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カテゴリ:投資( 61 )

バブルの様相強めつつある米国株式市場

 ここにきて米国株式市場では、ダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数、S&P500種株価指数がそろって過去最高値を更新している。ダウ平均は2万ドルが節目となっていたが、そこを抜けたこともあり、上昇圧力が強まったようにみえる。


 この米国株式市場の上昇にはいくつか背景がある。そのひとつを象徴するのがゴールドマン・サックスの上場来高値更新であろうか。ゴールドマン・サックスなど金融株の上昇の要因にFRBの利上げ観測がある。イエレン議長は14、15日の議会証言で利上げに前向きの姿勢を示した。


 15日に発表された1月の米消費者物価指数は前月比で0.6%もの上昇となった。前年比では2.5%の上昇、コアCPIは前年比2.3%の上昇となるなど物価も利上げを後押しする要因となる。


 ゴールドマン・サックスの上場来高値更新の要因としては、トランプ政権の閣僚に何人もの人材を送り込んだこともあるのではなかろうか。そのトランプ政権下で金融規制の緩和が進む事への期待や減税などの期待も株価上昇の要因となっている。


 トランプ氏はIT企業とはやや距離を置いているようだが、アップルも上場来高値を更新している。新型iPhoneへの期待やトランプ政権が米企業が国外の資金を国内へ持ち帰る際にかかる税金の引き下げを提案しているとの報道なども材料視されているようだが、米景気の好調さも米国を代表する企業の株価を押し上げているのではなかろうか。


 しかし、絶好調に見える米国株式市場の上昇に対し、利上げがその根拠のひとつとなっているにも関わらず、米長期金利やドルの上昇が鈍いことが気になる。米長期金利は2.5%台に乗せる場面はあっても押し返されている。ドル円も115円近辺に上昇しても押し返されて113円台に下落するなどしている。


 こうなるとほとんど調整らしき調整もなく上昇してきている米株の動きの方が妙に見えてくる。米長期金利やドルの動きを見てそろそろ米株も注意しなければならないとしても、ここでショート(空売り)を仕掛けるのもリスクがある。もうはまだなりで相場上昇が続くことも当然予想される。これはこれで日本のバブル時のような様相にも近いように見えてくる。いずれにしても、ここからの米株の動向は注意してみておく必要がありそうである。



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by nihonkokusai | 2017-02-17 10:00 | 投資 | Comments(0)

個人向け国債と個人向け劣後債の違い

 日経新聞によると、損害保険ジャパン日本興亜は8月にも「劣後債」を個人投資家向けに1千億円発行するそうである。保険会社による個人向け社債は国内で初めてとなる。また、機関投資家向けも含め計2千億円規模を調達し、大型買収など将来の成長投資に振り向けるとか。

 これは日銀のマイナス金利付き量的質的緩和策の効果とも言えるものとなり、企業の投資を促進させていると言えなくもない。個人にしても預貯金金利はさすがにマイナスとはなっていないが、ほとんどゼロに近い。しかし、劣後債となれば金利も比較的高めに設定されると予想され、日経新聞によると利率は年1%程度が予想されているそうである。これは売れ行きは好調となると予想され、瞬間蒸発となるのではなかろうか。

 利率は個人向け国債の最低保証金利の0.05%を大きく上回るものの、注意すべきは同じ個人向けとはいっても個人向け国債と個人向け劣後債とは性格が異なる点となる。

 個人向け国債は1万円単位、今回の劣後債は100万円単位となる。特に気をつけなければいけないのが途中売却の際で、個人向け国債については1年間売却できないが1年経過すると財務省が額面で買い取る仕組みとなっている。これに対して劣後債だけでなく通常の債券を途中売却する際は、発行する証券会社が時価から手数料相当分を差し引いた価格で買い取る仕組みとなっている。個人向け社債などは極めて流動性が低いため、その買い取り価格が安くなり、債券市場の動向次第では思わぬ損失を被る懸念が存在する。また、劣後債は繰り上げ償還があるため、満期まで持てない可能性も意識しておく必要がある。

 少なくとも途中売却の可能性は低く、お金が100万円単位あり、証券会社の担当者を通じて購入が出来そう、という方は今回の劣後債は投資対象としては面白いと思われる。

 しかし、現在の金利水準が極めて異常とみている方とかにはむしろ個人向け国債をお薦めしたい。もちろん銀行預金に置いておくという選択肢もあるが、将来の金利上昇に備えるというのであれば、個人向け国債の10年変動タイプがお薦めである。長期金利がもし上昇に転じるとそれに応じて利率が動くのが個人向け国債の10年変動タイプとなるためである。

