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カテゴリ:アベノミクス( 90 )

日本の投資家による外債売り越しは続く

 財務省が発表した6月の対外及び対内証券売買契約等の状況(月次・指定報告機関ベース)によると、対外証券投資の中長期債では、2兆9578億円の売り越しとなり、これは過去最大の売り越しとなったようである。

 日銀が異次元緩和を決定した4月における国内投資家による海外の中長期債投資は1兆7154億円の売り越し、5月は2兆1518億円のそれぞれ売り越しとなっていた。

 投資部門別でみると、5月は銀行部門が2兆4314億円の売り越しとなっており、生保も213億円の売り越しとなっていた。

 国内投資家による海外債券の売り越しの要因は、欧州の信用不安の後退により、安全資産として購入していた米国債などを売却してきたこととみられる。FRBが量的緩和政策の縮小に動くとの観測により、米国債の利回りが大きく上昇しており、それも意識しての売却と思われる。

 日銀による異次元緩和のトランスミッション・メカニズム(波及経路)には、日銀が大胆な国債買い入れを行って、国債のイールドカーブ全体の金利低下を促す効果、ポートフォリオ・リバランシングの効果、さらには期待を通じた効果を日銀は指摘していた。

 国債のイールドカーブ全体の金利低下を促すことにはできておらず、日本の日本の長期金利は4月5日中に0.315%から0.620%に上昇し、5月23日には1%まで上昇した。その後は0.8%台主体の動きとなり、利回り上昇はいまのところ抑制されている。しかし、米国の長期金利は2.7%台に上昇するなどしており、日本の長期金利も再び1%台に乗せてくる可能性もある。日銀はこれに対して、名目金利ではなく実質金利の低下を促すと表現を変えてきている。

 ポートフォリオ・リバランシングの効果とは、日銀が銀行などの保有している国債を買い入れることで、よりリスクのある資産の購入を促すというものである。これには外債投資を促し、為替にも働きかけるとの意図もあったとみられる。外債投資について国内投資家は購入するどころか、大きく売り越している状況にある。ただし、株式市場はいったん調整後、再び上昇基調となっているが、最近の上昇は国内景気の回復とともに、海外市場要因に負うところも大きいとみられ、日銀の国債の大量購入が効いているとのイメージではない。

 三番目の波及経路である期待に働きかけるという面では、アベノミクスへの期待が円安・株高の背景とひとつとなっているのかもしれないが、日銀が大量の国債を購入することによる効果よりも、海外のリスク要因の後退とそれによる円安がかなり影響しているものと思われる。

 アベノミクスによる効果を完全に否定するものではないが、その柱となっている異次元緩和に関する波及経路については、当初の日銀による説明からすれば意図していたものとは異なったものとなっている。それでも足下景気が回復しており、株価もしっかり、長期金利の上昇も抑制されているので問題ないとの見方もできるかもしれない。結果良ければすべてよし、なのか。

 FRBはすでに出口に向けて動きを見せている。日銀だけが取り残され、かなり無茶な目標設定(2年以内でコアCPI2%)とそのための異次元緩和策を継続するとなれば、今後はその弊害が表に出てくることも予想される。何故意図した効果が出ていないのか、そのあたりを見極め、今後の政策に生かすこと、つまりは軌道修正もいずれ必要となるのではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2013-07-09 09:02 | アベノミクス | Comments(0)

アベノミクスと呼ばれるリフレ政策の危険性

 7月4日に参院選が公示された。昨年12月の衆院選の勢いに乗って、参院でも自民・公明両党が、参議院でも過半数を獲得し、国会のねじれを解消するのかが最大の注目点となる。そもそもこの国会のねじれを生じさせたのが、2007年7月に実施された参院選において自民党が歴史的大敗を喫したことによるものであり、その時の首相が現在の安倍晋三であり、安倍首相はその雪辱を果たそうとしている。  

 今回の参院選の争点のひとつがアベノミクスへの評価となる。昨年11月の衆院解散後、リフレ的な発言を行ったことから、海外投資家による円売り・日本株買いを呼び込み、日経平均は昨年11月の8000円台から、今年5月には16000円近くまで上昇し、ドル円も80円割れから一時103円まで円安が進んだ。この急激な円安・株高の進行により、日本経済の回復への期待も強まり、安倍政権の経済政策はアベノミクスと呼ばれた。

 そのアベノミクスは三本の矢から形成されるとしたが、二本目の矢は昨年度の補正と今年度の予算編成における財政政策となった。しかし、金額はそれなりに使ったものの、その効果は目に見えるものではなかった。見方によれば借金だけさらに膨らませた格好とも言える。

 三本目の矢の成長戦略に期待が集まったが、出てきたものは寄せ集めに過ぎず、柱となるような大胆に政策は打ち出されなかった。市場で期待はずれと取られたことで、政府は設備投資減税について言及するといった慌て振りをみせていた。これについては既得権者との対立を回避するため、参院選を終えるまでは大胆な改革は打ち出せないとの見方があるが、自民党の政権基盤がそもそも既得権者が多いとなれば、選挙後も大胆な規制改革が打ち出されることは考えづらい。

 世界的なリスク後退の動きのなかでの、リフレ的な発言と実際の黒田日銀による異次元緩和と呼ばれる国債大量買入により、円安・株高の流れは維持された。5月にそれぞれ大きな調整が入ったが、これも大きな要因は世界的なリスク後退によるFRBの出口政策によるものであり、世界経済そのものの回復期待もあり、日経平均株価は底堅い動きを示している。

 つまり今回のアベノミクスと呼ばれる経済政策は、円安・株高を引き寄せて、それにより元々回復基調にあった経済を活性化させ、元々物価も上昇する方向に向いたいたところ、円安でその動きをやや早めたような動きであった。つまり、結果からみれば、うまくアベノミクスは、世界的なリスク後退の流れに乗っていただけと言える。

