「ほっ」と。キャンペーン

牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「過去最大規模の経済対策と債券市場」

6日に与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は、追加経済対策についてGDP比2%を超える真水規模とするよう首相から指示があったことを明らかにし、これにより2009年度補正予算案は10兆円を超え、1998年11月の経済対策時の真水7.6兆円を超えて、過去最大規模となる通しとなった。

これまでの過去最大規模となった1998年11月16日に発表された小渕政権時の経済対策は、6兆円超の恒久的減税を含め24兆円規模となり、これには批判も多かった地域振興券の配布なども盛り込まれていた。このときの真水部分は7.6兆円となっていたが、この発表があった翌日の11月17日にムーディーズは日本国債の格下げを発表している。さらに12月に入り、のちに運用部ショックと呼ばれた債券相場の急落という事態を迎えることともなった。

今回の追加経済対策については埋蔵金などの活用にも限度があり、その多くは赤字国債の発行に頼らざるを得ない。新規国債発行額については与謝野馨財務相は「数字は持っていない」と述べるにとどめたが、10兆円規模に膨らんだとしてもおかしくはなく、国債の需給を取り巻く環境が1998年当時の状況に似ているように思われる。

今回の経済対策の内容について、重点項目としては5つ上げられ、非正規労働者に対する新たな安全網構築、資金繰り危機対応で万全な措置・政府系金融のフル出動、太陽光発電の抜本拡大・世界最先端の研究者の支援強化、介護・医療に対する不安除去、自治体の地方活性化への取組みの応援が基本に取り組まれる。しかし、10兆円規模となるとかなりの金額であり、こういったものの積み上げだけでは限度もあろう。最初に10兆円という数字ありきという姿勢について、首相は国際協調を意識したものと発言していたようだが、選挙を睨んでの数字と見なされても致し方ないところであろう。

日銀は3月の金融政策決定会合で国債買入の額を毎月1.4兆円から1.8兆円に引き上げた。これにより年間4.8兆円の国債を新たに買い入れることになる。それでも今回の補正の真水に相当する額の半分以下にしかならない。

景気回復への期待もここにきて出てはいるが、足元は戦後最悪とも言われる景気悪化の真っ只中にある。それでも長期金利は国債への需給悪化により、利回りはむしろ上昇基調となり、これまでの1.2%から1.4%のレンジを上抜け、1.4%から1.6%のレンジ相場に移行しつつある。

今後、具体的な追加経済対策の内容とともにそれに伴う国債増発の金額等が明らかになるにつれ、債券市場では需給悪化懸念が強まる可能性がある。そして、1998年のように何かしらのきっかけで債券相場が急落する可能性もないとは言えない。
[PR]
by nihonkokusai | 2009-04-07 10:24 | 債券市場 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー