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「1990年代のスウェーデンにおける金融危機への対応(バッドバンクとグッドバンク)」

スウェーデンでは、1980年代に入り段階的に進められてきた金融自由化や通貨安を背景に、株価や不動産価格が急騰し、1980年代後半にいわゆる「バブル」が発生した。しかし、世界経済の減速などからバブルは崩壊し、スウェーデン経済はリセッション入りした。主要金融機関の経営が危機に陥るなど大恐慌以来最悪の経済金融危機を迎えたのである。

これに対し、スウェーデン政府は1992年9月に「スウェーデンの銀行免許を持つ全銀行の債務を政府が保障する」旨の発表を行い、12月には「金融システム強化策」が議会で承認された。1993年5月に金融機関支援委員会(BSA)が設立され、BSAは経営の悪化した銀行に対する出資を行ったほか、特別債権回収銀行(バッドバンク)を設立して銀行の不良債権を分離移管し、優良資産の部分を銀行に残して(グッドバンク)存続させるといった施策を行った。この際に金融機関に公的資金を投入する際に保有株式の引き渡しを株主に求めた。税金による公的資金を回収するためには、政府が金融会社の株主になる必要があったためである。その後、グッドバンクはリストラ策などにより業績が回復し、政府は保有株の一部を売却して国有化の際に投入した資金を回収した。 バッドバンクでは政府は専門家の助言を得て再生可能な事業は多様な手法で再建し、再建不能な事業は不動産や株式に転換するなど、多様な手法を用いて付加価値を高めて売却した。

こうしてスウェーデンの金融危機はほぼ2年で収束した。政府による迅速な対応に加え、支援に対して銀行側から各種データを提出させ金融機関の中身を詳細に調査した上で対応を決定するなど透明性も強め、国民の理解を得られたことが危機を早期に克服できた要因とされた。
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by nihonkokusai | 2009-01-28 10:16 | 景気物価動向 | Comments(0)
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