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2011年 12月 15日 ( 2 )

個人の投資資金も日本国債に流入か

 14日のNHKサイトに下記ニュースがあった。

 「ヨーロッパの信用不安を背景に、株式市場がふるわないことで、多くの投資家は、国内外の株式で運用する投資信託を解約する動きを強めており、先月1か月間で、およそ3年ぶりの規模となる2700億円余りの資金が流出したことが分かりました。」

 「この金額は、リーマンショック直後の平成20年10月以来、3年1か月ぶりの規模です。また、先月は運用による損失が拡大し、1か月で目減りした金額は3兆円となりました。」

NHKのニュース元
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111214/k10014618121000.html

これについては投資信託協会の下記ページで具体的な数値が確認できる。
http://data.toushin.or.jp/result/getuji/g5.pdf

 投資信託に関しては現場からも販売が大きく落ち込んでいるとの指摘があった。このため、資金集めとして活用されているのが個人向け復興国債だそうである。証券会社などは復興国債をキャンペーン張ってとにかく資金をかき集めているとも。昔の証券営業として、とりあえず国債で投資家の資金を集めて、その後、投資信託などを購入してもらう、というのはひとつの流れではあったが、その流れがここにきて再び強まっているようである。

 12月からの個人向け国債は復興債ということもあるが、財務省でも復興に役立てられることをアピールし、実際に復興支援のために購入される方も多いようで、そこに投信の販売不調などもあり、資金集めとして証券会社なども積極的に個人向け復興国債を販売しているようである。

 そういえば国内最大の投信でもあるグローバル・ソブリンも日本国債の比率を高めたとか。

 欧州の信用不安で個人の投資資金まで日本国債に向かいつつあるように思うが、果たして日本国債はいつまでラスト・リゾートでいられるのか。資金が集中すればするほど、日本国債の信用力に懸念が生じたときの衝撃は大きくなる。

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by nihonkokusai | 2011-12-15 14:27 | 国債 | Comments(0)

政府に対する市場からの警鐘も必要か

 政府は年内に策定する一体改革のうち、来年度の基礎年金の国庫負担分約2.6兆円について「消費税引き上げにより確保される財源を活用」と明記、将来の消費増税を返済資金とする方針を明確にし、予算編成で具体的な措置を検討すると伝えられていた。政府内で検討されているのは、将来の消費増税を返済資金に充てる年金債(仮称)を発行する案となっていた。

 ところが、政府は来年度予算案を決定する24日までに消費増税案を決めるのは難しく、財源が担保されない状況での発行は回避すべきだと判断し、基礎年金の二分の一を国庫負担するための財源約2.6兆円について、将来の給付に備えた年金積立金を取り崩して充当する方針を決めたと伝えられた。(産経新聞ネット版より)。

 また、朝日新聞などは、財務省が基礎年金の国庫負担割合を現在の50%から36.5%に引き下げる方針を厚生労働省に提示したとも報じている。

 そして毎日新聞によると、財務省は、来年の通常国会で消費増税法案が成立すれば補正予算などでつなぎ国債を発行し、国庫負担を二分の一に戻す「2段階方式」を提示した模様と伝えている。それまでは、将来の年金支払いに備え、保険料を原資とした年金特別会計の積立金を取り崩して直接穴埋めし、一般会計からの補填は避ける考えだそうである。それに対して、厚労省は「一時的であっても積立金を取り崩せば、年金財政への信頼が揺らぐ」と反発。つなぎ国債か、他の特別会計の積立金(埋蔵金)の流用による負担堅持を求めている(毎日新聞ネット版より)。

 小宮山厚生労働大臣は、将来の消費税率の引き上げ分を充てることを目的に発行する「つなぎ国債」によって財源を確保するべきだと求めているのに対し、財務省は、消費税率の引き上げを巡る政府・与党内の議論が予算編成の前に決着する見通しが立っていない以上、つなぎ国債の発行は難しいとしている(NHKのサイトより)。

 来年度予算案の規模は、国庫負担を二分の一に維持する場合、一般会計の総額は今年度を上回り、過去最大の93兆円前後になる見通しとも伝えられている。

 このように、どうやら基礎年金の国庫負担割合が来年度予算を巡る最大の焦点となってきている。財務省と厚生労働省の攻防は、まるでユーロ圏の危機対策におけるドイツとフランスの攻防のごとくである。

 しかし、基礎年金の国庫負担割合における最大の問題点は、はっきりしない消費増税の取り扱いである。民主党内でも反対派も多く、消費増税法案が成立するかどうかも不透明ななかでの、財源が確保されるかどうかわからない「年金債(仮称)」、もしくは「つなぎ国債」の発行は財務省の主張通り避けるべきである。

 ただし、年金特別会計の積立金を取り崩しについても、それでなくても揺らいでいる年金財政への信頼がさらに揺らぐことが想定される。さらにもし年金積立金を取り崩しとなれば、GPIFによる国債売却も想定されることで、国債需給に今後多少の影響を与えることも予想される。

 日本の債務状態がかなり厳しい環境となっている中、いまだに危機が広がっている欧州各国の努力に比べて、日本政府は本格的な財政再建にはまったく目を向けず、その結果、一般会計の総額が過去最大になる可能性があり、もしつなぎ国債が発行されることになれば50兆円近い新規国債の発行すら可能性が出てきている。これですぐに国債需給に影響を及ぼすことは考えづらいが、こんなことがいつまでも続けられるわけはない。

 いずれにしてもこのような状況では、国内の格付け会社による初の日本国債格下げも不可避となろう。市場はこのあたりの動向はこれまで通り無視し、好需給や海外動向などを背景に引き続き日本の長期金利は低位安定し続けるであろう。しかし、そろそろ政府に対する市場からの警鐘も必要ではないかと思う。


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by nihonkokusai | 2011-12-15 08:46 | 国債 | Comments(0)
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