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「11月20日~21日の日銀の金融政策決定会合議事要旨より」

本日、11月20日と21日に開催された日銀の金融政策決定会合議事要旨が発表された。

この中で国内景気について、政策委員は、既往のエネルギー・原材料価格高の影響や輸出の減少などから、停滞色が強まっており、当面、こうした状態が続く可能性が高いとしている。世界経済の減速や国際金融資本市場の動揺を踏まえると回復への条件が整うには、相応の時間を要する、との見方で一致。

相応の時間とはどの程度の時間を想定しているのだろうか。

何人かの委員は、先行き、経済や物価の下振れリスクが顕在化する蓋然性は高まっているのではないかとの認識を示した。物価について多くの委員が、景気の下振れリスクが顕現化する場合には、物価も下振れるリスクがあることに注意する必要があると述べた。

ただし、物価が想定よりも高止まる可能性もあると、指摘していた委員もいた。

そして、総裁とみられる委員は、今後、エネルギー・原材料価格の低下を反映して、物価上昇率が一時的に大きく低下していく可能性があるが、物価の安定については中長期的な視点から判断していくことが重要であり、この点について適切な情報発信をしていく必要があるとも指摘している。

たとえCPIが一時的に再びマイナスとなっても、金融政策は中長期的な視点から判断していくということか。

金融環境について、中小・零細企業で資金繰りが悪化しているほか、大企業においても市場での資金調達環境が悪化している先が増えるなど全体として緩和度合いが低下しているとの認識で一致。

CPや社債市場において信用スプレッドが拡大しているほか、起債見送りの動きが拡がるなど市場での資金調達環境は悪化しているとの認識で一致。何人かの委員はマクロでみるとCPや社債による調達額の減少は、銀行貸出でカバーされており、1999年のような大規模な信用収縮が起こってはいない、と述べていたようだ。

たしかにある程度銀行貸出でカバーされ、信用収縮は起こってないとはいえ、政府による資金繰り支援緊急保証制度の利用が広がるなど特に中小企業の資金繰りはかなり厳しいことも事実。

多くの委員は、現時点では前回決定会合(10月31日)で行った政策金利の引き下げや新たに導入した補完当座預金制度の効果を見極める段階にあるとし、この際には金融政策は現状維持となっている。

複数の委員は、前回の決定会合の採決結果に関する市場の受け止め方等を踏まえ、採決結果の対外公表の方法について工夫の余地があるのではないかと述べたが、これは是非検討していただきたい。

年末年度末に向けた積極的な資金供給など適切な金融市場調節を通じて金融市場の安定確保に万全を期していくことが重要であるとの見解で一致。 資金需要が高まる年末、年度末に向けて企業金融円滑化のために、具体的な対応策をとる必要があるとの見解でも一致。

このため、何人かの委員は現在の日本の金融環境は中央銀行が直接、信用リスクをとる必要があるほど悪化している訳ではないのではないか、と述べた。ある委員は、先行きの情勢次第では、中央銀行が信用リスクをとっていく政策も視野に入れる必要があるのではないかと述べていたが、これが12月2日の臨時会合、そして12月19日の追加利下げ含めた積極対応へと繋がることになる。
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by nihonkokusai | 2008-12-25 09:57 | 日銀 | Comments(1)
Commented by 天竺浪人 at 2008-12-25 12:41 x
 それにしても11月時点での日銀の認識の甘さには、驚きです。 なぜ利下げをしたにも拘わらず、SBやCPの発行金利が暴騰しているのに、マクロでみれば銀行貸出でカバーされているなどと、言えるのでしょうか?市場金利をさげても実効金利が下がってなければ、実質的な利上げだということは、中学生でも分かると思うのですが、このような中央銀行を持った日本の来年が心配です。
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