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カテゴリ:投資( 63 )

「リーマン・ショックは台風か地震か」

 昨日、台風18号は東海地方から北に日本列島を縦断し被害をもたらしたが、昨年のリーマン・ショックによる世界的な金融経済への打撃は、自然災害に例えるならば果たして大型台風なのか大型地震なのか。

 今回の台風の進路については、多少予想と違った動きもあったが、それでも予想に近いコースを辿ったといえる。実際の被害は想定できなくとも、この影響に対しての備えをすることはできるし、メディアを通じて動きも把握できる。

 これに対して地震は予測が難しい。せいぜい数十秒前の予想が現在の技術でも限度一杯である。ただし、突如として起きる地震もそれまでにエネルギーが地下に蓄積されていたはずである。その動きが読めないことで、予測を困難にしている。

 このように比較すれば今回のリーマン・ショック後の世界経済への深刻な打撃は、起きる場所や震度が事前に読みづらい巨大地震が起きた際と似通っている。巨大地震はいったん起きてしまえば、同じような規模の被害を発生させるような地震が再度起きる可能性は非常に少なくなる。もちろん余震は残ろうが、これには事前の備えも可能であるし、規模が最初の地震を上回ることは考えづらい。

 したがって、余震には気をつけながらも、地震発生後はいかに迅速な復旧を目指すかである。現在、米国では商業用不動産価格の急落による影響なども懸念されてはいる。しかし、それによる金融機関などへの影響は、たとえ大きくになったとしても、すでに事前の予測されていることであり、対応は可能である。当局も注意は怠っていないとみられ、リーマン・ショック時のような金融システムが混乱するなどの状況が再発することは考えにくい。

 問題は大型地震後の復興の度合いであろう。日本での過去の震災では被害規模の違いもあるが、時代を遡るほど復興に時間もかかっているように思われる半面、年代が遡るにつれ復興の度合いが早くなっているようにも思われる。もちろん完全に復興するためにはそれなりの時間もかかろうが、今回のリーマン・ショック後の復興について、過去の大恐慌時などと同様に長引くと考えることにもむしろリスクがあるのかもしれない。
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by nihonkokusai | 2009-10-09 14:26 | 投資 | Comments(0)

「リーマン・ショックから1年」

 本日でリーマン・ショックからちょうど1年が経過した。1年経過すると当時の記憶もやや薄れかけてきてしまうため、ここで当時の状況を振り返ってみたいと思う。(拙著「金融のことがスラスラわかる本」の原稿より一部抜粋)

 2008年1月18日に証券化商品を保証していたモノラインと呼ばれた金融保証会社が資本調達難から格下げされた。サブプライム・ローン問題の発生後、モノラインそのものの格下げによって、他の証券化商品や米地方債市場などにも混乱が広がった。

 3月14日に証券化商品を大量保有していた投資銀行のベア・スターンズが資本調達の失敗から資金繰りに行き詰まり、FRBの資金支援のもとJPモルガン・チェースに買収された。

 6月に入り米国で金融株に対して空売り規制が強化され、これをきっかけにヘッジファンドが組んでいた米金融株売り、原油先物買いのポジションの撒き戻す動き強まり、NY原油先物価格は7月11日につけた147.27ドルをピークに急落した。

 7月13日には政府系住宅金融公庫が経営危機に陥り、政府の資本注入などで経営再建を図ることになった。

 そして9月15日、証券化商品により大きな損失を抱えていた投資銀行のリーマン・ブラザーズが、資本調達や身売りに失敗し経営不安に陥り破綻した。大規模金融機関が破綻したことで世界の金融市場は極度の不安に陥り、カウンター・パーティーリスクが強まり、各国の中央銀行は大量の資金供給を行ったのである。

 リーマン・ショックにより、巨大金融機関の破綻がもたらす影響を懸念した米政府は金融機関を破綻させない方針に転じ、FRBは9月16日に米国の大手保険会社AIGに対して緊急融資を行うことを表明した。

 金融機関の不良債権と資本不足の問題に対し米国財務省は最大7千億ドルを投入し金融機関の不良債権を買い取る「緊急経済安定化法案」を議会に提出したが、9月29日に下院で否決された。これは金融市場に再び大きなショックを与え、29日のダウ平均株価は終値で777ドル安と史上最大の下げ幅を記録した。

 米議会は10月3日にこの法案を多少修正した上で認めた。財務省は法案が採り得る施策の自由度が高いことを利用し、この資金を不良債権の購入ではなく金融機関への資本注入に充てることにしたのである。

