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カテゴリ:国際情勢( 116 )

ギリシャのユーロ残留の可能性が高まる

 ギリシャは9日夜に、金融支援再開の前提となる財政再建策をEU側に提出した。これを受けてまずトロイカと呼ばれる欧州委員会とIMF、ECBが内容が十分かどうか精査し、この3機関は精査の結果を11日に開かれるユーロ圏財務相会合に報告する。12日にユーロ圏19か国と加盟全28か国による首脳会議を開き、財務相会合の判断を踏まえ、支援再開の可否を最終決定する(日経新聞)。

チプラス政権の提出した財政再建策の案は、債権団が先月提示した案に近い内容となった模様である。ESMを利用した3年間の新たな救済策の前提となるギリシャ案には債権者側がかねてから求めてきた付加価値税(VAT)引き上げと年金削減が盛り込まれた。さらに債務再編と350億ユーロの成長パッケージも含むようである(ブルームバーグ)。

支援再開の可否については、最終的には12日の首脳会議で決定されるが、支援合意にこぎ着ける可能性が出てきた。もし支援合意ができれば、ギリシャのユーロ離脱の懸念は後退する。ただし、その前にひとつ大きな関門があった。同案がギリシャ議会で承認される必要があったのである。

チプラス首相は何故、債権団の財政再建策をのむ形になったにも関わらず、ギリシャで国民投票を行ったのか。しかも国民投票の結果ではEUが提案した財政緊縮策にノーという結論を出していたにも関わらずである。財政が困窮しているなか、巨額の費用が掛かる国民投票をなぜ実施したのか。その後、バルファキス財務相を辞任させて、結局は国民が反対した案を提出するという、まさに茶番劇のようなことをやったのか。

どうやら今回の茶番劇のような事態は、このギリシャ議会を睨んだものであったようである。国民投票を経て、チプラス政権の意向に国民がイエスと評価し、それによりチプラス政権の求心力が増した。与党内の反チプラス派の勢力を弱めるととともに、最大野党の党首を党首辞任に追い込むなど、議会の勢力バランスに国民投票結果が大きな影響を与えた。ユーロ残留に対するチプラス政権の意思も示されたことで、与党内の強硬派議員はさておき、主要野党の支持も得たようである。これにより与党の一部が財政緊縮策に反対票を投じても、主要野党が賛成票を投じれば、ギリシャ国会で承認を受けることができることになる。

現実に10日、ギリシャ議会はチプラス政権が新たな財政改革案に基づき債権団と交渉することを圧倒的多数で承認した。

ギリシャ議会が新たな財政改革案を承認したことで債権団との交渉への大きな関門が突破された。チプラス政権が出した財政改革案に対しては、フランスのオランド大統領は「真剣で信頼できる」と評価するなど、合意に至る可能性が出てきている。債権団との交渉をスムーズにさせるためには、強硬派でもあったバルファキス財務相の辞任させることもいたしかたなかったものであろう。このあたりも想定してのチプラス首相の行動であったとすれば、チプラス首相はかなりの策士であったように思われる。

ギリシャへの支援が再開され、ギリシャはユーロに残留できる可能性が高まった。しかし、ユーロ残留となっても、今回のギリシャのゴタゴタは今後のユーロの行く末に大きな影響を与えうる。ギリシャへの支援そのものに、ドイツ議会などがどのような反応を示すのかも懸念材料ではある。それでもギリシャのユーロ残留が確かなものとなれば、大きな不安材料が後退することも確かである。

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by nihonkokusai | 2015-07-11 12:05 | 国際情勢 | Comments(0)

バルファキス財務相が突然の辞任、何があったのか

 ギリシャのバルファキス財務相が6日に辞任をツイッターなどで発表した。これを受けて市場では、ユーロが買い戻され、株式市場も買い戻しの要因となった。なぜ金融市場はこのような動きを示したのか。そもそもこのタイミングでの突然の辞任はどうしてなのか。

 バルファキス財務相は声明で、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の一部メンバーが同氏の参加を望んでいないとし「(自身が辞任すれば)交渉がまとまりやすくなると首相が判断した」と説明した(ロイター)。

 バルファキス財務相は型破りなファッションなどで注目を浴びていたが、それよりも強気な発言が問題視されていた。バルファキス財務相は先週、債権団は脅しによって緊縮策の受け入れを迫っており、ギリシャ国民に対する「テロ行為」だと非難した。

