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2008年 09月 09日 ( 3 )

「債券先物限月間スプレッド取引にも異常な動きが」


 すでに8日の引けの段階で、債券先物の価格は12月限が9月限を上回っるなどの動きが出ていたむが、この要因としては、12月限の現物受渡しの最割安銘柄が踏み上げられやすいといった指摘もあった。しかし、今日の動きは、それも理由にならないほど、限月間スプレッドが異常な動きを見せていた。

 債券先物の限月間スプレッド取引とは、これが導入される以前では、たとえば現物を抱えている業者さんなどが、債券先物でヘッジ売りをしていて、期近の債券先物、つまり今日で言えば9月限の債券先物を売っていたが明日、9月10日に期近物の9月は最終売買日となってしまうため、9月のヘッジ売りのポジションを12月に乗り換える必要がある。このため、9月限の先物の買い戻しと、12月限の先物の売りを行なう必要があったが、それぞれの板を見ながら行なう必要があったことで、乗り換え、つまりロールオーバーがやりにくい上に、現物のチーペスト銘柄の発行量が少ないといった際には、その限月だけ踏み上げ圧力が高まってしまうこともあって、9月限の買いと12月限の売りなどが同時にできるように東証で導入されたのが、限月間スプレッド取引である。

 この場合、限月間スプレッド取引は今回で言えば9月限と12月限の価格差を売買することになる。その価格差は本日の朝方の寄り付きは、マイナス1銭となっていたものが、じりじりとそのマイナス幅が拡大し、後場に入ってなんとマイナスが1円07銭にまで拡大するなど異常な動きとなった。こうなると現物から算出した理論値とか以前に、強引な売買が入ったと見ざるを得ない。強引な売買は別に今、始まったわけではなく、先週も9月限の売買でみられたが、こういった9月限の強引な売買で残った買いのポジションを、何かしらの理由で強引に12月限に移行させたとしか考えられず、これもまた一部のCTAなどによる動きではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-09-09 16:41 | 債券市場 | Comments(2)

「秋の個人向け国債」


 9月4日から2008年秋の個人向け国債の募集が開始された。募集期間は9月4日から9月30日までとなる。個人向け国債の募集期間は10年債入札日(今回は9月2日)の翌々営業日から月末最終営業日までとなる。10年国債入札の結果により10年変動タイプの初期利子が決定され、5年固定の条件も10年国債入札日の5年債利回りに応じて決定され、その結果は10年入札日の翌朝8時50分に発表される。条件決定から募集開始日まで1日開くのは販売業者の準備のためである。

 個人向け国債(固定5年)の条件を決めるための「基準金利」は、募集期間開始日の2営業日前(10年固定利付国債入札日)において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年の固定利付国債の「想定利回り」となる。

 10年変動タイプの初期利子を決める基準金利は10年国債の入札の結果、1.49%(前回は1.80%)となり、変動タイプの初期利子はここから0.8%差し引かれた税引き前での0.69%(前回は1.0%)となる。

 5年固定タイプの利率の発表は、年率税引き前で0.99%(前回1.22%)」となった。

 7月に発行された前回債は、第23回変動10年の初期利子が1.0%(税引き前)、第11回固定5年の利率が1.22%(税引き前)となっていたが、この条件が決まったころの債券相場は世界的に物価上昇が意識され長期金利が上昇基調となっていた。欧米の金融当局者からはインフレを懸念する発言も相次ぎ、米国にとってインフレ要因としてドル安も懸念され、財務長官はドル買い介入も示唆していた。FRBやECBなどからはインフレへの対応として利上げを示唆するような発言も出るなど、原油をはじめ穀物など含めて商品市況の高騰を阻止し、ドル安も阻止しようとの意気込みも見え隠れしていた。

 これにより夏の個人向け国は変動の初期利子、固定の利率ともに大きく引き上げられており、10年変動タイプと5年固定タイプの合計で9952億円と前回の春の分の販売額の約3倍に増加した。

 しかし、その後原油価格は下落基調となり、物価の上昇よりも日欧米ともに、景気の減速から後退が意識され始めた。また米住宅公社の経営不安から、再び金融システム不安も台頭し、債券には質への逃避による買いも入ってきた。これを受けて長期金利は8月29日に一時1.4%まで利回りが低下した。9月2日の10年国債の入札時も長期金利は1.4%台となり。6月の10年国債入札の頃の1.7%台に較べて0.3%あまりの低下となった。

 個人向け国債の販売額は、これまでの販売状況を見ても質への逃避といった流れといった影響と言うよりも、決定された利子の高さに影響を受けやすい。特に前回の利子(10年は初期利子)が高かっただけに、今回の秋の個人向け国債の販売額はやや苦戦となることが予想される。
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by nihonkokusai | 2008-09-09 16:29 | 国債 | Comments(0)

「貯蓄から投資への難しさ」


 個人の資金は、米サブプライム問題に端を発する世界的な金融市場の混乱とともに、米サブプライム問題が生じた背景となっている米住宅市場のバブル崩壊なども手伝い米国の景気後退、その影響を受けての日欧も景気後退を余儀なくされた。先進国の景気後退をきっかけに、先行きの原油に対する需要減など意識され、原油先物価格は急落し、他の商品相場もピークアウトした。外為市場では、ドルや円を調達して他の国の資産に資金を振り向けるような動きとなっていたが、原油先物価格の下落など背景に、ドルや円が他通貨に対して買戻されるなど、ここにきての世界市場はかなりの波乱含みの展開となってきている。

 日本では貯蓄から投資への流れを受けて、リスクがある投資商品に対しても個人の資金は積極的に資金が向かっていた。しかし、そういった流れは昨年夏あたりから変化が生じてきている。9月9日の日経新聞が伝えているように、個人はリスク資産からより安全な資産への資金シフトを強めており、その資金は銀行の預金などに向かっている。ただし、景気後退もあり、銀行の貸し出しが伸びず、民間銀行の預金の貸出金に対する超過額は150兆円弱にも及ぶ。米金融不安は住宅公社への救済策などにより、今後は解消に向かう可能性はあるものの、邦銀も当面はリスク資産での運用は手控えられるとみられ、この資金は国内で最も安全資産となる国債への投資などに回っているとみられる。

 資金運用のプロ中のプロとみられていた欧米の大手銀行といえども、米国のサブプライムローンに絡んでの保有する証券化商品の巨額損失が発生するなど、プロとはいえ相場の先行きを読み誤ることは多々ある。日本でもバブル崩壊によって大手銀行が多大な不良債権を抱えてしまったこともひとつの事例となろう。

 このため投資というリスクに対しては個人も当然のことながら。自己責任で望まなければならない。しかし、投資の未経験者にいきなりリスクの大きな投資をしろということにも無理がある。今回のサブプライム問題のように、燻っていた問題が突然表面化し、それがグローバル経済化にともなって瞬く間に世界の市場に影響を与える。しかし、今回のように複雑な商品が絡むとなれば、何が起こっているのかを知るにはそれなりの専門知識も必要になる。

 個人の資金を投資に向かわせるためには、政府もある程度の投資家保護に努めるとともに、個人に対しての金融経済知識の普及といったものも必要になってこよう。金融リスクに備えるためには、知識が重要な武器となるためである。もちろんチャートの読みといったような投資の経験に裏付けられた相場の知識も得ておくことが必要になる。このような金融知識の普及なしには、なかなか政府が思うような貯蓄から投資への流れを作ることも難しいのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2008-09-09 10:16 | 投資 | Comments(0)
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「債券ディーリングルーム」ブログ版


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