牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

2007年 03月 20日 ( 2 )

「市場との対話」


 市場との対話、そして政府との対話については日銀に関わらず、世界の中央銀行にとっても大きな課題となっている。米FRBはマエストロと呼ばれたグリーンスパン前議長の金融政策への舵取りが見事であったと認められることから、市場や政府から全面的な信頼を得た。しかし、それも1987年8月に議長に就任してから2か月後に起きたブラックマンデーを巧みな手綱裁きで乗り切るなどの実績が背景にある。その議長職を受け継いだバーナンキ議長も、利上げ継続後、その停止のタイミングなどによって、うまく米経済をソフトランディングに導き、インフレを抑制してきたと評価されつつある。もちろんここにきてのサブプライムローン問題などの住宅市場の問題など出てはいるが、米経済全体に大きな影響を及ぼさないとの見方も強い。これによってバーナンキ議長に対して批判といった声も聞かれない。

 ECBのトリシェ議長も就任後初めての金融政策となった2005年12月の利上げとその後の利上げ継続については、市場や政府からは大きな批判といったものも聞こえず、「金利の正常化」を進めている。ECBについては加盟諸国のそれぞれの経済環境など異なっているなど、それぞれの国の事情といった要因からなかなか意見の取りまとめも難しいようにも思えるが、トリシェ議長の手綱裁きも結果を見るとなかなか見事なものとなっている。

 日銀は2006年3月にゼロ金利政策を解除し、同年7月に量的緩和政策を解除した。この際には市場との対話を通じて、それぞれの解除を織り込ませることによって波乱なく実施されてきた。しかし、それでも市場内においても解除は時期尚早との声も燻っていたことも確かである。小泉政権から安倍政権に変り、追加利上げのタイミングを探っていた日銀は、足元の経済指標などの一時的な悪化などにもよって、日銀内部はもちろん政策委員それぞれの見方に微妙な変化が生じた。ここに政治的な介入を招いてしまった隙が生じたとも思われる。

 市場との対話において必要とされるのは、日銀と市場との信頼関係にあると思う。その日銀が市場に向けて見方を伝えるには、総裁を含めて政策委員の講演や記者会見などを通じて行なうとともに、マスコミを経由してのものもある。昨年12月と今年の1月の金融政策を巡って、市場の見方が収斂されずに揺れ動いたのは、このマスコミを経由してのノイズも働いたことも大きい。情報元が日銀なのか政府関係者なのか不透明なものからマスコミも利上げの在るなしを大きく取り上げた結果として招いたのは日銀への不信感といったものではなかったろうか。

 FRBもECBも政府との関係にはこれまでも苦慮している。しかし、いろいろな経験を通じてそれぞれの距離感といったものをうまく計ってきているように思う。日本でも12月と1月の金融政策を巡る動きは、結果としてみればひとつの教訓ともなったのではなかろうか。政府関係者からの批判といったものも抑えられ、マスコミも静かに会合結果を見守っていた。市場も追加利上げをある程度織り込んでいたことで、利上げが決定されても大きな波乱はなかった。

 須田審議委員は1月25日の講演で次のような発言をしている。「今後、日本銀行、市場、マスコミが学習を重ねることで、政策先行き予測の乱高下は次第に回避できるようになると期待しています。」。ここにはあえて加えていなかったが、今後、日本銀行、市場、マスコミそして政府関係者も含めて学習を重ねて行くことで市場との信頼を回復し対話もスムーズに行くものと期待したい。
[PR]
by nihonkokusai | 2007-03-20 13:13 | 日銀 | Comments(4)

「PASMO登場で現金への意識が変わるか」


 3月18日から関東の私鉄や地下鉄で利用できる磁気型乗車券「パスネット」の非接触ICカード版である「PASMO」の利用が開始された。JRのSUICAとの相互乗り入れも同時に開始され、これにより首都圏のほとんどの鉄道やバスで利用することができる。

 都市圏主体に通勤や仕事で手何かしらの公共交通手段を使う人にとってはたいへん便利なカードとなる。交通費の支給ではなく会社で用意したPASMOを利用しようとしている企業などもあるとか。ちなみに利用明細はインターネット上で利用履歴を確認できる。

 しかし、切符代わりといった利便性だけでなく、PASMOなどの非接触ICカードにはまた違った使い方も可能となる。ある小学校では児童に一枚ずつこのカードを持たせることによって、親が子供が学校に着いたかどう確認できるシステムもできているそうである。

 さらに注目すべきは電子マネーとしての存在か。PASMOは財布代わりともなる。私も朝は駅のコンビニで朝食を買っているが、SUICAを利用できるためそのための小銭を持ち歩く必要がなくなっていた。SUICAを利用できる施設でもPASMOはもちろん利用可能となり使える範囲は拡大する。

 今後コンビニや飲食店、自動販売機といったものでもPASMOが使えるようになれば、それこそ定期入れ一枚でとりあえず一日を済ませることも可能になる。大きな買い物はクレジットカードで済ませ、細かい買い物はPASMOなどの非接触ICカード、もしくは携帯電話での同様の機能を使ってすませる。そういうケースが多くなれば、現金を持ち歩くことが多いといわれる日本人の生活習慣も変わってくるかもしれない。
[PR]
by nihonkokusai | 2007-03-20 13:13 | つくばエクスプレス | Comments(3)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー