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「ハドソン川の奇跡」

1月15日の日本時間の早朝、ベンダーに「ハドソン川に飛行機が墜落」との記事が流れた。しかし、その後の記事では墜落ではなく「着水」となっていた。さらにその後のニュースで、乗客乗員全員無事が確認との報が入った。いったい何が起きたのか。その精細は次第に明らかになっていった。

USエアウェイズのエアバス機1549便がニューヨークのラガーディア空港を離陸直後、バードストライクと呼ばれる飛行機のジェットエンジンに鳥が飛び込んだことにより、よりによって2つのエンジンが停止してしまったそうである。

高度は900メートルしかないところで、2つともエンジンが停止してしまった。片方のエンジンが生きていれば推進力は維持されるが、2つしかないエンジンの両方がやられてしまうと、あとはグライダーのように滑空できるだけの状況に陥ってしまったのであり、まさに航空機史上前代未聞の出来事が発生してしまった。空港に降りるという選択肢は、市街地への墜落の可能性がある。このためチェスリー・サレンバーガー機長は時間が極端に限られる中にあって、沈着冷静な判断を行い、ハドソン川に着水することを決意する。しかもプロが驚いたという見事としか言えない操縦により、衝撃による機体の破損を最小限度に押さえ、ハドソン川に無事、大型旅客機を着水させたのである。

気温は氷点下という状況下、救出が遅くなるとせっかく助かった乗客の命にもかかわることで、機長は救出がすぐに行なえるフェリー・ポート近くに着水させることまで計算していたとか。実際に、すぐに近くのフェリーなどが救出に向かい乗客全員が脱出できた。しかも最後に機長自ら2度も機内を回って確認した上で、機長自身も無事に脱出している。

まさに奇跡としか言いようのないことをやり遂げた機長は、関係者からの事情聴取の前に、家族に電話したそうだが、事故のことは触れずに、今晩の夕飯はいらないと普段通りの会話をしたそうである。いったん聴取が終わった際には、用意された休息所の片隅で、何事もなかったかのように制帽を被ったまま、のんびりとコーヒーを啜っていたところを消防隊員などに目撃されていたそうである。どう見ても映画のシーンとしか見られないようなヒーロー像をまさに地でいっているような人物であった。すごいスペシャリストが世の中にはいるものなのかと驚いた。事故調査が続いていることで、残念ながらサレンバーガー機長本人の声は伝わってきていない。しかし、アメリカにまた一人、本物のヒーローが誕生したことは確かなようである。
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by nihonkokusai | 2009-01-19 16:34 | 趣味関心 | Comments(0)
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