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日銀、銀行保有の株式購入再開を発表(ちなみに本日10年国債入札日)」

日銀は本日開催された定例の政策委員会で、銀行保有株の買い取りを再開することを決めた。買い取り枠は1兆円で2010年4月末までの時限措置となる。格付けがトリプルBマイナス相当以上の上場株式を対象。

2007年7月以降株価は下落基調となり、昨年のリーマン・ショックによりその下落に拍車がかかり、銀行保有の株式の含み損が膨らんでおり、金融機関保有の株式を日銀が買い取ることにより、金融機関の貸し出しを促し、企業の資金繰りを支援する。

前回、日銀が銀行保有の株式買取を決定したのは2002年9月18日である。当日の「若き知」にはこう書いた。

「日銀は金融政策は現状維持のままとしながらも、金融システムの安定化のために金融機関の保有株式を日銀が直接購入することを速水総裁は会見で発表した。日銀券の信用の裏づけとなるのは日銀資産となる。その資産は日銀法で制限されており、株式のようなリスク資産を保有することを禁じている。それにもかかわらず日銀は、日銀法43条の例外規定を適用してまで株式の買い取りを決定した。買い取りは時価がベース。Tier1を越えた過剰株式に焦点。これはおおよそ7兆円程度と言われる。保有株式は10年程度は日銀は保有する。株式買い取りは金融調節手段としての位置付けではないともコメントがあった。まさに、日銀は昨年の量的緩和に続いて思い切った措置をとったと言える。日銀に対する信用失墜が日本国債に対する信用失墜に繋がると連想したのか、債券市場は急落。債券先物は数度の板寄せをしたのちストップ安をつけた。」(2002年9月18日の「若き知」より)

さらにその2日後の9月20日の「若き知」では、

「9月20日の10年国債入札において、10年国債としては初めての「札割れ」が発生した。この札割れはなぜ起こってしまったのであろうか。その大きな原因は、債券相場が10年ゾーンで1%まで上昇していたことによるものであった。デフレ継続による時間軸の拡大、そして小泉政権の財政構造改革推進による国債への信認、そして金余りといったものを背景に国債主体に債券が買われ、5年国債の金利も史上最低水準にまで低下していたのである。このように長期金利がかなり低金利となっていたところに、日銀ショックが発生した。18日、日本銀行の速水総裁は、金融システム安定化策としても日銀が直接に金融機関から株を買い取ることを発表した。これを受けて、債券先物が急落。1999年6月11日以来のストップ安をつけたのである。なぜ、日銀が株を買い取ることで債券が売られるのか。その最も大きな理由は、国債に対しての信用に影響が及ぶと思われたためである。日本銀行は通貨の番人とも呼ばれるが、国内で唯一、日銀券つまりお金を発行している銀行である。もし、日銀がリスクのあるものを買い込んで、日銀券の信用力の裏づけとなる日銀の資産を劣化させれば、通貨、つまり円が大きく売られる可能性がある。日本の通貨に対する信用がなくなれば、国債に対する信用にも当然ながら影響を及ぼすためなのである。」(2002年9月20日の「若き知」より)

今回は、たまたまではあろうが、銀行保有の株式購入再開の発表当日が10年国債の入札日であった。さすがに2002年の経験もあることで札割れという事態は回避されると思うが、債券市場関係者は昔の嫌な記憶が頭の中を過ぎったことも確かであろう。

ちなみに2002年9月20日の札割れ当日の日に拙著「日本国債はあぶなくない」が発行された。今日は特に新著の発行は残念ながら予定されていない。
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by nihonkokusai | 2009-02-03 12:18 | 日銀 | Comments(0)
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