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「日銀支店長会議の挨拶より」

日銀支店長会議の挨拶要旨を7月のものと、10月20日に行なわれたのものとを比較してみたい。

まず内容そのものの順番に入れ替わりがあり、7月は日本経済についてのコメントが最初にあったのに対し、10月は国際金融資本市場が最初にきている。これはもちろん金融危機の度合いが7月から10月にかけてより一層深まったことによるものであり、それにむけての国際協調も進んだことを強調するためかと思われる。

7月は「米国のサブプライム住宅ローン問題に端を発した不安定な状態が続いている」としていたが、10月は「米欧の金融機関の破綻などを背景に、緊張感が強まっている」として、一連の(各国政府や中央銀行の)措置が国際金融資本市場の安定化に繋がっていくことを強く期待している、との表現も加えている。

日本の景気についての認識は、7月の「減速している」から10月は「停滞している」とより悪化を示す表現となった。

設備投資についても7月の「増勢が鈍化」から10月の「減少している」に、個人消費については7月の「底堅く推移」から10月は「弱めの動き」に。さらに生産についても7月の「横ばい圏内」が10月は「弱めに推移」に下方修正された。

景気の先行きについても、7月の「当面減速が続くものの、その後緩やかな成長経路をたどると予想される」が、10月には「景気は停滞を続ける可能性が高いとみられる」としており、これらから見て日銀は今後さらに景気判断を下方修正してくる可能性は高いとみられる。

物価面では、7月の「石油製品や食料品の価格上昇などから、プラスを続けていくと予想される」から10月は「当面現状程度の上昇率で推移したあと、徐々に低下していくと予想される」として、原油価格の反落を意識しての表現となっている。もともと日銀による先行き物価の予想は一時的に上昇してもその後は低下するとみていたことで、物価の今後の予想自体にはあまり変化はない。

そして、今後の日銀の方針は、「経済・物価の見通しとその蓋然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、それらに応じて機動的に金融政策運営を行っていく」として7月からの変更はない。

つまり、国際金融市場で危機的な状況となり、その影響もあって日本経済も7月に比べ悪化を示してきているが、日銀としての基本的な方向性には大きな変化はなく、つまりは金融政策についても、当面は現状維持の姿勢を貫くのではないかと、10月の支店長会議の挨拶からも伺えるのである。

支店長会議総裁開会挨拶要旨(2008年10月)、日銀のホームページより http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/siten0810.htm

支店長会議総裁開会挨拶要旨(2008年7月)、日銀のホームページより http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/siten0807.htm
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by nihonkokusai | 2008-10-21 14:15 | 日銀 | Comments(0)
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