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2011年 10月 27日 ( 3 )

牛熊ゼミナール金融の歴史第21回 江戸時代の金銀銅の海外流出

 1639年に幕府はポルトガル船の入港を禁止し、いわゆる鎖国に入ったのですが、これにより日本の貿易高は減るどころかむしろ増加しました。ライバルのポルトガルが日本市場から撤退し、これによりオランダは世界最初の株式会社である東インド会社を経由した日本との貿易で大きな収益をあげ、17世紀に欧州での繁栄を築き上げたのです。

 ポルトガルは日本の銀を介在してのアジアでの三角貿易を行っていましたが、オランダも同様に中国で購入した生糸などを日本に持ち込み、それを銀と交換したのです。これにより大量の生糸が日本に流入するとともに、大量の銀が海外に流出しました。またオランダはインドとの貿易に金を使っていたことで、オランダ経由で大量の金も流出していきました。

 幕府は金銀の流出を防ぐために、金や銀の輸出禁止などの政策を打ち出すものの、国内に生糸や砂糖などの輸入品への需要が強く国産品では対応できなかったことで、結局、その対価として金銀が用いられたことで解禁せざるを得なくなり、金銀は流出し続けたのです。

 日本の金銀の流出先としては、貨幣の材料として銀を必要としていた中国だけでなく、インドなどに流れ、また金貨についてはインドネシアのバタフィア(現在のジャカルタ)で日本の小判がそのまま流通しており、オランダ本国でもホーランド州の刻印の打たれた日本の金貨が使われていました。

 金銀の流出制限のため幕府は1685年に貞享例を施行し貿易額そのものを規制しました。また、元禄の改鋳などにより金銀の質を低下させたことから、貿易の支払いに対しては、金銀に変わり、次第に俵物と呼ばれる加工食品とともに銅が使われるようになったのです。


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by nihonkokusai | 2011-10-27 18:47 | 金融の歴史 | Comments(0)

日銀は追加緩和を決定、資産買入れ等の基金を5兆円増額

 本日の金融政策決定会合において日銀は予想されていたように追加緩和を決定した。資産買入れ等の基金を50兆円程度から55兆円程度に5兆円程度増額することを8対1の賛成多数で決定した。この増額分は長期国債が対象となる。反対したのは宮尾委員で、宮尾委員は資産買入れ等の基金を10兆円程度増額し60兆円にすることを主張した。

 増額にあたっては、国債の残存期間を2年以下から5年以下に延ばす案も出ているとの観測もあったが、それは見送られた。日銀はこの基金とは別に、年間21.6兆円の長期国債の買い入れを行なっている。これには日銀券ルールという自主ルールが設けられているが、この基金による買い入れ及び国庫短期証券はこのルールには縛られていない。

 追加緩和の理由として日銀は、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するにはなお時間を要すると予想され、国際金融資本市場や海外経済の影響で、経済・物価の見通しがさらに下振れするリスクにも注意が必要のためとしているが、これは文面にはないが円高対応のためと見ざるを得ない。

 意外感があったのは宮尾委員の反対であり、しかも追加緩和そのものに反対したのではなく、基金の増額が5兆円では足りないとして10兆円の増額を主張した。そろそろ全員一致ではまずいと思ったので反対してみた、わけではないと思うが、とりあえず反対票が出たことは委員会制度の透明性を高める上でも好感されよう。

 9月14日の函館における宮尾委員の講演の中では、「製品・部品を輸出しているわが国の企業にとっては、円高の影響を輸出先の国の物価上昇で緩和することができないために、相当厳しい競争を強いられることになります。」といった発言があるなど、かなり円高による悪影響について述べていた。また、デフレ予想の長期化なども懸念するなどしており、今後は今回の反対票もあり、ハト派としてイメージされてくるものと思われる。

 今回の追加緩和については、すでにその予想が報じられており、直接的な影響は限られよう。白川総裁を信頼していると安住財務相は今朝発言していたが、その安住財務相は本来、介入と日銀の追加緩和のセットが効果的のはずが、介入そのものは対外的な配慮なのかはわからないが、いまのところ控えている(14時半現在)。このため、追加緩和効果はそれほどは大きくはないと思われされ、実際に市場への影響も限定的なものとなっているようである。


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by nihonkokusai | 2011-10-27 14:09 | 日銀 | Comments(0)

日銀の追加緩和の可能性

 10月26日付けの日経新聞は、「日銀、追加緩和検討へ」と報じた。これは欧州の債務不安やFRBによる追加緩和観測により、円が1ドル75円73銭と最高値を更新したことが背景にある。27日のロンドン市場でも一時75円71銭という最高値を更新した。

 米国では、ここにきてFRBのタルーロ理事がMBSの購入再開を示唆し、イエレン副議長、そしてニューヨーク連銀ダドリー総裁もQE3について前向きな発言を行なってきており、FRBの追加緩和観測が出てきた。米国では住宅市場の低迷が続いており、その梃入れ策のひとつとして、FRBによるMBSの購入再開が有力な候補となりつつある。イエレン副議長、タルーロ理事、そしてダドリー総裁はFRBの執行部の一員であることで、場合によると、11月1日から2日にかけて開催されるFOMCで追加緩和が決定される可能性も出てきた。

 日銀の白川総裁は、10月21日の講演で、世界経済が全体として減速し、しかも円高圧力が強まりやすいもとでは、日本経済の先行きについて、下振れリスクを意識する必要があることを指摘している。

 円相場が対ドルで75円台をつけ史上最高値を更新したことを受け、安住財務相は円売り介入の準備を財務省に指示したと伝えられた。また、日銀に対しては、適時適切な対応を取ってくれると期待していると述べたと伝わっている。

 日銀が今度動くとすれば、急激な円高が進行した際にともみられていた。しかもFRBによる追加緩和期待もあるとなれば、27日の金融政策決定会合で日銀が追加緩和を決定する可能性はありうる。ちなみに、今回の決定会合は当初から1日だけの予定である。

 追加緩和の内容については、26日の日経新聞によると、50兆円の資産買い入れ基金の規模を5兆円程度積み増すことや、基金増額に伴い買い入れる国債の残存期間を2年以下から5年以下に延ばす案も出ているそうである。基金の増額とともに買い入れる国債の期間を5年以下まで延長すれば、今後、復興債の発行とともに2年国債と5年国債が増額されることで、市場も好材料と見なし26日の債券市場は買い進まれた。

 欧州の首脳会議の動向や、本日の市場動向など次第ではあるが、日銀が追加緩和に動く可能性はありうる。安住財務相は介入を匂わすような発言をしているが、現在の円高は急激な進行というよりも、円が最高値水準にとどまり時折高値をトライするような状況にあり、また、これまでの介入における海外からの批判などから、なかなか介入には踏み込みにくく、その分、日銀の追加緩和への期待も強いものがあるのではなかろうか。実際に今朝、安住財務相は白川総裁を信頼している、とのコメントもあった。


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by nihonkokusai | 2011-10-27 09:53 | Comments(0)
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