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2007年 02月 16日 ( 2 )

「票読みの憶測」


 12月と1月の金融政策決定会合で追加利上げが見送られたのは、足元の経済指標にやや弱めのものが出たことなどにより経済指標を重視して慎重に見極めたいとの見方が審議委員の中でも強まったからではないかと指摘した。政策委員の中で、金利正常化に向けてフォワードルッキングを意識している委員と、経済指標を重視して慎重になっている足元ルッキング派の委員に分かれてしまっているのではないかとみられる。15日の朝日新聞でも「データ重視派と金利正常派に色分けされている」と報じているようである。

 1月に利上げを主張したとされる3人の審議委員、須田氏、水野氏、野田氏は、金利正常化派と見なされよう。この3委員は、15日に発表された10-12月期のGDPも悪い数字ではなかったことから、2月においてもやはり利上げを主張するものと思われる。

 そのほかの6人の委員は、かなり憶測も入ってしまうものの、データ重視派ながらもとりあえず足元データを見ることで慎重となっている委員と、経済データなどを見ながら景気認識の違いによって早期利上げに反対している委員とに別れているのではないかとみられる。

 1月の現状維持に賛成した委員は、武藤副総裁、岩田副総裁、福間委員、西村委員、春委員である。このうち福間委員はブルームバーグによると「GDPの高成長で世間的な理解を得られると判断する公算が大きい」と発言したと伝えられた。10-12月期GDP発表を受けてこの福間委員が利上げに賛成する可能性はありうる。

 また、春審議委員は2月8日の記者会見において「今後の消費の先行きについて私どもなりに点検したうえで、金利を調整していく、あるいは、しないという場合には、それなりの根拠をきちっと説明する必要があると思います。2 月の金融政策決定会合の後で、金利を調整した場合であっても、しない場合であっても、消費についてどういうデータに基づいて、どういう見方をしていくのか、というご説明を精一杯させて頂くということではないかと思います」と微妙な発言をしている。

 勝手に決め付けてしまってはいけないかもしれないが、福間委員と春委員については、データ重視派ながらもとりあえず足元データを見ることで慎重となっている委員ではないかと思われる。

 対して岩田副総裁はどうやら景気認識の違いによって早期利上げに反対している委員ではないかともみられており、もしかすると西村委員についても同様であるのかもしれない。あまりに憶測もいけないが。

 さらにもう一人の重要人物である武藤副総裁に関しては、正直良くわからない。これまでの発言からは金利正常派ではないかとも見ていた。ただし、日銀内部でも12月や1月は慎重論が強まったとも言われ、そういった空気を意識して慎重姿勢になっていたのではないかと勝手に解釈していた。その慎重な姿勢が果たして10-12月期のGDPによって覆されるのかどうか。今後CPIが一時的にマイナスになる可能性もすでに指摘されているが、そういったことも睨んで慎重となっているならば、今回も利上げには反対票を投じたとしてもおかしくはない。ただし、武藤副総裁は日銀の副総裁という立場で総裁を支えるという役目もある。追加利上げに向けての議長提案が出されれば、そちらに賛成する可能性も強い。そういえば岩田氏も副総裁ではあるが。

 以上の独断的な解釈を含めての見方から票読みをしてみたい。須田氏、水野氏、野田氏が引き続き利上げを主張し、10-12月GDPを確認して慎重派であった福間委員がこれに加われば4人となり、まさに議長以外の票が真っ二つとなる。仮に総裁が追加利上げを議長提案すれば、少なくとも5対4 で可決される可能性がある。そしてその際には春氏と武藤副総裁の票が加わる可能性もあり、もしそうなれば7対2で利上げが可決される。

 ただし、これはあくまで議長提案が出されたとしての推測でもあり、出されなかったならば前回同様に6対3もしくは5対4という僅差での現状維持となる可能性もある。はたまた民間議員がもし5人で利上げを主張するとなれば、数の上では議長提案がなくとも利上げの可能性もないとは言えない。ただこれはちょっと現実離れしているかもしれない。
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by nihonkokusai | 2007-02-16 13:03 | 日銀 | Comments(0)

「決定会合に向けての政治的圧力が多少緩和か」


 12月と1月の金融政策決定会合で追加利上げが見送られた背景には、足元の経済指標にやや弱めのものが出たことなどにより経済指標を重視して慎重に見極めたいとの見方が審議委員の中でも強まったからではないかとみられる。また、間接的にせよ政治的な圧力もやや気がかり材料ともなっていた可能性もある。

 特に1月は中川秀直自民党幹事長などは議決延期請求権を政府に要望するなど、あからさまに日銀に圧力をかけるような発言が繰り返されていた。1月18日にTBSは「日銀は、今回の金融政策決定会合で、金利の引き上げを見送る見通しである、と今週初めまでに政府側に非公式に伝えていたことが、JNNの取材で明らかになりました。」とも伝えていた。この真偽は不明ではあるが、こういった記事が出るぐらいに、日銀もこの政府の意向といったものをかなり意識していたことは確かではなかろうか。

 政府からの日銀の金融政策に対する姿勢について、これまでと比べて多少様相も変ってきているようである。16日の日経新聞によると、自民党の丹羽雄哉総務会長が「(日銀の)判断を尊重しないといけない。説明はしないといけないが、我々がとやかく言うべきことではない」と述べたそうである。また、津島雄二氏も「中央銀行が与えられた仕組みできちんと決めていくのが筋だ。政府が介入しているという印象はすべてマイナスになる」と指摘したそうである。

 ここで気をつけなければならないのは丹羽氏は確かに自民党三役の一人ではあるが、決して首相に近い人物ではないということである。実は丹羽氏の選挙区に私の家も入っているが、そのポスターがなかなか微妙である。ポスターの写真は、丹羽氏が自民党の会合か何かで立って話をしている姿であるが、その後側に座っている安倍首相が何気なく写っているのである。握手をしているとかではなくて、たまたま隣に写っているポスターなのである。つまりそんな距離感なのである。

 それはさておき、尾身財務大臣も16日に「具体的な金融政策についてとやかく言うことは控えたい」とある意味「とやかく言っている」人に向けたような発言もあった。そのとやかくの一人、やはり自民党三役の一人中川昭一政調会長は「1月の状況とあまり変っていないという認識は持っている」と利上げに踏み切れる情勢ではないとの認識を示していた。そして注目の中川秀直氏は16日に「政府と経済政策の目標を共有し、日銀が冷静に判断する」、「10-12月期GDP、7-9月期GDPとならしてみるべき」とコメントした。

 なにはともあれ、1月に比べてだいぶマスコミも慎重な報道となっている。政治家からの日銀への圧力ととも取れる言及も限られ、一部からは利上げ容認論も出ていることはやや様相が異なってきている。これが本来の姿であるべきとも思うのだが。
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by nihonkokusai | 2007-02-16 13:00 | 日銀 | Comments(0)
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