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カテゴリ:国際情勢( 132 )

トランプリスクが再燃し金融市場が動揺、バノン氏更迭も解決策にならずか

 南部バージニア州で今月12日、白人至上主義や極右思想を掲げるグループとこれに抗議する市民グループが激しく衝突した上、市民グループに車が突っ込み、女性1人が死亡、30人余りが、けがをした。

 これに対しトランプ大統領は当初、白人至上主義などを明確に非難しなかったが、人種差別への問題意識が十分ではないなどと反発が広がったことから、白人至上主義団体のKKKなどを名指しで批判した。

 ところがトランプ大統領は15日に記者団に対し、「一方のグループは悪かったが、もう一方のグループも非常に暴力的だった。誰も言いたがらないが、私は言う」と述べ、市民グループについても非難した(以上、NHKニュースより)。

 これに関連して製造業諮問委員会と戦略・政策フォーラムのメンバーである企業経営者らが次々に辞任を表明し、トランプ大統領は16日、メンバーの辞任が相次いでいた2つの助言組織を解散するとツイッター投稿。経済界との対立姿勢を強めた。これにより、今後のトランプ政権の経済政策運営が更に困難になりかねない事態を招いた。

 与党・共和党の指導部や経済界だけでなく、陸海空と海兵隊の4軍トップも人種差別への批判の声を上げた。米軍最高司令官の大統領の考えに賛同しないことを示唆した異例の事態となり、まさに四面楚歌の状態に陥っている(日本経済新聞の記事)。

 白人至上主義者らと反対派との衝突に対するトランプ大統領の発言を巡っては、トランプ米政権で経済政策の司令塔を務めるコーン国家経済会議委員長がひどく動揺したとも伝えられ、辞任観測が流れた。ホワイトハウスがコーン氏は同職にとどまるとして噂を否定したものの、政権の混乱で税制改革などの経済政策への期待が一段と後退する事態は免れない。

 17日の米国株式市場でダウ平均が274ドル安と大きく下落したのはこれが要因となった。18日のダウも続落し76ドル安に。米株は3指数が過去最高値を更新するなど米国株式市場は高値圏で推移していただけに、さらに大きな調整が入る可能性もある。  

 バルセロナでの車両が群衆に突っ込むテロ事件を受けての不安も強まり、リスク回避の動きも手伝い17日の米国債は買われ、長期金利は低下した。しかし、トランプ大統領は、側近であるバノン首席戦略官・上級顧問を更迭すると発表、政権混迷の戦犯とされてきたバノン氏を排除することで事態打開を図る姿勢をみせた。これを受けて18日の米国債は買い戻されたが、これで事態が収束するとも思えない。

 さすがに今回の事態は今後のトランプ政権の行方を揺るが可能性が高い。全米各地で反人種差別集会も開かれているようである。トランプ政権の支持率がさらに低下するだけでなく、議会などとの対立色を強め、政策運営がさらに立ち行かなくなる懸念が強まる。


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by nihonkokusai | 2017-08-20 12:32 | 国際情勢 | Comments(0)

トランプリスクが再燃し金融市場が動揺、バノン氏更迭も解決策にならずか

 南部バージニア州で今月12日、白人至上主義や極右思想を掲げるグループとこれに抗議する市民グループが激しく衝突した上、市民グループに車が突っ込み、女性1人が死亡、30人余りが、けがをした。

 これに対しトランプ大統領は当初、白人至上主義などを明確に非難しなかったが、人種差別への問題意識が十分ではないなどと反発が広がったことから、白人至上主義団体のKKKなどを名指しで批判した。

 ところがトランプ大統領は15日に記者団に対し、「一方のグループは悪かったが、もう一方のグループも非常に暴力的だった。誰も言いたがらないが、私は言う」と述べ、市民グループについても非難した(以上、NHKニュースより)。