 ケンブリッジ大学で経済学の教授をしていた経歴があり、ゲーム理論の専門家でもあるバルファキス財務相ではあったが、恐そうなのはどうもルックスだけではなかったようである。

 ユーロ圏財務相会合でのバルファキス財務相の写真は笑顔で写っているものが多かったようだが、ドイツのショイブレ財務相らと公然と対決していたようで、交渉再開にむけてショイブレ財務相らのメンバーが同氏の参加を望まず、チプラス首相が辞任を勧めたたものと思われる。

 ギリシャでは辞任を表明したバルファキス財務相の後任にユークリッド・ツァカロトス氏が指名された。ツァカロトス氏はオックスフォード大学で学んだこちらも経済学者で、これまで外務副大臣を務め、欧州連合(EU)とIMFとの交渉チームを率いてきた。オランダ・ロッテルダム生まれで、オックスフォード大学で教育を受け、1990年から1993年にはケント大学で経済学を教え、その後、アテネに移住したそうである(AFPBB News)。

 ツァカロトス氏もノーネクタイ派のようだが、少なくともバルファキス氏よりは穏健派のようである。ギリシャの財務相が変わったところで協議が進展するわけではないが、少なくとも協議再開の支障がひとつ取り除かれた。マーケットはこれを好材料として判断したものとみられる。問題は今後の協議の行方となるが、いまのところ進展があるのかどうかは定かではない。

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by nihonkokusai | 2015-07-08 10:00 | 国際情勢 | Comments(0)

市場の視線はギリシャから米国の利上げに

 7月1日の日本時間の夕方6時あたりに、急に相場が動き始めた。外為市場ではユーロが買われ、ドイツや米国の国債は下落し、日経平均先物(夜間取引)も上昇した。要因はFTがギリシャのチプラス首相が債権団の救済策を一部変更の上で受け入れと書簡で表明していたことが報じられたためであった。

 この報道でギリシャ問題は解決に向かうのではないかとの楽観的な見方が出たことで、ユーロが買い戻され、リスクオンの動きから米国やドイツ、英国の国債は下落し、欧米の株式市場は上昇した格好ではあった。

 ところが、チプラス首相はこの日のテレビ演説で、欧州連合(EU)が求める緊縮策を受け入れるかどうかの国民投票を5日に実施すると改めて表明した。強硬姿勢を崩さず、反緊縮姿勢が変わっていないギリシャに対しEUは不信感を強め、国民投票まで支援再開の交渉を棚上げする方針を示した。

 結局、ギリシャ問題は何ら進展せず、5日の国民投票の結果待ちの状態に変化はなかった。それにも関わらず1日の欧米の株式市場は上昇し、ドイツや米国、英国の国債は下落した。そして、イタリアやスペインの国債は買われていたのである。

 FTのフラッシュニュースで反応してしまったのであれば、ギリシャ問題に進展なしとの追加報道で反対売買が起きて元に戻るということも考えられたが、株や国債の動きを見る限り、すでにギリシャ問題の影響度は後退し、むしろリスクオンとなる材料に反応しやすい地合となっていたとみられる。

 EUは1日午前0時に支援を停止し、IMFは債務の返済を受けられなかった。ギリシャは債務の延滞国扱いとなり、事実上の債務不履行(デフォルト)に陥った。

 もちろんギリシャの国民投票の結果次第では、ギリシャが正式にデフォルトとなり、場合によるとユーロ離脱の懸念すら出てくる。しかし、ギリシャのデフォルトによる民間金融機関への影響は限定的であり、ここから新たな金融不安が生じる懸念はほとんどない。むろんギリシャの国内銀行には影響は出ようが、グローバルな影響が出ることは予想しづらい。ギリシャの国債も民間の保有額は極めて限定的である。

 ユーロ離脱となれば、ユーロというシステムそのものに亀裂が走る懸念はあるものの、ギリシャがその選択肢はとりづらい。チプラス政権はいったい何を考えているのかは読み切れないが、自国をさらなる危機に陥れる政策を取ることを国民が果たして許すのであろうか。それでも仮にギリシャがユーロ離脱となり、政治上のパワーバランスに変化が生じても、金融のリスクバランスの上での影響は限定的との見方もできるかもしれない。

