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「白川日銀総裁会見より」

2月19日の白川日銀総裁の会見の内容を見てみたい。この中で、白川総裁はFRB、ECBそしてBOEとの比較をしている箇所がいくつかあり、興味深い。まず「いわゆるLIBOR と呼ばれる市場金利の直近の水準をみると、円が0.63%、ドルが1.25%、ユーロが1.90%です。このように、まず短期金利の世界において日本銀行は非常に低い金利を実現している」とし、LIBORの金利で見る限りは日本の短期金利が極めて低い点を示している。

「これは意外に認識されていない事実でありますが、FRBもECBも現在、長期国債買入れオペは行っていません。日本銀行は長期国債買入れオペを行っており、先般、この増額も図ったところです。」

FRBは国債買入の姿勢は示しているものの、具体的な決定には及んでいない。まだ内部には慎重論も強いとも思われる。

「日本銀行は、政策金利の低下余地が限られる中で、金融面から実体経済を下支えしていくために、様々な工夫をしながら金融市場の安定確保と企業金融の円滑化に努めています。」

「目標金利をゼロに引下げることについてですが、私の理解する限り、そうした議論は無かったと思います。」

上記の発言からは、当面はこれまで打ち出した政策の効果を見極め、少なくとも金利をさらに引き下げる考えはないことを示したものと思われる。

「損失発生の可能性は、格付、信用度を下げるほど、また期間を長くするほど大きくなっていくという関係にあります。中央銀行が損失を被った時に、すなわち損失を計上した時に、第一義的には中央銀行の財務基盤に影響するわけですが、それと同時に中央銀行に対する広い意味での国民の信認にも影響することになります。」

これは日銀が買入れたCPや社債に関して、今後、格付・信用度の引き下げや、より残存期間の長い社債の買入れなどを期待する声が高まる可能性に関し、そういったものを中央銀行が保有するリスクをあらためて示した。

「英国では、短期のCP、長期の社債のいずれも買入れることに踏み切りました。オペレーションはBOEが行っていますが、損益は全て政府に帰属するという形で始めました。米国は、短期のCPはFRBが購入し、今月から始める消費者ローンやオートローンなどが組み込まれたABSの買入れについては、期間は3年だと思いますが、政府が損失を負担する形です。先だっての発表で規模が拡大し、確か1兆ドルになりましたが、そのうち最初の損失発生分1000 億ドルは政府が負担することになります。ECBは、現在のところCPも社債も買入れは行っていません。」

日銀が金融機関から買い取るCPや社債に関しては、損失は政府に帰属するわけではなく、政府の損失補償があるわけではない。BOEもFRBもリスク資産を買い取るという思い切った措置をとっているが、中央銀行の負うリスクについてはある程度政府の負担が存在している点が日銀と異なっている点を示している。
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by nihonkokusai | 2009-02-23 09:34 | 日銀 | Comments(2)
Commented by kawazukiyoshi at 2009-02-23 16:40
白川さんのことが余りはっきり分かりませんね。
何を考えているのか、もっと公表すべきなのかなー。
日銀の働きはどこまで可能なのか分かっていない気がします。
今日もスマイル
Commented by nihonkokusai at 2009-02-24 09:27
 白川さんは、危機対応を含めて、日銀の働きに関してはわかるすぎるぐらいわかっていると思います。しかし、日銀プロパーでもあり、通貨・物価の番人として、リスクを積極的に背負い込むことは避けたいのでしょうね。
 総裁のコメントの仕方については同感で、もう少しアナウンスメント効果を意識して、積極的に取り組んでいるとの姿勢をアピールしたほうが良いかと。このあたりは福井前総裁などはうまくやっていたように思います。

 
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