 円安・株高が継続する限り、日銀の異次元緩和の経路に間違いかあって長期金利が上昇しようが、非難が出るようなことはないのかもしれない。円安で多少物価が上がろうが、それはデフレからの脱却を意味すると捉えれば、むしろ良い兆候となるのかもしれない。しかし、アベノミクスと呼ばれるリフレ政策については、途中で修正しない限り、のちのち副作用が生じる懸念がある。

 それはすでに国債市場の流動性の低下といったかたちで現れている。セカンダリー市場が機能停止まではいかないにしろ、財務省が国債を発行して、それを入札した業者は一部を投資家に販売し、残りは日銀の買入に充てるような格好となり、日々流通するべき玉がカレント含めて日銀に吸い上げられた分、流動性が失われた格好になっている。

 いったん中央銀行による国債消化の依存度が高まると、市場の形態もそれにシフトするようなるのは当然であり、少なくとも国債消化については異次元緩和が継続する限りは問題はなくなる。これは国債管理政策にも影響を及ぼすことも考えられ、国債の需給面での緊張が緩和され、それは国債依存度を高める政府にも影響を及ぼす。財政規律の姿勢だけを見せて、内情は国債への依存度を高め、成長を促すことよりも政権維持が重視されるようになると、財政規律が緩む懸念がある。たとえ景気が多少回復し、物価が上昇しようとも、2%という物価目標は現在の日本経済を取り巻く環境下、かなり無理をしなければ達成は不可能。日銀が国債を大量に購入すれば、物価が上がるとの考え方には波及経路が存在していない。それでも達成するために、日銀が国債やリスク商品をさらに買い込むことになれば、昭和初期の高橋財政後の日銀以上に中銀への依存度が極端に高まり、何かしらのきっかけで日銀への信用、それはつまり円や国債の信用低下を引き起こす可能性が強まる。

 国債市場の日銀依存度の上昇は、市場機能の低下とともにボラティリティをさらに高めることが予想され、特に金利上昇のスピードを加速させる懸念がある。日銀への信認低下、政府の財政規律の緩みが意識されると、長期金利の2%以上という巨額債務を抱えた状態での未体験ゾーンに突入する懸念がある。そのときに、何が生じるかは予想が難しいが、信認低下による国債金利の上昇は、ギリシャやポルトガル、スペイン、イタリアでの事例も存在する。いったん長期金利の上昇が引き起こされると、その原因が日銀と政府にある限り、止められる存在がいなくなる。

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by nihonkokusai | 2013-07-08 17:26 | アベノミクス | Comments(0)

安倍首相発言に出てきた高橋是清

 6月19日にロンドンのギルドホールにおける安倍総理大臣の経済政策に関する講演が首相官邸のサイトにアップされている。ここで安倍首相は高橋是清に関する発言をしていた。

 「ワンス・アポン・ア・タイム。日本に、高橋是清という、財政家がおりました。帝政ロシアの軍事的脅威に、日本が、立ち向かおうとしていた時代です。なんとしても、日本政府の国債を、ロンドンの銀行団に、引き受けてもらう必要がありました。そのためたった一人、高橋は、シティにやって来ました。そのとき、助けてくれたのは、誰だったでしょう。」

 「たった一人」との表現は正確ではない。正確には「たった二人」である。高橋是清が日露戦争の戦費調達のために英国を訪れていた際には、ある有名な秘書役を同行させている。その秘書役とは深井英五であり、のちの日銀総裁となる人物である。深井は金融恐慌時に活躍するとともに、高橋財政時には日銀副総裁として高橋財政を支えた人物でもある。そのような人物が秘書役でいた以上、「たった一人」との表現はどうかと思う。ドラマ「坂の上の雲」でもロンドンで高橋是清(西田敏行)に付き添っていた深井英五が描かれていた。

 それはさておき、そのとき助けてくれたのは、「香港上海銀行ロンドン支店長、サー・ユーウェン・キャメロン」である。幸田真音さんの「天佑なり」にも解説があったが、現在のデイビッド・キャメロン首相の、高祖父に当たる。

 「(高橋是清は)ジョン・メイナード・ケインズが、「一般理論」を発表する5年前、高橋は1931年に、ケインズを先取りする政策を打ち、深刻なデフレから、日本を、世界に先駆けて救い出すことに成功したのです。」

 確かに高橋財政により世界恐慌後、世界に先駆けて、世界最速で日本はデフレからの脱却に成功した。

 「高橋は、私を勇気づけてやまない先人です。」

 この表現からもアベノミクスは高橋財政を模範としていたことは確かなようである。

 「1931年、大蔵大臣に返り咲くと、「その日のうちに」、金の輸出を停止します。「その日のうちに」、というところが大事です。こびりついたデフレ心理は、一気に吹き払わない限り、取れないからです。」

 スピード感という意味では、昨年11月の衆院解散後の街頭演説で、大胆な金融緩和、輪転機ぐるぐる発言をして政権奪取後はリフレ政策を行うことを明確にし、それにより市場に影響を与え、いわゆるアベノミクスを生み出した。それは高橋是清のスピード感も意識していたということか。その高橋是清が金輸出停止をする直前に会って相談していた人物こそ、深井英五日銀副総裁であったのだが。細かいことはさておき、

 「私は、まさに、それを、試みました。人々の期待を上向きに変えるため、あらゆる政策を、一気呵成に、打ち込むべき、と、そう考えました。」(安倍首相)

 あらゆる政策を一気呵成というよりも、異次元緩和への前向き姿勢に市場は驚いた面があり、それをいち早く察したヘッジファンド含む海外投資家が円売り・日本株買いを加速させて、アベノミクスが生まれた。

 ジム・ロジャーズ氏は週刊誌のインタビューで、2012年11月、安倍晋三首相が無制限の金融緩和政策を行うと発表した直後に日本株を買った理由として、一般的に、紙幣が多く出回るようになると、株価は必ず上がるだから、その前のタイミングを見計らって買ったとしている。ジョージ・ソロス氏も自らのファンドでアベノミクスに賭けて、円売りや日本株買いを仕掛け、短期間で巨額の利益を上げたとされている。