 この個人向け国債の販売額が伸びているそうである。NHKはニュースで今月発行分の個人向け国債の応募額が去年の同じ月の1.5倍になったと報じている。6月募集分は3105億円と前月の2104億円から増加した。ボーナス月でもあったことで増えた面もあったかもしれないが、個人向け国債特有ともいえる最低保証利率の0.05%が効いており、また流動性リスクと価格変動リスクもない面が多少でも認識されつつあるのではなかろうかと思われる。

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by nihonkokusai | 2016-07-08 09:56 | 投資 | Comments(0)

ポートフォリオ・リバランスの意味

 日銀による大胆な金融緩和の波及経路のひとつにポートフォリオ・リバランスというものがある。日銀が安全資産とされる国債を大量に買い占め、国債の利回りを徹底的に引き下げることにより、資金運用を行っている投資家に対し、貸し出しや国債以外の金融資産に資金を振り向けさせようとするものである。

 20日の日経新聞の記事によると、ゆうちょ銀行が今後5年程度で国内外の不動産や未公開企業などの代替投資、いわゆるオルタナティブ投資に最大6兆円振り向けるそうである。

 アベノミクスには日銀の異次元緩和だけでなく、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成の見直しなども加わっていた。安全資産としての国債運用主体とするのではなく、国債よりも安全性は低いものの収益性は高いとされる資産、たとえば株式や外債などに資金を振り向けさせようとしたものである。株価対策の一環でもあったようである。

 日銀はマイナス金利政策にまで追い込まれたことで、国債の利回りはすでに残存15年あたりまでもがマイナスとなってしまっている。これでは年金運用もゆうちょの運用も国債ではできない状態にある。結果とすればGPIFの動きは先を読んでいたとの見方もできるかもしれないが、リスクを大きく抱えたことに変わりはない。アベノミクスと騒ぎ立てられ、GPIFの資産構成の見直も影響し、円安・株高が進んでいた際にはリスクよりもリターンが意識されよう。しかし、それが逆回転となるとリスクが顕在化する。

 年金などの運用はある程度の損失は覚悟の上で、資産を大きく増やすことが本来の目的ではないはずである。少なくとも元金は維持させることは大きな前提条件となるのではなかろうか。

 資産の運用先を分散させればリスクも分散させられるというのも一概には言えない。現実的には資産の配分方法によってはリスクを高めるようなことにもなりかねない。金融商品も多種多様となってはいるが、巨額の資金を運用するとなればやはりマーケットは限られることも確かである。

 オルタナティブ投資を含めて運用の多様化については、ある程度の必要性は認めるものの、年金にしろゆうちょ銀行にしろ、ヘッジファンドなどの運用とはまったく異なるものであろう。たとえばヘッジファンドへの投資資金については大きな儲けを期待する反面、元本が半分以下となっても文句は言えない。それに資金を投ずる者はその運用リスクを当然理解して資金を出していると思われるためである。

 ところが年金にしろ、郵便貯金にしろ資金を払い込んだ人たちには、大きなリスクを負っての運用は本来望んではいないはずである。少なくとも元金が目減りするようなことは考えてはいないのではなかろうか。だからこそ、これまでは年金もゆうちょ銀行も国債を主体とした運用をしてきた。現在の国債利回りでは運用できないということも確かではあるが、だからといって資金の出し手に、どの程度までリスクを享受できるのかといったことは問われていないのではなかろうか

 金融リテラシーの向上が図られていない以上、年金などの資金の出し手である国民にこのようなことを説明し理解してもらうことは難しいとの理由もあるかもしれない。金融リテラシーとはそもそも何であるのか。私が金融リテラシーをどの程度理解しているのかはわからない。しかし、長いこと金融市場の世界で生きてきて経験だけは積んでいる。そこで一定額の収益を継続してあげることの難しさはしみじみと感じている。資産の運用は機械的にできるものではなく、本来はかなり職人芸に近いものである。金融の世界でも腕の良い職人は確かに存在する。しかし、それがほんの一握りでしかないことも知っている。

 安全資産の国債利回りがこのような状況になっているのは、資金の行き先が封じられてしまっているためともいえる。安定した資産運用のためには、日銀の意地元緩和はそろそろ終了してもらい、国債利回りを正常な水準に戻した上で、多少なりのリスク資産への投資も考慮すべきなのではないかと思う。

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by nihonkokusai | 2016-06-21 09:34 | 投資 | Comments(0)

