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「ユニクロ、マクドナルド、TDL」

100年に一度の経済危機とも言われる中にあって、ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングや日本マクドナルド、そして東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの業績が好調となっている。

ユニクロはヒートテックなどヒット商品もあるが柳井社長の経営手腕によるところが大きいと言われている。日本マクドナルドは新製品投入やバリューメニューの強化、24時間営業店舗の拡大などが寄与したという。オリエンタルランドは開業25周年イベントの影響も大きいとみられるが、金融危機後の昨年10~12月も入園者が予想を上回ったそうで、金融経済危機の影響をそれほど受けていなかった。

これらの企業の業績好調を「安近短」傾向だけでは説明することはできないのではなかろうか。景気悪化による雇用への懸念もあり、個人消費も大きく落ち込んでいる。個人は財布の紐を固くしていることは確かだが、あくまで消費は切り詰めるのであり、消費を控えているわけではない。その消費先にこれらユニクロやマクドナルド、さらにディズニーリゾートが選択されているのである。

これまで百貨店でブランド物を購入したり、高級レストランで食事をしていたり、海外旅行を頻繁に行ったりしていた層が、景気悪化でユニクロやマック、ディズニーランドで我慢しているということは考えづらい。こういった層はあくまで浪費の頻度を落とすことがせいぜいではなかろうか。

この3つのブランドに共通しているのは、小さい子供のいる若い標準的な家族ではなかろうか。ユニクロ、マクドナルド、そしてディズニーリゾートのリピーター層はアラフォーと呼ばれる40歳近辺の小さい子供を持つ世代の家族とみられ、さらにその家族の子供達に抵抗なく資金を供給している層が別途いる。アラフォーの親、つまり子供達の祖父や祖母となった団塊の世代である。ディズニーランドの開園時には団塊の世代がその子供達を連れて行ったはずであり、当時はすでにマクドナルドも全国展開を進めていた。ユニクロの東京進出は1998年でこちらは歴史が浅いが、店舗には若い夫婦連れとともに団塊の世代も意外と目立っている。

どうやら、景気悪化の中でも業績が好調なのは、お金を使っている世代をうまく取り入れている業態とみられる。この層はそれほどの贅沢はせずとも、ささやかな贅沢を楽しんでいる。そしてその層は意外と厚い。この世代のささやかな贅沢をうまく取り込めるかどうかが、今後の課題となるのではなかろうか。
by nihonkokusai | 2009-02-06 13:04 | 景気物価動向
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