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2011年 12月 20日 ( 1 )

債券市場の今後の注目点は来年度の国債発行計画と消費税の行方か

 来年度予算案は今週、安住財務大臣と各大臣による閣僚折衝が行われ、24日の閣議決定を目指して編成作業は大詰めを迎えている。24日に閣議決定となれば、同日に財務省は2012年度の国債発行計画を発表するとみられる。ちなみに昨年も12月24日に国債発行計画が発表されている。

 国債発行計画の発表を前に、19日に財務省で国債市場特別参加者会合と国債投資家懇談会がそれぞれ開催された。テーマは、「最近の国債市場の状況と今後の見通し等について」、「最近の国債市場の状況と今後の運用見通し等について」となっているが、来年度の国債発行計画に関して話し合われたものとみられる。この会合後の記者説明で来年度の国債発行総額は過去最大の175兆円前後となることが明らかとなった

 不確定要因としては、基礎年金の国庫負担割合を二分の一で維持するための財源2.6兆円をどうするのかだが、19日の日経新聞ではそれを年金交付国債(仮称)で賄うと伝えている。交付国債となれば、政府は支払いを要求された時点ではじめて予算措置を行うことになるが、当面の財源として年金特別会計の積立金の一部を取り崩す必要もあり、厚労省は難色を示しているとも伝えられた。

 いずれにしてもある程度の国債増発は避けられないとみられるが、すでに第三次補正予算にともない2年債、5年債が増発されており、その発行規模が来年度も継続されるとともに、超長期債が増発されるのではないかと予想される。このあたり、19日の国債市場特別参加者会合と国債投資家懇談会での内容も確認したい。ただし、予想外の大幅な増発などは考えづらく、債券相場そのものには、来年度の国債発行計画が大きな影響を与えることは考えづらい。

 来年度予算に関しては基礎年金の国庫負担割合を二分の一で維持するための財源2.6兆円は、交付国債で賄うとなれば、この年金負担分が外れるために、政策経費は中期財政計画の約71兆円から約68.4兆円に抑制される。このため国債費を加えた一般会計の総額は90兆円余りとする方向で調整を進めているようである。そして、新規国債発行額は44兆円以下を堅持するとしており、形式上は中期財政計画で定めた数値を遵守する。それよりも問題は消費税の行方となる。

 消費税について、年内を目処にまとめるとしている素案では、いつ何%に引き上げるのかというスケジュールや、所得の低い世帯への対策などが大きな焦点となっている。これに対し、「民主党内では、消費税率の引き上げに反対する署名活動が始まっているほか、山田前農林水産大臣や原口元総務大臣が引き上げに反対する新たな勉強会を20日にも立ち上げることにしていて、素案の取りまとめに向け、調整は難航することが予想される」とNHKが報じているように、消費税の行方はまだ不透明と言える。ただし、消費税率の引き上げについて読売は、2013年10月に8%、2015年4月に10%とする案を軸に検討に入ったと伝えている。

 このあたりの動向を見ながら、日本の格付け会社R&Iが日本国債の格付けを引き下げる可能性があり、今週は大きな山場となろう。仮に来年度予算について中期財政計画の数値内でまとめ上げたとしても、格下げに踏み切る可能性はありうる。消費税の行方などもひとつの要因となろう。格下げは1月かとの見方も出ているようだが、週内の可能性もあるため注意が必要か。ただし、仮に格下げがあったとしても国債市場への影響は限定的とみられる。しかし、海外投資家はさておき国債投資家にとり、国内格付け会社による日本国債格下げは多少なり不安心理を招くことも予想される。

 そして、20日から21日にかけて今年最後の日銀金融政策決定会合が開催される。急激な円高や株安等でもない限り、金融政策は現状維持となることが予想される。それよりも16日に公式ツイッターを開始した日銀が、「決定会合終了なう」とツイートするのかどうかを個人的に注目している。現実には公表文がサイトにアップされたことをツイートするだけとみられるが。


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by nihonkokusai | 2011-12-20 08:50 | 財政 | Comments(0)
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