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カテゴリ:国際情勢( 128 )

「2003年との比較」

 2003年5月に預金保険法102条に基づき金融機関への特別融資という形式で「りそな銀行」に約2兆円を資本注入することとなった。りそな銀行に対する資本注入によって、政府は大手銀行は潰さないといった意識が市場で強まり、その結果、株式市場では銀行株などが買われ、海外投資家の買いなどにより、日経平均株価は2003年4月の7607.88円がバブル崩壊後の安値に、その後上昇基調を強めた。

 ダウ平均は2007年10月11日に14279.96ドルの高値を付けてから、サププライム問題の深刻化や2008年秋のリーマン・ショックを受けて、2009年3月9日の取引時間中に6440.08ドルの直近安値を付けるまで54.9%下落した。しかし、その後、各国中銀による積極的な政策により金融システム不安は徐々に落ち着きを見せ、また米国や中国などを中心に政府も積極的な財政政策を行なってきたことから、景気の減速ペースも緩やかなものとなってきた。トピックス的な出来事としては、6月1日のGMの破綻があった。

 2003年の日本では、りそな銀行救済決定前に日経平均が底打ちし、2009年ではGMの破綻前にダウ平均が底打ちしていた点など、2003年の東京株式市場の回復と2009年の米国での株式市場の回復には似通った動きとなっている。

 2003年の日本経済は、米国や中国などの経済成長などを背景に徐々に回復し始めた。11月には足利銀行の経営破綻が明るみにでて、やはり金融再生プログラムに手順に従って国有化されたが、株式市場はこれらは悪材料としては捉えず、むしろ不透明感が払拭されてきたことなどからこれ以上の金融危機は回避されるとの見方が強まり、次第に日本における金融不安は解消に向かっていった。

 2009年も今後、欧米での金融機関の経営破綻が出てこないとも限らないが、2003年の日本における足利銀行の経営破綻時のように、これ以上の金融危機は回避されるとの見方が強まる可能性の方が高い。

 2003年以降、一連の資本注入ともに景気回復も手伝って、銀行の不良債権処理は加速し、2004年の三菱UFJフィナンシャルグループの誕生により不良債権問題は終結したといわれる。2005年3月期に大手銀行の不良債権比率は2002年3月期比で半減し、資本注入を受けた金融機関は相次いで公的資金を返済したのである。

 欧米の金融機関における不良資産問題も、今後徐々に解決に向かい、多少期間も必要と思われるが、いずれ今回の金融危機が収束してくるものと思われる。その時期等の見極めには2003年の日本の状況がひとつの参考となるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2009-07-29 10:49 | 国際情勢 | Comments(0)

「金融の歴史」

現在の金融システムは突如として構築されたわけではなく、かなり時間をかけて形作られてきている。なかでも金融システムの中にあり、中心的な役割を担っている「お金」は、紀元前1000年以上も前から使われている。

「お金」はある物と交換手段、物の価値尺度、価値の保存という役割そのものは太古から変わってはいないものの、現在では電子マネーが普及するなど存在自体はかなり変化している。さらにお金を融通し合う「金融」というシステムは、歴史とともに進化してきており、その進化の過程で「恐慌」が何度も繰り返されてきた。

人は歴史に学ぶ必要はあるものの、似たような恐慌は繰り返されており、それを防ぐことはできないと言うのが過去の歴史からわかる。金融そのものの進化により、金融を取り巻く環境に変化があることや、恐慌を招く要因ともなる投機の動きなどはそれが起きている際にはブレーキをかけることがたいへん難しいということも防げない理由かと思う。

その恐慌による危機をどう乗り切ったら良いのかは、過去の歴史に学ぶことは重要である。2007年からの金融危機に際しても、日本のバブル崩壊後の状況などを各国の政策担当者はかなり研究を進めてきました。それでも的確な処方箋を見出し、それを実行に移すことは並々ならぬ努力も必要とされる。

金融は私たちにとり大変身近なものであり、金融危機により経済への影響も大きく、私たちの生活に大きく関わっているにも関わらず、金融そのものの知識はまだそれほど広まっていないことも確かであり、そのために金融の歴史を探るということも必要ではないかと思う。
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by nihonkokusai | 2009-02-09 09:53 | 国際情勢 | Comments(0)

