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カテゴリ:債券市場( 651 )

7月の国債売買はさほど盛り上がらず

 8月22日に日本証券業協会は7月の公社債投資家別売買高を発表した。公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

7月の公社債投資家別差し引き売買高 注意、マイナスが買い越し、単位・億円
()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別

都市銀行 -975(-865、748、-482)
地方銀行 -5351(-2377、-2446、161)
信託銀行 1237(-559、2950、464)
農林系金融機関 -2048(-1598、76、155)
第二地銀協加盟行 -1678(-800、-520、-20)
信用金庫 -3089(-2382、381、520)
その他金融機関 1842(-388、984、1335)
生保・損保 -3402(-2875、439、382)
投資信託 682(541、218、510)
官公庁共済組合 -175(-47、-3、3)
事業法人 -264(12、-22、2)
その他法人 -73(-37、289、130)
外国人 -16693(1860、-4453、-13200)
個人 432(2、33、6)
その他 11357(10690、3833、731)
債券ディーラー -304(53、487、-763)

 都銀はそれほど金額は大きくはないが買い越しに転じた。6月に大きく売り越していた地銀は買い越しとなっていた。長期ゾーンを買い戻した格好に。海外投資家は中期ゾーンを主体に引き続き大幅買い越しとなった。買い越しは25か月連続となっている。

 国債の投資家別売買高(一覧)での合計の国債売買高でみてみると2016年5月分の国債売買高は162兆1940億円となり、統計のある2004年4月以降最低となっていた。しかし、6月は201兆7760億円とかなり回復していた。6月は英国のEU離脱によりリスク回避の動きを強め、日本国債も買い進まれていたことで売買高が膨れた面もあった可能性もある。そして7月の数字をみると183兆9885億円と6月から減少していた。

 7月に入り米10年債利回りは一時1.3%台をつけ過去最低を更新し、30年国債の利回りも過去最低を更新した。ドイツの10年債利回りもマイナス0.2%台をつけ、スイスの50年債利回りが初のマイナスとなった。この世界的な金利低下の動きもあり、日本の債券市場も連日のように国債は過去最低利回りを更新した。バーナンキ前FRB議長が日銀総裁や安倍首相と会談したことでいわゆるヘリコプターマネー政策への期待も出ていた。日銀の追加緩和期待なども出たことで債券先物は過去最高値を更新するなど買い進まれた。

 しかし、7月29日の日銀金融政策決定会合では「金融政策の強化」としてETFの買入を現行の3.3兆円から6兆円とすることなどを決定。一部期待のあったマイナス金利の深掘りや国債買入の増加などは見送られた。これをきっかけに債券相場は調整局面入りすることとなった。

 7月は債券先物が高値を更新するなどしていたが、全体の現物出来高はそれほど多くはない。相場が調整局面を迎えた8月に特に海外投資家がどのような動きを示し、売買高にどのような影響があったのか。債券の流動性が低下しつつあるのかどうかは、8月の数字を確認する必要もありそうである。

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by nihonkokusai | 2016-08-24 10:14 | 債券市場 | Comments(0)

債券相場の地合の変化

 7月29日の日銀金融政策決定会合を境に債券相場の地合が変わった。すでに超長期債については7月6日に20年債利回りがマイナスとなったところでボトムアウトしており、10年債も7月8日にマイナス0.3%台に乗せたところでボトムアウトしていた。ところが中期ゾーンはその後も低下基調となり、結局7月27日に2年債利回りと5年債利回りがそれぞれマイナス0.370%、5年債がマイナス0.380%をつけてボトムアウトした。

 債券先物も前後場では7月27日の154円ちょうどが高値となった。その日のナイトセッションで154円01銭を付けており、これが過去最高値となった。債券先物はここでピークアウトした。

 7月29日に債券先物は決定会合結果を受けて152円44銭まで急落し、1円20銭安の152円60銭で引けたのである。さらに8月2日の10年国債入札が低調な結果となったことを受けて、債券先物は150円66銭まで下落した。