ギリシャの次に気になるイベント

 ギリシャのデフォルトやユーロ離脱の懸念は後退し、市場はあらたな材料を模索しつつある。なかでもFRBの利上げのタイミングなどが次の焦点となりそうだが、ほかにも今後注意すべきイベントがいくつかある。

 FRBの正常化(利上げ)のタイミングについては7月28、29日のFOMCの動向も確認したいが、可能性とすれば議長会見の予定されている9月か12月のFOMCでの決定が予想される。9月か12月かについては市場参加者の見方も分かれている。個人的には前任のバーナンキ議長のテーパリング決定の事例にならい12月のFOMCでの決定の可能性が高いとみている。その後の利上げのペースはそれほど急がないであろう。ここにきて再び原油価格が下落するなど、物価の上昇圧力が抑制されていることもあり、半年の一度程度の利上げペースとなるのではなかろうか。もちろん経済情勢次第の面はあるが。

 FRBと時を合わせて、イングランド銀行も正常化に向けた動きを再び始めている。イングランド銀行のカーニー総裁は7月14日に経済の状況を踏まえると利上げを開始する時期が近づいていると言明した。16日には利上げ時期の決定が早ければ年末ごろになると示唆している。金融政策委員会のマイルズ委員も利上げの時期は近いと語っている。MPCは来年から年8回の開催となる予定だが、今年は毎月開催されている。年末までに利上げを決定してくる可能性は高そうである。

 年内のFOMC、MPCでの利上げの可能性は高く、その後もペースは緩やかながら利上げが継続されるとみている。これに対してECBは2016年の9月まで量的緩和を継続するとしている。日銀も出口すら議論できない状況にあり、IMFからは追加緩和の準備を要請されているぐらいである。ただし、ギリシャへの懸念が後退すればECBが国債を大きく買い入れる必要性も薄れてくる。日本も異常な金融緩和を続けなければいけない状況にあるとも思えず、今後はこの矛盾とともに、FRBとBOE・日銀とECBの方向性の違いが外為市場や債券市場を通じて市場を錯乱する要因ともなりうる。

 そして、ここにきて再び下落基調になりつつある原油価格の動向にも注意が必要になる。米国の生産は減らず、OPECは原油を増産し、中国の需要への不安などが要因となって、WTIは50ドルを再び割り込み、低下圧力を強めつつある。これは物価の上昇の抑制要因となるが、日銀にとっては物価目標達成を難しくさせかねない。日銀は政策目標なり、物価目標なりを修正させる必要も出てくるのではなかろうか。

 原油価格下落の要因ともなっている中国経済の減速も要注意となる。中国ばかりでなく、ブラジルやロシアなど新興国の景気の低迷が、あらたな不安要因となる懸念もある。

 安倍政権の行方についても懸念材料となってきた。安保法案を巡って内閣支持率が低下してきており、株高だけでは支持率を支えられなくなっている。今年9月には自民党総裁選を控え、さらに2016年7月の参院選の動向も注目される。国内では政局の行方も波乱要因となる可能性が出てきている。

 政局と絡み、2017年4月の消費増税の行方も気掛かり。そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、国内景気への影響とともに、財政への影響も懸念される可能性がある。戦後、日本で初めて国債を発行せざるを得なくなったのは1964年の東京オリンピック開催が大きな要因となっていた。

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by nihonkokusai | 2015-07-26 11:04 | 投資 | Comments(0)

デイトレードは順張りか逆張りか

 デイトレードでは順張りが良いのか、逆張りが良いのか。最近のデイトレーダーは逆張り派が多いとの話を聞いて再び疑問が沸いてきた。

 市場の流動性を確保するためには、デイトレーダーを含めた、個人からヘッジファンドなどのプロなどの投機家の存在は必要不可欠だと思っている。ときとして相場の攪乱要因ともなり、HFTと呼ばれる超高速取引も流動性確保のためには必要悪だと思っている。

 私がデイトレードに携わっていたのは1986年から2000年あたりの債券市場においてであった。プロのデイトレーダーと自称したが、トレードの利益で生活していたわけではなく、会社の資金を利用して債券市場で日計り商い(いわゆるデイトレード)を中心に売買して、会社の債券売買損益に影響を与えていたサラリーマンであった。年間ベースでは当初の1986年10月から1987年3月末の1986年度で損失を出したが、1987年度からはすべて売買益を計上していた。ただし、年間何十億もの利益を出していたわけではなく、そこそこ稼ぐことができたディーラーであり、だからこそ14年間も続けられたのだと思う。