 これに関連して製造業諮問委員会と戦略・政策フォーラムのメンバーである企業経営者らが次々に辞任を表明し、トランプ大統領は16日、メンバーの辞任が相次いでいた2つの助言組織を解散するとツイッター投稿。経済界との対立姿勢を強めた。これにより、今後のトランプ政権の経済政策運営が更に困難になりかねない事態を招いた。

 与党・共和党の指導部や経済界だけでなく、陸海空と海兵隊の4軍トップも人種差別への批判の声を上げた。米軍最高司令官の大統領の考えに賛同しないことを示唆した異例の事態となり、まさに四面楚歌の状態に陥っている(日本経済新聞の記事)。

 白人至上主義者らと反対派との衝突に対するトランプ大統領の発言を巡っては、トランプ米政権で経済政策の司令塔を務めるコーン国家経済会議委員長がひどく動揺したとも伝えられ、辞任観測が流れた。ホワイトハウスがコーン氏は同職にとどまるとして噂を否定したものの、政権の混乱で税制改革などの経済政策への期待が一段と後退する事態は免れない。

 17日の米国株式市場でダウ平均が274ドル安と大きく下落したのはこれが要因となった。18日のダウも続落し76ドル安に。米株は3指数が過去最高値を更新するなど米国株式市場は高値圏で推移していただけに、さらに大きな調整が入る可能性もある。  

 バルセロナでの車両が群衆に突っ込むテロ事件を受けての不安も強まり、リスク回避の動きも手伝い17日の米国債は買われ、長期金利は低下した。しかし、トランプ大統領は、側近であるバノン首席戦略官・上級顧問を更迭すると発表、政権混迷の戦犯とされてきたバノン氏を排除することで事態打開を図る姿勢をみせた。これを受けて18日の米国債は買い戻されたが、これで事態が収束するとも思えない。

 さすがに今回の事態は今後のトランプ政権の行方を揺るが可能性が高い。全米各地で反人種差別集会も開かれているようである。トランプ政権の支持率がさらに低下するだけでなく、議会などとの対立色を強め、政策運営がさらに立ち行かなくなる懸念が強まる。


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by nihonkokusai | 2017-08-20 12:32 | 国際情勢 | Comments(0)

北朝鮮リスクに東京市場も動揺

 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は8日、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功したとの機密分析を米国防情報局(DIA)が7月にまとめたと報じた。北朝鮮が保有する核弾頭は従来の推定よりも多い最大60発と見積もった(日経新聞電子版)。

 これに対し米国のトランプ大統領は8日、北朝鮮は米国への脅迫行為を続けるべきではないと明言し、さもなければ「世界が未だ目にしたことのないような炎と怒りに直面するだろう」と述べた(ロイター)。

 北朝鮮の朝鮮人民軍(北朝鮮軍)戦略軍の報道官は8日、米領グアム島の軍事基地を弾道ミサイルで包囲射撃する作戦を計画しているとする声明を発表した。

 ここにきて膠着感が強まっていた東京市場ではあるが、北朝鮮による地政学的リスクがこれら一連の報道であらためてクローズアップされてきた。

 北朝鮮の地政学的リスクが意識され、9日に外為市場でドル円は再び110円を割り込んできた。日経平均は一時、300円以上も下落した。北朝鮮のICBMがグアムの米軍基地を狙っており、そこには核弾頭の搭載も可能となれば、地理的にさらに近い日本への影響も当然出てくる。それが何故、円買いとなるのかは条件反射的な動きとしか言いようがない。しかし、このリスクが現実味を帯びてくれば、いずれ円売り要因に変化することもありうるか。

 果たして北朝鮮は何をしたいのか、これに対して米国がどのような対処をしてくるのかも読めない。いまのところ軍事衝突の可能性はそれほどは高くないとの認識が、円売りではなく円買いの動きが示しているのかもしれない。ただし、外為市場では韓国ウォンなど中心にアジアの通貨は下落した。

 ただし、公約の経済政策は打てず、支持率の低下しているトランプ政権が、情勢打開を狙って、軍事行動によって国民の目を経済対策からそらせるといった手段を取らないとも限らない。しかし、そのためには政権内の結束も必要であろうが、それもおぼつかないことも確かである。

