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2011年 12月 08日 ( 1 )

国債の役割低下への懸念

 欧州の債務危機、信用問題は国債の役割を低下させる懸念が出てきた。もし仮にユーロ圏のトリプルAの国が格下げされると、世界の公共債残高に占めるトリプルA(ただしS&Pベース)の国債は、まさにレッドデータブック(絶滅危惧種)入りしてしまう。

 国債は債券市場の中にあっていわゆるベンチマークとなっている。北極星に例えられるように、国債の利回りを基準にして他の債券の居所などが計られる(スワップの金利がベースにされることもある)。また、債券市場全体の中の国債の残存額、さらに売買高は突出しており、まさに債券市場、いや金融市場の中で中心的な存在となっている。

 これに対し、国際決済銀行(BIS)のバーゼル銀行監督委員会は、新たな短期流動性基準を満たすため、現金と国債に加えて、株式の算入と社債の比重拡大を銀行に認める可能性があると伝えられた(6日のブルームバーグ)。つまり、最も安全資産として認識され、その故に安全な金融資産として中核的な役割となっていた国債の役割が低下する懸念が出てきたとの見方もできる。

 これはバーゼル3が昨年承認されてからの一連の欧州の信用不安の拡大が影響しているようである。すでにギリシャ国債の保有者が50%の債務減免に同意せざるを得なくなる一方で、ポルトガルやスペイン、さらにイタリアの国債まで売られ、それによりユーロ圏内の銀行は大きな痛手を食うことになった。

 格付け会社の格下げなどもあり、世界的に国債に対する信認が問題視されつつある。欧州問題とは異なる要因ではあるが、米国債も今年8月に最上位格付けを引き下げられている。

 もし今後、国債の役割が低下するようなことになると、それでなくとも信認が低下しつつある国債に対する銀行などの需要が減少し、信用不安をさらに深刻化させる事態ともなりかねない。

 世界最大の国債残高を誇る(?)日本にあっては、国内資金で国債が賄われてしまっている分、このようなリスクはいまのところ少ない。しかし、いずれは国内資金だけでは賄えきれなくなるため、そうなれば自国の国債の信認を高めることがかなり重要なポイントとなりうる。


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by nihonkokusai | 2011-12-08 10:12 | 国債 | Comments(0)
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