この中で、武藤副総裁は「生鮮食料品を除く消費者物価は来年初にかけ比較的はっきりしたプラスになろう」とコメントしており、さらに「来年8月には消費者物価指数の基準改訂があるものの、我々の基調判断は変らない」としており、総務省が予定しているとみられる食料・エネルギー除く指数ではなく、現在の指数をもって量的緩和解除に向けた条件とすることをあらためて示した。

 今回のインタビューで武藤副総裁は解除後について「量的緩和政策が持っている時間軸の効果はなくなる。それに代わる何らかの先行きの道しるべが必要だ。数字的なものか、それともソフトなものがよいかは、これからの検討課題」と述べている。

 この点については、12月16日の福井日銀総裁の記者会見においても次のようなコメントがあった。

 「量的緩和政策の枠組み修正後、金融政策運営上どのような新しい透明性確保の工夫を凝らしていくかは、今のところオープンである。何ら前もって決め込んでいるものはない。引き続き政策委員会のメンバーでよく議論しながら、日本の実情に一番即したやり方を模索していきたいと思っている。」

 このように政府への配慮といったものも多少意識してか、何らかの「道しるべ」を設定する可能性は高いものと思われる。自民党の中川政調会長は「名目成長率2%という目標も共有していただきたい」とも述べ、さらにインフレ目標の導入について「高い名目成長率を達成するために物価上昇率(の目標)をプラス2~2.5%とするのはいけないことだろうか。世界の常識だ」と述べている。福井総裁は会見の中で、このインフレ目標値の導入については下記のようにやんわりと否定的なコメントをしている。

 「世界では、インフレーション・ターゲティングというか、一つの大くくりで言えばその範疇に入るような色々なやり方をとっている国がいくつもあるが、仔細に見ると国毎にその性格は違っている。日本の場合、どこかにテキストブックがあって、それをそのまま模写すればよいということは絶対にない。よそ見をする前に日本の経済・金融の構造がどう変わるかといった足許の状況をよく見て、日本人特有の国民心理あるいは気持ちにぴったり沿うような透明性確保の方法でなければならない。隙間があれば、必ずそこに便乗した違った思惑が入ってくるので、真似事はいけないということだけは明確に申し上げておく。」

 再び本日の武藤副総裁のコメントに戻ると、最後に武藤副総裁は「短期的な政策の押し付け合いは問題解決につながらない」と政府側の対応について述べている。政府側の意向も配慮はするものの、それによって日銀の政策判断が揺れ動いてしまうことはできるだけ避けたい意向を武藤副総裁も示したものとみられる。

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by nihonkokusai | 2005-12-27 10:39 | 日銀 | Comments(0)

「プライマリー・バランス」

 政府の経済諮問会議が年明けにも決める経済財政の中期見通しにおいて、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)を黒字にする目標時期を2011年度と1年前倒しするそうである(25日日経新聞)。

 国のプライマリー・バランスを国債費-公債金収入として計算すると、
2006年度を当てはめると、-112,114=187,616-299,730と、
2005年度の、-159,478=184,422-343,900 より4.7兆円程度改善される。

 歳出削減や税収の伸びなどを受けて新規財源債の発行が30兆円以下に抑制されたことにより、大幅な改善となり、さらに今後も構造改革の進展などを受けて成長率が高まるとの予測の上で、プライマリー・バランスの黒字化目標時期を前倒しするようである。ちなみに、2006年度はもう少し改善幅が大きくなるとの予測もある。

 2012年度ですら難しいと思われたプライマリー・バランスの黒字化は、景気回復やデフレ脱却への道筋も見えつある中、現実味を帯びてきた。もちろんこの達成にはさらなる歳出削減や税収の伸びがなければ難しい。この計算には消費税の増税は加味されていないが、現実には2008年度以降の引き上げもある程度、視野に入れているのではないかとも思われる。

 なににせよ、プライマリー・バランスを均衡化させる見込みが多少なりできたことによって、国債への信任はさらに強まりを増すものとみられ、日本国債は文字通り「危なくない」ものとなりつつある(?)。文春新書「日本国債は危なくない」はまだ発売中・・・。