 いまのところ、北朝鮮と米国の威嚇の応酬がどのような結果を招くのかは読みづらい。日本でも核シェルターが売れているようだが、米国がリスクを冒してまで軍事行動に踏み切れるのかも疑問ではある。米政権当局者からトランプ大統領の北朝鮮に対する発言について、計画された発言ではなく、自発的なものだったとの発言も聞こえた。それでも北朝鮮からの度重なる挑発行動に対して、何らかの行動をトランプ大統領が指示することは可能性としてありうる。

 あらたな地政学的リスクの先が読めない。それだけにブラックスワン的なリスクも含むことになる。日本のお盆の時期は、年末年始と同様に国内投資家の参加が少ないだけに、海外投資家による仕掛け的な動きが強まることがある。今回も不透明な材料が出てきたことで、膠着感を強めている東京市場がさらなる動揺を見せる可能性もあり、注意したい。


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by nihonkokusai | 2017-08-10 10:03 | 国際情勢 | Comments(0)

トランプ政権のレームダック化を市場は織り込み済みか

米上院共和党による医療保険制度改革(オバマケア)改廃への取り組みが頓挫した。オバマケア)改廃に対し民主党は反対し、共和党は上院(定数100)で52議席を占めるが2人を超える反対者が出たことで賛成票は過半数に届かず、早期採決を事実上断念することになった。上院がオバマケア代替法案の採決を断念するのは6月に続いて2回目となる。

上院共和トップのマコネル院内総務はオバマケアの廃止法案の採決をまず優先し、2年程度かけて代替制度を検討しようと提案した。しかし、医療保険の代替制度がないままオバマケアを廃止すれば、多くの米国民が健康保険を失うことが予想され、大きな混乱を招きかねない。

トランプ大統領はオバマケアの改廃を大統領選での公約に掲げていた。しかし、可決に必要な過半数を与党共和党が確保できないことが確実となり、少なくとも早期成立は困難となる。オバマケアを見直して、減税の財源に充てようと目論んでいたこともあり、オバマケアの改廃を軸に進められていたトランプ政権の政策の行方がさらに不透明感を強めることになる。

ただし、市場はすでにトランプ大統領の政策に過大な期待は持っていないように思われる。18日の米国株式市場でダウは下落したが、アップルなど主力IT株が買われ、ナスダックは上昇し最高値を更新している。S&P500種株価指数も取引終盤にプラス圏に転じて、こちらも過去最高値を更新した。オバマケア改廃への取り組みの頓挫はそれほど売り材料視されていない。

それに対して米債は買い進まれていたが、これはトランプ政権の経済政策への期待の反動というよりも、年内あと一回とされる利上げに不透明感が出てきていることにあるのではなかろうか。

外為市場ではドルがユーロに対して1年2か月ぶり安値を付けた下落した。米長期金利の低下に加え、ECBが今後緩和バイアスを解除してくると予想されることもあり、対ユーロでのドル安が進行した面もある。ただし、ドル円も一時111円69銭と3週間ぶりの安値を付けるなどしており、トランプ政権の政策不透明感が外為市場では少なからず影響していた可能性はある。

いずれにしてもトランプ政権のレームダック化は、市場ではすでにかなり織り込まれていることが予想される。トランプ政権に対して過度な期待はすでになく、むしろ景気の足を引っ張るようなことがなければそれで良しとの認識も強いのではなかろうか。



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by nihonkokusai | 2017-07-20 10:13 | 国際情勢 | Comments(0)

メンバーが大きく入れ替わったG7サミット

イタリアのタオルミーナで26日から27日にかけて先進7か国(G7)首脳会議(サミット)が開催されている。

石油ショックで世界経済が混乱した1973年にその対応を巡って日本、米国、英国、フランス、西ドイツの各財務相が集まった。これがG5の枠組みの始まりとなった。1975年にはこのG5にイタリアが加わっての首脳会議(サミット)がスタートする。1976年にカナダが、1998年にロシアが加わりG8となった。しかしクリミア侵攻をしたロシアが排除されて、その後はG7に戻っている。