 いずれにせよ、5日のギリシャの国民投票の結果は注目されるが、市場はすでにギリシャ問題をさほど重要視しなくなり、2日に発表された米雇用統計の内容などをみながら、視線は再びFRBの利上げに向けられていく可能性がある。

 2日に発表された6月の米雇用統計では、非農業雇用者数は前月比22.3万人増と予想をやや下回り、前月分も下方修正された。失業率は5.3%に低下し、7年ぶり低水準となるが、労働参加率は1977年10月以来の低水準に。平均時給は前月から横ばいとなり、前年比で2%の伸びに止まった。市場ではこの内容を受けて、FRBは利上げは急がずとの見方となったようだが、FRBの年内利上げというスタンスに大きな変化があるとは思えない。

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by nihonkokusai | 2015-07-03 09:42 | 国際情勢 | Comments(0)

協議決裂、今後のギリシャの行方

 欧州連合(EU)は27日開いたユーロ圏財務相会合で、ギリシャ側が求めた6月末の金融支援の期限延期の要求を退けた。ギリシャはIMFへの今月の返済分を月末一括とすることを要請しており、30日に15億ユーロ超の支払いをしなければ、ギリシャのデフォルトの懸念が出てくる。

 ECBは28日にギリシャ国内の銀行の資金繰りを支えてきた「緊急流動性支援(ELA)」の上限拡大を見送った。ELAとはユーロ圏各国の中央銀行を経由してECBが資金供給する仕組みであり、資金流出が続いているギリシャの金融機関の資金繰りはこの制度に支えられてきた。今回は前週と同じく約900億ユーロで据え置く方針を決めたことにより、約900億ユーロの枠内であれば資金供給をするが、それを超える分については供給しないことになる。資金供給は維持との見方もできるが、それで間に合うとは思えず、あらたな資金供給は停止との見方となろう。

 ECBがギリシャの銀行への追加的な資金繰り支援を見送ることを決めたことにより、チプラス首相は28日夜の国民向けテレビ演説で29日から銀行を休業させ、資本規制を導入すると発表した。これはギリシャ中銀が銀行を休業させ、預金の引き出しを制限するよう要請してきたことによるものである。この国内銀行の営業停止は7月6日まで、翌7日から再開の見通しとギリシャの主要紙が報じている。

 ECBは声明で、今後ギリシャが強力な資本規制を導入したり、欧州連合(EU)側の財政改革案に同意したりすれば「(据え置きの)決定を見直す用意がある」と付け加えている。資本規制は導入されたが、EU側の財政改革案への同意については5日の国民投票が決定されているため、その結果を確認した上でのギリシャの動向次第ということになろうか。ただし、もしECBが支援そのものを絶つことになれば、銀行が政府の借金に応じることもできなくなり、ギリシャ政府の資金繰りが早晩行き詰まることになる。ギリシャは7月20日にECBに対して約35億ユーロの返済も抱えている。

 いまのところはっきりしているのは、EUとギリシャの支援協議は決裂し、何かしらの奥の手でもない限りは30日までのIMFへの返済は不可能となる。チプラス首相はIMFへの債務の返済はできないという見方を自ら初めて明らかにしている。IMFは最終的に理事会で「デフォルト」を認定することになるため、猶予される余地もあるものの、早ければ7月1日にデフォルトが確定する可能性がある。

 ただし、7月5日のギリシャの国民投票を控え、その結果次第でも状況は変わる。5日のギリシャの構造改革案の是非を問う国民投票において、財政緊縮策を求めるEU側の再建策に反対となれば、政府の資金繰りに窮することになり、このままユーロ離脱という可能性も出てくる。

 これに対して財政緊縮策を求めるEU側の再建策に賛成となれば状況はまた変わる。ギリシャのバルファキス財務相はユーロ圏他国財務相に対して「国民投票で再建策が支持されれば履行する」と返答したそうであり、支援を受けられる可能性が出てくる。また、チプラス首相は緊縮策を国民が受け入れる結果が出れば、首相を辞任する可能性を示唆した。首相が辞任し総選挙となれば、その結果次第となるが、ユーロ残留となり、あらためて支援を要請するという可能性もある。