 これら一連の動きをみると誰が仕掛けていたのかはおおよその見当が付きそうである。日本のいわゆる投資家は20年債の利回りがマイナスとなったことでいったん見切りをつけていたとみられ、そこから超長期債が下落しても積極的な買いは見当たらなかった。

 しかし、日銀の追加緩和への過剰な期待が中期ゾーンと債券先物を押し上げ、それぞれ過去最低利回りと過去最高値を更新することになる。これはつまりこのゾーンを買える投資家、海外投資家による仕掛け的な動きであろう。それともうひとつマイナス金利でも購入できる業者も絡んでいた可能性はある。

 ところが7月29日の日銀の追加緩和は量の拡大やマイナス金利の深掘りはなかった。ましてやヘリコプターマネーは気配すら見せなかった。その上、いままでの緩和策を総括することまで加えたことで海外投資家は日銀の金融政策の先行きが読めなくなったとみられる。いったんポジションを外す動きに出たとみられ、それが中長期債主体の急落に繋がる。価格変動リスクの高まりにより、10年国債入札も絡んで業者も先物や10年債そのものでヘッジを掛けざるを得なくなったのではなかろうか。

 日銀は9月に金融政策のフレームワークを変更するのではとの思惑も出ている。黒田総裁は強気の姿勢は崩しておらず、マイナス金利政策の解除やテーパリングをすぐに行ってくることは考えづらい。しかし、金融政策決定会合の追加緩和時の声明文のタイトルを「金融緩和の強化について」と白川時代のものに戻したことはなぜなのか。日銀はリフレ策から昔のスタイルに戻ろうとしている、そんな思惑も今回の債券相場の下落の背景にあったのかもしれない。

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by nihonkokusai | 2016-08-08 09:37 | 債券市場 | Comments(0)

これまでの日本国債急落の場面

 今回の日本国債の急落が世界の市場を揺るがすなど、久しぶりに日本国債への注目度が高まっている。ここで過去に日本国債が急落したケースをいくつか振り返ってみたい。

ロクイチ国債の暴落

 国債の流動化があまり進んでいなかったころに、国債は一度大きな暴落を経験している。それが、ロクイチ国債と呼ばれた国債の暴落である。1978年は当時とすれば低金利局面であり、4月にそれまで発行された10年国債の最低利率である利率6.1%(通称、ロクイチ国債)の国債が発行された。

 1979年4月以降、本格的な金利上昇局面となり、国債価格は大きく下落。景気拡大や原油価格の上昇により、6月にロクイチ国債の利回りは9%を超えてきた。この国債の下落を受けて、12月には金融機関の保有国債の評価法が、従来の低価法から原価法または低価法の選択性となった。

 1980年に入り、日銀は2月、3月と立て続けに公定歩合を引き上げ、長期金利も大きく上昇し、ロクイチ国債は暴落した。4月にロクイチ国債の利回りが12%台にまで上昇し、金融機関がパニック状況に陥ったのである。その後、米国金利の急激な低下などにより債券市況は急回復したが、ロクイチ国債の暴落は大蔵省(現、財務省)の国債管理政策にも大きな影響を与えたとされる。

プラザ合意に伴う債券先物の急落

 1985年10月に日本初の金融先物である債券先物取引が東証に上場された。この上場直後に債券相場は急落した。その要因は1985年9月22日にニューヨークのプラザホテルで秘密裏に開かれた会議にあった。ドルを引き下げる方向で合意した。プラザ合意である。プラザ合意が発表される前のドル円相場は1ドル242円であった。そして、合意発表後に開いた23日のニュージーランド市場では1ドル234円程度まで円高ドル安が進行したものの、大蔵省と日銀が必死の努力でドルを売り、口先介入などを行っても、そこからなかなか進まなかった。そこで日銀は、10月25日に短期金融市場を操作して第二の公定歩合といわれた短期金利の高め誘導を実施した。短期金利を高くすることで、ドル売り・円買いの動きを誘ったのである。日銀のオペで2か月物の手形レートは0.5625%上昇して7.125%となり、コールレートも上昇した。