今回参加するのは日本、米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの首相となる。このうち前回の伊勢志摩サミットからは今回の主催国のイタリアと、米国、英国、フランスの首脳が変わった。つまりドイツのメルケル首相と日本の安倍首相、カナダのトルドー首相以外の4首脳が初参加となる。

昨年6月に英国は国民投票の結果、EU離脱が決定されてキャメロン英首相は辞意を表明し、保守党党首選挙の結果メイ首相が就任した。11月の米国の大統領選挙では予想外のトランプ氏の勝利となった。12月のイタリアの改憲を問う国民投票で大敗したレンツィ首相は辞任し、次期首相にジェンティローニ外相が指名された。注目の今年4月、5月に実施されたフランス大統領選挙では親EU派のマクロン氏が勝利した。

反グローバル派筆頭ともいえる米国のトランプ大統領ではあるが、形骸化が指摘されるG7の改革を提起するとの観測も出ている。G7の会議そのものにも懐疑的になる懸念がある。それに対してユーロ離脱を決定した英国のメイ首相がどう対応するのか。ドイツのメルケル首相とトランプ大統領の対立も予想され、ぎくしゃくしそうな首脳同士の橋渡しとして期待されているのがG7のベテランともいえる日本の安倍首相のようである。フランスのマクロン大統領にとってはいきなりの本格デビュー戦となるが、こちらの対応も気になるところ。

いずれにしても昨年の伊勢志摩サミットから世界の政治情勢は大きく変化してきている。中東や北朝鮮などの地政学的リスクも懸念材料となる。世界経済そのものはFRBが正常化路線を進められるほどには回復基調となっている。しかし、経済はさておき政治リスクが増加していることは確かであり、今回のG7はその政治リスクが試される場となりそうである。これまでのG7同士の関係とは大きく変化してくることも予想され、タオルミーナのG7は要注目となりそうである。


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by nihonkokusai | 2017-05-27 10:42 | 国際情勢 | Comments(0)

注目される今週末イタリアで開催のG7、その歴史を振り返る

イタリアのタオルミナで26日から27日にかけて先進7か国(G7)首脳会議(サミット)が開催される。前回の伊勢志摩サミットからは今回の主催国のイタリアと、米国、英国、フランスの首脳が変わった。つまりドイツのメルケル首相と日本の安倍首相、カナダのトルドー首相以外の4首脳が初参加となる。

石油ショックによる世界経済の混乱を受けて1973年に、その対応を巡って日本、米国、英国、フランス、西ドイツの各財務相が集まった。これが先進5か国蔵相・中央銀行総裁会議(G5)と呼ばれるG(Group)がつく国際会議のスタートとなった。

先進5か国蔵相・中央銀行総裁会議 (G5) で最も有名となったのが、1985年9月22日にG5による為替レート安定化に関する合意、通称プラザ合意であろう。このG5は秘密裏に行われ、当時の蔵相の竹下登は、千葉にゴルフに出かけ1ラウンド、プレーした後、成田空港に向かった。澄田日銀総裁は風邪を理由に予定をキャンセルしマスク姿で駆けつけたそうである。当時のG5は存在自体も認められていなかったようだが、プラザ合意は市場に影響を及ぼすためにあえてG5の存在を明かにさせたとされる。

最初の主要国首脳会議(サミット)は、1975年の日、米、英、仏、西独、伊の6か国によるフランスでのランブイエサミットであった。翌1976年にカナダが加わりG7となる。1998年にロシアが加わりG8となった。

財務相・中央銀行総裁会議については1986年の東京サミットで先進7か国財務相・中央銀行総裁会議、つまりG7がスタートする。1999年にはG7にロシア、中国、韓国、インド、インドネシア、オーストラリア、トルコ、サウジアラビア、南アフリカ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、EU(欧州連合)を加えた財務相・中央銀行総裁会議、G20がスタートした。

