「公定歩合と新たなオペ」
公定歩合に関しては現在は、補完貸付金利(ロンバート型貸付金利)という役割にすで変っている。補完貸付とは、あらかじめ定められた条件を満たす限り、金融機関が希望するときに、担保(共通担保)の範囲内で希望する金額を日本銀行から、補完貸付金利(現在は0.5%)で借り入れることができるという制度。
無担保コール翌日物金利が日銀の誘導目標を超えて跳ね上がった際など、金融機関はロンバート型貸出制度を使うことで市場の実勢金利より低金利で日銀から資金を借りることができる。
さて、昨日発表された「民間企業債務を活用した新たなオペレーション制度」と、この補完貸付(旧公定歩合制度)と比較してみたい。
そもそも新たな制度は「オペレーション」とされているように日銀がタイミングを判断して行なうものであるのに対し、補完貸付は金融機関が希望するタイミングで資金を借りることができる。
借りる際の金利に違いがある。補完貸付の基準金利は現在0.5%に対し、新オペは「貸付期間中の無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標水準の平均値」、つまりは、ほぼ政策金利である0.3%近辺となる。
また、期間については補完貸付が「1営業日」に対し、新たなオペは来年4月30日以前での「3か月以内」。
借入額については、補完貸付も新たなオペも、共通担保の範囲内で希望する金額の範囲内での「無制限」となっている。