 デイトレードから足を洗って10年以上も経過し、その間、個人による株やFXのデイトレードが盛況になるのも見てきた。コンピュータの進歩とともに、私の時代ではディーリングルームにいる市場関係者しか知り得なかったような価格を含めた情報も個人は得ることができる時代となった。HFTなど新手の取引も生まれ、たしか時代は大きく変わった。

 しかし、相場である限りその本質には変化はないはずである。私の時代の相場の教科書といえば、江戸時代から伝わる酒田五法であったぐらいである。現在の金融先物の仕組みはすでに江戸時代の堂島にあり、やはりデイトレーダーも存在していたのである。

 現在の相場でもその手法はそれほど大きく変化しているとは思えない。そのなかで順張りより逆張りが多いとの指摘には、やや違和感を覚える。これは自分の経験から、よほどの天才型のディーラーでない限り、逆張り型はいずれ大きな損失を発生し自滅する可能性が高いとの結論に達していたためである。順張り型は確率は低いものの大きな流れが出たときに乗って利益を出し、その利益をなるべく確保すれば、とにかく大きな損失が発生する懸念は少なくなる。

 ただし、何のトレードかによって多少の違いもあるかもしれない。株なのか為替なのか債券なのか。いまの債券相場で順張りで稼ごうとしてもかなり無理はある。反対に現在の原油先物などの動きでは、逆張り派は目も当てられない状況ともなることになる。

 逆張り派が多くなったということは、それだけ天才型のディーラー、つまり節目などでの勢いの変化をうまく利用できるディーラーが増えてきたということなのか。それとも私の時代にも多くいたが、初心者が陥りやすい逆張りを行っているディーラーが多いというのであろうか。

 私は逆張りやナンピンはディーラー時代には御法度としていた。それが生き残る術だとも思っていた。もしかすると、もうそんな時代ではないのだよ、と言われるかもしれない。それでは、いまの逆張り手法とはどんなもので、それによりマーケットサバイバルは可能なのか、このあたりたいへん興味がある。

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by nihonkokusai | 2014-12-15 09:39 | 投資 | Comments(0)

ディーリングにおける逆張りの難しさ

 「これまで逆張りが目立った「ミセス・ワタナベ」は、ドル先高観を背景に直近では押し目買いで存在感を見せるようになっている。利益確定のドル売りを進める海外勢との対決も注目される」とのロイターの記事があった。

 そもそも「ミセス・ワタナベ」が何者であるのかが良くわからない。FXなどの取引をしている日本人の投資家というか投機家というべきか、その女性たちを総称してのものなのか。それとも日本人の個人投資家の総称なのかも良くわからない。

 それはさておき、私は1986年から2000年あたりまで債券ディーラーという仕事をしていた。ただし、大きな資金の運用を行っているのではなく、会社の資金を使ってのいわばミセスワタナベのような仕事をしていた。数十億単位で債券先物や現物債の売買を日計り、つまりデイトレード主体に行っていた。ポジションを持つのはせいぜい翌日まで。主に日中の値動きで値ざやを取る仕事であった。いわば債券版の会社の資金を使ってのミスター・ワタナベみたいな存在であった。

 1985年に銀行の国債のフルディーリング、つまり持っている国債を使っての売買が可能となり、この年には国債のヘッジを目的とした債券先物も東証に上場された。先物は少ない資金で大きな取引が可能となり、売りからも買いからも入れる。ここで債券のディーリング環境が整った。為替市場では1985年のプラザ合意後の大きな変動もあり、こちらも市場が揺れ動き、債券市場も私のようなディーラーが一斉に出てきたのである。私は1986年10月から債券ディーラーとなった。

 当時の日本の債券の値動きは、ここにきてのドル円の値動き以上のものであった。また、大手証券や銀行などが数百億から数千億円単位で動かすこともあるなど、規模も非常に大きくなり、腕さえあれば儲けられるチャンスがあったのである。

 そのなかで私は14年間、ディーラーを続けてきたのだが、特に上手なディーラーだったわけではない。年間数億円も稼ぐディーラーではなかったが、少なくとも年間での売買損を発生させたことはなかった。そこそこ稼いで生きながらえていたのだが、それをもとに書いた本が「マーケット・サバイバル」であった。

 マーケット・サバイバルにも書いたが、デイトレードのような短期勝負のディーリングで、よほど相場観に自信がある、いわば天才型のディーラーでない限り「逆張り」はリスクが高い。流れにうまく乗って飛び降りる順張り型のほうが儲けやすい。相場の流れの変化を瞬時に見分けることはかなり難しい。トレンドが変化したかどうかを見分けるのにも経験ばかりでなく、感性も求められる。さらに損切りも早くできるなど、思い切りの良さも必要となる。

