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「日銀の国債買入の増額」

日銀の白川方明総裁は3月12日の参院予算委員会で、長期国債買い入れについての質問に対し、「金融調節の必要性から離れて、財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れると長期金利に悪影響を与える」と指摘していた。そして「買い入れ額は必要性や先行きの日銀の資産、負債の状況を踏まえて決定している」とも説明していた。

3月14日の日経新聞の一面には「国債買い取り増額へ」との記事があった。日銀は長期国債の買い取りを増額する方向で検討に入り、17日から18日にかけて開催される金融政策決定会合で議論されるという。

日銀は12月の会合で、長期国債の買い取り額をそれまでの毎月1兆2千億円から1兆4千億円に拡大した。それをさらに1千億円から2千億円増加する方向で議論するとか。

日銀は銀行券の発行残高を長期国債の保有上限としているが、日銀券の発行残高は2009年2月末(日本銀行勘定より)で76兆9222億円に対し、保有長期国債は43兆6067億円と、差し引きで33兆3155億円の買い入れ余力がある。

すでに政策金利は0.1%まで引き下げられ、これ以上引き下げることは難しい。もちろんゼロ金利やマイナス金利にするという方法もないとは言えないが、白川日銀は金利をこれ以上引き下げることは現時点では考えていないとみられ、今後の政策については金利以外での手段を講じてくると予想される。

16日の日経新聞では日銀が銀行の資本増強を後押しするため、劣後ローンなどを引き受ける新たな金融危機対策を検討していると伝えているが、これは金融政策ではなくプルーデンス政策と呼ばれる金融システムの健全性や安定性を維持するための政策であるため、金融政策決定会合ではなく通常の政策委員会で議論されるものである。

今後の決定会合で議論されるものとしては、国債の買い取り増額が有力とみられていたが、今後は今年度の税収不足や来年度補正予算の編成などによる国債増発も予想されることで、今後の長期金利は国債需給悪化により上昇してくる可能性もあるため、これによる国債増発額がある程度はっきりしてから、日銀は国債買い取りの増額に動くのではないかと予想していた。

しかし、これにタイミングを合わせると白川総裁の言うところの財政ファイナンスを目的として長期国債を買い入れるかたちになってしまうことも確かである。このため、やや苦しい部分はあるが、長期金利に働きかけることを目的とせずに、あくまで金融調節の必要性という名目により、今回の決定会合で議論されるとみられる。
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by nihonkokusai | 2009-03-16 17:02 | Comments(0)
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