 「強い、政治的意思がなかったせいで、デフレは退治できなかった。私が持ち込んだのは、それです。強い、政治的意思でした。きょう、皆さんに、覚えて帰って欲しいことも、ここに尽きます。私の経済政策とは、私の政治的意思に、裏打ちされています。」

 極端なリフレ政策がこれまで取られてこなかったのは、国債の大胆な買入やマネタリーベースの大幅な増加で物価上昇を起こせるのかどうか不透明な部分があったことに加えて、財政ファイナンスを意識したような政策はのちのち円や国債への信認低下にも繋がりかねないとの不安もあったからではなかろうか。強い意志がなかったというより、効果が見えないのに危険な政策はとれないとの判断が働いていたと思われる。

 それをやると言った安倍総裁の発言と、実際に日銀がそれを実行に移したことに驚いて、急激な円安・株高を招いたことは確かである。景気もここにきて回復基調となっており、消費者物価もプラスに転じるのは時間の問題となっている。これのどこまでがアベノミクスの影響によるものなのかの判断は難しいが、円安・株高が影響していたことも確かである。しかし、これからは異次元緩和によるところのリスクが顕在化してくることも想定される。ECBのドラギ総裁が26日に「金融政策で実体経済を成長させることはできない」と述べていたように、アベノミクスの成否は三番目の矢である成長戦略にかかっている。政治的意思が試されるのは、むしろこれからではないかと思われる。

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by nihonkokusai | 2013-06-27 09:22 | アベノミクス | Comments(0)

レジーム・チェンジとは何か

 アベノミクスの支柱になっている異次元緩和について、「レジーム・チェンジ」と安倍首相は語っていた。本田悦郎内閣官房参与は2013年2月の時事通信社とのインタピューで次のように語っている。

 『「レジームチェンジ」、つまり金融政策の枠組みを変えることによって、緩やかなインフレ予想を国民に持ってもらうことが重要だということです。デフレに順応するのではなくて、デフレと闘う積極的な金融政策、積極的な日銀を演出する。そのためには、それまで日銀がやっていたような小出しの金融緩和ではだめです。2%のインフレ率を達成するまでは「無制限」に国債、特に長期国債を買っていくとアピールすべきだと申し上げました。「レジームチェンジ」「無制限国債購入」でいきましょうと。』

 安倍首相がレジーム・チェンジという用語を口にしたのは、本田氏の助言によるものなのかもしれない。日銀が無制限に国債、特に長期国債を買っていくと2%の物価目標が達成できるとの主張である。

 レジーム転換(レジーム・チェンジ)という用語については、「需要がないから、いくら資金を供給しても無駄という受動的な金融政策のスタンスを、事前に決められたインフレ率に到達するまで積極的に資金を供給し続け、断固としてデフレに立ち向かう、という能動的な金融政策へ転換させることを意味している」との解説もあった(「平成大停滞と昭和恐慌」田中秀臣・安達誠司著)。

 この本のなかで、レジーム転換の事例として、高橋財政における1931年11月の禁輸出禁止と1932年12月の日銀の国債引受開始をあげている。

 ここでいくつか疑問が生じる。そのひとつが、日銀が無制限に国債を買い入れれば、どのようにして物価に働きかけるのか、という経路問題である。これについては黒田日銀総裁の説明による3つの経路が詰まっているのではないかと、先日このコラムでも指摘した。

 安倍自民党総裁は昨年11月に輪転機ぐるぐるという発言もしていたが、日銀が国債を直接引き受けて財政ファイナンスを行うようなことがない限り、日銀が市場からいくら国債を買い入れても日銀の当座預金残高やベースマネーが膨らむだけとなる。ただし、政府が財政拡大を行い、その資金を日銀による国債の直接引き受けで行えば、現在はそれが財政法で禁じられているぐらいであり、インフレを引き起こしてデフレ脱出に効果はあるかもしれない。しかし、今回の異次元緩和は財政ファイナンスを意図したわけではないと、政府も日銀も説明している。

 1932年12月に開始された日銀の国債引受は、金輸出解禁により財政拡大が容易になるとともに、主に満州事変による軍事費拡大に対応したものである。シ団による引受が国債価格の下落等で困難になっていたこともあり、国債発行にはいったん日銀が引き受けるという手段を講ずるほかなかった。これは財政ファイナンスという格好となったが、日銀が保有した国債は銀行等に売りオペでその多くを売却したことで、高橋財政時においては、少なくともインフレそのものは抑えられていた。

 もし高橋財政時の1932年12月の日銀の国債引受開始を大きなレジーム・チェンジとするのであれば、アベノミクスの金融政策のレジーム・チェンジも目指すところは、財政ファイナンスではないかとの疑問も出てくる。

 ただし、高橋財政時のデフレ脱却は、日銀の国債引受が始まった頃にはいったん完了していた。高橋蔵相は日銀引受による国債発行について、以前に明らかにしていたが、その期待がデフレ脱却に大きな働きをしていたとは思えない。最初のレジーム・チェンジとされる1931年11月の禁輸出禁止により、円安政策や金利の低下策等が講じられ、期待というよりも直接に実体経済に働きかけられていた面があり、日銀が国債を大量に購入すればデフレから脱却できる、という効果については甚だ疑問が残る。

 高橋財政時の株価の様子をみると、1931年11月の禁輸出禁止により円安・株高が進むが、いったん調整局面を迎えている。このあたり現在の株安と似たところがある。高橋財政時でそれがまた急回復するのが、1932年12月の日銀の国債引受開始時あたりとなっていたのは確かである。もしアベノミクスでも第二のレジーム・チェンジが必要となるとするならば、それはいったい何になるのであろうか。

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by nihonkokusai | 2013-06-18 09:31 | アベノミクス | Comments(0)

異次元緩和の3つの波及経路が詰まっていないか

 6月11日の黒田日銀総裁の会見において、記者から金融緩和の波及経路についての質問があった。3つの波及経路とは、金利全体やプレミアムに対する働きかけること、ポートフォリオ・リバランシングの効果、さらには期待を通じた効果である。