 そのようななかでの逆張りという手法は、普通のディーラーであれば、損失を拡大させるだけとなる。自分の相場観に頼るばかりに損切りが遅れ、相場の変化に対して自分のポジションによってバイアスが掛かり、流れに乗れず、適切な判断ができなくなる。

 これに対して順張りは、いったん大きな動きを始めたと感じたときに、多少遅くても乗っかり、ある程度の利益が乗ったところで降りればよい。底値で買って天井で売るなんて芸当は天才ディーラーでも難しい。順張りで儲けた利益を、もみ合相場などで失わないように、小動きのときは自制し、自分にあった流れがくるのを待つ。そんなディーラーであれば大儲けは無理でも、大きな損失も出さずにサバイバルが可能となる。

 ミセス・ワタナベはいったいどのようなディーラーなのかはわからない。しかし、本当に儲けられるディーラーは債券であろうが、株であろうが、為替であろうが、ほんのひと握りである。プロ野球選手でも年収が億円単位であるのはひと握りの選手であろう。多くのミセスワタナベが生き残りをはかるのであれば、逆張りより順張りのほうが生き残る可能性は高いのではないかと思う。

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by nihonkokusai | 2014-09-28 14:44 | 投資 | Comments(0)

翻弄されやすい相場に

 1月29日の東京株式市場で日経平均は400円を超す上昇となったが、30日の東京株式市場は今度は500円を超す下げとなった。いったい何が起きているのであろうか。

 現地時間の28日にトルコ中央銀行が利上げを決定したことをきっかけに、リスクオフの動きが反転し、売られていた新興国通貨が買い戻され、買われていた円も下落し、東京株式市場も急反発した。

 ところが、トルコ中銀の利上げだけでは新興国の通貨売りの流れは収まらなかった。29日には南アフリカの中央銀行が自国からの資金流出を防ぐ目的で、政策金利を5%から5.5%への引き上げを決定した。利上げは2008年6月以来、5年7か月ぶりとなったが、それでも通貨安に歯止めが掛かったのは一時的であり、再びトルコ・リラや南アフリカのランドは下落した。中央銀行による利上げだけでは通貨の下支えとはならず、むしろ金融引き締めで景気が減速するのではないかという懸念も強まった。

 28日~29日のFOMCでは予想通りに量的緩和策による証券購入額を100億ドル減らし、月650億ドルにすることを全員一致で決定した。一時的に雇用が悪化しようが、新興国の通貨が下落してリスクオフの動きが強まろうが、あまり目先のことにはとらわれず、淡々と異例の量的緩和を縮小させていく姿勢を見せた。ただし、FOMC後の声明で、特に最近の新興国通貨の動揺に言及しなかったこともあり、これはむしろリスクオフの動きを強めさせる要因となったようである。

 ここにきて大きな動きを見せている米国のダウ平均や日経平均、ドル円などの動きをみると今年初めから新たな動きが出ていることは確かである。この要因として新興国の通貨下落なども当然あるかもしれないが、むしろ昨年末までの円安株高といった動きの反動が出ている可能性がある。

 新興国の通貨下落による影響はまったく無視できるものではないが、経済規模などを考えると、トルコや南アフリカ、アルゼンチンなどの経済が大きく悪化したとしても、ユーロというシステムの崩壊も意識されたギリシャ・ショックに比べるとさほど大きくはない。

 1997年~1998年のアジアやロシアの通貨危機のような危機が発生する可能性もないとはいえないが、現状はそれほどリスクが高いようには見えない。ただし、1997年~1998年の通貨危機の際には、ジョージ・ソロスのクオンタム・ファンドなどのヘッジファンドによりタイ・バーツなどの通貨が狙い撃ちにされており、今回の新興国通貨の下落も、同様の仕掛が入っていた可能性もある。

 ダウ平均や日経平均の現在の日足チャートを見ても、買いよりも売り崩すほうが、スピードが乗りやすいように見える。新興国の通貨の動向も注意すべきではあるが、それに日経平均なども翻弄されやすい状況にあることにも注意が必要となる。

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by nihonkokusai | 2014-01-31 12:02 | 投資 | Comments(0)

1990年の日本のバブル崩壊時と似た米国市場

 過去に得たデータを用いて将来の価格変動を適格に予測することは、マイクロ秒とかの世界はさておき、少なくともある程度のタームの相場の世界ではありえない。ただし、似たようなパターンは十分ありうる。それを掴めるかどうかは、デジタルの世界というよりアナログの世界かと思われる。いわゆる経験に基づいた勘が働くかどうかが、相場の世界では重要である。