2008年にはリーマン・ショックを受けてG20での首脳会議がワシントンで開かれ、サミットの20か国版がスタートする。2014年にはクリミア侵攻をしたロシアがG8から排除されて再びG7に戻る。

かなりややっこしいが首脳会議にはG7とG20があり毎年開催されている。財務相・中央銀行総裁会議にもG7とG20が存在する。首脳会議には首脳のほか財務大臣及び外務大臣などが出席する。1998年からは財務大臣会合及び外務大臣会合などが首脳会合の前に別途開催されるようになった。

世界経済及び為替に関する議論をする財務相・中央銀行総裁会議にはユーログループに属する3か国(独、仏、伊)の中央銀行総裁の代わりに欧州中央銀行(ECB)総裁が出席している。また、欧州委員会代表、EU議長国、IMF専務理事、世界銀行総裁なども参加している。


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by nihonkokusai | 2017-05-25 09:42 | 国際情勢 | Comments(0)

ロシアゲート問題でトランプリスクが再浮上し、市場が動揺

トランプ大統領は、ロシア側に機密性の高い情報を漏らしたと報じられた。トランプ大統領は「テロなどに関する事実を共有したかった。私にはそうする権限がある」と主張していたが、野党だけでなく与党からも問題視する意見が出ており、新たな火種となりつつある。

トランプ大統領を巡るロシアに関する問題は「ロシアゲート」とも呼ばれているようで、これは1972年6月にワシントンの民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まり、現職大統領が辞任に追い込まれたという政治スキャンダル、「ウォーターゲート事件」を意識したものか。

トランプ大統領とロシアとの関係への疑惑は、FBIのジェームズ・コミー長官を解任したことでも強まっていた。外交や安全保障に直結する幹部を全て交代させたトランプ大統領だが、FBI長官だけは残留させていた。そのコミー長官を何故、このタイミングで解任したのか。解任前にトランプ大統領は自らがロシア関係の問題で捜査の対象になっていないと確認したことを明かしている。すでにトランプ政権のマイケル・フリン安全保障補佐官はロシアを巡る疑惑で辞任しているが、この問題もトランプ大統領はまったく関わっていないと見る方が不自然に見える。

実際にトランプ大統領は解任したコミー長官の在任中、同氏にフリン前大統領補佐官とロシアとの関係を巡る捜査を打ち切るよう求めていたとも報じられた。トランプ氏には捜査を妨害しようとしたとの疑いが浮上しており、大統領罷免などの可能性まで取り沙汰され始めた(ロイター)。

このロシアゲート問題という新たな火種をトランプ政権は消し去ることができるのか。それともこれをきっかけにウォーターゲート事件によるニクソン大統領の辞任と同様の事態に発展するのかは読み切れないところがある。しかし、市場はこの問題を完全に無視できなくなりつつある。

フランスの大統領選挙でのマクロン氏の勝利、ドイツ最大州のノルトラインウェストファーレン州の議会選挙でメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)が勝利したことにより、欧州の政治リスクは大きく後退した。そのタイミングでの米国の政治リスクの高まりにより、16日にはユーロドルは1.1ドル台に乗せ、ユーロ円は一時125円台に乗せてきた。

そして17日の欧米市場では、ロシアの米大統領選関与疑惑を巡りトランプ大統領に対する弾劾裁判の可能性も出てきたことで急速にリスク回避の動きを強めた。ドル円は一時110円台にまで急落(ドルに対して円高が進行)、125円台に乗せていたユーロ円も123円台となり、リスクオフの際の円の強さを意識させる動きとなった。

16日の欧米の株式市場はさほど動揺を見せておらず、ナスダックやロンドンの株価指数は過去最高値を更新中となった。しかし、17日のダウ平均は372ドル安となり、高値を更新していたナスダックも利益確定売りから158ポイントもの下げとなった。米10年債利回りは2.22%に低下し、前日の2.32%から0.1%もの利回り低下となった。