 債券先物にとってこれは最悪のタイミングであった。短期金利を無理やり上げたことで、長期金利にも上昇圧力が加わり、債券が売られる展開となったのである。債券先物市場に大量の売り注文が殺到した。そうでなくても債券はスタートしたばかりであり、ご祝儀による大量の買いポジションを抱える証券会社が多かった。売りが売りを呼ぶ展開となり2日間値がつかないという大混乱となったのである。

 1985年10月24日の債券先物は101円63銭で引けていた。25日、26日は値が付かず、ストップ安で張り付いたままとなった。28日にようやく96円63銭で寄り付いたものの、その後も下げて、11月14日に安値89円82銭を付けて、ようやく底入れしたのである。実に12円近い下落であった。

債券バブル崩壊とタテホショック

 5月14日、89回債は10年債でありながら、当時の代表的な短期金利であった公定歩合の2.5%に接近する。日本相互証券の端末には、89回債の売りが、2.555%に約3000億円、2.550%には約2000億円もまとまって並んでいた。ところが、それが一気に買い上げられたのである。これを全部買ったのが「公定歩合が高すぎる」というコメントをした大手証券会社のチーフディーラーともいわれている。

 結局、ここで債券バブルは終焉する。この2.550%が当時の10年債の最低利回りとして記録されることになった。ちなみに債券先物は前日13日につけた119円24銭が当時の高値となる。

 債券バブルの崩壊で金融機関のみならず、事業法人でも大きな損失が発生した。1987年9月2日、タテホ化学工業が債券先物で286億円もの損失を出したことが明らかになった。このニュースで債券相場は暴落(長期金利は急上昇)した。

 いわゆるタテホショックである。9月3日から5日までの3日間で、89回債は1%あまりも上昇した。債券先物市場では、9月2日の終値が104円10銭だった87年12月限が、5日終値が100円30銭になった。

資金運用部ショック

 1998年4月1日に日本銀行法の全文改正を内容とする日本銀行法(新日銀法)が施行された。すでに1月から金融政策決定会合が開始されていた。日銀の金融政策の決め方がこれにより大きく変わったのである。日銀は世界的な金融システム不安の台頭を受けて、1998年9月の金融政策決定会合において3年ぶりとなる金融緩和を決定した。これを受けて長期金利は低下し、初めて1%を割り込んだ。

 1998年7月の小渕政権成立後、次々に経済政策が打ち出され、1998年11月16日に発表された緊急経済対策の財源として12兆円を上回る国債が第三次補正予算にて手当てされた。翌日に米国格付け会社ムーディーズが、初めて「日本国債の格下げ」を発表した。公的部門の債務膨張も格下げの大きな理由とされていた。

 そして1998年の年末に翌年度の国債発行計画が発表された際、旧大蔵省資金運用部の国債引受額が減少し、国債の市中消化額が急増することが明らかにされた。大蔵省資金運用部による国債買い切りオペの中止も発表された。債券市場にとり9月に大きく買われた反動もあるなか、需給悪化につながる複数の悪材料が重なったことで、債券相場は急落した(長期金利は急騰)。

 12月22日に債券先物は1988年8月以来、10年ぶりにストップ安をつけた。1999年度の運用部の国債引き受けシェアーもやはり大きく低下し、それでなくても過去最大規模の国債発行額だけに市中消化は60兆円を超えるものとなった。しかも投資家も0.9%で発行された国債などほとんど食指をみせず、ある程度の利回りが必要との見方も働いたのであろうか。追随的に正式に来年1月からの資金運用部の債券買い切りオペが中止されることが発表され、加えて日銀では50兆円にも及ぶ国債保有は異常との見方を総裁が示したことで、微かな期待の「輪番オペ増額」も否定されるにいたり、先物はついにストップ安をつけた。高値からすでに10円近く下落していた。9月に0.7%を割り込んでいた長期金利は12月30日には2%台に乗せてきた。 これはのちに「運用部ショック」と呼ばれたのである。