 昨年の米株の動きを見て、1989年の日本の株式市場の動きを連想していた人もいたのではなかろうか。米国のダウ平均やS&P500種は過去最高値を更新し続け、年末は過去最高値で終えていた。1989年の東京株式市場も同様であった。

 1989年の東京株式市場は上昇を続け、日経平均はその年の大納会の大引けで38915円を付けた。結局、これが最高値として現在まで記録されることになる。ところが年が明け、1990年に入ると状況は一変する。年初から債券安・株式安・円安のトリプル安でのスタートとなった。米国での金融緩和期待の後退、ソ連情勢の悪化、日銀による公定歩合の再引き上げ観測などが要因とされたが、いわゆるバブル相場の終焉であった。

 2014年の米国市場は1月2日にスタートしたが、この日のダウ平均は135ドル安となり、S&P500種株価指数も16ポイント安と大幅下落となった。S&P500種の年初の下落は2008年以来となるそうであるが、この年にはリーマン・ショックが世界を襲っている。

 昨年の米国株式市場の上昇については、1989年の東京市場の熱狂ぶりに比べると決してバブルとは言いづらい。しかし、過去最高値を更新し続けるほど米国経済が活況かと言えばそのようなことはなく、ある意味、違和感のある上げ方でもあった。もちろんその背景には、長らく続いた世界的な金融経済ショックから、世界経済がやっと立ち直りかけたことがある。しかしそれ以上に、その金融ショックに対応するため、日米欧の中央銀行が積極的に金融緩和を実施し、資金が大量に供給されていたことが大きな要因とも言えた。

 1989年5月に加熱する景気に対処するため、日銀は公定歩合を3.25%に引き上げた。さらに10月には3.75%に、12月には4.25%と引き上げ、完全に金融引締策へと転向した。公定歩合の度重なる引き上げによる短期金利の上昇で、長短金利が逆転してしまい、債券相場はすでに総じて伸び悩みの状態となっていた。そのような状況下、債券市場関係者には株式市場の高騰ぶりに違和感を覚えていた人も多かったと思う。私もそんな一人であった。

 2013年12月のFOMCでは量的緩和政策の縮小、いわゆるテーパリングの開始を9対1の賛成多数で決定した。実質的なゼロ金利政策は継続されるが、非伝統的な政策から脱することになり、これは金融緩和政策からの転換も意味している。1989年の日銀ほど大胆に方向転換をしたわけではないが、FRBが方向を転じつつあることは確かである。

 いわゆる資産バブルは大胆な金融緩和がきっかけとなるケースが多い。1989年までの日本のバブルも円高対応と称しての積極的な金融緩和策が影響していた面が大きかった。繰り返しになるが、2013年の米国株式市場の背景も積極的な金融緩和策が影響していたことは確かである。その積極的な金融緩和政策が昨年、変化を見せていたのである。

 2013年の米国の株価指数の過去最高値更新とここにきての調整局面については、注意を払う必要がある。米国の長期金利は1989年の日本の長期金利同様にすでに上昇しつつある。米国のバブル崩壊ということまでは考えづらいが、2014年の世界市場に大きな影響を与えかねない米国市場はかなりの動揺を見せる懸念がある。このあたり、新FRB議長に承認されたイエレン氏の腕の見せ所となるのかもしれないが、FRB議長に頼ってしまうことそのものがリスクの温床となりうることにも注意が必要である。

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by nihonkokusai | 2014-01-08 09:11 | 投資 | Comments(0)

騙されないための個人向け債券の基礎知識

 先日の日経新聞によると、東京都新宿区の82歳の男性医師が架空の社債購入を持ちかけられ、現金9360万円をだまし取られていたそうである。2011年4月に男性宅に「株式会社アドバンスエレメント」という架空会社の社債販売の案内パンフレットが届き、その後、関連会社の社員を名乗る男から「その社債は新宿区の個人しか買えない。1千万円で購入すれば1500万円で買い取る人がいる」と持ちかけられたそうである。また、以前には東京都江戸川区の17歳の男子高校生が、架空の社債購入を持ち掛けるなどして2千万円をだまし取るという詐欺事件も発生したが、こにきて未公開株などとともに個人向けの社債を巡る詐欺事件が結構発生している。

 ふたつの事件とも騙されたのは高齢者であり、オレオレ詐欺の社債版のようなものではあるが、特に後者の事件は高校生が犯人であったのに驚かされた。高校生が「社債」という存在そのものを知っていたのかと関心してしまったが、もちろん関心している場合ではない。