 アメリカのサブ・プライム問題を発端とする金融危機は世界経済を直撃し、異例のスピードで景気が悪化した。アメリカの雇用は2008年全体の非農業雇用者数は258万人減となり、これは第二次世界大戦が終わった1945年に次ぐ水準となった。2008年は年間ベースで先進国が同時に不況に陥ったが、これは第二次世界大戦後初めての事態となったのである。
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by nihonkokusai | 2009-09-15 09:46 | 投資 | Comments(0)

「90円台前半への円高進行」


 先週末のニューヨーク外為市場では、円高ドル安が進行し、ドル円は90円21銭と2月12日以来の水準をつけた。その後、90円70銭近辺までドルは戻したものの、今朝のオセアニア時間では90円19銭をつけた。

 先週末のニューヨーク市場では、ドルは他の通貨に対してほぼ全面安の展開となったが、ドルに対しての信認低下といったものではなく、投資家のリスク選考姿勢の高まりなどがその背景にある。

 さらに銀行間金利であるドルLIBORが過去最低水準となり、米長期金利の低下なども要因となっている。米国の短期金利がゼロに近く、ドルを借りて他通貨の資産に投資するドルキャリートレードなども入っているのではとの観測もある。

 円はドルだけでなく、やや出遅れ感のあったユーロに対しても大幅続伸となり、今朝のオセアニア時間でのユーロ円は131円47銭をつけるなど、ドル安の動きとともに円高の動きも強まり、この円高の動きは輸出関連企業にとってはやや頭の痛い問題ともなりそうである。

 先週末のニューヨーク市場では、原油先物の下落などもあったが、利益確定売りが入ったこともあり、ダウ平均は前日比22.07ドル安の9605.41ドル、ナスダックは同3.12ポイント安の2080.90となった。

 ニューヨーク原油先物も利益確定売りから5日ぶりの下げとなり、前日比2.65ドル安の69.29と70ドル割れに。そして、ドルから金への動きからか、金の先物は一時1013.7ドルまで上昇し、昨年3月の取引時間中の高値1033.9ドルに接近し、引け値では1006.4ドルとなり、こちらは引け値ベースでの史上最高値を更新した。

 米国債券市場では、先週の3年、10年、30年国債の入札が好調な結果となったこともあり、買いが先行し、米10年債利回りは一時3.27%まで低下したが、やはり利益確定売りに押され、前日比+0.01%の3.35%と3日ぶりに価格は反落となった。

 発表された9月のミシガン大学調べの消費者態度指数速報値は市場予想を上回るも、経済指標に対しての反応は鈍くなっていたが、現在の市場ではファンダメンタルズよりも、投資資金の流れの行方に関心が向かっているように思われる。
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by nihonkokusai | 2009-09-14 09:24 | 投資 | Comments(0)

「ビッグが終了」

 ビッグやワイドと聞いて懐かしがるのは、それなりの年代層となってしまったようである。ビッグと呼ばれた貸付信託が、最後まで募集していた中央三井信託銀行が新規募集を停止することで、57年の歴史に幕を閉じることになったと20日の日経新聞が報じた。

 貸付信託は1952年6月にできた貸付信託法に基づいて組成された金融商品である。小口の資金を幅広く集め、基幹産業に資金を供給することを目的に作られた。信託銀行が個人・法人など多数の委託者から集めた資金を、長期貸付などで運用し、そこから生じた収益を元本に応じて分配する仕組み。2年ものや5年ものがあり、金利は金利情勢に応じて半年ごとに変動する。

 1980年台後半のバブル期にその金利が8%台をつけるなどしたことから、ライバルのワイド(利子を複利運用する金融債)とともに人気を集めた。日経新聞によると残高のピークは1993年9月末で57兆4886億円。それが2008年末には9000億円にまで減少していた。これは長期金利の低下などでビッグの金利も低金利となり需要が見込めなくなったことに加え、資金を必要としていた企業は社債などを通じて直接資金を調達する手段が多様化したことで、貸付信託からの調達ニーズが減少したことが大きな要因となった。

 時代の移り変わりとともに金融商品も様変わりする。このように消えて行くものもあれば、あらたに登場してくるものもある。しかし、金融機関の体質そのものはなんら変化していない気がするのは私だけであろうか。
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by nihonkokusai | 2009-08-20 09:18 | 投資 | Comments(0)

「CFTC」

 今朝の日経新聞が伝えているが、米国商品先物取引委員会(CFTC)は原油先物などのデリバティブ取引に対し、投機的な動きに対する規制強化を検討している。原油先物取引に対し、持ち高制限を課すほか、すべての取引参加者の売買実態を把握するために、口座背番号制の導入検討を進めるそうである。しかし、これには大手金融機関などからの反発も予想されている。