「オバマ経済チーム」


 26日にオバマ次期米大統領は会見で外部有識者で構成する経済回復諮問会議を新設すると発表し、議長にはボルカー元FRB議長が就任と発表した。すでに財務長官に47歳のティモシー・ガイトナー・ニューヨーク連銀総裁を起用する発表し、国家経済会議(NEC)の委員長に、ローレンス・サマーズ元財務長官を起用するなどオバマ次期大統領の経済対策チームはかなの強力布陣との認識が強まっている。今回、表舞台には立っていないものの、ルービン元財務長官の影響力も見え隠れしており、サマーズし、ガイトナー氏などを「クリントン政権で経済政策を主導したルービン元財務長官の子飼いが勢ぞろいした」(産経新聞)との報道もあった。
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by nihonkokusai | 2008-11-28 10:40 | 国際情勢 | Comments(0)

「次期財務長官にガイトナー・ニューヨーク連銀総裁を起用」

 24日にオバマ米次期大統領が記者会見で、財務長官に47歳のティモシー・ガイトナー・ニューヨーク連銀総裁を起用すると正式に発表した。ガイトナー総裁は3月の証券大手ベア・スターンズの危機の際の救済劇や、リーマン・ブラザーズの破綻など一連の金融危機対応で中心的な役割を演じたとされている。1980年代には駐日米大使館で勤務した経験があり日本語も堪能だとか。今回の米金融危機に際して、日本の不良債権処理問題も参考に対処していったともされている。

 また国家経済会議(NEC)の委員長に、ローレンス・サマーズ元財務長官を起用。サマーズ氏は、オバマ次期米大統領がバーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長の後任に起用を検討する可能性があるとも伝えられている(21日ロイター)。

 経済諮問委員会(CEA)委員長にカリフォルニア大学バークレー校のマクロ経済が専門の経済学者クリスティーナ・ローマー教授を起用。CEAは経済発展や政府計画を分析し大統領に国内経済政策を提案する。

 国民政策委員会の委員長には、メロディー・バーンズ氏を任命することも発表された。
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by nihonkokusai | 2008-11-25 10:47 | 国際情勢 | Comments(0)

「金融サミットでのIMF通じた新興国支援策」


13日付けの日経新聞によると、14日からワシントンで開催される金融サミットで、日本政府はIMF向けに日本の外貨準備の一部、最大10兆円規模の資金拠出を打ち出すことが明らかになった。外貨準備の中の預金で運用している10兆円程度をIMFに貸し付け、IMFの新興国向けの緊急支援融資の拡充を後押しする。

現在IMFは2000億ドルの余剰資金があり、目先は資金難の恐れはないものの、今後はアイスランドに続き、セルビアやウクライナなどの大型支援が相次ぐ見通しのため、財政面での備えを急ぐ構えとか。

しかし、結局、日本の支援はこのようにカネがメーンとなってしまうというのも、いかがなものであろうか。もちろんこの政策案を非難するつもりではなく、ぜひやってほしいが、軸足定まらない米財務省になどに対して、失われた15年の経験を生かしてのもう少し具体的な支援策が打ち出されないものであろうか。

昨日、米ポールソン財務長官は金融安定化法の運用方針について記者会見し、総額7000億ドルの不良資産救済プログラム(TARP)について、直接投資を通じた金融機関への資本注入に使うことが好ましいとしも住宅ローン関連の不良資産の買取には消極的な姿勢を示したが、これを嫌気して12日の米国株式市場は前日比411.30ドルもの大幅な下落となった。

市場が求めていることが良いとは限らず、米財務省も打ち出の小槌を持っているわけでもなく、支援には限界があることも確かだが、ここでもう少し知恵を生かし、不良資産の買取に向けても積極姿勢を示すべきではなかったか。これにも日本の経験などが参考になると思われるのだが。
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by nihonkokusai | 2008-11-13 09:42 | 国際情勢 | Comments(0)

「米0.5%の利下げ」


FRBは昨日開催されたFOMCで、政策金利であるFF金利誘導目標値を0.5%引き下げて、年1.0%とすることを全員一致で決定し即日実施した。政策金利の年1.0%は4年4カ月ぶりの過去最低水準となる。FOMC後に発表された声明文では、下記のような文面が入り、追加利下げの可能性を示唆したともいえそうである。

In light of the declines in the prices of energy and other commodities and the weaker prospects for economic activity, the Committee expects inflation to moderate in coming quarters to levels consistent with price stability.

