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2011年 10月 21日 ( 2 )

牛熊ゼミナール金融の歴史第17回 信長の旗印となった永楽銭

 室町幕府の時代になると、足利義満が明との朝貢貿易(勘合貿易)を開始し、中国銭の輸入は室町幕府が一元的に行いました。輸出品は金から主に銅や刀剣へと転じたものの、銅銭は引き続き輸入されていました。

 銅銭の中でも明の永楽帝の時代の1411年から作られた永楽通宝(永楽銭)が、室町時代中期に大量に輸入されました。明では洪武帝のときにすでに銭貨使用が禁じられ、紙幣からのちに銀に切り替えられていました。このため、永楽通宝は明では流通せず、輸出品として主に国外で流通していたと考えられています。

 その一方、日本では貨幣経済が急速に発展していたにもかかわらず、政府による鋳造は行なわれず、中国銭貨への需要が非常に高まっていたのです。そのために日本との貿易のために永楽通宝が鋳造されることになったのです。

 永楽通宝を中心とする明銭は当初、貨幣として受け入れられませんでした。このため室町幕府は明銭の使用を奨励した撰銭禁止令を公布しました。銅銭の質的な劣化や、渡来銭を真似て鋳造され私鋳銭の流通も増大し、15世紀後半以降、銭貨をその質的優劣にしたがって良銭(精銭)と悪銭(鐚銭)に区分し、悪銭については受け取りを拒否したり、もしくは割り増しをつけて受け取るという「撰銭(えりぜに)」という行為が行われるようになっていたのです。

 ただし、永楽通宝そのものは質が良く、関東地方を中心とする東日本では、素材価値が安定的で形状や品質がほぼ一定していたことで、永楽通宝が基準銭貨として使われるようになっていました。しかし、唐や宋の時代の古銭を貨幣として重視していた西日本では、明では貨幣としても通用していなかったことから永楽通宝はあまり使われていませんでしたが、16世紀半ばから次第に永楽通宝の地位が高まり、全国的に永楽通宝が基準貨幣として普及していったのです。

 そして、貨幣による経済の発展を強く意識した武将が織田信長であり、その旗印に貨幣(永楽通宝)の図柄を取り入れたのです。


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by nihonkokusai | 2011-10-21 17:29 | 金融の歴史 | Comments(0)

9月の公社債投資家別売買高に見る投資家動向

 日本証券業協会は20日に2011年9月の公社債投資家別売買高を発表した。これによると、信託銀行が1兆9923億円、生損保が1兆2634億円、外国人が1兆282億円のそれぞれ買い越しとなっていた。

 ちなみに都市銀行も3491億円、地方銀行は9428億円、そして農林系金融機関も4989億円とそれぞれ買い越しになるなど、信用金庫の1099億円と個人の売り越しを除いてほとんどのセクターで買い越しとなっていた。

 この多くの部分は国債であるとみられることで、今度は同時に発表された国債投資家別売買高から期間別の内訳を見てみると、都市銀行は超長期を6908億円買い越し、長期債を3196億円売り越しとなっており、長期債から超長期債に乗り換えたようである。また、地方銀行は中期債を6803億円買い越していた。

 信託銀行は長期債主体に買い越しており、長期が1兆1980億円、超長期3694億円、中期3660億円とそれぞれ買い越しとなっている。農林系金融機関は超長期4016億円の買い越し、生損保も超長期が9163億円の買い越しと多いが長期債も2145億円、中期債も1259億円の買い越しとなっている。

 そして外国人であるが、長期債を7134億円、中期債を2647億円それぞれ買い越しとなっており、国庫短期証券を8兆7018億円買い越している。ただし、8月に外国人は国庫短期証券を16兆6609億円買い越しており、それから比べると買い越し額は半分近くになった。欧州の信用不安によるリスク回避にともなう逃避資金の流入は続いているが、金額そのものは減少したようである。

 8月に比べて目立つところは都市銀行の超長期債への買い越しと、信託銀行による長期債への買い越しか。9月の債券相場は8月に続いて債券先物で142円から143円の間でのレンジ相場となっていたが、9月は比較的142円台後半で推移することが多く堅調地合となっていた。この中にあって現物債は長期債が1%近辺で推移していたのに対し、超長期債は20年債主体に買い進まれていたが、これは都市銀行の長期債から超長期債への入れ替えなどが影響していたものとみられる。長期債は信託銀行、中期債は地方銀行を主体に、そして超長期債は生損保とともに都銀の買いが下支えとなっていたようである。


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by nihonkokusai | 2011-10-21 09:47 | 債券市場 | Comments(0)
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