VARショック

 2003年5月のりそな銀行に対する資本注入によって、大手銀行は潰さないといった意識が強まり、その結果、株式市場では銀行株などが買われ、海外投資家の買いなどにより、日経平均株価は2003年4月の7607.88円がバブル崩壊後の安値となり底打ちした。米国や中国などの経済成長などを背景に、日本の景気も徐々に回復し始め、その後上昇基調を強めた。

 6月までは債券相場は1日あたりの値幅も限られながらも、じりじりと高値を更新し続け11日に30年債が0.960%、20年債0.745%、そして10年債0.430%とそれぞれ過去最低利回りを記録した。

 この相場上昇過程において、目立ったのが都市銀行の一角や地銀を含めた銀行主体の債券買いであった。銀行などがポジションのリスク管理に使っているバリュー・アット・リスク(VAR)の仕組み上、変動値幅が少ないことでそのリスク許容度がかなり広がりをみせていた。日銀の量的緩和政策に加え、株価の低迷にともなって債券での収益拡大の狙いもあり、必要以上にポジションを積み上げ、異常なほどの超低金利を演出した。

 しかし、これもいわゆる債券バブルに近いものとなり、6月17日日経平均株価が9000円台を回復し、この日実施された20年国債の利率が1%割れのクーポンとなり、大手投資家などが超長期国債の購入を手控えたことをきっかけにして、債券相場が急落したのである。 17日から19日の3日間で先物は、144円76銭から141円80銭に急落した。10年債利回りも0.730%、20年利回りも1.075%にまで利回りが上昇したのである。この暴落はVARショックと呼ばれた。

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by nihonkokusai | 2016-08-05 09:44 | 債券市場 | Comments(0)

国債の流動性がさらに低下

 債券市場関係者が現在最も危惧しているのが債券市場の流動性の低下であろう。20年国債も一時マイナス金利となるなどしており、国債市場における国内投資家の出番はほとんどなくなっている。

 現在の日本の債券市場のメインプレーヤーは海外投資家である。日本の投資家が外債を購入する際に、高いプレミアムを払って円をドルに交換し、その相手方となっている外銀など海外投資家がそのプレミアムの範囲内でマイナス金利でも円債を購入している。

 そしてその外銀などの海外投資家と、日銀トレードと称される売買を行っている業者と日銀が国債の主な取引先となっている。日中の売買も主に業者と海外投資家を中心とした売買が主な物となっている。

 これに対して債券先物は反対売買を前提とした取引であれば、マイナス金利などを意識せずともトレードが可能となる。しかし、その債券先物の板にやや変調の兆しも出てきた。

 1985年にスタートした長期国債先物(債券先物)は日本初の金融先物取引であった。この年に銀行による国債のフルディーリングも開始されたことで、いわゆる債券ディーリングが活発化する。債券先物は海外の金融先物とやや趣が異なり、異常に中心限月に商いが集中する商品となった。その分、流動性が高くたとえばドル円や日経平均先物などと同様にほぼ取引時間中は値が付いて動いている。

 このため、たとえば板が1銭以上空いた状態が1秒以上続くといった場面はあまりこれまで見たことがなかった。しかし、ここにきてそのような場面が債券先物の中心限月の板に出るようになってきたのである。

 現物債は相対取引ということもあり、カレント物と呼ばれる直近に入札されたものでも常に出合いがあるわけではない。しかし、債券先物は取引時間中であれば常に価格が動いていたことで、相場の方向性などをみる羅針盤の役割ともなっていた。しかし、日銀による国債の大量買い入れとマイナス金利導入に伴う国債利回りのマイナス化は、この債券先物の流動性をも低下させつつある。

 債券の流動性の低下はその参加者の厚みがなくなったためであり、このままの状態が続くと市場がいずれ凍り付いてしまう懸念がある。そんなときに債券市場に大きな売り要因が出た際に価格が予想以上に動いてしまう懸念も強まる。

 このように市場の流動性は非常に重要なものである以上、それを枯渇させるような事態に追い込むべきではない。日銀はなるべく早いうちに国債の流動性を維持させるためにも、テーパリングに着手する必要があるのではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2016-07-19 09:43 | 債券市場 | Comments(0)

