牛さん熊さんブログ

bullbear.exblog.jp ブログトップ

「12月調査日銀短観と日銀の動向」

15日に発表された日銀短観では、大企業製造業業況判断DIはマイナス24とほぼ市場予想の範囲内となったが、前回の9月調査から21ポイントの悪化というのは1975年のオイルショック時以来の下落幅となった。大企業製造業業況判断DIの3月予測は、マイナス36とさらなる落ち込みを予想している。また、2008年度の設備投資計画は、全産業全規模ベースで前年比マイナス2.8%と9月調査から1.5ポイント下方修正された。

短観の最大の特徴は、これまで景気回復をけん引してきた、自動車、電機、一般機械3の業種のDIがそろって20ポイント以上急落したことがあげられている。特に自動車は12月はマイナス41となり、3月予測もマイナス68となった。

企業の資金繰りも悪化しており、資金繰り判断DI(全産業)(「楽である」-「苦しい」)は、大企業が9月のプラス15から12月はプラス7に落ち込み、さらに金融機関の貸し出し態度DI(「緩い」-「厳しい」)は、大企業が9月の13から12月はマイナス4と17ポイントも悪化し、これは1999年6月以来の9年半ぶりのマイナスとなったようである。

CPの発行環境DIをみると、大企業ベースで前回9月調査のプラス1からマイナス20に落ち込んでいる。特に建設・不動産、リースなどが厳しい状況となっていることが伺える。

16日の日経新聞は、この短観の内容などを受けて、日銀が18日から19日にかけて開催される金融政策決定会合で、市場への資金供給拡大のための追加策を打ち出す検討に入ったと伝えた。

具体的には、12日に政府が打ち出した日本政策投資銀行によるコマーシャル・ペーパー(CP)買い取り策に呼応するかたちで、日銀もCPの買い取りを検討するとみられ、日銀の貸し出しなどの担保として受け入れる資産の範囲拡大なども行なわれるとみられる。これらの可能性に加え、日経は長期国債購入の増額も含めて幅広い案が浮上していると伝えている。

4日の衆院予算委員会で麻生首相は「日銀による長期国債買い入れ、日銀券発行残とのバランス踏まえて判断する必要」と発言した。このためいずれかのタイミングで日銀が量的緩和政策を再導入し、それと同時に2001年と同様に長期国債の買い入れの増額が検討される可能性はある。

日銀は現在、銀行券の発行残高を長期国債の保有上限とし、毎月3000億円を4回、都合で1兆2000億円の国債買入を行なっている。日銀券の発行残高は2008年11月末(日本銀行勘定より)で76兆5945億円に対し、保有長期国債は43兆8141億円と、差し引きで32兆7804億円の買い入れ余力がある。

ただし、現在の国債買入に持ち込まれる国債は短期債主体となっていることもあり、もし買い入れが増額される際には買い入れの際の工夫も必要となる。
[PR]
by nihonkokusai | 2008-12-16 09:58 | 日銀 | Comments(0)
line

「債券ディーリングルーム」ブログ版


by nihonkokusai
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31