 いずれにせよギリシャのデフォルトの可能性は高まってきたが、それについては6月30日までのギリシャの動向と、7月1日以降のIMFの決定次第となる。また5日の国民投票の結果を確認する必要も出てくるか。その5日の国民投票の結果次第では状況も変わりうる。国民投票の結果次第で、今度はギリシャのユーロ離脱の可能性が意識されることになる。

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by nihonkokusai | 2015-06-30 09:32 | 国際情勢 | Comments(0)

ギリシャの一発逆転劇

 6月22日にギリシャのチプラス首相は、土壇場で新たな財政改革案を提出し、早期退職に伴う年金受給を制限することや付加価値税率の引き上げなどを盛り込んだ財政再建の最終案を持ち込んだ。首脳会議に先立って開いた財務相会合では、週内合意を目指す方針を確認し、首脳会議では合意に至るまでにはさらに協議が必要として結論をいったん先送りとした。ただし、ユーロ圏首脳らはギリシャ政府が新たに提出した財政再建策を、数日中の合意に向けた土台になると評価しており、順調に行けば、24日中に財務相レベルで最終合意を目指し、25日の首脳会議で正式決定となる。交渉の行方はなお予断を許さないものの、24日夜までに6月末に迫った金融支援の期限延長などで合意できる模様である。

 ここにきて欧米の市場動向をみると、ある程度このシナリオを想定していたものとみられる。やや楽観的かともみられたが、少なくともチプラス首相だけでなくギリシャ国民にとっても、ユーロ離脱という選択肢は考えづらい。もしデフォルトという事態になってしまうと、そのユーロ離脱の可能性が高まることになる。ギリシャのチプラス首相としてもユーロ離脱という最悪の事態は回避したいはずであり、22日にブリュッセルの欧州連合本部で「ユーロ圏の中で成長を取り戻す」とチプラス首相は記者団に語りかけたそうである。

 そこで考えられるのは、最後の最後にある程度、債権団の納得がいく案を提出することになる。時間切れ寸前まで粘ることによって反緊縮にも配慮した格好ともなる。まさに土壇場での逆転劇となるが、その案が提出されるまで、しかもその案の内容が合意に至るような内容なのかを確認できるまでは、安心出来る状況ではなかった。

 また、このタイミングでのチプラス首相の訪露はドイツなどの態度を硬化させた可能性がある。22日の緊急のユーロ圏首脳会議の舞台裏で何が起こっていたのかは想像するほかはないが、ドイツなどがギリシャに対して最後通牒を突きつけてきた可能性もある。また、ギリシャ中銀のストゥルナラス総裁が国内銀行に対し、22日のユーロ圏緊急首脳会議でギリシャ政府が債権団と合意できない場合、23日の「困難の日」に備えるよう警告していたように、ギリシャ国内からも政権への突き上げがあり、改革案を提出せざるを得ない状況にチプラス政権が追い込まれていた可能性もありうる。与党・急進左派連合(SYRIZA)にとっても年金支給が止まることによる年金受給者への影響も避けたかったはずである。

 いずれにせよ6月末が期限のギリシャのデフォルトリスクは後退した。しかし、これで問題がすべて解決できたわけではない。ユーロ残留のためにも十分な支援を望むのであれば、チプラス首相は妙な外交手腕などは使わず、しっかり国民と向き合って、ある程度の緊縮策を呑まざるを得ないことを丁寧に説明し、同意を得ることが必要になろう。

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by nihonkokusai | 2015-06-24 09:09 | 国際情勢 | Comments(0)

万事休すのギリシャ、一発逆転あるのか

 6月18日のユーロ圏財務相会合では、ギリシャの債務問題を巡って協議したが進展はなかった。財務相会合のデイセルブルム議長(オランダ財務相)は会合後の記者会見で「ほとんど進展がなかった」と説明。「ギリシャはユーロ離脱の方向に向いている」とも発言したようである。フィンランドのリンネ財務相からは「最後には何らかの合意に至るとみていたが、袋小路の終わりにほぼ到達したようだ」との発言もあった。

 欧州連合(EU)のトゥスク大統領は22日午後7時(日本時間23日午前2時)から、ブリュッセルでユーロ圏首脳会議を臨時開催すると発表した。その上で、ギリシャ側に交渉打開につながる財政改革案を提示するよう求めた。ギリシャ側から提案があれば、首脳会議前に財務相会合を開く可能性もあると言及した。また、会議にはドラギECB総裁、ラガルドIMF専務理事、欧州委員会のユンケル委員長、ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のデイセルブルム議長もあとで参加するようである(ブルームバーグ)