 長期金利について総裁は、緩和直後に、ボラティリティがかなり高まるがその後、市場との対話を通じて、オペを弾力化したことで、金利変動は落ち着いたとしている。さらに5月に入って、米国の長期金利が上昇するといったことを背景に、再び日本の長期金利も上昇し、ボラティリティも高まったが、5月の後半にかけて、市場との対話を重ね、オペの弾力的な運用を決めたとしている。

 これは質問の答えになっていない。そもそも異次元緩和を行ってイールドカーブ全体の低下をはかるどころか、イールドカーブ全体が上昇してしまっている。その対策が「市場との対話」というのはどういう意味か。大昔の規制金利の時代ではなく、金利は市場で決定される現在、市場との対話はもともと不可欠であり、この総裁発言はむしろ対話がうまくいっていないことを示しているように思われる。むろん対話が行われたからと言って、金利上昇を押さえつけられるわけではない。それこそ対話でなくて圧力になりかねない。

 「長期金利の動向には十分注意し、特に、ボラティリティが高まることは好ましくないので、これを縮小する努力は引き続き行っていきたいと思います。」

 日銀が自ら招いたことだけに、ボラの低下に努力することも大事だが、それには異次元緩和を止めるか縮小する必要がある。長期国債の買入れを今後進めていけば、リスク・プレミアム圧縮効果は強まるとおっしゃるが、金融市場全体の価格変動率が大きくなっている現在、日銀が国債を買い入れれば買い入れるほどに国債の流動性は失われ、価格変動リスクはむしろ大きくなりかねない。

 二番目の経路であるポートフォリオ・リバランシングの効果についても非常に懐疑的である。外債投資の動向を見ても、10日に発表された財務省の対外及び対内証券売買契約等の状況によると、5月に生保は外債を1111億円売り越している。4月は買い越しになっていたが、買い越しは続いていない。銀行は5月に2兆4391億円も外債を売り越している。外債は総じて売り越しとなっている上に、株も下落している。

 三番目の期待を通じた効果については、いまのところ残存額が限られ、流動性が低い物価変動国債のBEIの予想インフレ率などよりも、株価や為替の動きからもある程度読み取れるのではなかろうか。12日の日経平均は異次元緩和を決めた4月4日以前の水準に低下している。これだけで期待が後退していると言い切れるわけではないが、アベノミクスと異次元緩和は円安・株高を招いたことで期待が広がったことを考えれば、その肝心の株高にもブレーキが掛かった格好となっている。

 日銀の異次元緩和による3つの波及経路は、それぞれ行き詰まりを見せている。もちろんこれは当初からかなり矛盾を抱えた政策であったこともあるが、円安・株高による期待がそのあたりを見えにくくさせていたが、そのベールも剥がされつつある。

 今更、異次元緩和を修正することはかなり難しい上に、世界の金融市場がボラティリティの高いものとなってしまっているため、そのようなことをしてしまうと、東京株式市場がさらに急落しかねない。ただし、オペを通じての微調整などは可能であるはず。ひとつひとつの波及経路をあらためて点検し、国債の流動性を高めるためにはどうのようにすれば良いのかを考えていく必要があろう。それには市場というか、国債に関わりある人達と、異次元緩和そのものを含め、本音をぶつけ合った意見交換も重要になる。

 ポートフォリオ・リバラスについても、それは仕掛けるものではなく結果としてそうなるべきものであろう。異次元緩和だけでリスク許容度を増加させることはできない。リスク資産に資金を投じようとさせるのは日銀の仕事ではなく、きちんとした成長戦略なりを行う必要がある政府の仕事である。アベノミクスに必要なのは異次元で大胆な「成長戦略」であると思われる。その意味で三本目の矢はいまのところ大胆でも異次元でもない。

 最後の経路であるの「期待」に期待したいと言う点が一番、わかりにくい。見えなく揺れ動きやすい期待に働きかけるのは非常に難しい。資金をじゃぶじゃぶになったかのように見せかけても、それで先行きの展望が開けるものではない。実体経済に直接影響を与える政策を打ち、それにより本当の意味での景気回復への期待を強めさせた上で、物価上昇に働きかけることが肝要ではないのか。金融政策とそれによる円安・株高に頼り切った政策から、もう少し現実を見据えた政策に転換すべきときではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2013-06-15 11:36 | アベノミクス | Comments(0)

高橋財政時の日銀の国債引受とシ団の関係

 アベノミクスの今後を占う上でも参考になりそうな昭和初期の高橋財政を追いかけているのだが、面白い資料が見つかった。

 「1932年日銀引受国債発行はどのようにして始まったのか ―大蔵省、日本銀行、シンジケート銀行からの考察―」というもので、どうやら金融史に関するパネルディスカッションをまとめたもののようである。その内容が麗澤大学のサイトにアップされていた。今回はこの資料を参考に、特にシ団との関係を中心に見て見たい。

 アベノミクスと呼ばれる政策の柱は、日銀の異次元緩和であり、異次元緩和の中心となっているのが国債の大胆な買い入れである。日銀による国債引受は財政法で禁じられており、その手段は執れないが、日銀が国債を大量に購入することでは同じものとなる。アベノミクスはデフレ脱却が大きな目的であり、その一環として円安政策も含まれている。その政策のモデルとなったのは国債を大量購入している米FRBであったのかもしれないが、世界最速でデフレ脱却に成功した高橋是清の政策が参考にされたと考えてもおかしくはない。

 高橋財政も大きなレジーム・チェンジを行ったとされる。特に日銀による国債引受が大きな柱との見方がある。高橋是清が立案したとされる日銀の引受方式の国債発行について深井英五(当時の日銀副総裁、日露戦争戦費調達の是清の秘書)は、「通貨補充のほかに、満州事変の為めに必要とする国債の発行を容易ならしむると、金利水準を低下するとに効があった。すなわち一石三鳥の妙手であった」としている。ところが、この日銀の国債引受は当初からデフレ脱却を意図したものではなく、ほかに選択肢がなかったためとの見方がある。

