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「サレンバーガー機長と白川総裁」

1月15日の日本時間の早朝、ニューヨークのラガーディア空港を離陸したUSエアウェイズのエアバス機1549便は、バードストライクと呼ばれる飛行機のジェットエンジンに鳥が飛び込んだことにより、高度が900メートルしかないところで2つのエンジンが停止してしまった。

片方のエンジンが生きていれば推進力は維持されるが、2つしかないエンジンの両方が停止してしまうと、あとはグライダーのように滑空できるだけの状況に陥ってしまう。この前代未聞の事態に対し、チェスリー・サレンバーガー機長は時間や選択肢が極端に限られる中にあって、沈着冷静な判断を行い、ハドソン川に着水することを決意する。

プロが驚いたという見事としか言えない操縦により、衝撃による機体の破損を最小限度に押さえ、無事に大型旅客機をハドソン川のフェリー・ポート近くに着水させた。乗客乗客155人全員は無事脱出し、これをニューヨーク州のパターソン知事はハドソン川の奇跡と呼んだ。

2006年3月に日本銀行は量的緩和政策を解除した。同年7月に政策金利である無担保コール翌時物金利の誘導目標0.25%に引き上げたことでゼロ金利政策も解除された。さらに2007年2月には政策金利を0.50%まで引き上げた。

しかし、米サブプライム問題を発端とする世界的な金融経済危機が飛び込んで、政策金利はわずか0.5%しか上がっていない中にあり、日本経済を支えていた生産や消費などのエンジンが停止してしまったのである。

この世界的な金融危機という前代未聞の事態に対し、操縦桿を福井総裁からバトンタッチされた白川総裁を中心とする日銀のクルー達(政策委員)は、選択肢が極端に限られる中にあって、流動性供給策とともに再び金利を低めに誘導することを決意する。

2008年10月に政策金利を0.5%から0.3%に引き下げ、12月にはさらに0.1%に引き下げ、長期国債買入オペを毎月1.2兆円から1.4兆円に増額し、極めて異例とするCPの買入も決定したのである。

これによって景気悪化から日本が無事脱出できるかどうかは、まだわからない。景気の落ち込み度合いは過去に例のない状況ともなっており、日銀は今後もこの非常時に際し、過去の経験などを踏まえての適格な対応が求められよう。もちろんこの危機に対し、日銀だけで行なえることに限度があるのも確かである。しかし、日銀が政府や各国中銀などと協力し、適格かつ迅速な対応を行うことによって、景気を軟着陸させることも可能なのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2009-01-20 10:03 | 日銀 | Comments(0)
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