「さらなる悪化を示す経済指標」
製造工業生産予測調査では、1月がマイナスの9.1%、2月も4.7%の低下を予測しており、2009年1~3月期も前期比二桁のマイナスとなる可能性がある。 在庫指数も前月より0.1%の上昇となっており、2001年9月以来の高い水準となった。与謝野経済財政相はこの鉱工業生産指数を受けて「これほど鋭角的な落ち込みは過去経験したことがない。今後も落ち込みが続く可能性がある」と悲観的な見方を示した。
2008年12月の完全失業率(季節調整値)は、前月に比べ0.5ポイントの上昇の4.4%となり、大幅に悪化した。また12月の有効求人倍率は0.72倍で前月を0.04ポイント下回った。
失業率は景気に対して遅行指数に含まれるなど、景気の動向に遅れて悪化する傾向があるため、鉱工業生産指数の動向などを見ても、失業率は今後さらに悪化する可能性がある。
30日には12月の家計調査の結果も発表されたが、2人以上の世帯の消費支出は33.7万円となり、物価変動を除いた実質で前年同月比マイナス4.6%と10か月連続のマイナスとなり、2006年9月のマイナス6.0%以来の減少幅となった。
生産の悪化とともに、雇用への不安などにより個人消費もここにきて大きく落ち込んでおり、これは物価の下落要因ともなっている。 30日に発表された12月の全国消費者物価指数(除く生鮮)は前年同月と比べて0.2%の上昇となった。前年の実績を上回るのは15か月連続となったものの、伸び率は11月の1.0%に比べ大幅に縮小しており、今後は消費の低迷を受けての値下げの動きも本格化するとみられ、早ければ1月もしくは2月あたりにはCPIは前年同月比マイナスに転じるとも予想されている。
1月22日に発表された日銀の展望レポートの中間レビューでは、全国消費者物価指数(除く生鮮)については2008年度がプラス+1.2%と10月時の見通しのプラス1.6%から下方修正され、さらに2009年度の予想ではマイナス1.1%と10月見通しのプラス0.0%からマイナスの予想となっており、今後はデフレ圧力が強まる懸念がある。