 EU首脳会談は25~26日に予定されているが、そこまで待つことができなくなっていると思われる。また、25日からのEU首脳会談では英国のEU離脱問題など重要案件もあり、時間が取れないとの見方もある。

 いずれにしてもギリシャ側に最後の引導を渡した格好ではあるが、ギリシャが頑なな態度を覆すかどうかは依然として不透明である。ギリシャのチプラス首相は18日から20日にロシアを訪問し、19日にサンクトペテルブルクでプーチン大統領と会談した。ロシアのプーチン大統領はウクライナ情勢を巡って対立する欧州連合にいろいろと揺さぶりをかけている。仮にギリシャがユーロ、さらにはEUを離脱するとなればロシアに接近する可能性もあり、NATOの安全保障が脅かされる危険がある。これを最も恐れているのがドイツのメルケル首相とされる。これを意識したこの時期のチプラス首相の訪露とも言える。

 18日にはギリシャ債権団がIMF抜きで現行の支援プログラムを年末まで延長することを提案するとの独紙の報道があった。それは即座に否定されたが、独紙というところが気に掛かる。火のないところに煙は立たないのではなかろうか。

 いずれにしてもギリシャにとっても最後の切り札となりそうなのがドイツのメルケル首相で、それでも何ら譲歩なしに支援を受けることも考えにくい。ロシアを持ち出してブラフをかけてもむしろメルケル首相の態度を硬化させるだけとなりうる。

 ギリシャの銀行からは15~17日の間に約20億ユーロの預金が引き出されていたようである。ECBからは18日のユーロ圏財務相会合で、ギリシャの銀行が22日に営業できるかどうか確かではないとの見解が示されていた。またギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は、国内銀行に対し、22日のユーロ圏緊急首脳会議でギリシャ政府が債権団と合意できない場合、23日の「困難の日」に備えるよう警告したそうである(ロイター)。

 2013年3月にキプロスでは、ギリシャの財政不安の影響により財政破綻の危機に直面し、小切手の換金禁止や1日当たりの現金引き出しを制限するなどの資本規制が実施されたことがある。ギリシャでも来週にも同様の事態が起きる可能性もありうる。

 すでにIMFなどはギリシャを見放す態度を取っている。ギリシャのタイムリミットも6月5日から18日に延ばされ、今度は22日となるが、さすがに限界に近いことも確かであり、何らかの結論が出されることが予想される。その結論を導き出す主役がギリシャのチプラス首相とドイツのメルケル首相となろう。その結論はいまのところまったくもって見えないが、ギリシャの一発逆転はあるのか。それでもギリシャが折れない場合はデフォルトも想定しておく必要がありそうである。

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by nihonkokusai | 2015-06-22 09:36 | 国際情勢 | Comments(0)

ギリシャのユーロ離脱があった際の影響

 どうやらギリシャはデフォルトやユーロ離脱も辞さない構えのようである。バルファキス財務相が18日のユーロ圏財務相会合で新たな改革リストを提出しない方針を示した。18日から20日にギリシャのチプラス首相はロシアに外遊の予定である。ユーロ圏財務相会合が開かれる18日までにギリシャが新提案を提出しなければ、ギリシャに対し要求を受け入れるかユーロ圏を離脱するか最後通告を行う可能性もある。しかし、25~26日のEU首脳会議まで交渉は持ち越される可能性も残るが、ギリシャは新提案を出す心づもりはなさそうな雰囲気であり、ユーロ離脱に備えてロシアのプーチン大統領とあからさまなひそひそ話をするつもりであるのか。

 仮にギリシャのデフォルトやユーロ離脱が現実化した場合、その被害が及ぶのはギリシャ国民だけではない。もちろん金融市場にもそれなりの影響を与えるであろうが、ユーロというシステムそのものに対する懸念が生じる。ユーロ圏の結束をむしろ強めるとの見方もあるが、ユーロ圏という壮大な経済圏をドイツ中心に作り上げたシステムにヒビが入り、単一通貨のユーロというシステムに対する懸念が生じることも予想される。これの影響を最も受けるのはドイツではなかろうか。

