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「個人向け国債の販売低迷の要因とは」

2008年9月に募集され10月15日に発行された秋の個人向け国債の販売額は、10年変動タイプと5年固定タイプの合計で4,390億円と夏の個人向け国債の販売額(9,952億円)の半分以下となった。さらに10年変動タイプの販売額は461億円と10年変動としてはこれまでで最低の発行額となり、5年固定タイプは3929億円となった。

今回の個人向け国債の募集期間は9月となり、リーマン破綻などによる世界的な金融危機の最中となったが、通常ならば、質への逃避として国債に資金が集りやすいはずであるが、むしろ減少傾向となったのは、ひとつには夏の個人向け国債よりも利子が低下し、特に5年固定では心理的な節目とも言える1%を割り込んだことも大きい。

これまでの個人向け国債の販売状況を見ると、5年固定で見ると利子が1%台に乗せたときは売れ行きが良いが、1%を割り込むと販売額は落ち込んでいる。

さらに質への逃避先として個人向け国債に資金が集中しない要因としては、今回の利子の低さ以外に、途中換金に制限があることも要因となっているとみられる。

今回の世界の金融危機により、リスク資産には売却圧力が強まったが、金融機関は資金繰りのため、またヘッジファンドなどは投資家の解約に備えた現金化の動きを強めている。この現金化のための売りは国債にも入っているとみられている。

個人による質への逃避による資金の流出先は、個人向け国債などよりも預金に向かったものと思われる。10年で1年、5年で2年という途中解約できない期間があり、その間の流動性リスクといったものから個人向け国債がやや敬遠された可能性もある。

今年度の個人向け国債の発行予定額は6.2兆円だが、今年度の10月までの個人向け国債の発行額は10年変動で2,093億円、5年固定で1兆57,90億円と合計で1兆78,83億円に止まっており、1月の発行分が余程増加しない限りは、今年度の予定額には達しないものとみられる。

これは来年度の国債発行計画にも影響を与える可能性もある。前倒し発行の取り崩しなどによって対応されるとみられる。ただし、すでに15年変国や物価連動国債の年内発行が停止され、このままでは来年以降も発行されない可能性は高い。今年度の税収不足は少なくとも3兆円以上かともみられ、その分国債の増発圧力になる。

現状、来年度の国債需給に影響を与えるほどの増発圧力はないと思われるが、ここのところ財政悪化圧力が強まるような材料も多くなってきており、注意は必要になろう。
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by nihonkokusai | 2008-10-27 12:18 | 国債 | Comments(0)
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