 米国商品先物取引委員会(U.S. Commodity Futures Trading Commission)とは、1974年に商品先物取引委員会法にもとづいて設立された米国の先物取引業界の監督をする政府機関である。先物やオプション取引などにおいての、詐欺、市場操作などの不正行為から市場および市場参加者を保護するのが主な役割となっている。米国に拠点を持つ先物取引業者(FCM)はCFTCへの登録が義務づけられ、それを監督し、定期的に資産および顧客取引口座資金などを報告する義務がある。

 私がCFTCという耳慣れない用語を耳にしたのは20年前のちょうどこの初夏の時期であった。当時、日本の市場では債券の店頭オプション取引が始まり、それを行うための条件にシリーズ3と呼ばれる米国の先物・オプション取引の外務員試験資格を持つというものがあった。このシリーズ3を取得するための研修を受けた際に初めて聞いたのがCFTCであった。

 しかし、その後、日本ではCFTCという言葉を耳にする機会はほとんどなくなってしまった。CFTCではデリバティブに対して規制を訴えていたものの、政府や議会はそれに対しあまり耳を貸さなかったことなどが影響していたものと思われる。これについては小説という形式としたことてせやや脚色した部分もあるが、落合信彦氏の「小説サブプライム」にも描かれている。

 子供のしつけについて、親はあまりうるさく言っても反感を買って逆効果になる。かといって野放しにすると、子供が勝手気ままに行動しその結果、大怪我をすることにもなりかねない。サブプライムローンに端を発する今回の金融危機は、店頭におけるデリバティブ取引などをある意味野放しにし、その結果金融機関などが巨額の利益だけを求めて行動に走った結果でもある。この反省はしっかり生かすべきであり、ある程度の規制強化、監督強化は必要になろう。
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by nihonkokusai | 2009-07-09 09:19 | 投資 | Comments(0)

「膠着感強まる株式市場は急騰の前兆か」

 ここにきて日本の株式市場は1万円という大きな節目を前に膠着感が漂う展開が続いている。米国株式市場も同様に膠着相場となっていることによる影響もある。膠着相場はその後、大きな変動を伴うことが多い。今回の場合には、上か下かどちらに動くのか。

 日本の株式市場は動かなくなってはいるが、上値が重いというより底堅さに違和感を感じている人も多いのではないか。輸出や生産の回復などから政府や日銀は、景気の現状判断の上方修正をしている。ただし、雇用の悪化などによる個人消費などへの懸念から、日銀では内需を中心にリスクが大きい点も指摘している。

 米国では5月の雇用統計を受けて利上げ観測が強まったといわれるが、確かに中短期の金利が跳ね上がったとはいえ、本気でFRBの利上げを予測している市場参加者は少なかろう。つまり、市場参加者による今後の景気認識は強気よりも弱気の方が多いことは容易に想像できる。

 相場は美人投票であり、他の人の多くが弱気と見ればそちらに投票する必要がある。しかし、相場参加者の予想の方向性が似通っていた場合には、相場は反対方向に行く場合が多いことも経験上言える。

 株式市場ではどちらかといえば全体としてはショート・ポジションが多く積み上がっている可能性があり、それがむしろ相場を下支えしていた部分もあろう。

 移動平均線などからのテクニカル上も、きっかけ次第で日経平均は上に跳ね上がる可能性を強めている。今回の株式市場の膠着相場は、その後の急反落を予想してのものかと思っていたが、いずれ大きな下げがあるにせよ、その前に株価は大きく跳ね上がる可能性を見ておく必要がありそうである。
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by nihonkokusai | 2009-06-10 10:20 | 投資 | Comments(0)

「見えないリスクと見えてきたリスク」

景気の先行きについては見方は分かれているものの、ここからさらに大きく崩れることも想定しづらくなってきた。特にマインドの変化に注目したい。今回の100年に一度といわれる金融・経済危機を、地震に置き換えれば、すでにリーマン・ショックが本震となり、かなりのマグニチュードで大きな被害が出た。その後は、たとえGMの破産法申請などがあったとしてもで、その余震に過ぎない。もちろんその余震による被害もたいへん大きなものがあろうが、それはある程度想定できるものであるはず。

リーマン・ショックの際には、これまで経験したことのないような世界的規模のショックが走り、それ以降の動きは誰も正確に先を見通せられる状況にはなかった。しかし、これからのリスクはある程度、先が読めてきており、想定外の被害というのは考えづらい。たとえば商業用不動産や欧州の銀行などへのリスクなども指摘されているが、それがリーマン・ショックほどの先の読めない恐怖となることは考えにくい。