日銀は緩和策の縮小を検討すべきとの意見の意味

 日銀は7月28、29日に開く金融政策決定会合後に公表する展望レポートで、春闘での賃上げが勢いを欠いたことや英国のEU離脱決定後の円高を受けて物価上昇の勢いは弱まっていることから、2016年度の消費者物価(除く生鮮食品)上昇率の見通しを前年度比0.5%から0%台前半に引き下げる方向で検討するそうである(時事通信)。

 6月30日に発表された5月の全国消費者物価指数は総合で前年比マイナス0.4%、生鮮食料品を除くコア指数で前年比マイナス0.4%、食料及びエネルギーを除くコアコア指数で前年比プラス0.6%となっていた。日銀の物価目標である総合もベンチマークのコア指数も前年比はマイナスの状態であり、物価見通しの引き下げはやむを得ないと思う。これを受けて物価目標の達成時期も4月の展望レポートの「2017年度中」からさらに先送りされる可能性もある。

 英国のEU離脱による影響が意識され、イングランド銀行やECBでは追加緩和観測も出ている。日銀も臨時会合を開いて追加緩和を検討するのではないかとの観測も一部に出ていた。ただし、臨時会合の可能性はなくなり、その代わり7月28、29日の通常の金融政策決定会合で追加緩和を検討するのではないかとの期待も強い。

 ところが日銀の金融政策に関しては面白いアンケート結果があった。QUICK月次調査<債券>によると、日銀は金融政策をどのように運営すべきかという問いに対し、「緩和策を縮小すべき」が40%を占め最も多くなっていたのである。「現状維持」が28%、「さらに緩和政策を強化すべき」が23%となっていたのである。

 これは債券市場関係者によるアンケート結果であるが、べき論として追加緩和でも現状維持でもなく、方向性としては引き締めとも取れる緩和策の縮小を検討すべきとの意見が最も多かったのである。

 この場合の緩和策の縮小というのは、国債買入を減少するいわゆるテーパリング、もしくはマイナス金利政策の撤廃を意味しているものと思われる。

 これは国債で運用しようにも日銀が大量に買い入れていることや、マイナスの利回りで運用出来ないことによるものとか、日銀のマイナス金利政策により銀行の収益が悪化するためではないかとの指摘もあるかもしれない。それについて完全に否定はできないが、それ以上に現在の日銀の金融政策に対しての危機感を市場参加者が抱いているのではないかと思われるのである。

 私も個人的には緩和策を縮小すべきとの意見を持っていたが、これは極めて少数派の意見ではないかと思っていた。ところが今回のアンケート結果を見る限り、少なくとも債券市場参加者の間ではこれが多数派を占めていたのである。

 日銀は大胆な金融緩和策により、マネタリーベースはすでに400兆円を越すまでになっている。ところが目標とする物価はマイナス圏にある。つまりマネタリーベースを増加させてもなかなか物価には働かないということになる。しかし、マネタリーベース増加のための大量の国債買入により国債市場の流動性が後退するなどの副作用も生じている。国債の利回りがマイナスということは異常なまでに国債の価格が上昇しているということでもある。その反動がいずれ起きる懸念もある。

 日銀は2年という短期決戦で物価目標達成を目論むが、それは達成できず、とにかく緩和で突き進む他にないといった70年数前の日本を彷彿とさせるような状況に陥りつつある。現実を直視した上で債券市場の機能回復のためにも、異常な緩和策から脱することも視野に入れる必要があるのではなかろうか。

 もちろんいま日銀がテーパリングを行うこととなれば、かなりのショックが日本の債券市場で起きる懸念がある。しかしそれを先送りすればするほどショックは大きくなるのではとの懸念もある。それが今回りアンケート結果に繋がっていることも考えられる。債券市場参加者による緩和策の縮小を検討すべきとの意見は完全に無視することはできないのではなかろうか。

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by nihonkokusai | 2016-07-10 11:23 | 債券市場 | Comments(0)