 私も一度、「病院債」を買わないかとの電話セールスを受けたことがある。さすがにすぐに危ないと思い電話を切ってしまったが、勉強のため(?)話ぐらい聞いておけば良かったとあとから反省した。このような文章を書くにも良い事例となったはず。この件についてはそういうわけで、具体的な詐欺の方法はわからないが、これは国民生活センターのサイトによると、勧誘時に「医療機関債」のほか「病院債」、「医療債」、「病院への投資」などという言葉が用いられている詐欺のようである。「医療機関債は国債と同じで、元本割れすることのない安全な商品である」「人工透析ができる医療機関にお金を出せば、高い利息が付く」などと、預貯金や国債と同じであるといった、事実と異なる説明や、高利率であることだけを強調するなどの問題勧誘が見受けられるそうである(国民生活センター、http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20110825_1.html)。

 このような詐欺被害を未然に防ぐには、少なくとも勝手に送られたパンフレットや、見ず知らずの人からの電話セールスについては詐欺であると思っていた方が良い。

 たしかに一般の人が債券を購入するというのは、それほどポピュラーではない。個人向け国債あたりであれば、テレビなどでも宣伝しており、それなりに認知度が高いかもしれないが、それでも購入経験のある人はそれほど多くはないと思われる。このため今回はこのような詐欺に遭わないためにも、債券について基礎的なものを知ってもらおうと、まとめてみた。

 債券は株式などと同様の有価証券である。株と違うところは、満期がありその間、半年ごとに利子が支払われ、額面金額が償還時に戻ってくるというものである。有価証券なので途中で売却もできるが、それには買い手が必要になる。また預貯金と違うところは、お金を銀行に貸すというか預けるのではなく、証券を買うことで買い付けの価格があり、購入金額と償還金額はかならずしも一致しない。利子については比較的預貯金よりも高めに設定されている。

 債券の中で最も多く発行されているのが国債である。国債には個人向けの国債があり、そのうち個人向け国債(復興国債)は財務省が一定期間過ぎれば買い取ってくれるため流動性リスクや価格変動リスクがない。3年固定、5年固定、10年変動の3タイプある。また、個人向けには新窓販国債という国債もあるが、こちらは利率は個人向け国債よりも高いが、途中売却の際には金融機関を通じ市場で売却し換金するため、価格変動リスクがある点に注意が必要となる。

 地方公共団体が当該地域に居住している個人や営業拠点等がある法人などを対象に発行する債券が、個人向け地方債で、正式には住民参加型市場公募地方債であるが、ミニ公募地方債とも呼ばれている。こちらは国債より比較的利子も高いことや地域貢献も意識されてか人気が高い。ミニ公募地方債については総務省や自治体のサイトを参照してほしい。ただし、地域貢献などと称するミニ公募地方債らしき詐欺まがいの債券もあるため要注意。私も電話勧誘で勧められた病院債(医療機関債)も電話ではそのそのようなうたい文句であった。

 個人向け社債については、とにかく自分が知っている会社の債券であることがまず重要。見ず知らずの会社の社債投資は避けるべきか。もちろん格付け等を確認することも大事だが、国債と同様に安全などとアピールされていたとすればちょっと疑った方が良い。国債並に安全な社債は余程名のしれた大手企業が発行するようなものに限られる。また名の知れた大手企業だから絶対安全というわけでもないところにも注意は必要か。

 社債の中でも銀行の発行する個人向け劣後債については、どちらかといえば富裕層向けのものであり、しっかり証券会社などで説明を聞くことをお勧めする。もちろん他の個人向け債券もしっかりした証券会社で購入するものであれば、詐欺まがいのものはないはずである。劣後債については今回説明は省略する。

 個人向け外貨建て債券、たとえばブラジル、トルコ、ロシア、オーストラリアなどの通貨建ての債券については、高利回りで発行体が国際機関などなので格付けが高く人気となっているものもある。発行体の高格付けが必要条件だが、たぶんこれは満たされているはず。そして利率についても単純に日本の債券より高いからと納得するのではなく、現地の利率などもチェックして比較も必要となる。高利回りはそれだけリスクが高いとみておくことも大事である。そして問題は為替リスクであり、その通貨の動向をほとんどチェックできないような人は手を出すべきでない。まして円安・円高とは何か、そもそも為替は何で動くのかを理解してから望むべきである。私も90歳近い叔父に円高とは何だと聞かれたことがある。どうやら海外通貨建て商品に手を出してしまったようだが、知識なしにお金を投じるべきではない。高利率に惑わされず、その対象通貨が、今後余程のことがない限り下落はないとの自信があるのであれば、購入すべきものである。

