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2007年 06月 08日 ( 3 )

「円キャリートレード」


 円キャリートレードとは、相対的に低金利となっている国から資金を借り入れ、それを為替市場において他通貨に換えて、その外貨建て資産に投資することによって高利回りを狙う取引と言われます。この場合の低金利の国は以前にはスイスなども含まれましたが、主に日本を指すことが多いようです。日本で資金を調達し、それをドルやユーロに変えることで、結果として円売りドル買い、円売りユーロ買いとなり、これが大幅な円安となっている要因ともみられています。

 低い金利の国から高い金利の国への資金シフトは、為替リスクも伴うものの比較的起こりやすい動きです。このため、金利と為替との関係を考える際には相対的に金利の安い国の追加が売られやすいとも考えられます。ところが為替の変動要因は金利ばかりではありません。それぞれの国の経済、政治、国際関係、軍事力や紛争といったものによる影響も大きいものとみられます。歴史的にみても金利差と為替相場にはそれほど関連性が認められていないようです。

 しかし、何ゆえこれほど円キャリートレードが問題視されているのでしょうか。そもそも円キャリートレードという言葉が独り歩きしてしまい、やや実態を正確に捉えていない部分もあるかもしれません。確かに円資金を調達しているヘッジファンドが存在し、その影響で無担保コール翌日物の金利が跳ね上がるといったこともあったように聞きます。円資金を調達しドルに買えて、ドル資産に映した上に、さらに円安ドル高が進めば、高利回りに加えて為替差益も得ることができるため、それを狙ってのトレードは当然、そこそこまとまって入っているものと思われます。

 そういった資金だけではこれほどまでに為替市場に影響を与えることも考えづらいことも確かです。ここにはアジアの新興諸国や中東のオイルマネーなどが積極的に欧米諸国などに投資を行なっていたことなども大きな要因とみられます。

 さらに「貯蓄から投資へ」という資金の流れが起きている日本国内において、1500兆円とも言われる個人の金融資産の商品シフトも大きな影響があると思われます。預貯金からの資金は、個人向け国債などの国内資金に向かうとともに、外債もしくは投資信託などを経由してかなりの金額が外貨建ての商品に流れています。これが円売り圧力のひとつの要因ともなっているのではないでしょうか。

 日銀は2006年3月にゼロ金利を解除し、政策金利を徐々に引き上げています。欧米金利も上昇することで、なかなか円金利との差は縮まりませんが、欧米の金利に比べて、日本の金利の上昇はかなりスタートが遅れている分、いずれその金利差が縮小される可能性もあります。さらに個人の資金が一部定期預金などに戻ってきているなど、ほとんど金利が付かなかった頃に比べて、為替リスクのかからない円資産が、特に日本国民に再評価されてくることも考えられます。


こういった動きが強まれば、日銀の金利引き上げが、いずれ円高を招くといった事態を迎えることになるかもしれません。しかし、それも欧米金利との関係に加えて、為替相場を動かす要因が金利差以外のものにシフトするとまったく違った局面となる可能性もあります。それだけ相場の予測は容易ではないともいえるのです。
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by nihonkokusai | 2007-06-08 17:06 | 債券市場 | Comments(0)

「日銀、決定会合議事要旨の発表時間を8時50分に公表」


ロイターによると、日銀は20日から金融政策決定会合の議事要旨の発表時間を8時50分に公表すること、また、決定会合日程公表は半年分から1年分に拡大し、6月の決定会合で、来年6月まで公表すると発表した。
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by nihonkokusai | 2007-06-08 17:05 | 日銀 | Comments(0)

「長期金利動向と今後の行方」


 欧米の長期金利の上昇に加え、日銀の早期追加利上げ観測の強まりなどを受け、債券はここにきて全般に売り圧力を強めている。米国10年債利回りは6月7日に5%台に乗せ、この影響も受けて6月8日に10年債の利回りは1.9%台に、5年債利回りも1.5%台をつけて5年国債としての過去最高利回りを更新した。

 日本の長期金利上昇の背景には、発表された経済・物価の指標において景気の回復、物価の上昇を示すようなものが現れていたこともある。5 月25日に発表された4月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年比-0.1%となり、引き続き水面下ながらややマイナス幅を縮小させた。5月28日に発表された需給ギャップは10年ぶりに2期連続でプラスとなった。

 5月29日に発表された完全失業率は、1998年3月以来の3.8%となり、この4%割れの3.8%という位置は、賃金上昇を促しインフレが加速度的に上昇しやすい状況に近づきつつあるとの見方も出ていた。

 5月4日に発表された1-3月期法人企業統計では、設備投資は全産業で前年同期比+13.6%と予想を上回り、1-3月期のGDPは年率3.0%あたりへの上方修正が見込まれる。物価についてもガソリンなどを初め価格上昇圧力が強まっており、それがいずれ消費者物価にも影響を与えそうである。薄型テレビの価格下落も止まっている。

 日本の景気実態は1-3月の好調さを、4-6月まで持続させてきているように思われる。あらためて4-6月期のGDPを確認せずとも、7月までにそろう指標だけでも足元景気の良さ、物価の上昇圧力を感じさせるものが多く出てくるとも予想される。物価や雇用、個人消費などの経済指標に明るさが見えており、日銀の展望レポートに沿った動きともなっていることで、選挙はあるが、7月の追加利上げの可能性は高いとみている。

 日本の長期金利も欧米の長期金利上昇に歩調を合わせてきた格好ともなっているが、長期金利での1.55%あたりから1.7%のレンジ相場からはすでに脱している。チャートなどからも、長期金利は今後、さらなる上昇基調となることが予想される。

 10年利回りでの2.0%がいずれは視野に入ってくるのではないかとみているが、この2.0%の壁もこれまでのような厚さはないと思われる。すでに足元短期金利は0.5%に引き上げられ、夏にも0.75%に利上げされ、年末に向けて物価上昇圧力とともに、1.0%への利上げの可能性も強まるとみているためである。長期金利は2%台に乗せたのち、次回利上げを経て、いずれ2.5%あたりまで上昇するとみている。
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by nihonkokusai | 2007-06-08 10:10 | 債券市場 | Comments(2)
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