国債売買高が低迷、新たなリスクに

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 6月20日に日本証券業協会は5月の公社債投資家別売買高を発表した。公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

5月の公社債投資家別差し引き売買高 注意、マイナスが買い越し、単位・億円
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都市銀行 -3419(-281、-823、-1570)
地方銀行 234(-86、906、-279)
信託銀行 -2415(-1881、1088、-496)
農林系金融機関 2230(2249、187、-150)
第二地銀協加盟行 640(150、220、130)
信用金庫 -1099(67、268、113)
その他金融機関 1374(171、2010、-178)
生保・損保 -2541(-3316、475、625)
投資信託 -131(-466、322、327)
官公庁共済組合 -117(-97、32、175)
事業法人 -135(-2、11、18)
その他法人 -350(101、11、17)
外国人 -16775(1347、-6186、-10933)
個人 342(1、29、7)
その他 13842(1489、941、15154)
債券ディーラー 906(65、309、534)

 都銀はそれほど金額は大きくはないが買い越しに転じた。海外投資家は中期ゾーンを主体に引き続き大幅買い越しとなった。先月と同様に長期債も買い越してはいるが、超長期債は売り越している。

 国債の投資家別売買高(一覧)での合計の国債売買高でみてみると、2016年5月の国債売買高は162兆1940億円となり、統計のある2004年4月以降最低となった。それまでの国債売買高で最も少なかったのは2005年12月の187兆1997億円であった。ちなみに2005年度の国債残存額は527兆円程度であり、今年度は838兆円程度となっている(財務省、国債残高の推移より)。

 この要因としては都銀や生保などによる売買高が大きく減少してきたことがあげられよう。それに対して海外投資家の国債買い付け額に占めるシェアは25%程度あり、存在感を強めている。

 日銀のマイナス金利政策などにより国債利回りは15年を超すゾーンもマイナスになるなどしたことで国内投資家は国債の売買を手控えつつある。現在の国債市場が海外投資家と日銀トレードを行っている日銀と業者だけとなりつつあるという歪な状況に陥っている。このまま国債の売買高が低迷するとなれば、国債取引の厚みがさらに薄くなり、国債の価格変動リスクが今後大きくなる懸念がある。

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by nihonkokusai | 2016-06-22 09:34 | 債券市場 | Comments(0)

ドイツの長期金利がマイナスに

 マイナス長期金利倶楽部にドイツも加入した。6月14日の欧州債券市場では、英国のEU離脱への懸念の強まりからリスク回避の動きをさらに強めた。この結果、ほぼゼロ近くまで低下していたドイツの10年債利回りはゼロを突破し、一時マイナス0.033%まで低下した。ドイツの10年国債利回り、つまり長期金利がマイナスとなったのは初めてである。

 長期金利のマイナス倶楽部の先駆者はスイスである。2015年1月15日のスイス国立銀行がスイスフランの上昇を食い止めるために設定した対ユーロの為替レートの上限を撤廃し、超過準備に適用する金利をマイナス0.25%からマイナス0.75%とするなど利下げを実施したことも影響し、10年債の利回りまでマイナスとなったのである。現在ではスイスの国債は残存20年以上の利回りまでもがマイナスとなっている。

 その後、日銀が今年1月29日の金融政策決定会合でマイナス金利政策を導入したことにより、日本の10年債利回りも低下を続け、2月9日に初めて日本の10年債利回り、つまり長期金利がマイナスとなった。その長期金利は6月15日にマイナス0.195%まで低下した。日本の国債は残存15年あたりまでマイナスとなっている。

 現在、いわゆる長期金利がマイナスとなっているのはスイス、日本、そしてドイツだけとなる。しかし、中央銀行でマイナス金利政策を導入しているのはスイス国立銀行、ECBと日銀の他に、スウェーデンの中央銀行であるリクスバンクとデンマーク中銀、そしてハンガリーの中央銀行であるハンガリー国立銀行がある。

 念のため、スウェーデンとデンマーク、ハンガリーの10年債利回りを確認したところ、この3か国はまだ利回りはプラスとなっている。しかし、デンマークの国債利回りは5年あたりまでマイナスとなるなどしており、マイナス長期金利倶楽部への加盟も時間の問題となるかもしれない。