 ギリシャがユーロを離脱となれば、英国のEU離脱懸念もあり、欧州のパワーバランスに変化が生じることも予想される。これがどのような事態を引き起こすのか。今回は前回のギリシャ・ショックのような金融経済への影響よりも政治上の影響の方が大きいように思われる。

 仮にギリシャがユーロを離脱するとして、その混乱による金融市場への影響に対してECBは一時的な対策を取る可能性はあるものの、すでに量的緩和を実施していることで、それがショックを和らげる格好となり、あらたな金融緩和等はすぐに実施してくる可能性は薄いのではなかろうか。

 世界的な金融経済のリスクが高まることがなければ、米国や日本への影響も一時的なものに止まろう。しかし、少し様子を見る必要もあり、FRBの正常化、利上げはバーナンキ前議長に習って9月ではなく12月の可能性が高まるのではなかろうか。

 日本への直接的な影響は限定的とみられる。欧州でのドイツ、ロシア、英国、そして米国のパワーバランスへ影響については、日本よりも中国の方が影響度は大きいかもしれない。しかし、新たな金融危機の発生でもない限りは、たとえば日銀がギリシャ問題により追加緩和に追い込まれるようなことは考えづらい。

 金融市場への影響としては、米国の利上げを控えて、欧州の変調は外為市場では大きな変動要因となりうる。リスク回避の円買い、金融政策の方向性の違いによる円売りなどにより売買が交錯し、ボラティリティの高い状況となる可能性がある。円債も逃避先としてのニーズも出てこようが、米国債の動向次第ではこちらも変動が大きくなる可能性がある。

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by nihonkokusai | 2015-06-17 09:17 | 国際情勢 | Comments(0)

ギリシャのデフォルトやユーロ離脱懸念強まる

 ギリシャの6月のIMF向け返済は月末に一括返済することになった。ギリシャとの金融支援を巡る交渉はいまだ難航しており、ギリシャのデフォルトの可能性についてEU当局者が初めて正式に協議したとか、ドイツの経済相がギリシャのユーロ離脱の可能性が濃厚になりつつあると発言したと伝えられた。また、ギリシャのユーロ離脱は影響がどの程度か不明とドイツ連銀副総裁のコメントもあったようである。

 いずれにしても6月18日のユーロ圏財務省会合あたりまでに、ギリシャは欧州連合(EU)からの金融支援や財務省証券発行額上限の引上げなどを確保する必要がある。すでに金庫が空に近い状態になっているギリシャにとり、最後の頼みの綱といえるのが、欧州連合(EU)などによる支援となる。EUやIMFなどは現在、ギリシャの改革が不十分として、約72億ユーロのギリシャ向け融資を凍結している。この融資の凍結解除がなければ6月のIMFへの返済はかなり難しい状況となり、デフォルトが発生する懸念が出てくる。

 ギリシャのバルファキス財務相は、18日のユーロ圏財務相会合で新たな改革リストを提出しない方針を示したと独ビルト紙が報じた(ロイター)。ユーロ圏財務相会合が開かれる18日までにギリシャが新提案を提出しなければ、ギリシャに対し要求を受け入れるかユーロ圏を離脱するか最後通告を行う可能性もあると伝えられている。ギリシャのチプラス首相はその18日から20日にロシアを訪問しプーチン大統領にも会う予定だとか。リミットは18日ではなく、25~26日のEU首脳会議まで交渉は持ち越される可能性も残る。ところで、この重要な時期のチプラス首相のロシア訪問も何が目的なのであろうか。

 ギリシャのチプラス政権は反緊縮を掲げて誕生した。EUなどによる支援にはギリシャの財政改革や構造改革が必要とされるが、安易に妥協すると政権内部からの批判が高まり政権基盤が揺るぐ恐れがある。支援を受けられないとデフォルトが待っている。チプラス政権は政権内部や国民の目もあり、ぎりぎりまで交渉を続け多少でも妥協点を得て支援を受けようとしているとみられる。

 ギリシャのデフォルトが発生した場合には、金融市場に大きなインパクトを与えかねない。ただし、ギリシャは2011年に債務のヘアカット(債務元本の減免)というかたちで管理型デフォルトを発生させた経緯がある。

