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2014年 08月 06日 ( 2 )

消費増税の影響は7~9月期を確認すべき

 7月30日に発表された4~6月期の米国の実質GDPは、年率換算で前期比4.0%増となった。予想は3%近辺であったことで予想も上回った。米国では1~3月期が深刻な寒波の影響でマイナス成長に陥ったの反動が大きかったとみられる。その1~3月期のGDPもマイナス2.9%からマイナス2.1%に修正された。

 4~6月期はGDPの約7割を占める個人消費が2.5%増と、前期の1.2%増から大きく伸び、民間設備投資も5.5%増と、前期の1.6%増から拡大した。輸出も9.5%増と二期ぶりのプラスとなった。

 日本の4~6月期のGDPは8月13日に発表されるが、30日に発表された6月の鉱工業生産指数が前月比3.3%低下となったことを受け、民間エコノミストの推計では7.1%減との予想となった。これは消費増税の駆け込みによる反動とみられ、1~3月期の実質GDPは前期比で6.7%増となっていたが、その伸び以上に減少するとの予想となっている。

 前回の1997年の消費増税の際は、1~3月期に3.0%増、4~6月期に3.7%減となっており、このときよりも振れ幅が大きい。ただし、このときと現在は経済を取り巻く環境が大きく異なる。1997年はバブルの後遺症ともいえる不良債権処理の遅れで金融不安が拡がりつつあった。まさに暗い状況となっていた。企業の破綻が相次ぎ、7月4日に東海興業、7月30日に多田建設、8月19日大都工業、9月18日ヤオハンが会社更正法の適用申請を行った。11月に入ると金融システム不安が一気に表面化し、3日に三洋証券が会社更正法適用を申請、17日には都銀の北海道拓殖銀行が経営破綻し北洋銀行への営業譲渡を発表した。さらに24日には証券大手の山一證券が自主廃業を届け出、26日には徳陽シティ銀行が分割譲渡と金融機関が相次いで破綻したのである。

 これに対して現在は、欧州の信用不安が後退し、サププライム問題から、リーマン・ショック、さらには欧州の信用不安と、立て続けに起きた世界的な金融ショックがやっと沈静化してきた。そのタイミングでアベノミクスが登場し、急激な円安・株高がおきてムードが一変した。2020年の東京オリンピックの開催も決定し、日本経済には明るいムードが出始めていた。消費増税前の駆け込みが一気に入ったわけだが、それだけ個人消費が回復しつつあるとも言える。このためその反動も大きくなったともいえる。消費増税による影響が果たしてどの程度あったのかは、4~6月期の数値より、7~9月期のGDPなどを確認する必要がある。

 その意味では米国経済の回復基調は心強い。FRBも予定通り10月にもテーパリングを終了し、来年4~6月あたりでの利上げも予想される。その前にイングランド銀行の利上げもあるとみられ、正常化も意識されやすい。急速な景気回復などを期待するよりも、この正常化が徐々に進むほうが、景気回復そのものも長続きするとみられる。日本だけが消費増税の影響で景気が悪化することは考えづらい。仮に日本だけが景気悪化となれば、それは消費増税の影響というよりも、別な要因による可能性を意識する必要があろう。


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by nihonkokusai | 2014-08-06 19:07 | 景気物価動向 | Comments(0)

パソコンから見た失われた15年

 自宅で使っているパソコンを買い替えた。これまで使っていたのはウインドウズのデスクトップのパソコンで、OSはXPではないが、そのあとのVISTAであった。最近になって動作が鈍くなったり、動かなくなるなどの症状が出ていたが、ついにそのパソコンから異音が出たことでハードディスクの寿命と決断して、新たなパソコンを購入した。

 これまでもデスクトップを使っていたので、今回も同様にデスクトップにした。OSは考慮した結果、最新のウインドウズ8.1とした。安定性ではウインドウズ7といわれるが、個人で使用することもあり、使い勝手より新しいものを選択した。

 故障しかけたVISTAのパソコンを購入したのは6、7年前かと思う。CPUなどの性能は劇的に向上しているのかもしれないが、ネットやもの書きに使う分にはそれほど体感的な速度に変わりなく、値段も当時とは大きな差はなかったように思う。

 買ってみてから思ったが、果たして今後もこのようなデスクトップのパソコンに需要はあるのであろうか。XPの乗り換え需要でパソコンが一時的に売れたようだが、大きな箱型のデスクトップはいずれオフィスからはなくなってくると思われる。もちろん画像処理能力が必要とされる業務や、3Dゲームなどをしている個人ユーザーにはデスクトップが必要とされるかもしれない。しかし、表計算やワードなどを中心に使う業務には、それほどの処理能力は必要ない。動画も鮮明な4Kの映像を求める人はまだ一部であろう。

 それならば現在のタブレットでも十分にその処理能力はある。ただし、画面が小さい、キーボード、マウスが使えないとの不便さがある。もちろんノートパソコンという選択肢もあるが、ディスプレーとキーボード、マウスが一体化し、そこにタブレットを接続すると通常のパソコンのような業務ができるようなコンポーネントが普及してくる可能性はある。

 iPhoneの登場をきっかけに、世界的に一気に普及した現在のスマホやタブレットは少し前のデスクトップに匹敵するかそれ以上の性能を持っており、まさにパソコンである。パソコンの普及もNECの8001のように個人から始まり、性能が向上し、NEC9001のような業務用が誕生した。スマホやタブレットも同様に個人に普及し、いずれ業務用にも広がっていくことが予想される。ちょうどいまがその端境期にいるのではなかろうか。

 パソコンが個人に普及したのがウインドウズ95が登場した1995年あたりであるが、その前に1992年に発売されたウインドウズ3.1のヒットが大きな起爆剤となっている。世の中にパソコンが普及を始めたころ、日本では政策金利が実質ゼロに近い状態となっていた。日本で失われた15年とされている期間は、ある意味、パーソナルコンピューターの普及期にあたっている。

 もちろんパソコンの普及がデフレの主要因であると指摘したいわけではない。日本だけがそのマイナスの影響を受けたとは考えづらい。日本企業もパソコンの普及により恩恵を受けたところも多い。しかし、結果としては美味しいところは米国、韓国、中国などに持っていかれたような気もする。失われた15年の間に、本当は日本で何が失われたのか。パソコンなどひとつのものに焦点をあてて考察するとまた別の理由が見えてくるかもしれない。少なくとも日銀の緩和が足りなかったからというのは、まったく理由の説明にはなっていないことは確かであろう。

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by nihonkokusai | 2014-08-06 09:26 | 景気物価動向 | Comments(2)
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