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「物価連動国債」

3月10日の日経新聞によると、財務省は需要が低迷し現在新規の発行を停止している物価連動国債に対し、その商品性を見直す検討に入ったと伝えている。物価が下落しても元本を保証する制度を2009年度にも導入する見込みとのこと。

これまでの物価連動国債は、元金額が物価の動向に連動して増減する。つまり、償還額は償還時点での想定元金額となり、表面利率は一定だが、利子の額は利払時の想定元金額に対して表面利率を掛け算したものとなるため、物価上昇により想定元金額が増加すれば利子の額も増加するといった仕組みになっている。

2004年3月から日本でも発行された物価連動国債の購入者は、主にヘッジファンドなどの海外投資家となっていた。国内投資家が物価連動国債の購入に慎重になっていたのは、そもそも国内投資家がインフレに連動する負債を持っていないことに加え、元本が保証されていないことにより、より満期保有ができないという商品性にとところが大きいかった。

ところが、海外投資家がサブプライム問題などによる金融市場の混乱により、保有していた物価連動国債を売却したことにより、価格が急落し、買い手が不在となったことで流動性そのものが欠如する状況となり、財務省は2008年9月以降、物価連動国債の新規発行を凍結するという事態となったのである。

物価連動国債は欧米などでは広く普及している。アメリカやドイツ、フランスでは価格下落時に元本を保証する「フロア」の設定といった元本保証を導入していることで、市場参加者からは元本保証など商品性を変更した上での発行再開を望む声も強い。

ただし、国内投資家に潜在的なニーズがなければ、これまで同様に海外投資家主体の保有となりかねない。さらに今後の日本におけるデフレ観測も強く、インフレヘッジのための商品に対するニーズそのものも強まるかどうかは不透明とみられる。

財務省は、将来、個人向けの物価連動国債発行も視野に入れているようである。しかし、日本の個人投資家はそれほどインフレリスクを意識しての資金シフトはあまり行なってきていないように思われる。さらに債券投資において個人は変動利付に対して、個人向け国債の10年変動タイプの売れ行きなどを見ても嫌う傾向にあるように思われる。個人への物価連動国債の普及も、そりメリットが強く認識されない限りは現実としてはかなり難しいのではないかと思われる。
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by nihonkokusai | 2009-03-10 13:17 | 国債 | Comments(2)
Commented by yabu at 2009-03-10 18:51 x
現在は物価連動国債を個人が購入できず、投資信託しか購入できません。元本保証で個人が直接購入できるようになれば、この不況のあとはいずれハイパーインフレが必至ですので、潜在的なニーズはあると思います。消費税がアップすれば、物価はそれ以上にあがります。海外
の人気からみれば、いずれ、日本の個人も注目せざるをえないとおもいます。

個人的には、国債の性格が変わったとき、今の物価連動国債ファンドがどうなるかは心配ですが?

個人向け国債10年タイプが人気がないのは、変動利率だからではなく、スプレッド-0.8%が大きくて、利率が低くなるからと思います。
ー0.3%ぐらいなら人気急上昇でしょうが(笑)
Commented by nihonkokusai at 2009-03-11 09:29
 yabuさんのご指摘のように、潜在ニーズが強いと見ている方も市場関係者にも多いようですが、私はやはり懐疑的です。10年変動タイプの不人気の最大の理由が利率の低さにあることは確かですが、それと変動のわかりにくさも大きな要因となっているようです。
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