今後のロシアゲート問題の行方次第では、さらにリスク回避の動きを強める可能性があり、その動向にも注意を払う必要はありそうである。


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by nihonkokusai | 2017-05-18 09:30 | 国際情勢 | Comments(0)

英国のEU離脱による混乱リスク

5月11日のイングランド銀行の金融政策委員会(MPC)では、7対1の賛成多数で金融政策の現状維持を決定した。フォーブス委員が即時の利上げを主張した。残りの委員らも上向きのニュースがあれば、利上げ支持に回るのはそう難しくないとの姿勢を示した。そしてスムーズな離脱を想定した経済予測の通りに景気が拡大すれば、市場が示唆しているよりも速いペースでの利上げが必要となる可能性があるとの認識を示した(ブルームバーグ)。

イングランド銀行の政策委員は定員が9名だが、シャーロット・ホッグ委員の辞任によって現在は8人となっている。

同時に経済予測も発表したが、これはEUとの交渉がこじれないことを想定した予測だそうである。カーニー総裁も「これとは別に、無秩序な交渉プロセスになる場合の予測も準備しなければならないだろうが、まだ行っていない」と会見でコメントした。

カーニー総裁の発言を受け、外為市場ではポンドが下落した。EU離脱の際の混乱の可能性、それによる英国経済への影響、さらにはイングランド銀行が利上げではなく、さらなる金融緩和を迫られる可能性などが意識されたものとみられる。

しかし、このポンド安が英国経済にはプラスとなるとの見方で、英国の株式市場はしっかりするなど一概にリスク回避の動きばかりとはなっていない面もある。イングランド銀行は2017年のインフレ予想は2.7%と従来の2.4%から引き上げたが、これはポンド安の影響も加味されているとみられる。

フランスの大統領選挙でのマクロン氏の勝利によって、ひとまずユーロ圏の政治リスクは大きく後退した。しかし英国はEU離脱をすでに決定してしまっており、今後どのようなかたちでEUを離脱し、それが英国経済や金融市場にどのような影響を及ぼすのかは不透明要因となる。グローバルに展開している金融機関などにとってもロンドン市場の今後を考慮すれば不安要因となろうが、いまのところ金融市場が英国リスクで動揺するようなことはない。しかしこれについても潜在的な不安要素となっていることも確かであろう。


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by nihonkokusai | 2017-05-14 10:24 | 国際情勢 | Comments(0)

円安の背景に欧州の政治リスク後退と6月の米利上げ観測

外為市場でドル円は4月17日の108円台前半を目先の底として上昇基調となり、ここにきて114円台を回復してきた。108円台まで下落していたのは3月上旬の115円台をつけたあたりからとなり、チャート上としては115円台がひとつの目安となりそうである。

このドル円の上昇のきっかけは、ムニューシン米財務長官が4月17日のFTとのインタビューで、トランプ大統領は短期的なドルの強さについて事実に基づく発言を行ったと述べ、長期的に見て強いドルは良いことだと指摘したことがある。しかし、ドル円の上昇のタイミングで米債が下落基調となっていたことで、米長期金利の上昇を受けてのドル買いの側面もあったとみられる。

また、フランス大統領選挙を控えた世論調査でマクロン氏の支持率が上昇したことで、欧州の政治リスクへの警戒感が後退し、FRBの利上げに対する支障が除かれると観測も米長期金利の押し上げ要因になった。

4月23日のフランスの大統領選挙では、予想されたようにマクロン前経済相と国民戦線のルペン党首の2人が決選投票に進むことになった。この二人が決選投票となればマクロン氏優位との見方が強かった。これを受けてドル円も111円台に上昇してきた。

5月2日、3日に開催されたFOMCでは金融政策の現状維持を決定した。声明文では、第1四半期の経済成長の減速は一時的である可能性が高いとし、経済活動が緩やかなペースで拡大し、労働市場の状況はさらにいくらか力強さを増していると指摘した。FRBの年内3回(あと2回)というペースに変化はないと認識され、これは米長期金利の上昇要因となり、ドル高要因となった。