 中央銀行の国債引受の是非については、ここではいったん置いて、ではなぜ日銀の引受方式でなければ国債は発行できなかったのか。それは政府・大蔵省や日銀側からの分析は多くあるが、今回のパネルディスカッションの資料では国債の民間消化に大きな影響力を持っていた銀行シンジケート団側からの分析が含まれており、これがなかなか興味深いものとなっていた。

 結論から言えば、高橋財政において国債の発行については、日銀の引受方式以外に選択肢がなかったようである。これには国債市場が未整備であったことに加え、財政拡大により巨額の国債を発行せざるを得なかった面もある。それ以前に民間消化そのものが難しい状況にあったのである。民間消化できないとなれば、当然ながらインフレへの懸念が出てきてしまう。このため、高橋是清が考えたのは日銀がいったん引き受けた国債をいずれ民間銀行を中心に売却することであった。なぜそんな手を考えざるを得なかったのか。

 そもそも何故、民間銀行による国債消化が難しかったのか。高橋蔵相の前任、井上蔵相の頃に、三井銀行などを中心にドル買投機があり、これが問題となりシンジケート銀行と日銀、大蔵省の信頼関係は大きく崩れた。協働して事態に対処することはもはや不可能であったとされた。1931年9月~12月にかけてシンジケート銀行団、日銀、大蔵省の相互不信は、異常なまでに高まり、同時期に生じた国債価格の暴落で、その最大の所有者であるシンジケート銀行の下期収益を直撃した。1931年9月の満州事変勃発、イギリス金本位制度停止、10、11月の正貨擁護を目的とした公定歩合引上げ等の影響を受け、1931年後半以降、国債は暴落したのである。

 1910年代からの大蔵省は、日銀やシ団銀行の協力を前提にしなければ財政を運営できない状況となっていたが、そのシンジケート銀行団と日銀、大蔵省の信頼関係が崩れた上に、大手銀行が1931年下期に巨額の国債評価損を招いたことにより、日銀引受の国債発行を選択せざるを得ない状況にあったとの見方が可能となる。

 1931年12月に閣議決定された特別会計分を含む1932年度の新規国債発行額1億9107万円の発行方式も公募は困難であり、全額預金部引受となり、1931年度の新規国債追加発行額7590万円の発行方式についても全額預金部引受とすることが決定された。その後、預金部資金の運用余力が限界となり、全額預金部引受とすることは困難となっていた。

 このため3月8日に高橋是清は金融関係者を個別に招き、財政政策の転換と満州事変の戦費調達のため国債の日銀引受を実施する旨を伝えとされる。この際、高橋蔵相は日銀の新たな資金供給を直ちにインフレとして非難するのは誤りであると明言したそうだが、通貨膨張を抑制するための売りオペの実施も念頭に置いていたためとの見方がある。

 1932年7月1日に「国債の価額計算に関する法律」が公布されたことなどから国債価格は回復してきた。それでも日銀は、売りオペの実現可能性について懐疑的であったものの、1932年11月25日に至り新規国債2億円の日銀引受発行が実施される。

 高橋財政がスタートして、ここまで1年近く経過している。高橋是清がインフレ政策を主目的に日銀の国債引受をはじめようとしていたのであれば、なぜこれほどまでの時間を要しなくてはならなかったのか。それはレジーム・チェンジとかではなく、とにかく国債を発行するための手段としてそうせざるを得ず、さらに売りオペが可能となる状況を待っていたことも考えられる。

 日銀引受国債発行後1か月後の12月24日には売りオペが開始された。この売りオペが成功した裏には、1年前の「ドル買」問題で、大蔵・日銀と敵対的関係になった三井銀行の池田成彬が率先して国債購入したことで金融界に大きな安心感をもたらし、売りオペを軌道にのせたとの見方もあった。

 高橋是清のレジーム・チェンジの柱は「金輸出再禁止・銀行券兌換停止」にあり、これにより円安政策、金融緩和策、財政拡大策が可能となった。満州事変もあり財政拡張は避けられず、その上財政拡大策もあり大量の国債発行が必要となった。その民間消化はシ団との関係のもつれ、国債相場の暴落もあって困難となり、日銀の国債引受という手段を取らねばならず、インフレ抑制のために売りオペを行うことを想定していたと思われる。

 国債市場の安定化、シ団との信頼関係の再構築なども背景に、売りオペも軌道に乗った。アベノミクスの異次元緩和については、シ団というか国債の投資家との関係はむしろぎくしゃくし、長期金利は低下するどころか上昇している。今の日銀に必要とされるのは、債券市場参加者との信頼関係の再構築なのかもしれないが、異次元緩和そのものがそれを困難にしている面もある。

 売りオペが開始された1932年12月に卸売物価指数はほぼ金解禁前の水準にまで戻しており、この時点でデフレからの脱却は達成していた。これには日銀の国債引受への「期待感」が働いたとの見方もできるかもしれないが、高橋財政は期待感に頼らずとも、金融・財政政策の余地が十分にあったことで実体経済に働きかけられた側面が大きいといえる。日銀の引受方式による国債発行は、デフレ脱却のための手段というよりも、国債発行手段として外に手がなかったためとの見方も可能となる。さらに高橋是清ならば、出口政策も可能との認識も本人を含めてあったことも考えられる。

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by nihonkokusai | 2013-06-12 09:28 | アベノミクス | Comments(0)

高橋財政の日銀の国債引受がデフレ脱却の直接要因ではない

 アベノミクスの主軸にあるのが、異次元緩和であり、その背景にはリフレ派と呼ばれる人達の考え方があった。大胆な金融緩和とは、とにかく巨額の国債を日銀が買い入れることであった。それによる国債市場への弊害はさておき、なぜ巨額の国債を買い入れれば、デフレから脱却できるのか。ベースマネーを増加させるのであれば、短期のオペでも可能なはずである。米FRBの債券買い入れよりも積極的な国債買い入れを日銀が行うことで、円高調整を狙ったのかもしれない。安倍自民党総裁は昨年11月の衆院解散後、円高是正についても発言しており、その考えがあった事も確かであろう。ただし、これについては米国からのクレームもあったようで、目的が円高是正、つまり円安誘導であったことは伏せられるようになった。