 ドイツ連銀のクラウディア・ブーフ副総裁は独紙とのインタビューで「銀行のギリシャへの直接融資は比較的小さいため、各国への直接的な影響も小さい」と述べた上で「間接的な影響がどの程度になるかは誰にも分からない」と語ったそうである(ロイター)。

 今回、デフォルトが起きたとしてもいずれ支援が受けられるのであれば、たまたま発生してしまったデフォルトとして、その影響は危機的状況を招くようなことにはならないかもしれない。それより懸念すべきなのは、ギリシャが頑なに改革を避けることにより、EUやIMF、欧州中央銀行(ECB)のいわゆるトロイカからの支援が受けられなくなる事態である。これによりデフォルトが発生するだけでなく、トロイカから見放された結果、ギリシャがユーロ離脱を迫られることが予想される。

 ギリシャがユーロから離脱となれば、ギリシャは統一通貨のユーロが使えなくなる。新ドラクマといった自国通貨を使わざるを得なくなる。新たな自国通貨を得てもその通貨の信用力はユーロに比べれば大きく低下するであろう。これはギリシャの金融経済には大打撃を与える。ただし、ギリシャ政府にとっては、新たな通貨を導入する際に債務を削減することも可能となる。

 日本での戦後の新円切り替えと預金封鎖は、国民の財産を把握するだけでなく、それを差し押さえすることが目的であった。財産税により、差し押さえたものから強制的に徴収することで、それを原資に内国債の償還に当て、債務を減少させた。ギリシャにとっても債務削減は必要であり、同様の事態が発生する懸念がある。

 これはギリシャ国民に大きな負担を強いる。通貨の変更も時間を要するであろうが、時間をかけるとギリシャから資金が流出する。すでにギリシャでは銀行預金がかなり引き出されているといった動きも出ており、ギリシャの家計と企業による4月の預金残高は2004年9月以来で最低となっていた。

 しかし、金融支援を受けるには財政改革等の条件が伴う。これは日本の消費税に当たる付加価値税引き上げや、低額年金受給者への補助金廃止、医療費の国民負担の引き上げなどであり、ギリシャのバルファキス財務相は金融支援を受ける条件である財政改革案をめぐる欧州連合(EU)側との協議で「ギリシャに譲歩する余地はない」と主張している。

 IMFのラガルド専務理事は、債務危機に直面しているギリシャについて、ユーロ圏からの離脱もあり得ると語った。トロイカと呼ばれたギリシャ支援団の一部から、やや突き放したような発言も出ている。これはチプラス政権というよりもギリシャ国民に対して、ユーロ離脱という選択肢はとれるのか、それで良いのかと問いかけているかと思われる。ギリシャ国民には6月末に向けて、大きな選択が迫られる。

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by nihonkokusai | 2015-06-16 09:45 | 国際情勢 | Comments(0)

ギリシャの決戦は金曜日

 凍結中の現行のギリシャ支援は6月末に期限切れを迎える。それまでに必要な議会承認などを経て支援を再開するため、ユーロ圏は合意期限を6月5日に設定したそうである(ロイター)。

 6月5日は3億100万ユーロの国際通貨基金(IMF)への借り入れの返済日となるが、6月はこれだけでなくIMF向け返済資金だけでも合計16億ユーロに及ぶ。

 5月にもIMFへの返済は7.5億ユーロあったが、ギリシャ政府はIMFの特別引き出し権(SDR)を取り崩し、約7.5億の融資返済を完了させた。しかし、ブチス内務相の先日の発言のように、ギリシャ政府の金庫には金はない。そうなると欧州連合(EU)などに金融支援を求めるほかはないが、その交渉が難航している。

 ギリシャ問題をめぐる1日の協議には、メルケル・オランド両首脳とユンケル欧州委員長、さらに ドラギECB総裁とラガルドIMF専務理事が加わったと報じられている。この会合は2日未明まで続けられ、ギリシャに示す案について意見を調整するそうである。ちなみに3日にはECBの政策理事会が予定されている。

 EUにとってもギリシャに簡単にデフォルトにはなってほしくはない。ギリシャのユーロ離脱はユーロという存在の危機を招くきっかけになる懸念もある。かといって巨額融資を行うには条件がある。このためギリシャには年金制度や労働市場の改革などを求めている。