「燃料価格や商品価格の下落、経済見通しの鈍化を受けて、委員会はインフレは向こう数四半期緩和すると予想している」

Nevertheless, downside risks to growth remain. The Committee will monitor economic and financial developments carefully and will act as needed to promote sustainable economic growth and price stability. 「しかしながら、成長の下方リスクは残る。委員会は経済や金融状況を注意深くモニターし、安定的な経済成長や価格安定化にむけて必要とあれば行動するであろう。」

FRBは29日に経済危機に直面した国の中央銀行に緊急でドル資金を供給できるスワップ協定を新興国にも広げ、新たにブラジルやメキシコ、そしてシンガポールや韓国の4カ国を加えたとも報じられた(朝日新聞等)。規模はそれぞれ300億ドルとなる。これを好感して本日の韓国ウォンは急反発し韓国株式市場も大幅上昇となった。

またIMFは支援が必要になった国に素早く資金を供給できる融資制度を発足したとも伝えられた。「短期流動性融資制度(SLF)」で、規模はIMFが融資できる総額の半分にあたる最大1千億ドル程度の見込みで、トルコや韓国、メキシコの利用が予想されているとも伝えられた。
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by nihonkokusai | 2008-10-30 10:14 | 国際情勢 | Comments(0)

「アイスランドの憂鬱」


アイスランド共和国は10.3万平方キロメートルと北海道よりやや大きい国で、人口はわずかに31万人(2007年10月 アイスランド統計局)、首都はレイキャビク。 国民一人あたりの国内総収入(GNI)は先進国中でも非常に高い水準にあり、2006年は50,580米ドル(世銀)とルクセンブルグ、ノルウェーに次ぐ世界3位となった。

このアイスランドが今回の金融危機で揺れに揺れている。アイスランド政府はこの金融危機に対応するため同国銀行の国有化を行うと発表したが、そのアイスランドの銀行の総資産はすでにアイスランドのGDPの9倍強となっており、ロシアから54億ドルの金融支援を要請したもののロシアからの明確な回答はまだないという。

20日にアイスランドのカウプシング銀行のサムライ債(500億円)の利払いが行なわれなかった模様とも伝えられていたが、もし7日間(10月27日まで)の猶予期間を過ぎると、契約上の債務不履行(デフォルト)となる。

アイスランドでは個人にも金融危機の影響は広がり、国内の金利が高かったことで日本など低金利通貨による外貨建てローンを使うケースが多くなったが、アイスランド・クローナは金融危機の影響で暴落してしまい、ついに1クローナが約1円と対円では年初のほぼ半分の価値に落ちてしまったのである。つまり円建てでローンを組んでいた人は債務が一気に2倍になってしまい、月給のほとんどがローン返済に消えるはめになった人もいるという。

欧州では金融危機の影響で、このアイスランドだけでなく、やはり大手金融機関を抱えているスイスや、東欧諸国も深刻な状況に陥りつつある。また、アルゼンチンの年金国有化の発表を受けての影響も懸念されるなど、独・仏などの主要国だけでなく周辺諸国や関連諸国の状況なども影響をあたえているものと思われる。

(以上、外務省ホームページ、及び10月23日付日経新聞記事などを参照)
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by nihonkokusai | 2008-10-23 09:28 | 国際情勢 | Comments(0)

「ユーロやポンドの急落」

東京時間の午後に入り、外国為替市場ではユーロやポンドなど欧州通貨が大幅に下落した。ユーロ円は138円をあっさりと割り込み、一時127円あたりまで円高ユーロ安が進行。英ポンドも下げており、対円で8年ぶりの水準をつけてきた。ヘッジファンドやCTAなどのポジションに何かしらのトリガーに引っかかったのではないかとの見方があるが、この動きを見る限りは、何かしらの材料でユーロが売られたというより、ポジションのアンワインドの可能性は高そうである。

