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2012年 01月 13日 ( 2 )

あなただけに教える、儲かるシステム売買?

 私は、債券先物の東証上場1年後の1986年から2000年代にかけて長きに渡り債券先物や国債現物のディーラーであった。その経験を生かして、ここであなただけに債券先物を使って儲かる方法をお教えしよう(ただし、最後の注意書きは必読)。

 それはたいへん簡単な法則を使って債券先物を売買するのである。これは、他の方には絶対に教えないでいただきたい。ほかの人がこの売買手法を知ってしまうと、あっという間に広がって規則性が成り立たなくなってしまうためである。

 その手法は意外に簡単なものである。複雑なものよりも単純な方が意外に儲かる、これ鉄則である。

 それではさっそく、その手法をお教えしよう。

 債券先物中心限月で、前日、引け値が寄付に比べて下がっていたら、当日の債券先物は寄付で売って、それを引けで買い戻すのである。それだけである。債券先物の中心限月は、特に大きな材料が出ない限り、前日の地合を引き継ぎやすい。この売買手法はその特性を利用したものである。

 試しに2011年の1月から12月まで、この手法で売買を行うと、1円79銭もの利益が発生した。1枚立てていれば、粗利益は179万円になる。ちなみに、いま債券先物の1枚あたりの証拠金は50万円程度である。この手法を使えば、あなたも確実に儲けることができる・・・なんてこと、あるわけない!。

『注意書き !!』

 だまされてはいけない。これで儲かるなんて実は誰も保証できない。

 ただし、この手法で2011年に1円79銭の利益が発生するのは、試算すると確かである。実はここにシステム売買のカラクリがある。過去のデータを利用すれば、いくらでも儲かったシステム売買は作り出せるのである。

 「儲かる」システムではなく、「儲かった」システムであることに注意してほしい。

 今回、いかにもありそうな売買手法に見えたかもしれないが、これはあくまで昨年のデータを使い、プラスが発生するようにエクセルの関数を使って作り出したものである。問題は「これから」同じ事をやって、儲かる保証は一切ないことである。

 パソコンの普及とともに、債券ディーリングが盛んとなっていた1990年代に、ロータス123(昔あった表計算ソフト)などを使い、いろいろな移動平均線など組み合わせるなど、多くの債券ディーラーはシミュレートを試みていた。しかし、錬金術と同様に儲かるシステムなど作り出したものはいなかったのである。それは私の14年以上のディーラー経験から断言できる。

 そんなことはないと言うのならば、それはご自由に、ただし相場は自己責任で、と言うほかはない。相場に規則性などない。だからこそ儲かるシステム手法など存在しないのである。


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by nihonkokusai | 2012-01-13 11:12 | 債券市場 | Comments(0)

日本政府による財政再建の歴史、小泉政権以降

 ここで1998年度からの新規国債の発行額の推移を見てみたい。1998年度の15兆5570億円から1999年度は31兆500億円に膨らみ、2000年度は32兆6100億円、2001年度28兆3180億円と高水準が続いた。

 1999年6月に「緊急雇用対策及び産業競争力強化対策」、11月には17兆円規模の「経済新生対策」が策定され、2度にわたる補正予算が編成された。2000年4月に森政権が発足したが、12月に「日本新生のための新発展政策」、2001年4月には「緊急経済対策」が策定されるなど景気回復に向けた取り組みが進められた。

 2001年4月に発足した小泉政権では、財政構造改革に取り組むこととして、経済財政諮問会議を中心として「骨太の方針」(経済・財政運営の基本方針)をまとめた。2006年7月には2010年代半ばまでに、安定的な経済成長を維持しつつ、国・地方それぞれの債務残高対GDP比を引き下げることとし、2011年度には基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標が掲げられた。

 基礎的財政収支とは、国の税収から国債の利払費・償還費を除いたものから、政府支出を差し引いたものである。基礎的財政収支が均衡すれば、毎年度の税収等によって、過去の借入に対する元利払いを除いた毎年度の歳出を賄うことができる。国債の元利金払いに充てる国債費と、新規に発行する国債の金額がほぼ同額となりプライマリーバランスが均衡し、その上で金利と名目成長率がほぼ同じになれば新たな借金は増えないことになる。

 小泉政権は発足時、新規国債を30兆円に抑えるとの目標を掲げた、2002年度は30兆円ちょうどに押さえたものの、2003年度は36兆4450億円、2004年度は36兆5900億円、2005年度34兆3900億円と30兆円を超える新規国債が発行された。

 2006年から2008年にかけては中国などの新興国向けの輸出やアメリカの個人消費の伸びなどに支えられ景気拡大が続いたことから税収も増加し、国債発行額はやや抑えられた。新規国債発行額は、2006年度は29兆9730億円、2007年度は25兆4320億円、2008年度は25兆3480億円となった。

 しかし、2008年9月のリーマン・ショックにより世界的な金融経済危機が発生した。金融と実体経済の負の連鎖が世界で最も懸念された問題となり、日欧米が景気後退となるなどの事態となり、世界的に大規模な景気刺激策が打ち出された。2008年9月に発足した麻生政権も12月に37兆円規模の「生活防衛のための緊急対策」、2009年4月には56.8兆円規模の「経済危機対策」を打ち出した。

 新規国債発行額は2009年度に33兆2940億円、2010年度には44兆3030億円に膨らんだが、2000年度あたりからの国債発行額の増加には、年々増加し続ける社会保障費が大きく影響していた。2000年代に入ってからは公共事業費は削減されたものの、その分、高齢化にともなう社会保障費が膨らみ続けそれが財政悪化の大きな要因となったのである。

 このため2010年6月に閣議決定された「財政運営戦略」においては、国及び国・地方の基礎的財政収支赤字の対GDP比を、2015年度までに2010年度の水準から半減し、2020年度までに黒字化させた上で、2021年度以降において国・地方の公債等残高の対GDP比を安定的に低下させるとした。

 これに向けて2011年9月に発足した野田内閣は消費増税を含む社会保障と税の一体改革を強力に推進することとし、2012年1月に2014年4月に8%、2015年10月には10%へと引き上げることを社会保障と税の一体改革の素案に明記された。

 ちなみに2011年度の新規国債の発行額は44兆2980億円、そして2012年度は44兆2440億円となっている。今回のコラムのタイトルは「日本政府による財政再建の歴史」としてしまったが、このように現実は「日本政府による財政再建先送りの歴史」であった。


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by nihonkokusai | 2012-01-13 09:42 | 国債 | Comments(0)
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