 チプラス政権内部では、内輪もめの兆候が表れており、ギリシャの新たなIMF代表として、政府が指名した候補が6月1日に辞退に追い込まれた。チプラス首相は、仏ルモンド紙への寄稿で、協議が依然合意に達していないことについて、ギリシャ側に責任はないと主張。理不尽な解決策を押し付け、ギリシャ選挙の民主的結果に無関心な一部の債権団に責任があるとの見方を示したそうである(ロイター)。

 IMFのラガルド専務理事は、債務危機に直面しているギリシャについて、ユーロ圏からの離脱もあり得ると語ったように、トロイカと呼ばれたギリシャ支援団の一部から、やや突き放したような発言も出ている。

 デフォルトはさておき、ユーロから離脱すれば新たな自国通貨の急落は免れず、現在以上の経済や財政の悪化を招くことが予想され、ギリシャにとり、ユーロにとどまることによる恩恵は受け続けたい。しかし、国民は痛みを避けたいとし、そこで生まれたのがチプラス政権であり容易な妥協も国民が見ている以上は許されない。

 ずるずると長引いた協議は6月5日に大きな山場を迎えることになる。ギリシャ首相は債権団との交渉で年金改革に応じる用意があるとの報道もあったが、ギリシャが折れなければ支援は受けられない。支援側も安易な妥協は許されない。デフォルトはさることながら、ユーロ離脱をユーロ側、ギリシャ側それぞれが受け入れることはできるのか。それとも何らかの妥協点を見つけて最悪の事態は回避されるのか。決戦は今週の金曜日までとなる。

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by nihonkokusai | 2015-06-03 10:09 | 国際情勢 | Comments(0)

ギリシャのバルファキス新財務相が人気

 型破りなファッションの財務相といえば、麻生財務相とのイメージであったが、強力なライバルが出現した。日本時間の12日未明からベルギーのブリュッセルでユーロ圏の財務相会議が開かれ、先月誕生したギリシャの新政権のバルファキス財務相が初めて参加した。その欧州各国との交渉に挑むギリシャのバルファキス財務相が、強気な発言だけでなく、型破りなファッションで注目を浴びているそうである。

 「男性的な魅力が漂う」として、ドイツで大人気となっているとか。ドイツのシュテルン誌は「古典的な男性らしさ」と称える記事を掲載し、バルファキス氏は「黒の大型バイクを乗り回し、シャツの裾をズボンに入れず、ギリシャ彫刻でしか見られない古典的な男らしさを振りまいている」と書いてあるそうである(毎日新聞)。

 新たなカリスマ性を持った政治家が登場したようである。もちろんルックスやファッションにより、ECとギリシャの合意がスムーズに行くというものではないが、ドイツの反響などをみると、ギリシャの新政権はユーロ圏にとって、ビジュアル的には好意的にみられている可能性がある。

 もちろん今回のギリシャとECの交渉はかなり困難を極めることが予想される。先月誕生したギリシャの新政権にとって、国民の期待を裏切るわけにはいかず、その代わり国民もユーロ離脱との選択肢は当然とりづらい。ギリシャにとりユーロに加盟していることで、かなりの恩恵も被っていたはずであり、だからこそ何が何でもユーロ圏に残るために、財政悪化まで隠してしまい、それが裏目に出てユーロの信用不安を招いてしまった。

 ギリシャ新政権にとり、安易な妥協は許されないものの、落としどころを探り、なるべく有利な格好で支援策を取りまとめたいところであろう。そのあたりは緊縮策が必要だとするユーロ圏各国も当然、理解しているはずである。ただし、緊縮策そのものについては譲れないところでもある。現在のユーロの安定は加盟各国の財政の健全化が大前提となっており、ユーロにとどまる限りはこの前提を崩すことき許されないはずである。双方がある程度譲り合い、時間をかけての緊縮策といったような条件の緩和も必要となってくるのではないかと思われる。

 今後はいろいろな意味でギリシャのバルファキス財務相が脚光を浴びることになるのかもしれない。すでにバルファキス財務相による、ギリシャがユーロ圏を離脱すれば他の国が追随し、ユーロ圏は崩壊するとのかなり過激とも言える発言も注目されている。ケンブリッジ大学で経済学の教授をしていた経歴があり、ゲーム理論の専門家でもあるバルファキス財務相にとり、このような政策ゲームも得意分野なのかもしれない。

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by nihonkokusai | 2015-02-16 09:39 | 国際情勢 | Comments(0)
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