 個人向けの仕組み債については、一般の社債に比べ、高格付け・高利回りであることが多く、大変魅力的に見える。この仕組み債は何かしらの条件付きで利子が高めに設定されているものである。しかし、極端に有利な金融商品というものはない。仕組み債がなぜ高格付け・高利回りを達成できるかというと、仕組み債に組み込まれたデリバティブにある。そのリスクを完全に理解することは個人には難しい上に、大きな損失を被る危険性があり、それを理解した上であるならば良いが、良くわからなければ手を出すべきではない。

 そしてこれは個人向け国債以外の個人向けの債券に言えることだが、途中売却には注意すべきである。債券なので途中売却は可能だが、売却した時の市場環境次第では買った値段よりも低い値段でしか売れないということも多々ある。販売した証券会社等で買い取ってくれるが、流動性のない小口の債券であるため証券会社の買い取る価格は低くなり、そこには手数料相当分も含まれる。個人向け債券は満期まで持つことが大前提となる。

 また、個人向けの債券はいつでも買えるわけではない。人気のある社債は一瞬で売切れてしまうこともあり、日ごろから情報を仕入れておくことが重要となる。個人向け国債については財務省のサイトで、ミニ公募地方債については総務省や自治体のサイトを参照。個人向け社債や外貨建て債券は各証券会社のサイトや窓口で確認する必要がある。

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by nihonkokusai | 2012-10-28 12:07 | 投資 | Comments(0)

マーケット・サバイバル術、確証バイアスを利用せよ

 以前に「マーケット・サバイバル」という本で以下のようなことを書いた(現在、「マーケット・サバイバル」の内容は同じパン・ローリング社の「日本国債先物入門 [改訂版] (現代の錬金術師シリーズ)」に収められている)。

 「相場に臨むにあたって、ポジションを持っている状態と持っていない状態でも相場に対する見方が異なることも注意しなければならない。いったんポジションを持つと自分のポジションを正当化する情報ばかりに目がいくようになってしまいがちである。これでは普段の冷静な見方ができなくなる恐れがある。」

 これは自分のディーラー時代の経験を元に書いたものであったが、このような現象は社会心理学や認知心理学で「確証バイアス」と呼ばれることをあとから知った。確証バイアスとは自分が聞きたくない情報を無視もしくは軽視し、自分の先入観を裏付ける情報を重要視してしまう現象を指す。確証バイアスによって人は信念を獲得し、その信念を確証するものを探そうとする一方、信念に反することがらを探すのではなく黙殺したり、あるいは低い価値しか与えなかったりもするとされる。

 相場にあたって、この確証バイアスによる弊害を取り除く必要もあり、その方法として、マーケット・サバイバルでは下記のような指摘をした。

 「自分の相場勘が当たり、評価益が膨らんでいる状態では、利食いゾーンを模索するため、ある程度の冷静さは保てる。だが、問題は評価損が膨らんでいる場合であろう。ここで必要なのは損切り、つまりロスカットルールを設けることである。」

 相場に関わる人にとり、当たり前のことであり目新しい方法ではないが、自分の信念により利益が出れば良いが、それにより損失が膨らむばかりとなる懸念もあり、それには機械的にポジションを切り、損失を確定してしまうとともに、冷静さを取り戻すことが重要となる。

 確証バイアスは個人の相場観では取り除かねばならないが、全体の相場に影響していることも多く、これはむしろ利用する必要もある。個々の市場参加者ばかりでなく、市場そのものが「確証バイアス」を持っている場合である。現在でいえば、FRBがQE3を行うであろう、といったバイアスである。これはもちろんバーナンキFRB議長の発言などを通じてマーケットが勝手に予想したものであるが、バーナンキ議長がそのようなバイアスを仕向けたとも言える。このため例えば、米雇用統計で非農業雇用者数が予想を下回ると、そのバイアスが強まることになる。

 相場そのものに、このようなバイアスが掛かることは多い。これはマスコミも影響していると思うが、ある特定の材料にバイアスが掛かるとそれに関する関係者の発言や、それに関わる経済指標の動向ばかり重視され、これが短期的な相場変動の要因になり、本来、他の要因にも影響を受けるはずのものが無視されるなり、軽視される。これも人間が形成する相場である以上、致し方ない部分はあるが、確証バイアスが掛かっているであろうことは常に認識すべきかと思う。確証バイアスゆえに相場がおかしい、と見えるときがあろうが、これも相場であり、そこで儲けを得るには、そのバイアスをうまく理由することも重要になってくると思われる。


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by nihonkokusai | 2012-09-08 09:53 | 投資 | Comments(0)
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