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「10年物価連動国債、15年変国ともに年内発行を取りやめ」


 10月20日の夕方に、財務省は10年物価連動国債と15年変動利付国債の年内の発行を取りやめると発表した(http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/p201020.htm)。物価連動国債については、今月7日の入札日の前日夕方に、約3000億円の発行を中止していたが、さらに12月4日に予定されていた約5000億円の発行も中止し、都合8000億円の発行を中止する。

 この発行中止分の財源不足分については、20年国債の11月以降の発行予定額を毎月8000億円から9000億円への増額し、それにより今年度ベースでみると、11月から3月までで20年国債は合計5000億円増額されることになり、これに加え流動性供給入札を、11月及び12月にそれぞれ1500億円、合計3000億円行なうことで都合8000億円分を補う。

 さらに11月13日に予定されていた15年変動利付国債の6000億円の発行を来年2月に先送りされる。ただし、需給が改善されないと来年2月の10年物価連動債及び15年変動利付債の都合1.1兆円の発行を中止することも含め検討としている。

 10年物価連動国債と15年変動利付国債はいずれも投資家ニーズにやや乏しかったことに加え、ここにきての金融危機の余波で、これまで購入していた海外投資家による換金売りで急落するなどしており、需給がかなり悪化していたことに対応したものとみられる。

 同時に財務省は、買入消却予定額の増額も実施する。10年物価連動債は今年度の買入消却予定額を4500億円増額し1兆2500億円に、15年変動利付債については今年度の買入消却予定額を1000億円増額し1兆5000億円にする。また、固定利付債については今年度の買入消却予定額を2400億円減額し5600億円とすると発表された。

 この買入償却の実施も含め、債券市場では需給の悪化していた10年物価連動国債と15年変動利付国債の年内発行中止は好感されよう。さらに時価会計の一部凍結の可能性も出ており、もし「売買目的保有」から「満期保有」への変更も解禁されれば、15年変動利付国債などは保有しやすくなる。

1999年あたりから国債管理政策が本格的に進められ、国債引受シンジケート団が廃止されるなど、国債市場を取り巻く環境は大きく変わった。1999年以降、5年国債や30年、40年国債や物価連動国債、そして個人向け国債など新たにな国債が発行されたが、どの国債を存続させていくかは、市場ニーズを考慮しながら検討を加えていく必要がある。

過去に発行された2年や4年、6年の国債や割引国債などすでに発行停止されている国債もあるが、状況に応じて発行を取りやめていくことは必要であると思われる。その分、よりニーズのある国債の発行を増加させて流動性を高めていく必要もあるのではなかろうか。
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by nihonkokusai | 2008-10-21 09:41 | 国債 | Comments(0)
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