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2011年 10月 25日 ( 2 )

牛熊ゼミナール金融の歴史第20回 江戸時代の三貨制度

 天下統一を果たした徳川家康は全国支配を確固なものにするため、963年に皇朝十二銭の発行が停止されて以来となる中央政府による貨幣を鋳造し、貨幣の統一に着手しました。最初に発行されたのが金貨と銀貨です。金貨は大判、小判、一分金、銀貨は丁銀と豆板銀です。

 金貨の単位は両、分、朱となり一両の四分の一が1分、一分の四分の一が1朱です。十両の重さのある大判という大型の金貨は、主に恩賞用・献上用に特別に作られたもので、通貨として流通しませんでした。大判といえば豊臣秀吉が作らせた天正大判が有名ですが、こちらは165グラムもある世界最大の金貨です。

 大判に対して文字通り通貨として作られたのが、小判と一分金です。時代劇に登場する小判には一両という刻印が刻まれていますが、本物の小判にも一両という刻印が打たれ、現在の1万円や100円と記されている貨幣と同様の「計数貨幣」として通用したのです。ただし、大判の「両」については重量単位となっています。

 流通する金貨が計数貨幣であったのに対し、銀貨は、匁(もんめ=3.75g)という重さの単位で価値を示す「秤量貨幣」であり、まったく性質の違う貨幣となっていました。江戸時代初期の銀貨である丁銀・豆板銀は秤で計って使っていたのです。

 徳川家康は貨幣の統一に際し、当初は金貨を主体に流通させようとしたのですが、西日本では中国との貿易などに際し銀が決済手段として長らく利用されており、いわゆる銀遣いがすでに支配的となっていたため、幕府としても追認せざるをえなかった面があります。この反面、東日本では金が決済手段として用いられていたことで「東の金遣い、西の銀遣い」とも呼ばれました。このため、大坂の銀と江戸の金の交換で「相場」が生じ、時期などにより相場が変化する変動相場となっていました。

 金貨や銀貨に35年ほど遅れて1636年(寛永13年)に「寛永通宝」と呼ばれる銅銭が発行されました。銅銭は庶民の生活に主に使われる補助貨幣といった位置づけとなっており、銅銭の発行は後回しとなったのです。

 このように江戸時代の貨幣体系は三貨制と呼ばれ、金貨、銀貨、銭貨が基本通貨として機能し、特に江戸においては金銀銭貨という三貨すべてが価値基準および交換手段に用いられていたのです。三貨制は世界の金融の歴史においても独特の形式であったと言えます。ただし、供給面での制約もあって、三貨が全国に普及するには時間もかかり、広く交換手段として利用されるようになったのは1660年代になってからです。


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by nihonkokusai | 2011-10-25 18:09 | 金融の歴史 | Comments(0)

今年度第3次補正予算と復興債の発行

 政府は21日に、東日本大震災の復興や歴史的な円高対策を柱にした総額で12兆1025億円の今年度第3次補正予算案を閣議決定した。震災の復興対策については、被災地の自治体への支援に重点が置かれ、円高対策としての補助金や、第1次補正予算の財権となった基礎年金の国庫負担分の穴埋め(2.5兆円)や、台風12号などの被害の復旧経費なども盛り込まれた。第3次補正予算後の今年度一般会計の総額は、106兆3987億円と過去最高となる。

 今年度第3次補正予算案の財源については、通常の国債とは別枠で管理される11兆5500億円の復興債が発行される。残りは子供手当ての見直しや税外収入で捻出する。

 閣議決定された今年度3次補正予算に基づき、財務省は平成23年度国債発行計画の変更を行った。これによると新規財源債が当初の44兆2980億円から、復興債11兆5000億円が加わり、55兆8480億円に増額される。これまで新規財源債(新規国債)は、建設国債と特例国債(赤字国債)であったが、ここに復興債が加わることになる。

 そして、今年度の借換債の発行額については、当初の111兆2963億円から1兆9720億円減額され、109兆3242億円となる。これは、平成23年度の国債発行計画を公表した後の平成22年度末に、日銀再乗換による1年債の発行を2兆円減額し、市中発行による満期2年以上の国債で借り換えたため、今年度の満期到来額がその分減少するためである(PD懇議事要旨より)。

 財投債については、1次補正後の16兆円から16兆5000億円に増額される。財政投融資計画についても追加されることで、その財源のうち財投債による調達が5000億円となる。

 この結果、今年度の国債発行額は当初予算の169兆5943億円からは12兆780億円、1次補正後の171兆5943億円からは10兆780億円増額され、181兆6722億円となる。

 国債の消化方式別発行額については、1次補正後の増額分10兆780億円について、第2非価格競争入札において1兆8838億円を増額し、前倒債発行減額による調整分について6兆3942億円増額され、個人向け国債の発行計画額も1兆円増額される。

 今年度のカレンダーベースの消化額は、1次補正では増額がなかったことで当初予算比で8000億円増となり、12月発行分から3月まで2年、5年で各1000億円ずつ増額されることになった。13日のPD懇などは少なくとも1兆円以上、2兆円規模程度を見込む向きが多かったことで、これはポジティブサプライズとはなったが、市場への影響は一時的となった。

 そして、11兆5000億円の復興債の発行には、このうち1兆5000億円を個人向けとすることが明らかになった。3次補正後の今年度の個人向け国債の発行予定額は3兆5000億円となっているが、10月発行分までに約1兆5000億円販売されている。復興財源確保法の成立後は、それ以後に募集を行う個人向け国債は復興債となり、その際に安住財務大名の感謝状を出すことも発表されている。

 11兆5000億円もの復興債の発行とはなるが、市中消化額は市場予想以上に抑えられることになった。前倒債発行減額による調整分の活用などが大きいが、このバッファー部分もいったん使ってしまうと、来年度以降のバッファー分がそれだけ縮小されることになる。もし個人向け復興債が予想以上に販売好調となるなどすれば、そのバッファー分はあらためて確保できることになるが、果たして財務相感謝状付きの個人向け復興債はどれだけ売れるのであろうか。


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by nihonkokusai | 2011-10-25 09:43 | 財政 | Comments(0)
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