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by nihonkokusai | 2016-06-16 09:27 | 債券市場 | Comments(0)

債券先物のナイト・セッションの時間延長

 1985年10月に東京証券取引所に上場され、現在では大阪取引所で取引されている長期国債先物取引(債券先物取引)は前場、後場以外にイブニング・セッションがある。ただし、そのイブニング・セッションは時間が延長され、いまは翌朝3時まで取引が行われている。

 2000年9月に東証で債券先物とオプションのイブニング・セッションが開始された。2011年11月21日からはイブニング・セッションの終了時間が18時から23時30分まで延長された。そして2014年3月24日からはイブニング・セッション取引の終了時間は、23時30分から翌日午前3時に変更された。

 イブニング・セッションが午前3時まで行われることにより、LIFFEで上場されていた日本国債先物取引は細った。大阪取引所とLIFFEとの間の相互決済はあったが、当然ながら市場参加者にとってイブニングを使ったほうが使い勝手は良い。このため、LIFFEでの日本の国債先物は上場廃止となった。

 このようにイブニング・セッションは取引時間が延長されてきたことで、深夜というか早朝まで取引が行われ、実質的にはイブニング・セッションというよりもナイト・セッションとなっている。大阪取引所のサイトで確認しても、債券先物のこの時間帯の名称はナイト・セッション(夜間取引)となっている。

 さらに今年の7月19日に予定されている次期デリバティブ売買システム(次期J-GATE)の稼働開始に伴い、このナイト・セッションの時間帯がさらに延長されて翌朝の5時半までとなる。ほとんどモーニング・セッションに近いものとなるが、とにかくもイブニングという名称は実態に合わなくなっていることは確かで、私もいまさらながら今後はナイト・セッションという用語を使いたいと思う。

 ちなみに米国のFOMCは日銀の金融政策決定会合と違って終了時間というか、結果の発表時間があらかじめ決められている。最終日は夏時間で日本時間午前3時15分、冬時間で日本時間午前4時15分に結果が発表される。つまり7月19日以降はこのFOMCの結果発表のタイミングで日本の債券先物を売買できることとなる。

 日銀の金融政策決定会合も終了時間を統一してほしいとの要望がある。いつもより終了時間が遅いだけで妙な思惑が働き相場が乱高下することもある。決定事項の数が会合毎に違うなどの事情はあるかもしれないが、これは是非検討していただきたいと思う。

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by nihonkokusai | 2016-05-30 09:03 | 債券市場 | Comments(0)

異次元緩和で長期金利が上がらぬ不思議

 日銀のいわゆる異次元緩和の目的は2%の物価目標を達成することであるが、その手段として大規模な長期国債の買入れを行うのは、イールドカーブ全体にわたって名目金利に低下圧力を加えるためであると日銀は説明している。

 今年1月に異次元緩和にマイナス金利という新たな装備をセットしたことで長期金利、つまり10年国債の利回りまでもがマイナスとなった。日銀が大量に国債を買い入れで需給をタイトにさせ、日銀が操作可能な足元金利をマイナスにしたのだから当然であろう、と思われるかもしれないが、これは実はおかしい。

 日銀が目指しているのは「思い切った金融緩和によって、デフレマインドを抜本的に転換し、インフレ予想を引き上げること」(23日の中曽副総裁の講演より引用)である。長期金利、つまり日本国債の利回りは株や為替と同様に市場で決定される。ここに市場参加者のマインドが影響していることは多少でも取引をしたことがある人であればおわかりかと思う。長期金利は日銀が強制的に決めているものではない。

 日銀の予想インフレ率を示すために岩田副総裁などはかつて物価連動国債から算出されるBEI(ブレーク・イーブン・インフレ率)などを持ち出していた。この物価連動債の流動性はかなり低く、その価格も一部の参加者のみで決定されるものであり、それが的確に予想インフレ率を示すとは言えないと私は主張してきたが、日銀もさすがに気がついたようで、最近はあまりBEIを持ち出していない。もちろんBEIそのものが低迷しているからという理由かもしれないが。