 アベノミクスは麻生財務相も指摘していたように、世界最速でデフレ脱却を成功させた昭和初期の高橋財政を意識していたと思われる。高橋財政に学べ、と説くリフレ派も多い。特に高橋財政のなかでの、日銀による国債引受がデフレ脱却に大きな影響を与えたのではないかとの見方がある。現在は財政法で日銀による国債の直接引き受けは禁じられているが、日銀が巨額の国債を買い入れれば同じ効果を生むのではないかとして、黒田日銀が異次元緩和を行ったとの見方も可能となる。

 高橋財政におけるデフレ脱却過程を見てみると、日銀による国債引受がデフレ脱却に直接どれだけ効果があったのかは甚だ疑問なのである。見えない期待に働きかけていたと言われれば、その当時の期待が測定できないため、完全に否定はできない。しかし、高橋財政期にはデフレからの脱却を可能にさせた具体的な手段があり、それによる直接的な影響が大きかったことは確かである。このあたりを含めて当時の歴史を振り返ってみたい。

 1931年12月に犬養毅内閣が成立し、蔵相には高橋是清が就任し、直ちに「金輸出が再禁止」された。金輸出再禁止により株価は急騰し、円安放置策もあり、円安も進む。これは昨年11月のアベノミクス登場以降と同様に実はかなり期待先行の思惑的な動きであった。世界経済は大恐慌の影響から不況の最中にあり、満州事変の勃発、英国の金本位制停止などにより、先行きの不透明感も強い状態にあった。当時も外為市場では急ピッチの円安に対する警戒も強まった。株式市場も1932年3月あたりからは調整局面を迎えている。アベノミクスにおいても、同様の事態が発生し、円安・株高の修正が5月23日あたりから入ってきている。

 日銀が1932年3月と6月に公定歩合を引き下げたが、この際にはあまりその効果は出ず、市中金利の低下はむしろ限定的であった。ところが8月の第三次公定歩合の引き下げで、公定歩合の水準は日銀創設以来の最低となる。これは本格的な低金利時代を迎えたことを意識させた。さらに政府による積極的な財政政策が打ち出され(満州事件費や時局匡救費)、財政面からの大規模な需要拡大・景気刺激策と呼応し、金融面から金融緩和・金利低下を本格的に推進しようとする政府の意向も浸透してきた。これにより景気回復への期待を強めることになったのである。

 8月以降は輸出の伸びも顕著になる。特に輸出の数量が、円安とともに中国での日貨排斥運動が次第に収まってきたことも背景に伸びてきた。財政支出と輸出の増加により総需要は拡大し、日本経済は1932年後半から急速な景気回復過程に入った。物価も上昇し卸売物価は1932年7月から、小売物価は同年8月から上昇に転じた。1932年12月の卸売物価指数は前年同月比39.6%増となり、ほぼ金解禁当初の水準まで戻っている(日銀百年史より)。

 それではここで高橋是清が決めた日銀による国債引受について再確認してみたい。高橋蔵相は1932年6月に議会で国債の日銀引受の方針を表明している。その前に3月10日の「大毎新聞」は軍事公債、およびそれ以外の新規発行公債も日銀引受とする、前日の日銀主催時局懇談会で明らかにされた政府の方針を報じていた(富田俊基著「国債の歴史」を参照)。

 現在、日銀が国債引受を行うことを発表したとすれば、金融市場は大混乱となることが予想される。新聞などマスコミもその是非を巡って、大きく扱うであろうし、国民の間でも論議が交わされ、大きな問題になると予想される。もちろんドイツなどを中心に諸外国からの非難等も出てくることが予想される。

 ところが、高橋財政の時代、国債の日銀引受の方針を表明して、それが問題化したとは考えづらい。当時は中央銀行による国債引受が特に禁じられていたわけではない(日銀の国債引受を禁じた財政法の制定は戦後)。つまり当時、日銀が国債を引き受けると発表したことで、国民の間にインフレ期待が強まり、それが物価上昇を招いた主要因であったとは考えられない。もちろん日銀が引き受けることで、国債発行が容易となり、財政政策が取りやすくなる。その財政政策による影響は大きい。しかし、日銀が国債引受をするとの発表で、インフレ期待を生んだとは考えづらい。日銀引受による国債発行が開始されたのは1932年11月からである。

 高橋是清は、世界最速のデフレからの脱却に成功させたが、これは井上準之介による緊縮政策により、輸出競争力強化のために引き下げた物価の部分を元に戻した格好であり、その分の物価上昇余地が高橋財政前には存在していたと言える。アベノミクスには残念ながら、高橋是清が足かせとして取り外した金本位制のようなものが存在していなかった。現在の物価は低迷しているが、それに対して高橋財政以前のような明らかな理由が存在していない。日銀の緩和が足りないから、との見方は私は賛同できない。

 高橋財政は日銀に大量の国債を引き受けさせたことで、インフレ期待を強めさせ、デフレ脱却に成功したとの考え方が、もし今回、日銀が大胆な国債買い入れを行った背景にあったのであれば、それはかなり効果そのものへの疑問が残る。それと共に、今後のリスクをむしろ増加させただけともなりかねないのではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2013-06-08 08:30 | アベノミクス | Comments(0)

コレキヨ相場

 幸田真音さんの新刊「天佑なり」(上下巻、角川書店)が6月5日に発売された。副題は「高橋是清・百年前の日本国債」となっているように、高橋是清の一生を描いた小説である。これは新聞小説を単行本化したものであるが、幸田さんらしく非常にタイムリーである。