 ただし、その背景には、イングランド銀行のキング総裁が、英国経済は景気後退の模様と発言するなど、欧州の先行き経済への懸念などもあったとみられる。さらにドイツの銀行にも公的資金の注入とも報じられた。そしてアイスランドに対してIMFが60億ドル(約6,000億円)規模の緊急融資を行なうのではないかとの観測記事もあったが、今回の金融危機に対しての欧州の一部の国での負担の大きさなどを考えると、今回の危機による影響はまだまだ大きいものがあり、とりあえずは短期金融市場では落ち着きを取り戻したかに見えたものの、今度はユーロやポンドの急落というかたちで、再び金融危機が意識されるような展開となってきた。

 日本株にとっては、欧州経済への影響とともに、ユーロ安などにともなう円高の動きはまさにダブルパンチとなり、ドル円も100円割れとなって、特に輸出企業などの株を主体に大幅下落となり、日経平均は9000円を大きく割り込んで、前日比600円を超す下げとなり、日経平均は結局、前日比631.56円安の8674.69円で引けている。
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by nihonkokusai | 2008-10-22 16:08 | 国際情勢 | Comments(0)

「世界最初の金融危機?」


 世界最初の銀行が設立され、政府による本格的な政府による債務の調達が開始され、現在の金融システムに近いものが構築された金融取引が活発化した12世紀のベネチア、ジェノバなど北イタリア諸都市では、早速、金融危機が発生しました。

 14世紀初頭、トスカナ地方で破産が多発し、当初の破産は限定的な地域に止まったものの、まもなくその広範囲な金融危機となっていったのです。

 フィレンツェ地方で銀行業務を営んでいたバルディ、ベルッツィなどの商会は、ヨーロッパ各地に支店を持ち王侯、貴族に融資しており、特にイギリス王との関係が深く、特にエドワード三世に対して巨額の資金を貸し付けていたのです。

 そして1339年、のちに英仏百年戦争と呼ばれたフランスとの戦争が勃発し、英国王室と関係の深い両銀行は戦費を引き受けざるを得なかったのです。戦争は莫大な出費を伴い、債務総額は王国の価値に匹敵するとも言われました。さらにバルディ、ベルッツィなどの商会が英国の戦費を賄っていると知ったフランス王は対抗手段としてフランス全域に有る両銀行の支店を閉鎖させ資産を没収しました。

 これを受けてバルディ、ベルッツィの両商会は、貸付先の英国に返済を求めたのですが、英国は莫大な債務を支払う能力は無く、その結果として債務不履行は避けられず、銀行業を営んでいた商会は一時支払停止をせざるを得なくなり、苦境に立たされたバルディ、ベルッツィは倒産し、フィレンツェの経済は大混乱を招いてしまったのです。さらにフィレンツェの政治も混乱を極め、一時的に民主自治の制度を放棄する事態をも招きました。加えて追い討ちを掛けるようにペストが猛威を振るったのです。

 こうしてみると、2007年からの米国のサブプライムローン問題に端を発する世界的な金融危機も、大昔から繰り返されていることがわかります。
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by nihonkokusai | 2008-10-20 09:08 | 国際情勢 | Comments(0)

「欧米の公的資金枠は60兆円を超える」

 今回の欧米を中心とした金融危機に対処するため、各国政府が金融機関向けに設定した公的資金枠は総枠で60兆円を超す見通しとなった。米国では2500億ドル(約25 兆円) となり、欧州では英国が最低でも500億ポンド(約9兆円)、ドイツは800億ユーロ(約11兆円)、フランスは400億ユーロ(約6兆円)となり、さらにイタリア、スペイン、オーストリア、ポルトガルなどを加え欧州全体の公的資金注入枠は約37兆円規模となる。IMFは7日に発表した金融危機によって世界の金融機関が抱える損失は1兆4050億ドル(約142兆円)に達するとしており、その半分近くの規模で手当てが必要になるとの分析があったが、欧州各国政府は約1週間程度で必要となる規模に近い規模での対応を講じてきたこととなる。(2008年10月16日日経新聞記事より)。
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by nihonkokusai | 2008-10-16 09:39 | 国際情勢 | Comments(0)
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