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2014年 08月 14日 ( 1 )

今後の物価上昇シナリオも準備

 8月13日に4~6月期の実質GDP一次速報が発表された。前期比年率でマイナス6.8%減となり、予想されたほどの落ち込みとはならなかった。ただし、消費増税前の駆け込み需要の反動で個人消費が大きく落ち込んだ。特に家計最終消費支出(実質)の落ち込みはマイナス5.2%と大きかった。

 名目のGDPは前期比年率でマイナス0.1%に止まっており、駆け込み需要の反動とともに、消費増税そのものによる物価への影響も加味する必要がある。消費増税の影響によりGDPデフレーターは季節調整したものでプラス1.7%、原系列でプラス2.0%となった。国内需要デフレーターはそれぞれ1.4%、2.4%となった。消費増税の影響は当然加味されているものの、数字上からは日銀の物価目標に近いものとなっている。

 1~3月期の反動もあったことで、消費増税による景気への影響を知るには7~9月期の数字をチェックする必要がある。来年10月の消費税率10%への引き上げの重要な判断材料としても7~9月期のGDPが挙げられている。その足元景気に関しては、やはり13日に公表された日銀の金融政策決定会合議事要旨(7月14日・15日分)も参考になろう。

「景気の先行きについて、委員は、緩やかな回復基調を続け、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響も次第に和らいでいくとの見方を共有した」(決定会合議事要旨より)

 注目される個人消費に関しては次のような記述もあった。

「駆け込み需要の反動減について、委員は、各種のデータや企業からの聞き取り調査には強弱様々なものがあるが、全体としてみれば概ね事前の想定の範囲内となっているとの見方で一致した」(決定会合議事要旨より)

 ただし、次のような発言も出ていた。

「複数の委員は、企業からの聞き取り調査では想定の範囲内との声が多く聞かれる一方、各種のデータには大きめの反動減を示すものもあるとの認識を示したうえで、これには聞き取り調査の対象が大企業中心であることが影響している可能性があると指摘した。」(決定会合議事要旨より)

 7月の消費者動向調査でも消費者心理は3か月連続で改善を示している。消費増税だけで景気そのものが大きく冷え込むことは考えづらい。日銀は楽観的な見方をしているようにも見えるが、いまのところは日銀の見方が正しいように思われる。

 決定会合議事要旨では物価に関して次のような記述があった。

「ある委員は、コスト転嫁が難しかったとみられる中小企業・非製造業でも販売価格判断DIが1991年調査以来の「上昇」超になるなど、企業の価格設定行動は付加価値を高めながら販売価格を引き上げる方向に変化し始めているとの見方を示した」(決定会合議事要旨より)

 消費増税の影響を受けてもなお景気回復の基調が維持されれば、このような動きは継続してくることも予想される。暫くの間、消費税率引き上げの直接的な影響を除いたベースでみてプラス1%台前半で推移するというCPIは、先行きさらに高まっていくという日銀のシナリオ通りとなるのか。その日銀の想定通りになった際、長期金利はどう動くのか。このあたりのシナリオも準備しておく必要があるのかもしれない。

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by nihonkokusai | 2014-08-14 09:37 | 景気物価動向 | Comments(0)
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