アマゾン「天佑なり」上巻

 麻生財務相は4月19日のワシントンDCの講演で、「1930年代初頭に、日本でケインズ経済学的な政策を行った人物がいます。それが高橋是清です。彼は20世紀初頭に財務大臣を6度、総理を1度務めました・・・彼は、まさに、いま私たちがしていることをやって日本を救いました。」と述べている。

 幸田さんによると現在の日本市場の動き、つまりアベノミクスの影響を受けたとされる円安・株高を「コレキヨ相場」と呼ぶヘッジファンドもいるそうである。

 1929年10月24日の「暗黒の木曜日」と呼ばれたニューヨーク株式市場の急落をきっかけに発生したのが大恐慌である。このために米国が打ち出した政策が1933年3月のニューディール政策というのは歴史の教科書にも書かれている。それよりも早く、世界最速で不況から脱した国があった。それが日本であり、その立役者となったのが高橋是清であった。

 日本の金解禁が遅れ、まさに大恐慌の渦のなかで、1930年1月に旧平価により金輸出を解禁し、日本の景気も急速に悪化する。当時の井上準之助蔵相は緊縮財政へ転換したこともあり、のちに井上デフレと呼ばれた深刻な不況に突入することになる。

 1930~1931年の日本の名目成長率ではマイナス10%に近い大きな落ち込みとなっていた。ところが1932年に政権交代があり、再び蔵相として登場した高橋是清が、金輸出禁止と円安放置、低金利政策、拡大財政政策等々、高橋財政と呼ばれる政策を打ち出すことにより、円安・株高を招き、実体経済も急回復した。

 高橋財政がスタートした1932年からは名目成長率はプラスに転じ、1933年から1934年にかけては10%を上回る。実質成長率をみても1930~1931年はほぼ横ばい、1932年は4%台となり、1933年から1934年にかけては8~10%という高い成長率を示した(日銀百年史より)。

 アベノミクスの効果については、今後の景気・物価の動向を確認しなければ何とも言えないが、「衝撃と畏怖」により円安を促進させ、急激な株高を招いたことは確かである。この点は高橋財政と似ている。高橋財政時もあまりに円安が進んでしまい、景気への悪影響も心配されたあたりも似ている。また、高橋財政時は満州事変などもあり、先行き不透明感も強く、期待で株は上がっていたものの、本当に景気が上向くのか疑心暗鬼だったようである。高橋財政がスタートしたのは1931年12月だが、実際に景気が上向いてきたのは1932年の夏頃であった。アベノミクスのスタートは2012年11月であり、時間的にはそろそろその効果が出始めてもおかしくはない。

 ただし、昭和初期にコレキヨ相場は起きたものの、今回はコレキヨのように日本の景気回復を起こさせ、結果としてデフレからの脱却は可能なのであろうか。私自身はアベノミクスと高橋財政と比較すると、いまだ非常に疑心暗鬼なのではあるが。

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by nihonkokusai | 2013-06-06 09:50 | アベノミクス | Comments(0)

円安・株高によるベールが剥がされつつあるアベノミクス

 5月9日のニューヨーク市場では日本時間10日の午前3時前に2009年4月以来となる100円台へ突入した。これにより東京株式市場はさらに上昇ピッチを強め、5月23日に日経平均は16000円に接近した。この日にドル円は103円台をつけ、10年債利回りは1.000%に上昇した。ここがいったん日経平均とドル円、そして長期金利のピークとなった。  

 5月23日に日経平均は1000円以上も下落し、その後も下落基調を続け6月3日の夜間取引で日経平均先物は節目とされた13000円を割り込む場面もあった。3日のニューヨーク市場でドル円は100円をあっさりと割り込み、一時98円台をつけた。

 今回の東京株式市場の大幅下落と、その一因ともなっている円の反発の背景には、FRBの出口が意識されていることがある。欧米の株式市場よりも、日本の株式市場の反応度合いが大きいのは、昨年11月14日のアベノミクス登場から、調整らしい調整もなく、東京株式市場が上昇してきたことで、その反動が出たとの見方も可能になる。

 今回の東京株式市場の下落が一過性のものかどうかは、もう少し様子を見る必要がある。日経平均はアベノミクスのスタート11月14日近辺の8600円近辺を起点として、23日の16000円近くまでの上昇の3分の1押しは13500円ぐらいになるが、ここも割り込んできた。

 半値押しとなれば、日経平均は12300円あたりが目安となる。「半値押しは全値押し」との格言もあるが、さすがに全値押しまでは想像しづらいが、地合が変わることも考えられる。それとともにアベノミクスに対する期待感が後退し、円安・株高で覆い隠されていたアベノミクスの本来の姿が浮き彫りにされる可能性がある。

 アベノミクスはデフレからの脱却を目的として、日銀の異次元緩和による円高調整を促し、円安効果もあり株価も大きく上昇した。これによりアベノミクスへの期待はさらに強まり、国内ばかりでなく海外からも称賛された。ところが、円安・株高というベールがいったん剥がされると、アベノミクスに対する矛盾点が表面化し、その実際の効果がどれほどのものなのかという疑問点が浮き彫りにされる。

 その矛盾点としてまず現れたのが長期金利の上昇である。物価を上昇させると言いながら、長めの金利を押さえつけるという二律背反した政策であるとともに、日銀の大胆な国債買い入れが国債市場の流動性リスクを高めることで、それがむしろ金利上昇を招くような結果となっている。その対策が資金供給オペの期間延長などであれば、これもポートフォリオリバランスへの効果を削ぐことにもなりかねない。

 アベノミクスは昭和初期の高橋財政と比較される。海外ヘッジファンドり一部は「コレキヨ相場」と呼んでいるそうである。たしかに両政策ともに円安・株高をまず招いたことや、日銀の緩和政策、その日銀が国債を大胆に購入する点など共通点も多い。しかし、その政策の効果ということを考えれば、背景に大きな違いがあった。