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by nihonkokusai | 2005-12-26 15:40 | 国債 | Comments(0)

「シ団廃止」

 19日に開催された「国債発行世話人会」において、来年度以降、国債募集引受団(シ団)による10年国債の引受が行われないことが決定された。これにより、シ団は今年度末をもって廃止されることとなる。

 幸田真音さんの小説「日本国債」においても、国債急落後の国債市場改革の目玉としてシ団廃止が取り上げられていた。このシ団廃止によって、1998年末の運用部ショック以降に進められてきた国債管理政策がひとつの大きな区切りを迎える。すでに、日本版のプライマリーディーラー制度である国債市場特別参加者制度は定着しつつあり、シ団を完全に廃止しても問題はない。

 国債のシ団制度が開始されたのは、私のホームページの「国債関連の歴史年表」によると1966年1月である。つまり、戦後初めて国債が発行されたと同時にこのシ団制度が作られた。2006年3月末で廃止されることとなれば、約40年間に渡ってこのシ団は国債の安定消化のための役割を果たしてきたともいえる。ちなみにこのシ団制度とは、国債の募集・引受を目的として、主要な金融機関(平成17年12月現在1207機関)により組織された国債募集引受団(シ団)が総額引受を行う制度である。

 市中公募入札の導入・拡大によってシ団引受に係る競争入札比率は段階的に引上げられており、国債発行額に占めるシ団引受による発行額の割合は10%にまで低下していた。このためシ団廃止も時間の問題とも見られていた。

 シ団廃止にともない「国債発行世話人会」も廃止されるものとみられる。この国債発行世話人会」とは、シ団を構成する金融機関と財務省との間でシ団引受に関する意見交換を行う会合であり、毎年12月に開催され、次年度のシ団引受額を決定していたが、この会も重要事項を決定する会というよりも、セレモニーといった色彩が濃いものとなっていた。

 一時は、シ団を早期に廃止すべきとの論調も高まり、かなり注目もされていたものの、シ団引受シェアの低下とともに注目度も薄れ、結果的にはひっそりとその幕を閉じることとなりそうである。
(一部、財務省ホームページの資料を参考)

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by nihonkokusai | 2005-12-22 10:14 | 国債 | Comments(3)

「日本語でもっとも検索されたキーワード」

 とある検索で、日本語でもっとも検索されたキーワードベストテンは以下のとおりとか。「電車男」、「地図」、「愛知万博」、「綾瀬はるか」、「伊東美咲」、「2ch」、「動画」、「ラーメン」、「ブログ」、「ANA」、「mixi」、「安田美沙子」、「スターウォーズ」、「小倉優子」、「翻訳」

 自分でもいくつか利用した単語はあるが、たぶん一度も検索にかけたことのないものもあった。「綾瀬はるか」、「伊東美咲」、「安田美沙子」、「小倉優子」とほとんど人物名は検索した記憶もなく、「綾瀬はるか」や「安田美沙子」とはいったい誰?といった状況。

 ということで早速、検索してみた。「綾瀬はるか」とはどうやら女優のようであり、「安田美沙子」はテレビのバラエティ番組に出ているタレントのようである。うーむ、やはりおじさん度数がかなり進んでいるということなのであろうか。そういえば「電車男」は映画もドラマも本も、もとになった 2chの書き込みも読んだことがない。

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by nihonkokusai | 2005-12-21 13:06 | 趣味関心 | Comments(0)

「財投改革」


 特別会計改革を進め、財政融資資金特別会計の金利変動準備金のうち、その約半分にあたる12兆円を来年度の国債の買入消却にあてるとともに、外国為替資金特会など4特会の剰余金1兆8312億円を税外収入として一般会計への繰り入れ、国債発行30兆円の目標達成に貢献したようである。この4特会は具体的には、外為特会から1兆6220億円、産業投資特会から1202億円、電源開発促進対策特会から595億円、農業経営基盤強化措置特会から295億円を繰り入れた模様。

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by nihonkokusai | 2005-12-20 15:51 | 国債 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
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