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「ミニ長期国債先物取引の導入」

東証は3月23日より長期国債先物取引において「ミニ取引」を導入する。ミニ取引といえば、2006年7月18日から大阪証券取引所において「日経225mini」がスタートしている。1988年9月に大阪証券取引所に上場された日経225先物取引では、最低取引単位が日経平均株価の1000倍であるのに対し、「日経225mini」は最低取引単位をその10分の1に小口化した。呼び値の単位も日経225先物取引が10円に対して「日経225mini」は5円刻みとなるなど、個人投資家を意識した取引となっている。実際に「日経225mini」は人気化し急激に取引を増加させた。日本における最初の金融先物取引である長期国債先物においても「日経225mini」同様に個人の取引を取り込もうと「ミニ取引」が導入される。

1985年10月に東京証券取引所において日本ではじめて登場した金融先物市場が「長期国債先物取引」である。私は日本での金融先物の開始にたいへんに関心を持っていたこともあり、1986年10月からは証券会社の自己部門で長期国債先物のディーリングに携わることとなり、約14年程度取引を行ってきた。

その間の私の経験から見てみると、意外に個人は債券の先物取引にも関心を示し、実際に取引をしていた個人も当初は多かった。しかし、最低取引単位が1億円と金額が大きくちょっとした値動きで損益が大きく振れることや、債券先物は「現引き現渡し」が存在するため、仮に売買最終日までに反対売買をしなければ億円単位の資金、もしくは現物を用意する必要があるといったリスクも存在し、それらがネックとなってか、個人の取引は次第に減っていった。

3月から開始される「ミニ長期国債先物取引」では、最低取引単位が1000万円と長期国債先物取引の1億円から小口化され、呼び値の刻みも額面100円につき0.5銭と 長期国債先物取引の額面100円につき1銭から刻み幅が小さくなる。さらに最終決済が長期国債先物取引が現物の受け渡し決済に対し、ミニは「差金決済」となり、現物を様子するといったリスクはなくなっている。

果たして、このミニ長期国債先物取引に個人投資家を呼び込むことは可能であろうか。債券市場は株式市場や外為市場に比べ、個人にとりかなりマイナーな市場との意識も強い。しかし、日本の債券市場は取引する巨額の国債が存在し、現実には世界的にもたいへん大きな市場なのである。また、日経平均先物やドル円などと同様の値動きも大きい。国債の需給面などやや専門的な要素はあるものの、短期売買を主体とする個人であれば十分に活用できると思われ、日経225miniやFXなどとともに個人投資家が頻繁に売買できる取引商品になる可能性を秘めていると思われる。

2008年5月に東証はミニTOPIX先物を上場している。先行した「日経225mini」がすでに多くの個人投資家を引き入れネット証券などを含めて取り扱い業者も多いのに対し、ミニTOPIX先物の取り扱い業者は限られていることもあり、出来高はかなり少ない。日本の金融先物は一部商品に取引が集中するのが特徴でもあり、債券先物についても超長期先物や中期先物はほとんど取引が行われず、長期国債先物に集中していた。日経225miniを取引している個人投資家をミニ長期国債先物取引呼び込めるかどうか、システム対応を行なう必要ある業者の動向なども影響しそうである。
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by nihonkokusai | 2009-02-17 10:01 | 債券市場 | Comments(0)
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