 高橋財政はその前の井上デフレに対処したものであるが、その鍵となっていたのが金輸出禁止であり、それが円安のきっかけとなった。高橋財政前に緊縮財政を行っていた井上準之助蔵相は、健全な財政とともに、不良債権処理、成長に向けての産業のリストラを進めていた。結果としてそれでデフレが進行してしまったわけだが、それがその後の景気回復の礎となる。高橋是清は慎重ながらも財政拡大策をとり、金の流出防止のための高金利政策から低金利政策に移行した。財政拡大余地も金利の引き下げ余地もあり、その効果が出やすい状況にあった。だから高橋是清の政策は効果を現し、1929年から1931年まで年率1%弱にとどまった実質経済成長率は、高橋財政がスタートした1932年には4.4%、1933年には10.1%へと急回復した。

 ところが、アベノミクスでは二本目の矢として財政政策は打たれるものの、すでに大量の債務を抱えた状況では財政拡大策にも限度があり、財政の悪化は長期金利の上昇を招く恐れもある。このため三本目の矢に期待はかかる。そういえば今日、成長戦略第三弾の発表が予定されている。たしかに安倍政権は成長戦力としていろいろと対策を打っているようだが、決め手に欠けている。今回もさほどインパクトのあるものは出されないとの見方が強い(一応、チェックは必要だが)。ここから日銀の政策に期待しても、いろいろと矛盾を抱えこんでいる上に、すでに出来うる手段は打ってしまったとする日銀には効果的な手段はない。さらに米FRBはすでに出口を意識している状況にある。

 物価は今後、確かに上がるかもしれない。早ければ5月の全国のコアCPIあたりから前年比プラスに転じ、その後、0.5%あたりまで上昇してくるとの見方も強まっている。これは円安による影響も大きく、日銀の異次元緩和以前にある程度予想されていたことでもあった。足下景気も世界的なリスク後退や米国経済の回復等で、順調に回復しているように見えるが、アベノミクスが直接働きかけているようには見えない。

 円安・株高というベールが剥がされたときにアベノミクスの真実の姿が垣間見られる。高橋財政のときのように、政策余地が存分にあるわけではないが、そのなかでも三本目の矢を中心に効果的な政策を見いだして、デフレ脱却というか景気の回復に勤めるべきであろう。そうでなければアベノミクスは円安・株高を誘発させただけの政策となってしまう恐れがある。

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by nihonkokusai | 2013-06-05 09:38 | アベノミクス | Comments(0)

高橋是清がデフレ脱却に成功した要因

 アベノミクスの今後を予測する上でも、その手本ともされた昭和初期の高橋財政を確認する必要がある。今回は高橋財政が何をきっかけにして、デフレから脱することができたのか。そのキーワードに「金解禁」がある。

 1914年に第一次世界大戦が勃発すると、ドイツ、フランスをはじめとするヨーロッパ大陸諸国は相次いで金兌換停止ならびに金輸出禁止を実施した。各国政府とも戦争によって増大した対外支払のために金貨の政府への集中が必要となり、金の輸出を禁止し通貨の金兌換を停止せざるをえなくなった。その結果、金本位制を中断し一時的に管理通貨制度に移行した。米国も1917年9月に金輸出を禁止し、日本も同年9月に金輸出を事実上禁止したことで、事実上、金本位制を停止した。

第一次世界大戦終結後、1919年に米国が金輸出を解禁。さらに1922年のイタリアのジェノアでの国際経済会議において、経済の再建には通貨価値の安定が不可欠であるとし、金を唯一の各国通貨の共通本位と位置づけ、各国の金平価を設定すること等を定めた。これを受けて1924年以降、欧米各国はほとんどが金本位制に復帰した。

 ところが、1928年にフランスが金解禁を行うと主要国でこれを行っていないのは日本だけとなった。日本国内でも1920年頃から金輸出解禁の是非が議論されるようになったものの、第一次大戦後の不況や1923年には関東大震災とその後の1927年の金融恐慌などがあり、金本位制への復帰が遅れた。

 金解禁を行って為替相場を安定させることを望む声が上がり、1929年7月に金輸出解禁の方針を掲げた民政党の浜口雄幸内閣が成立し、蔵相に元日本銀行総裁の井上準之助を起用した。緊縮財政への転換と国民への倹約の呼びかけを行い、1930年1月に旧平価により金輸出を解禁したのである。

 旧平価ということは、明治30年に制定された貨幣法による100円は49ドル82セントとするものだが、金解禁前の日本経済は関東大震災などの影響が残り、円の価値は下落していた。その円相場を意識して金解禁をする新平価の解禁を求める声もあった。ところが、第1次世界大戦を通じて日本は米英に次ぐ第3の強国となっていたこともあり、国際信用を落としたくないとの配慮や、新平価を採用するとなれば、貨幣法を改正する必要があった。また、当時の議会でそれを通すことが難しい状況にあり、旧平価のままで金解禁に踏み切ることになったとされている。

 旧平価に対し円がとくに弱かった時期に金本位制への復帰が発表されたため、物価と輸出が急速に低下し、大量の金が輸出解禁とともに海外に流出し、アメリカから始まった世界恐慌の影響も受けて国際収支は悪化し、日本の景気は急速に悪化し、これによりデフレに陥ったのである。

1931年9月にイギリスが金本位制を離脱し、同年12月には立憲政友会の犬養毅内閣が成立した。蔵相には高橋是清が就任し、直ちに「金輸出が再禁止」された。

 12月13日の金輸出禁止のニュースを受け、これを好感した14日の東京株式取引所は買い物殺到で整理がつかず、15日から17日は休場せざるを得なかった。この株式市場の動向を見る限り、2012年11月のアベノミクス登場時よりも影響力が大きかったように思われる。高橋是清への期待感も大きかったが、金輸出禁止によりムードが一変した。つまり金解禁という楔を取り除くことで、デフレ脱却に向けた円安政策、金融緩和策、財政政策を取る余地が拡がり、景気に直接影響を与える政策が打ち出せたと言える。また、もうひとつ、震災手形に代表される当時の不良債権が井上準之助の政策により整理され、高橋是清による景気刺激策(高橋財政)が経済回復に直接効果を発揮しやすい状況にあった点なども忘れてはならない。

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