人間はたとえそのリスクが大きくてもある程度見えているリスクならば対応できると考えるが、先が見えないリスクは恐怖そのものとなる。その恐怖が薄れただけでも、やはりマインドは大きく変わってきていると見て良いのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2009-05-15 15:37 | 投資 | Comments(0)

「投資から貯蓄への動きが鮮明に」

 金融危機を背景に、個人の資金が株式や投資信託から、預金などの安全資産にシフトしてきていることが鮮明となっている。1月13日の日経新聞が一面で報じていたが、日銀によると個人の定期預金残高(国内銀行)は、2008年11月末に約190兆7000億円と前年同月比5.6%の増加となった。また、ゆうちょ銀行の貯金残高は毎年10兆円規模で減少していたが、2008年12月末の貯金残高は9月末に比べて0.3%増と、四半期ベースでは5年ぶりの増加となった。
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by nihonkokusai | 2009-01-13 10:08 | 投資 | Comments(0)

「外貨準備として保有する外貨建て証券の内訳」

昨日、財務省は外国為替資金特別会計に関する情報開示の一環として、外貨準備として保有する外貨建て証券の内訳を初めて公表した。(http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/gaitameshouken_201110.pdf)>

 これによると、外貨建て証券の残高は、2007年度末時点で92兆4486億円となり、このうち満期別では、1年以下が26.6%、1年超5年以下が46.4%、5年超が27.0%と中期主体にバランスの取れた運用を行なっているようである。

 また、保有外貨証券の国債・非国債の構成割合については、68.2%を国債が占め、残りのの31.8%は国債以外の証券となり、金額別では国債が63兆918億円、国債以外の証券は29兆3568億円に。国債以外の証券の中には米住宅公社が発行した債券などが含まれる。米政府系住宅金融機関(GSE)の連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は危機的な状況に陥り、発行した債券への懸念も一時生じたが、米政府の管理下に置かれ、11月1日にバーナンキFRB議長はGSEの発行する債券の保証を続ける必要があるとの見解を示していた。

 10月末の外貨準備高そのものは、9月末よりも181億6700万ドル少ない9777億2300万ドルとなった。これは10月に入って対ドルでユーロ相場が下落し、ユーロ建てで保有する預金・債券が目減りしたことが要因であった。

 また、「外国為替資金特別会計」(外為特会)で保有する外貨預金と外貨証券による2007年度の運用収入が2006年度を約5800億円上回る4兆2703億円に達したことも発表された(http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/gaitametokkai_201110.pdf)。外貨建て資産は総額約102兆3931億円となり、運用収入のうち過去の為替介入の際に発行した政府短期証券の利払い費などの経費を差し引いた実収入が約3兆6400億円となり、運用利回りも過去最高の4.32%を記録した。海外の金利が上昇局面にあったこと金利収入が増加したとみられ、運用利回りは公表されている2002年度以降で最高額となった。この約3兆6400億円も「霞が関埋蔵金」として政府が認識し、政策経費に活用できるか探ってくる可能性もありそうである。
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by nihonkokusai | 2008-11-11 10:00 | 投資 | Comments(0)

「投資から貯蓄へ」


 世界的な金融危機の影響で、株の時価総額や商品価格、高金利通貨など軒並みピークの半分に落ち込んでいる。欧米の金融機関も公的資金を仰ぐなど危機的状況となり、この金融機関を含め機関投資家に加え、さらに個人投資家もリスク資産を売却し、現金化の動きを強めている。その結果さらに投資商品の価格が下落するなど現金化スパイラルの様相ともなっている。質への逃避や景気後退観測から買われるはずの債券にも投資家による現金化の売りも入ってきている。

 「貯蓄から投資へ」という掛け声もむなしく、国内の個人も今回の金融危機では、よりリスクの高い投資を行なっていた人ほど大きな痛手を受けてしまった。このため投資商品を売却し、その資金は預貯金に向かうなど現在の動きは「投資から貯蓄へ」となっている。10月発行の個人向け国債の発行額が7月から大きく減少したが、初期利子の低下といった要因などもあろうが、資金の受け皿として個人向け国債がそれほど認識されていないようにも思われる。

 「貯蓄から投資へ」の動きは完全に逆回転してしまい、個人投資家は今回の金融危機により、投資リスクを過剰に認識してしまった可能性もある。こつこつと積み上げてきた信用は崩れ出すと速い。その信用を取り戻すにはかなりの時間も必要となりそうである。個人向けの投資商品はなるべく内在するリスクが見えやすくわかりやすいものに絞り、より高い収益性を追求するのではなく、投資の面白さが理解できる商品開発を行なって行く必要がありそうである。
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by nihonkokusai | 2008-10-27 09:54 | 投資 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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