 そんなBEIなど持ち出さずとも人々というか厚みのある市場参加者の予想インフレ率を示すものがある。それが長期金利である。この長期金利は将来の金利を予想して動いているものでもあり、将来、物価が2%に上がると予想していれば当然、長期金利もその2%目指して上昇しなくてはおかしい。

 日銀が大量に購入するから長期金利が抑えられているも言えなくもないが、長期金利も市場で形成される以上、市場参加者のこのような予想も抑えられているとは言えない。長期金利までもがマイナスに低下しているという事実は、日銀がいくら国債を購入し、マイナス金利を導入しようが、将来物価が2%に向かって上昇するということを市場参加者が疑っているというか、信じていないということを示している。

 ただし、長期金利がかなり無理矢理抑えられている面があることも確かであり、債券市場参加者のマインドに何かしらの変化が生じ、物価が日銀の思惑通りに上がるかもしれないと認識するとなれば、債券市場の流動性が枯渇しつつあることもあり、長期金利が一気に跳ね上がるリスクも存在する。

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by nihonkokusai | 2016-05-25 09:39 | 債券市場 | Comments(0)

海外投資家の存在感増す日本の国債市場

 5月20日に日本証券業協会が発表した4月の公社債投資家別売買高によると、都銀は約4.4兆円の売り越し、外国人は約3.7兆円の買い越しとなった。公社債投資家別売買状況のデータは、全体の数字と短期債の数字となっているため、短期債を除く債券のデータについて全体から短期債を引いた。ここには国債入札で購入した分や日銀の国債買入分は入っていない。

4月の公社債投資家別差し引き売買高 注意、マイナスが買い越し、単位・億円
()内は国債の投資家別売買高の超長期・長期・中期別

都市銀行 43578(6890、5736、31425)
地方銀行 -5931(1160、-4917、-223)
信託銀行 -7342(-2876、740、-3486)
農林系金融機関 7864(3159、3579、-1214)
第二地銀協加盟行 -769(-113、-145、-1214)
信用金庫 1170(1123、282、379)
その他金融機関 -315(-410、-891、1552)
生保・損保 -188(-2433、2625、464)
投資信託 -2517(-411、-226、-143)
官公庁共済組合 -239(58、0、0)
事業法人 -247(58、9、8)
その他法人 -99(480、110、136)
外国人 -36565(328、-9142、-27271)
個人 243(-24、39、5)
その他 -17587(-3659、8167、16559)
債券ディーラー 375(72、-42、397)

 都銀は3月は買い越しとなっていたが、再び売り越しとなり、中期ゾーンを中心に大量に売り越しに転じた。期初ということで益出しの売りとみられる。

 これに対して海外投資家は中期ゾーンを主体に大幅買い越しとなった。長期債も買い越してはいるが、超長期債は売り越している。

 差し引き売買高ではなく買付額で見てみると外国人投資家の存在感が非常に大きくなっていることがわかる。全体に占める海外投資家のシェアは24.3%と四分の一近くとなっている。債券ディーラーの分を除いてみると48%とほぼ半分のシェアを占めていることになる。

 今年1月の日銀によるマイナス金利政策の導入により、債券市場の参加者が限定的になっていることがこれからも伺える。日銀トレードに絡んでの日銀と業者、そしてスワップに絡んでマイナス金利でも購入可能な外銀を中心とする外国人投資家が日本の国債市場の中心となり、メガバンクなどの存在感が薄れつつある。

 海外投資家の比重が大きくなるのは悪い話ではなく、財務省もIR活動などを通じて海外投資家による日本国債の購入を促そうとしていた。しかし、いまのような歪な国債投資家の構図はリスクも孕む。比較的足の速い海外投資家の動向次第では、何かしらのきっかけで流動性が枯渇している債券市場が波乱含みの展開となる懸念もあるためである。

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by nihonkokusai | 2016-05-21 10:20 | 債券市場 | Comments(0)
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