5月7日に行われたフランス大統領選の決選投票の結果は、事前の予想通りに中道で無所属のマクロン候補が「極右政党」のルペン候補を破り勝利した。これで欧州の政治リスクは大きく後退し、リスク回避の反動からドルが買われやすくなり、米債には下落要因となった。

ただし、米債は売られたとは言ってもいまだ3月につけていた2.6%にも届かず、利上げを織り込んでいるにしては下落ペースは極めて緩やかなものとなっている。これは物価等も意識してのものとも思われるが、FRBにとっては過剰反応していない分、利上げをしやすくなるとも言える。

今後の動きについては、フランス大統領選挙という大きなイベントが無事通過し、一時緊張が高まっていた北朝鮮も、いまのところ大きな動きが出る様子もない。トランプ政権はやや不安定に見えるものの、FRBの利上げを阻むような要因も見えない。

今後は6月のFOMCでの利上げの行方が焦点となろうが、市場では利上げをかなり織り込んできていることも確かである。ECBの政策転換も注目材料となろうが、大きく舵を取ることはむずかしい。ましてや日銀は動くに動けない。これをみる限り、米国と日欧の金融政のスタンスの違いは明らかで、これもドルが買われやすい要因となる。


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by nihonkokusai | 2017-05-12 09:52 | 国際情勢 | Comments(0)

北朝鮮の地政学的リスクを市場はどう見ているのか

北朝鮮の駐英大使は9日、英スカイニュースのインタビューで6回目の核実験を計画していると明らかにした(日経新聞電子版)。

原子力空母カール・ヴィンソンを中心とする空母打撃群は朝鮮半島周辺の海上に展開しているとみられ、北朝鮮に圧力をかけており、今回の北朝鮮の駐英大使のコメントはそのような圧力には屈しないとの姿勢を示したかったのではなかろうか。

北朝鮮の駐英大使からの核実験の計画示唆に対して、9日の米国株式市場はわずかながら反応を示し、ダウ平均の上値を抑えた。しかし、ナスダックは最高値を更新し、米債はリスク回避による買いは入らず、むしろ社債発行等が意識されて売られていた。

10日の東京株式市場は円安などを受けてむしろ買いが先行した。外為市場で円が売られ、株が買われるということは当然ながらリスク回避とは反対の動きであり、地理的にも近い日本の市場でも北朝鮮の駐英大使の発言はほとんど材料視されていないことが伺える。

北朝鮮外務省で対米交渉や核問題を担当する崔善姫北米局長と米国の元政府高官らは8日、ノルウェーのオスロで非公式接触を始めたもようだと韓国の聯合ニュースが報じた(日経新聞)。トランプ政権が北朝鮮に最大限の圧力を加える一方、対話にも「オープンだ」として硬軟両面で揺さぶりをかけており、北朝鮮側も米側の出方を探ろうとしているようである。

そして9日の韓国の大統領選挙ではムン・ジェイン(文在寅)候補が勝利し、第19代大統領に就任した。文氏は北朝鮮には融和姿勢を示しており、対北朝鮮政策は朴政権の強硬路線から「対話」へとカジを切ると予想されている。米軍による地上配備型ミサイル迎撃システムのTHAADの韓国配備にも慎重な立場を取っている。このため文氏の大統領就任により、北朝鮮側の動きも変化してくる可能性があり、これは一触即発の事態を回避させる方向に向かう可能性もある。

それでも米側の今後の動向が読みにくい事も確かである。空母ロナルド・レーガンが5月7日、1月に始まったメンテナンス期間の最終段階として、海上試運転のため母港である米海軍横須賀基地を出港した(在日米軍司令部のツイッターより)。

この空母ロナルド・レーガンのメンテナンス明けにどのような動きを見せるのかもひとつの焦点となるかもしれない。しかし、米側も緊張をさらに高める政策は手控えてくる可能性もある。いまのところ北朝鮮の地政学的リスクに対し市場の反応をみる限り、それほど懸念しているようには見えないことも確かである。


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by nihonkokusai | 2017-05-11 09:32 | 国際情勢 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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