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2007年 09月 04日 ( 1 )

「法人企業統計」


 財務省は昨日、4-6月期の法人企業統計を発表した。

 法人企業統計とは、「財務省が金融・保険を除く資本金1千万円以上の約2万社をサンプル調査し、日本の企業全体の財務状況を推計。中小企業も含めたニッポン株式会社の経営状況が四半期毎に把握できる」(日経)ものである。

 法人企業統計の設備投資や在庫投資などの数値はGDP統計作成の基礎統計ともなっていることで、特に設備投資の数字などを市場では注目している。

 ただし、法人企業統計の欠点のひとつとして、サンプルバイアスの問題が指摘されている。法人企業統計の調査対象となるサンプル企業は、毎年4-6月期に入れ替えが行われる(調査対象の資本金1億円未満の中小企業約9400社すべて)。こうしたサンプル入れ替えに伴う統計の振れから、前年比等の数字が実勢以上に強含むなり弱含むなどサンプルの歪みが生じるためである。

 財務省が3日発表した2007年4-6月期の法人企業統計調査によると、企業の設備投資(全産業)は前年同期比-4.6%と17四半期ぶりのマイナスとなった。これにより、今回の法人企業統計のデータによって、今月10日に公表される4-6月期の国内総生産(GDP)の実質成長率の2次速報値が、年率+0.5%となった1次速報値より下方修正される可能性が高いとみられる。ただし、この設備投資の落ち込みについては、特に中小・非製造業が前年同期比-33%と大幅なマイナスになったことが大きく影響し、サンプリングの歪みによる影響があったものとも見られている。

 この調査による企業の売上高経常利益率は+4.5%と調査以来の過去最高を記録。売上高は同+3.3%となり、経常利益は同+12.0%と2007年1~3月期に続く過去2番目の規模となった。

 売り上げの伸びが収益増に結びつけやすくなり、4-6月期の損益分岐点比率は78.5と1973年7-9月期とほぼ同水準で34年ぶりの低さともなっている。また、労働分配率については61.3%(季節調整済み)と前期比-0.6%となっていたが、人件費も伸びているもののそれ以上に利益が伸びたためとみられる。

 その人件費の総額は前年同期比+3.1%、従業員給与(賞与込み)は+3.2%、役員報酬は+7.7%。一人当たりの給与や報酬は従業員は前年同期比-0.2%と4四半期ぶりのマイナスとなった反面、役員はバブル期の1990年10-12月以来の高い伸びとなった。一人当たりの給与や報酬のマイナスは、団塊の世代がいったん退職し、賃金の低い契約社員や嘱託として再雇用されたことや、賃金水準の低い若者の雇用増などが影響しているとみられる。役員報酬の増加は、良好な企業業績をそのまま反映したものとみられる。(9月4日日経朝刊を参考)
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by nihonkokusai | 2007-09-04 10:11 | 景気物価動向 | Comments(2)
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