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2011年 12月 22日 ( 1 )

海外投資家による日本国債への資金シフト

 21日に日銀は7~9月期の資金循環統計を発表した。これによると2011年9月末時点の家計の金融資産は1471兆1268億円、金融資産・負債差額は1116兆8574億円となっていた。家計の金融資産はこのところ1500兆円近くでの頭打ち状態が続いている。これに対して一般政府の金融資産は482兆7287億円、金融資産・負債差額はマイナス609兆9853億円となっており、負債総額は1092兆7140億円となっていた。

 この数値をどう捉えるかによるが、日本国債を国内資金で賄えるには限度があることは確かである。個人だけでなく事業会社の余剰資金も国債に向かっており、まだ多少の余地が残されていることも確かであろう。しかし、それでも復興債を合わせれば年間50兆円以上の新規国債を発行している状況がこのまま続けば、いずれ国内資金では賄えなくなることは確かである。

 この資金循環統計を基に、2011年9月末時点の国債保有者別の割合を算出してみた(国債・財融債のみ、国庫短期証券は含まず)。引き続き日本国債の最大の保有者は銀行など民間預金取扱機関となり、金額で284兆2743億円、全体に占める割合は38.0%となった。次に民間の保険・年金が続き、185兆4285億円の24.8%、そして、公的年金が70兆3370億円の9.4%、日本銀行が63兆6166億円で8.5%、海外が47兆4040億円の6.3%、投信など金融仲介機関が39兆8137億円の5.3%、家計が29兆4916億円の3.9%、財政融資資金が8817億円の0.1%、その他26兆9444億円の3.6%となっていた。

 前回の2011年6月末に比べて残高が大きく増加していたのが海外(5兆2878億円増)と民間の保険・年金(5兆310億円増)である。このためシェアも民間の保険・年金が前回の24.4%から24.8%に、そして海外は5.7%から6.3%に上昇している。欧州の信用危機により海外投資家が日本国債への資金シフトを強めていたことが、この数字からも伺える。国庫短期証券を含んだ数字でみると、海外は全体の8.2%のシェアと、これまで最高だった2008年9月末の8.5%に次ぐ水準だった。しかし、これはあくまで欧州の信用不安を受けての一時的に資金の日本国債への待避であるとみられる。

 これに対して前回から減少していたのが、公的年金の1兆189億円減、家計8923億円減、投信など金融仲介機関8293億円減であった。

 公的年金はGPIFが株安や円高によって株式と外国債券での運用が振るわず、運用資産額そのものが6月末から全体で約4兆9000億円減少しており、それが響いた格好に。投信なども欧州の信用不安による株安による投信の残高そのものの減少などが響いたものとみられる。そして、家計については5年固定利付きの個人向け国債の償還を迎え、この時期の個人向け国債の販売額そのものは回復してものの、その一部は預貯金等に流れたため残高そのものは減少したものとみられる。


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by nihonkokusai | 2011-12-22 09:52 | 国債 | Comments(0)
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